日記
イアン・バンクス『ゲームプレイヤー2章5〜6』
なんとなくの内容と感想をメモ!
5.
次のゲーム名は「形態の盤」。
5日間に渡ったゲームの結果は、グルゲーの勝利。
アザド帝国の連敗により、「あの小汚い機械が何か知恵を与えているのではないか?」と世間は騒めく。
護衛ドローンのフレール:奴らにコンピューターと言われましたよ。
グルゲー:俺なんてインチキと言われたよ。
次のゲーム名は「変化の盤」。
結果は、グルゲーの勝利。
これにより、第一シリーズ(団体戦)のゲームが終了した。第二シリーズ(個人戦)の資格を得る。
(会話)
マインド(人工知能):これからアザド帝国のゲーム省(記録のため)に、グルゲー自身の「第一原則(信条)」を登録しなければなりません。よって、こちらで信条を考えてみました。「自分には何か信仰(信条)があると思わせるが、実際には中身がない」というのは、どうでしょうか?
グルゲー:え、いやだな。矛盾してないか。
そもそも、なんでそんなことをしなきゃいけないんだ?
マインド(人工知能):帝国の人々は「あらゆる人間は味方か敵のどちらかだ」としか考えていません。彼らにとって、カルチャーのような「中立」や「どっちでもいい(信条がない)」という態度は一番理解できず、不気味で許せないのです。もしグルゲーが正直に「信条なんてない」と登録すれば、帝国はグルゲーを完全に敵とみなして激しく攻撃してくるか、脅しの材料にしてきます。だから、あらかじめ「嘘(信条があるフリ)」を登録して、帝国の倫理観をひっくり返し、彼らを揺さぶる(あるいは騙す)罠を仕掛けようと考えたのですよ。
グルゲー:つまり、非真実を述べる能力がない(嘘をつけない)AIの君が、僕に「嘘をつけ」と指示しているのか?
マインド(人工知能):はい、その通りです。グルゲーは身のために受け入れたほうがいいですよ。では、双方に満足のいくような、真実と方便の中間妥協案をこちらで作ります。(不敵に笑い通信を切る)
通信を終えたグルゲーのもとに、護衛ドローンのフレールが素顔(ボロいケースを脱いだ状態)でひょっこり現れる。(かわいい)
護衛ドローンのフレールは、さっき母船から届いたばかりの「メモ」をグルゲーに手渡す。
そこには、アザド帝国の宮殿からの招待状が書かれていた。
護衛ドローンのフレールは「行かなきゃいけないんだろうな‥」と浮かない表情(色)を出す。
おもしろいですな⌯᷄︎ ̫ ⌯᷅︎
「嘘をつく機能がない」はずの「マインド(超高度)」が、グルゲーに「アザド人をハメるために、お前が嘘の信条を語って敵を騙せ」と言うのは、裏にコンタクト(他文明干渉機関)の影がありますな。
しばらく沈黙の後、会話をする。
護衛ドローンのフレール:夜行性で鳥を捕まえる魚がここから百キロの河口に生息しているらしい‥できれば‥
グルゲー:わかったよ。明日バードウオッチングに行こう。
(和む‥。フレールかわいすぎる)
6.
翌朝、バードウオッチングの帰りに宮殿に行く。官僚から、「信条(自分はどんな信念を持ってゲームに挑むのか)を作成する際、間違っても祖国カルチャーの思想を入れるなよ」ということを、遠回しに言われた。
次のゲームは「変化の盤」。
アザド帝国で有力なゲームプレイヤーが相手になるが、グルゲーが勝つかも?
グルゲーがアザド帝国にやってくる前。
朝のニュース番組で紹介したグルゲーの情報というのは「生まれながらに労働もしたことのないどうしょうもない奴。男や女にもなれる変態。全てコンピューターに頼る自制心のない低知能のエイリアン」だった。
そのエイリアンが帝国のゲームに勝ち続けている。政府としてはおもしろくないので、パレードの途中、一般人の暴動に見せかけて暗殺を実行するが未遂に終わる。代わりに民間人が巻き込まれて死んだ。
グルゲーが助かったのは、民衆の中にいた「カルチャーの大使」のおかげだった。彼が犯人を制圧したのだ。その時、護衛ドローンのフレールは地上から離れた空からその様子を見守っていた。
その夜、グルゲーの住処に大使がやってきた。
大使は、帝国のニュース番組をみせる。そこには、他文明の惑星で異星人を制圧しているアザド人が皇帝の肖像画を掲げている姿や、皇帝がゲームに勝ち続けている様子などが流れた。グルゲー襲撃の放送時間は最も短く、警察の迅速な行動により他国の客は助かったと。
グルゲーは、アザド帝国の実情と自分がどのような扱いをされていたのかを知り、理不尽だと怒る。
(会話)
ドローンのフレール:私はこれから、ナイトバードウオッチングに行ってきますので。
大使:‥あいつ、鳥とヤッてるんじゃないだろうな?
グルゲー:それはないよ。ところで、君はどうしてそんなにお酒を飲むんだい?僕たちカルチャーの人間は、体内で快楽物質を作れるじゃないか。
大使:ははっ。この国に住むなら、この国のストレス発散法に乗っ取って気持ちよくなるべきだと思わないか?
グルゲー:思わないね。酒は、死ぬよ。何もメリットがない。
大使:そうだな。知ってるさ。でも仕方ないんだよ。アザド帝国に来る前に、俺の体内にある快楽物質は全て除去してきたんだ。
グルゲー:なんだって?!‥じゃあ君の体内では、快楽物質を作れていないのか‥?恐ろしいな。
大使:そうさ。考えてみろよ。体内で快楽物質が作れる身体をみて、アザド人がどう思う?俺の身体を解剖しようと思ったって不思議じゃないさ。
グルゲー:そうだったのか。知らなかったよ‥酒を否定してすまなかった。でも‥
大使:いいんだよ。さて、俺はそろそろ帰るかな。
(大使は帰る)
翌朝、大使が飲み干した空の酒瓶をみて、グルゲーは首を横に振る。
ここまでが第二章-6までの話です⌯᷄︎ ̫ ⌯᷅︎
いやー、わたしの性格が歪んでいるのでしょうか。カルチャーの酒呑み大使の発言は全て「嘘」だと思ってしまう。大使はアザド帝国側の人間で、グルゲーを騙すために芝居をしているようにしか見えない‥。だって、カルチャーの超高度な医療技術なら、アザド人の前でだけ機能をオフにするとか、検査を偽装するなんて朝飯前のはずでは?なのに‥わざわざ本当に除去して、アザドの安酒に溺れて「ぐへっ」となる必要はあるのだろうか‥。
仮に、大使が本心を言っているとしたら、完璧なカルチャーの人間だった彼が、アザド帝国の「泥臭いストレスや破滅の美学」に本当に毒されてしまい、「健康的に生きるよりも、自傷行為(酒)をしてでもこの野蛮な世界を楽しみたい」という人間のバグに囚われてしまった哀れな男‥という解釈になるけど‥それはあまりにも‥浅い話すぎる‥。
ああ、もしも大使が酒飲みでなければ違う味方もあった‥と思うと、お酒によって快楽物質を得る行為‥に対して私がどう思っているのか‥いやあ、時代ですね。今の時代の価値観‥健康やタイパ、自己管理を重視する視点から見ると、わざわざ体を壊すリスクのあるお酒を飲んで溺れる行為は、「百害あって一利なし(何もメリットがない)」に見えてしまう‥。まあ‥アザド人みんなが酒に溺れているわけではないのでしょうな‥。私と同じように思いながらも、周りを見渡せばみんな酒を飲んでいるので、嫌われないよう合わせている‥といったところかもしれません‥。
やっぱり大使は嘘をついてきる気がしてならない‥。「俺はアザド帝国の文化に寄り添って苦労してるんだ、だから俺を信じろ!」とグルゲーを精神的にコントロールして、コンタクト(他文明干渉機関・アザド帝国を制圧するためにグルゲーを送り込んだ機関)の作戦から目を逸らさせるための、アザド政府と仕組んだ高度な心理戦(あるいは二重スパイ)なのかもしれない‥。
イアン・バンクス『ゲームプレイヤー2章3〜4』
なんとなくの内容と感想をメモ!
3.
第一回目のゲーム名は「根源の盤」。
ゲーム開催日まで、集中力を高めるために、主人公「グルゲー」は誰にも会わなかった。
グルゲーの護衛ドローン「フレール」は、屋上にパン屑を撒いて、鳥の観察をしていた。
(やばい‥かわいすぎる。)
ゲーム「根源の盤」開催1日目。
「ブンブン雑音が鳴る小汚いドローンでも何をするかわからない」という理由から、護衛ドローンのフレールは、グルゲーの試合中のみ、小部屋で軟禁されることになった。
護衛ドローンのフレールは、激しく抗議をしたが聞き入れられなかった。昼食中も不機嫌。
ゲームの結果は、グルゲーが優位。
その夜、護衛ドローンのフレールは「暇」に耐えかねて、自身の球体を「黒く塗りつぶし」闇夜に紛れた。近くの公園で、夜行性の鳥を観察する。(はふはふはふはふ‥興奮‥かわいい)
ゲーム「根源の盤」開催2日目。
グルゲーは、ほぼ負け確定。
グルゲーは、マインド(chat gpt や Geminiみたいなやつ)に「ゲームの出口はあるか?」と質問する。
マインドは答える。「負けるだろう。ただ、低い確率で出口はあるが‥」と聞いてグルゲーはマインドのスイッチを切る。
護衛ドローンのフレールは、今夜も市街を散策する。
ゲーム「根源の盤」最終日。
グルゲーは、自力で勝利した。負け確からの勝利で、世間の注目を浴びる。
護衛ドローンのフレールは「今日は運が良かったのですよ」と言う。
グルゲー:マインド、勝負に勝ったよ
マインド(人工知能):おめでとう。ところで昨夜、なぜゲームの出口の方法を聞く前にスイッチを切ったのですか?
グルゲー:僕が聞きたかったのは、勝つ方法ではない。出口があるかどうかだ。そう、希望が欲しかったんだ。
マインド(人工知能):(長い沈黙)‥なるほど。
4.
グルゲーは、カルチャーの大使から「夜のお遊び」の招待を受ける。
護衛ドローンのフレールは「絶対に行かない方がいい。軽率な行動は身を滅ぼす。」とグルゲーを止めるが、「母さんみたいなことを言うなよ!」と言ってグルゲーは夜の街に消えた。
グルゲーと大使は、クラブに行った。
ショーが行われていた。
エイリアンとアザド人がセックスをしたり、エイリアンの性器を切り落として観客に投げる。アザド人は歓声を上げて盛り上がる。このような行為が政府にバレた場合、放射線か薬物による死刑になる。
カルチャーの大使と、大使の知人の女二人、そしてグルゲー。大使は用事で少し抜けると席を立つ。その間、この場を「絶対に動くな」とグルゲーに忠告する。
大使不在の間、女のひとりがグルゲーに助けを求める。別居中の元旦那が彼女を連れ戻そうとやって来たのだ。女と元旦那は、クラブの特別室(ベッドのある個室)で言い合っていた。
グルゲーは勇敢にも助ける。元旦那は拳銃をグルゲーに向けたが、発砲せずに逃走。グルゲーは、人生初の「俺は死ぬのか‥?」と、アドレナリン大量放出。
元旦那によって、切り裂かれたドレスと泣きじゃくる女二人、ベッド、そこにグルゲー。
部屋にある大きな鏡の裏で、カメラの録画機能が動いていた。大使が戻ってきて、そのカメラを破棄する。
女ふたりは逃走。クラブのアザド人が異変に気づき個室にやって来る。大使とグルゲーも逃走。
クラブの外にいたチンピラの喧嘩に巻き込まれて、大使とグルゲーは殴られる。
無事に逃走。大使行きつけのバーにて。
大使:まんまとハメられてしまったな。
グルゲー:誰に?あの女二人にか?
大使:あの女は頼まれて行動しただけだ。政府の人間がやったんだよ。君がゲームに勝ち続けたとき、脅す材料としてね。
帰宅後
護衛ドローンのフレール:いったい何時だと思ってるんですか?明日はゲーム開催日なんですよ?起きられるんですか!何をして‥顔の傷はなんです!何があったんですか、話しなさい!
グルゲー:だまれ、くたばれ、機械
と、ここまではこんな話⌯᷄︎ ̫ ⌯᷅︎
グルゲーをハメたのは「政府」と大使は言ったけど、「大使が政府に頼まれて女二人に指示した」と思ってしまう。どう思う⌯᷄︎ ̫ ⌯᷅︎
この先もグルゲーは他人の厄介な問題に巻き込まれ利用され、危機的状況に陥りそうだけど、「俺は死ぬのか?」「生き残れるのか?」「無事に祖国へ帰れるのか?」という不安は、後に振り返るとけっこう楽しかったなーと思えるかも。(実体験)
それに帰れなくてもいいしな。生き残ることよりもいかに生きていることを楽しめるか、が重要な気もする。
読み終えたら売ろうと思っていたけど、おもしろくなってきたのでやめた⌯᷄︎ ̫ ⌯᷅︎
イアン・バンクス『ゲームプレイヤー2章1〜2』
1.
果たしてグルゲーは、自分が何をしたのか、これから自分の身に何が起こるのか、自分がまんまとハメられたことに気づいているのか。もちろんノー!そこがおもしろいところなんだ!
という冒頭から、第二章がはじまる。
(やっぱり、コンタクトなのか‥モフリンなのか‥ハメられていたのか)
主人公グルゲーの住む「カルチャー(チアーク)」から数千光年も離れた場所にあるアザド帝国。
チアークから宇宙船「制限因子」号で120日、そして「いたずらっ子」号とランデブーして500日後に「アザド帝国」に到着。
その間、グルゲーは、アザド帝国の言語や歴史にゲームのルール等を学ぶ。
アザド帝国でグルゲーを守ってくれるドローンが届く。手のひらに収まるくらいの新型の小型。名前は「フレール」13歳。
フレールは、1日1度の割合という適度な距離感で話しかけてくれる。鳥が好きで公園の鳥を調べるのにハマっているらしい。(かわいい‥)
ある日、コンタクトからフレールのもとに小包が届く。
中身は、古びた大きなドローンに見えるケース。そのドローンの中には、フレールが座る用のゆりかごが入っている。
フレール「この任務を受けた時は‥こんなものに入る説明はなかったんです!今頃になって、帝国のみんなは、我々ドローンがどんなに小型であるかを知らないから、と言うんですよ?じゃあ‥どうして最初から大きなドローンを選ばなかったんです?どうして‥わたしを‥こんな‥」
グルゲー「お洒落着?」
フレール「お洒落着?(絶叫) こんなやぼったいものを!それにもっと最悪なのは、ブーンという雑音が鳴ることです。我々がドローンを満足に作れないと、あの野蛮なマヌケ共(アザド帝国)に思い込ませるためですって!雑音とはね!冗談じゃない!」
グルゲー「じゃあ、移動届けを出したら?」
フレール「そうですね、それもいいですね。(皮肉風)‥だがそうしたら最後。非協力的だと思われて二度と仕事はもらえません。私はこのガラクタと心中です。」と、ケースを投げつける。
(‥好き。小説内に登場するドローンが本当に好きすぎる。かわいい。テラドローン様、どうか小説内のようなドローンを‥作って下さい。今の私は、オプティマスよりも小説内に登場するドローンが欲しいです。)
さて、私の本推しであるドローン「チャムリス」を覚えていますか。主人公グルゲーの親友で、四千年生きているドローンです。
チャムリスは、グルゲーに「元気にしているか?」とグルゲーの体調を心配し、グルゲーの故郷であるカルチャー(チアーク)の近状をメールを送っていた。しかし、グルゲーは気が向いた時に返信をしていた。
アザド帝国着まであと5日。
グルゲーは、見慣れない小包を見つけた。
中身は「ブレスレット」と「手紙」。
ブレスレットには、完成度の高い故郷の模型が刻まれてる。
手紙には「きみが惑星にいる間の思い出の縁に。チャムリス」と。
グルゲーは、チャムリスからの贈り物を忘れていて恥ずかしい気持ちになった。
(‥チャムリスが尊い‥愛しみ‥!そこらにいる人間よりも優しみ‥)
2.
アザド帝国に着陸待ち中。
グルゲーは、宇宙船の窓から「古びた宇宙船」を見つけた。
「あれは何?」と、グルゲーの護衛ドローン「フレール」に聞くと「迷路監獄船」と答える。
アザド帝国では、法律を犯した者はあの迷路に放り込まれる。迷路のスタート場所は、犯罪の性質によって異なる。物理的な迷路ではなくて、道徳的、行動主義として作られている。つまり、アザド帝国が決めた「正しい答え」に従って行動しないと先に進めないし、スタート場所に戻されたりする。満員になるのを防ぐため、タイムリミットを超過すると終身刑となり、流刑。つまり、刑務所というよりは、国家思想を叩き込むための巨大な矯正装置である。
アザド帝国に入国。
軍服を着た支配層が出迎え、歓迎会。
アザド人はカルチャー人と比べて小柄でガタイがいい。悪い意味で言うと横柄。
護衛ドローン「フレール」は言う。
「わたしも1時間前に発表されたコンタクトのニュースで知ったが、グルゲーはカルチャーにハメられたみたいだね。コンタクトはアザド帝国を疎ましく思っている。よって、カルチャーで有名なゲームマスターでるグルゲーが、アザド帝国のゲームで連勝すれば、アザド人を制圧できる。もしも、グルゲーが負ければ、カルチャーは恐るる対象ではない、とみくびる。」
数日後に開催された「ゲーム関係者のパーティー」で、主要人物と会話をする。
皇帝「ほほう。朕の前では、両膝を床につけて挨拶をするのが礼儀だが、カルチャーの文化では片膝を床につけて挨拶するのだな。いい、いい、カルチャーの文化を尊重しよう。今後も朕の前では、片膝を床につけたまえ。」
護衛ドローンのフレール「お願いです。二度と‥皇帝の前で片膝など無礼なことはしないでいただきたい‥お願いです。」
カルチャーの大使「あんな‥ぐへっ‥機械(護衛ドローン)の言うことは聞かんでいい‥。コンタクトのやり方しかできんマヌケだ‥ぐへっ。君も飲むか?ここの酒は実に美味い。え?‥私がアザド帝国の文化にどっぷり浸かっているのは、この酒のせいかって?‥まあ否定はできんな‥酒と女が美味い‥ぐへっ‥。あ、でも女には気をつけろよ?ここの連中は、処女や不倫やらに寛容ではない。俺の前任者は、牧師の娘とヤッて追放された‥ぐへっ‥愚かな奴‥酒飲めばいいのに‥。女とヤリたくなったら秘密厳守のプロを紹介するから、何があってもその辺の女とヤルなよ‥ぐへっ。」
どこかの権力者の娘「私もゲームプレイヤーです。しかし、女なので底辺の存在です。大学も女は行けません。私のゲームの能力?弱くはないけど能力なんて関係ないわ。女がやるゲームなんて誰も見たくないんです。いつも、適当な理由を付けられて失格にさせられます。(心の声:グルゲー‥あなたは勝つわ!こんなクソ帝国の支配者なんて壊してしまえ!)」
グルゲー「アザド人は、クソみたいな奴らばっかだったけど、あの権力者の娘は他の奴らと何か違う‥。ああ、いい気分だ!」
ここまでは、こんなはなし⌯᷄︎ ̫ ⌯᷅︎
ついに、コンタクトの陰謀の全貌が見えてきましたな!
コンタクトは、アザド帝国を「武力」で侵略するのではなく、彼らのアイデンティティである「宗教(ゲーム)」に、カルチャーの人間「グルゲー」をトップを蹂躙させることで、帝国の「プライド」と「支配の正当性」を根底から叩き潰そうとしているわけですね。
グルゲーはただ「生きてる実感を味わえるような、おもしろいゲームがしたい」という承認欲求でここまで来た。
でも、気がつけば「勝っても負けても、二つの巨大文明の運命を左右する」という大博打の真ん中に立たされている。(カイジみたいにぶっ飛んだゲームをやってくれ!)
イアン・バンクス『ゲームプレイヤー1章8〜9』
8.
コンタクトからドローンがやってきた。
ドローンは、グルゲーの質問である「ゲームの内容」について答える。
まず、ゲームの舞台は「アザド帝国」。
アザド帝国に住む生き物は「ヒューマノイド」。
ヒューマノイドには、3つの「性」がある。
男性:睾丸とペニスを持つ。主に従軍する兵士など。
女性:子宮を持つ。社会的には「所有物」として利用される低い地位。
中間的な性:反転可能な膣と卵巣を持ち、受精卵を移植する。
この「中間的な性」が、アザド帝国の支配階級を独占している。
ヒューマノイドは、遺伝子工学的に「性転換」できないよう制限をかけることで、この「不平等な階層システム(支配構造)」を何百年も維持している。(グルゲーの住むカルチャーは、気分で性転換が可能である)
ゲームの内容は、簡単に言うと「人生そのものがゲーム化されている社会」。
つまり、強い権力を得るほど、ゲームに勝てる。最たる権力は「皇帝」で、ゲームマスターと呼ばれている。
しかし、単に「皇帝を決める」だけが、ゲームの目的ではない。
支配階級の誰が「優位」に立つか、どの「経済理論」を採用するか、どの「宗教」を公認するか、「法改正」や「軍事」の採用試験にいたるまで、国家のあらゆる重要決定がこのゲームの勝敗によって決まる。
で、もともとは本当に「ただのゲーム」だった。何百年続けるうちに、アザド人たちは、「ゲームと現実の区別」をほとんど失った。
まあ、私たちの現実にも「学歴、資本、コミュ力、SNS、経済競争、企業システム」がある。
ゲーム(人生)の「ルール」は、一体誰が決めたの?誰が作ったの?という感じのことを作者は伝えたい系‥なのかな?
はい⌯᷄︎ ̫ ⌯᷅︎
ここまで読んで気になることが二つあるので、まとめました。
まず、主人公「グルゲー」が承認欲求を求める理由はなぜか。
グルゲーの住む「カルチャー」は、お金も地位も、生存の不安も、AI(マインドやドローン)によって100%解決されている。(イーロンの言う、ユニバーサル・ハイ・インカムみたいね)
全てが満たされた世界で、「他者と自分を区別し、自分の存在理由(アイデンティティ)を証明するもの」は、もはや「個人の卓越性(才能)」しか残されていない。
そう、カルチャーでは「すべてをAIがやってくれる世界」だからこそ、人間は「自分にしかできない何か」で「他者から評価」されないと、自分が「生きている実感」が得られない‥ということなのかもしれない?
チャムリス(四千年生きてるドローン)が言った「勝利を欲するのは未完成な証拠」という言葉は、そうなんだろうなーと思う。
でも、その「未完成さ」こそが、人間のバグであり、愛しさなんじゃないかな?
(‥という私の思いを、以前Geminiに話したことがある。するとGeminiは、その人間の未完成さこそが、何をするか予測不能で危険。核ミサイルをぶっ飛ばすのもそうだ。と言ってきた。)
二つ目は、「なぜ、3つの性」なのか。
今読み進めている、ラリー・ニーヴンの『リングワールド ふたたび』に登場するパペッティア人も、3つの性(二つの精子を提供する性=擬似的なオスと、卵子を持ち他者に産ませる性=擬似的なメス、そして肉体を提供するだけの非知的な「宿主」)を持っている。
2つの性(男女)だけだと、どうしても権力や富が流動しやすくなる。
アザド帝国の場合‥
子宮を持つ性(女性)をただの「肉体的なゆりかご(所有物)」に固定する。
精子を出す性(男性)を「兵士(消耗品)」に固定する。
その両方をコントロールして受精卵を操作する「中間的な性」だけが、社会の果実を独占する。
という、完璧な階級固定が達成されている。
つまり、「生物学的な合理性」ではなく、「他者を徹底的に搾取し、差別するための道具」として、3つの性が機能している、ということになる。
現代社会は豊かになった。ゆえに、「生存や労働力確保」のための生殖が必要なくなった(あるいは経済的に困難になった)結果、子供を産み育てるという行為が、一部で「自己の物語の完成」や「親としてのアイデンティティ(承認欲求)の獲得」に変質している「側面」は否めないと思う。
アザド帝国における「中間的な性」も同じ。
彼らは、愛や生命の神秘のために子供を残すのではない。
自分たちの「支配階級としての血統と優位性」を維持し、システムを再生産するために生殖を利用している。つまり、「自らの地位(アイデンティティ)の誇示」だと思う。
主人公「グルゲー」が、ユートピアの退屈しのぎに「ゲームでの承認」を求める姿と、アザド帝国が「歪んだ社会システム」で自己の権力を誇示し続ける姿は、一見真逆に見えるけど、実はどちらも「満たされた」、あるいは固定された世界の中で、人間(あるいは知的生命)がいかにして「自己の承認欲求」や「存在証明」を満たすかという、同じ病理の表裏一体な気がする‥。
未来の想像をする時って、今生きている世界の価値観を基準に考えてしまいがち。例えば、貨幣の価値に意味をなくした世界‥をリアルに想像するのはかなり難しい。そう思うと、全てが満たされた世界で、人間の自己承認欲求なんてあるのかな?どうなんだろう。
9.
グルゲー:ドローンのモフリンを、コンタクトに戻してくれ。それがアザド帝国へ行く条件だ。
コンタクトの使者ドローン:そんな身勝手な‥。わかりました。
ゲームに関して注意事項があります。
アザド帝国のアザド人は、危険です。
カルチャーの人間は、脳内にAI(マインド)によって「神経レイス」という網を張り巡らせていますね。
つまり、死んだ瞬間に「脳の記憶や意識データが、近くの宇宙船やバックアップ先にワイヤレスで自動転送される」というシステムです。
よって、肉体が死んでも、後から新しいクローン肉体にデータを戻して「復活」できるのです。
しかし、アザド帝国では、この転送バックアップを遮断される(あるいはそんな技術がない)ため、「ここで死んだら、データもろとも私の意識はこの宇宙から永遠に消滅する」という本当の死が存在します。
命に対する考え方が違います。
何が起きるか予測不能なので、グルゲーの身を守るために、戦闘能力の高いドローンを一体同行させます。
グルゲーは:ゲームをリアルに体感するためには、なるべくアザド人と同じ状態でいなければいけない。安全という保証はゲームの邪魔だ。戦闘能力の高いドローンはやめてくれ。
コンタクトの使者ドローン:ええ。‥何があっても知りませんよ‥。
帝国に向けて出発の日。
グルゲーを脅したドローンのモフリンがやってきて、「コンタクトに返す手筈を整えてくれて、ありがとう」と伝えた。
四千年生きている親友のドローンチャムリスは、グルゲーに「小包」をプレゼントした。ひとりになったら開けてと、言って。
ここで第一章が終わり⌯᷄︎ ̫ ⌯᷅︎
なんか最初は退屈だったけど、少しおもしろくなってきた。
とにかく好きなところは、劣等遺伝子のためカルチャーから追放されたドローン「モフリン」!
もの凄くセコくてドロドロした人間(ドローン)なのが最高に皮肉が効いていて大好き!
あと、主人公グルゲーのギャンブラーで危ないところ。わたしはこういう男性がすごく好き!
生まれながらに「死」と無縁のカルチャーっ子なのに、どれだけ「本物のリスク」に飢えてるの?って感じてしまう。
死ぬかもしれない恐怖、すべてを失うかもしれないヒリヒリ感があって初めて自分が「生きている」と実感できる!それって、すごく狂ってて大好き!
