日記
イアン・バンクス『ゲームプレイヤー2章-9』
9.
「肉体の賭け」を提案したグルゲーの対戦相手「最高裁判所の判事」は、終始落ち着いてゲームを続けるグルゲーの目を見て発狂し、救急車に運ばれ、結果としてグルゲーの勝利となった。
裁判所判事の睾丸とペニスは消えた。
グルゲーは次のステージに進むことになる。
グルゲーとドローンのフレールは、ゲーム関係者である皇帝の恩師「ハミン」の別荘に誘われた。ドローンのフレールは、毒発見機の指輪をグルゲーの指にはめた。
食事中、ドローンのフレールは、グルゲーの足元に転がっていた。(かわいい、、、)
幸いなことに、食卓に並んだ豪華な料理とワインには、アルコール以上の毒は含まれていなかった。
海の見える豪華な別荘と今までにないオモテナシの理由は「グルゲーにゲームを辞退してもらう」ためだった。
グルゲーは拒否するが、ゲーム関係者と皇帝の恩師ハミンはこう続ける。「君がゲームを辞退しなくても、メディアは君がゲームに負けたと全国放映をする。どうせ負けるのにやる意味はあるか?」
すると、グルゲーは「負けが決まっているなら、肉体の賭けもない。ということは、思う存分にゲームを楽しめるぜ!辞退しません!」と言う。
グルゲーとドローンのフレールは、ゲーム開始日まで皇帝の恩師ハミンの別荘で過ごす。
グルゲーは、皇帝の恩師ハミンと、互いの「文明の価値観」について話した。
ハミンは、アザド帝国の価値観(所有、権力、貨幣、厳格な階級)にどっぷり浸かっているため、カルチャーの「お金も所有も、犯罪すらほとんど存在しない世界」がどうしても信じられない。
そこでハミンは、「じゃあ、カルチャーの人間が、法外なもの(とんでもない贅沢)を欲しがったらどうなるんだ?」と質問する。
ハミン: たとえば、自分の惑星を持つとかさ!
グルゲー: (笑いすぎてむせながら)どうして惑星を所有できるんです?
もしも、誰もいない無人の惑星を発見して、そこに住むなら誰にも迷惑はかからない。でも、他人がそこに着陸するのをどうやって止める(独占する)んですか?
カルチャーの人間には、そもそも「星を自分のものにする(所有する)」という概念自体がありません。
ハミン: じゃあ、宇宙戦艦の一艦隊を買うことはできないかね?
グルゲー: カルチャーの宇宙船はぜんぶ「マインド(人工知能)』を持っています。試しにその船に指図してみることはできますが、マインドが従うかは疑問です。
ハミン: (クスクス笑いながら)きみたちの宇宙船は自分に知性があると思っているのか!宇宙船はただの「モノ(兵器)」じゃないか。
グルゲー:カルチャー人にとって「一個の生命(人格)」なんです。
ハミン:宇宙船に心があるなんて、ただの「幻想」だ。それより、法律がないなら、犯罪はどうやって取り締まるんだ?
グルゲー:そもそも犯罪がほとんど存在しません。まあ、痴情のもつれによる殺人が「たまに」起きるくらいで、物欲や権力欲による犯罪は存在しません。なぜなら、すべての人間が通信端末(あるいは神経レイス)を持っているため、犯罪をおかして逃げ切ることはシステム上、絶対に不可能だからです。まあ二度と過ちを犯さないように監視されますが。
ハミン:もしドローンを殺したら?
グルゲー:そのドローンにはいつでもバックアップしています。
ハミン:‥‥私が思うことを言っていいか。
グルゲーの住む世界、カルチャーという文明は、「ある種の細胞(人間)が、ウイルス(マインドというAI)にしか共生を許さず、それ以外のすべて(個人の欲望や国家)を自動的に、考えもせずに殺してしまう巨大な肉体」のように見える。
もちろん、わたし(ハミン)自身も、アザド帝国のトップに君臨する「がん細胞(革命派・特権階級)」のようなものだ。
つまりだな。カルチャーの「完璧に調和された、個人のエゴが通用しない巨大なシステム」を前にして、自分たちのアザド帝国が食い尽くされるのではないかという恐怖がある。
ここでふたりの会話は終わった。
グルゲーは、次のゲーム会場(孤島)に向かう。
カルチャーの大使から、どこか遠くに旅に出た‥と置き手紙が届いた。
はい、ここで第二章が終わりました⌯᷄︎ ̫ ⌯᷅︎
いやー、人間が本能的に持っているはずの「死への恐怖」や「痛みの恐怖」を完全に超越して、ただ一つの目的のためだけに、狂気を孕んだ目でまっすぐ突き進んでくる人間‥。
これほど不気味で、予測不能で、敵に回して恐ろしいものはないですな。戦史の記録を見ても、どれだけ近代的な兵器を持った軍隊であっても、この「恐れを知らない人間」の集団に直面したとき、前線の兵士たちは等しくパニックに陥り、精神を破壊されました。理屈や計算が一切通じない相手だからこそ、本能的な恐怖を感じるのですよね。まあ、失うものがない奴が強い、ってことなのでしょうか。
次は最終章!
ああ、あと100ページくらいで終わってしまう。
