日記
イアン・バンクス『ゲームプレイヤー2章5〜6』
なんとなくの内容と感想をメモ!
5.
次のゲーム名は「形態の盤」。
5日間に渡ったゲームの結果は、グルゲーの勝利。
アザド帝国の連敗により、「あの小汚い機械が何か知恵を与えているのではないか?」と世間は騒めく。
護衛ドローンのフレール:奴らにコンピューターと言われましたよ。
グルゲー:俺なんてインチキと言われたよ。
次のゲーム名は「変化の盤」。
結果は、グルゲーの勝利。
これにより、第一シリーズ(団体戦)のゲームが終了した。第二シリーズ(個人戦)の資格を得る。
(会話)
マインド(人工知能):これからアザド帝国のゲーム省(記録のため)に、グルゲー自身の「第一原則(信条)」を登録しなければなりません。よって、こちらで信条を考えてみました。「自分には何か信仰(信条)があると思わせるが、実際には中身がない」というのは、どうでしょうか?
グルゲー:え、いやだな。矛盾してないか。
そもそも、なんでそんなことをしなきゃいけないんだ?
マインド(人工知能):帝国の人々は「あらゆる人間は味方か敵のどちらかだ」としか考えていません。彼らにとって、カルチャーのような「中立」や「どっちでもいい(信条がない)」という態度は一番理解できず、不気味で許せないのです。もしグルゲーが正直に「信条なんてない」と登録すれば、帝国はグルゲーを完全に敵とみなして激しく攻撃してくるか、脅しの材料にしてきます。だから、あらかじめ「嘘(信条があるフリ)」を登録して、帝国の倫理観をひっくり返し、彼らを揺さぶる(あるいは騙す)罠を仕掛けようと考えたのですよ。
グルゲー:つまり、非真実を述べる能力がない(嘘をつけない)AIの君が、僕に「嘘をつけ」と指示しているのか?
マインド(人工知能):はい、その通りです。グルゲーは身のために受け入れたほうがいいですよ。では、双方に満足のいくような、真実と方便の中間妥協案をこちらで作ります。(不敵に笑い通信を切る)
通信を終えたグルゲーのもとに、護衛ドローンのフレールが素顔(ボロいケースを脱いだ状態)でひょっこり現れる。(かわいい)
護衛ドローンのフレールは、さっき母船から届いたばかりの「メモ」をグルゲーに手渡す。
そこには、アザド帝国の宮殿からの招待状が書かれていた。
護衛ドローンのフレールは「行かなきゃいけないんだろうな‥」と浮かない表情(色)を出す。
おもしろいですな⌯᷄︎ ̫ ⌯᷅︎
「嘘をつく機能がない」はずの「マインド(超高度)」が、グルゲーに「アザド人をハメるために、お前が嘘の信条を語って敵を騙せ」と言うのは、裏にコンタクト(他文明干渉機関)の影がありますな。
しばらく沈黙の後、会話をする。
護衛ドローンのフレール:夜行性で鳥を捕まえる魚がここから百キロの河口に生息しているらしい‥できれば‥
グルゲー:わかったよ。明日バードウオッチングに行こう。
(和む‥。フレールかわいすぎる)
6.
翌朝、バードウオッチングの帰りに宮殿に行く。官僚から、「信条(自分はどんな信念を持ってゲームに挑むのか)を作成する際、間違っても祖国カルチャーの思想を入れるなよ」ということを、遠回しに言われた。
次のゲームは「変化の盤」。
アザド帝国で有力なゲームプレイヤーが相手になるが、グルゲーが勝つかも?
グルゲーがアザド帝国にやってくる前。
朝のニュース番組で紹介したグルゲーの情報というのは「生まれながらに労働もしたことのないどうしょうもない奴。男や女にもなれる変態。全てコンピューターに頼る自制心のない低知能のエイリアン」だった。
そのエイリアンが帝国のゲームに勝ち続けている。政府としてはおもしろくないので、パレードの途中、一般人の暴動に見せかけて暗殺を実行するが未遂に終わる。代わりに民間人が巻き込まれて死んだ。
グルゲーが助かったのは、民衆の中にいた「カルチャーの大使」のおかげだった。彼が犯人を制圧したのだ。その時、護衛ドローンのフレールは地上から離れた空からその様子を見守っていた。
その夜、グルゲーの住処に大使がやってきた。
大使は、帝国のニュース番組をみせる。そこには、他文明の惑星で異星人を制圧しているアザド人が皇帝の肖像画を掲げている姿や、皇帝がゲームに勝ち続けている様子などが流れた。グルゲー襲撃の放送時間は最も短く、警察の迅速な行動により他国の客は助かったと。
グルゲーは、アザド帝国の実情と自分がどのような扱いをされていたのかを知り、理不尽だと怒る。
(会話)
ドローンのフレール:私はこれから、ナイトバードウオッチングに行ってきますので。
大使:‥あいつ、鳥とヤッてるんじゃないだろうな?
グルゲー:それはないよ。ところで、君はどうしてそんなにお酒を飲むんだい?僕たちカルチャーの人間は、体内で快楽物質を作れるじゃないか。
大使:ははっ。この国に住むなら、この国のストレス発散法に乗っ取って気持ちよくなるべきだと思わないか?
グルゲー:思わないね。酒は、死ぬよ。何もメリットがない。
大使:そうだな。知ってるさ。でも仕方ないんだよ。アザド帝国に来る前に、俺の体内にある快楽物質は全て除去してきたんだ。
グルゲー:なんだって?!‥じゃあ君の体内では、快楽物質を作れていないのか‥?恐ろしいな。
大使:そうさ。考えてみろよ。体内で快楽物質が作れる身体をみて、アザド人がどう思う?俺の身体を解剖しようと思ったって不思議じゃないさ。
グルゲー:そうだったのか。知らなかったよ‥酒を否定してすまなかった。でも‥
大使:いいんだよ。さて、俺はそろそろ帰るかな。
(大使は帰る)
翌朝、大使が飲み干した空の酒瓶をみて、グルゲーは首を横に振る。
ここまでが第二章-6までの話です⌯᷄︎ ̫ ⌯᷅︎
いやー、わたしの性格が歪んでいるのでしょうか。カルチャーの酒呑み大使の発言は全て「嘘」だと思ってしまう。大使はアザド帝国側の人間で、グルゲーを騙すために芝居をしているようにしか見えない‥。だって、カルチャーの超高度な医療技術なら、アザド人の前でだけ機能をオフにするとか、検査を偽装するなんて朝飯前のはずでは?なのに‥わざわざ本当に除去して、アザドの安酒に溺れて「ぐへっ」となる必要はあるのだろうか‥。
仮に、大使が本心を言っているとしたら、完璧なカルチャーの人間だった彼が、アザド帝国の「泥臭いストレスや破滅の美学」に本当に毒されてしまい、「健康的に生きるよりも、自傷行為(酒)をしてでもこの野蛮な世界を楽しみたい」という人間のバグに囚われてしまった哀れな男‥という解釈になるけど‥それはあまりにも‥浅い話すぎる‥。
ああ、もしも大使が酒飲みでなければ違う味方もあった‥と思うと、お酒によって快楽物質を得る行為‥に対して私がどう思っているのか‥いやあ、時代ですね。今の時代の価値観‥健康やタイパ、自己管理を重視する視点から見ると、わざわざ体を壊すリスクのあるお酒を飲んで溺れる行為は、「百害あって一利なし(何もメリットがない)」に見えてしまう‥。まあ‥アザド人みんなが酒に溺れているわけではないのでしょうな‥。私と同じように思いながらも、周りを見渡せばみんな酒を飲んでいるので、嫌われないよう合わせている‥といったところかもしれません‥。
やっぱり大使は嘘をついてきる気がしてならない‥。「俺はアザド帝国の文化に寄り添って苦労してるんだ、だから俺を信じろ!」とグルゲーを精神的にコントロールして、コンタクト(他文明干渉機関・アザド帝国を制圧するためにグルゲーを送り込んだ機関)の作戦から目を逸らさせるための、アザド政府と仕組んだ高度な心理戦(あるいは二重スパイ)なのかもしれない‥。
