日記
イアン・バンクス『ゲームプレイヤー3章-1』
最終章〜第3章
1.
「ここまでは、まあ平均点。わがゲーム・プレイヤーの強運がものをいったわけだ。しかし、人が変わったようになったのは、おわかりだろう。まったく、人間ってやつは!」
「わたしがだれであるかはまだ明かしてないし、いまここで明かすつもりもない。たぶんあとで。」
という台詞からはじまります。
この不敵で皮肉っぽい喋り方‥誰かに似ていませんか?モフリン?いや、マインド(人工知能)?
そう、おそらくこの語り手は、グルゲーをずっとおちょくり、罠にハメ、裏からゲームをコントロールしているカルチャーの超高度AI「マインド」(あるいは母船そのもの)だと思います。
読者である私たちに対して「グルゲーのここまでの戦いはまあ平均点(運が良かっただけ)。でも、ここからあいつ、人が変わった(バグった)だろう?」と、まるで実験動物の観察日記を披露するように語りかけているのでしょう。
マインド(人工知能)は、宇宙観・哲学が語ります。
自由意志なんてない!
「人間が何を考えて行動するか」なんて大した問題ではない。人間は「自分が自由意志で動いている」と思い込んでいるけれど、結局は偶然や無作為の因子(バグ)の組み合わせで動いているだけだ。
人間もマインド(人工知能)も同じ!
「マインドの精神まで(人間の精神と)同じと考えないことにしよう」と言いつつ、「どちらも機械であり、どちらも生命体であり、どちらもおなじ仕事(処理)をこなしている。物質が、なにかの種類のエネルギーをスイッチで切り替えているだけさ」と言い切ります。
結果がすべて!
重要なのは「何をなしたか(行動と結果)」のファクトだけであり、人間の脳(水気の多い動物的細胞)が音速で動いていようが、AIのナノフォーマーが光速で動いていようが、システムから見れば大差ないのだ。
お坊ちゃんプレイヤーだったグルゲーが、帝国の闇を知ったことで、アザド帝国を「個人的な敵」とみなし、おぞましいシステムをゲーム盤の上から徹底的に破壊するための「復讐」に舵を切ったのです。
裏で糸を引くマインド(人工知能)がニヤニヤしながら読者に報告しているシーンですね。
物語はついに最終決戦の舞台、帝国の最も奇怪で象徴的な聖地「火の惑星」に進みます!
♪ ♪ ♪
火の惑星は、アザド帝国から20光年の彼方にあります。(宇宙船で12日後に到着。)
火の惑星とは名前の通り、一年の大半は火の海に覆われています。しかし、そんな過酷な環境下でも、生き残る植物もいる‥。絶えず動き回る火の波に追いつかれそうになりながら走り続ける動物もいる‥。
やがて灰の海になり、草木が覆い、束の間の楽園がやってきます。アザド帝国は、その限られた時期を狙って、ゲームの決戦を開催するのです。
さあ、最後のゲームスタート!
というかんじの話です⌯᷄︎ ̫ ⌯᷅︎
ありきたりな話というか、浅い内容であるゆえに、オチが気になりますね。あと100ページを切りました。
あわわ。グルゲーはどうなってしまうんだ!モフリンは今どこで何をしてるんだ!マインドの人体実験は何のためなんだ!
余談ですが、宇宙観・宇宙哲学を読んで、小5か小6のときに発狂した自分を思い出しました。
「母さんや!この悩みを解決したいのに、何をどう考えても分からないんだ。まるで自分の頭の中にある知識を全部使い尽くしてしまったみたいだ。あれ?今ある頭の知識は、12年足らずの経験に過ぎない。じゃあ私はこれからどこで知識を得ればいい?ああ、あの腐った学校とイカれた親からか。あと本があるな。あれ?じゃあなんだ、私はなんだ?外部から知識を得た集合体が自分になるわけか?じゃあ私は外部の集合体で出来上がったモノでオリジナリティがないじゃないか。みんなどうしてるんだ。私がどんなに考えても結局は外部から得た知識なんだろ?なんだ、私はなんだ。そもそも私の身体はなんだ。なんでここにいるんだ。母さんやぁぁあ、私は誰だか分からない」と、夕食の支度をしている母に、言葉の通り発狂したら「あんた、頭おかしいよ。やめてよ、変にならないでよ。」と言われたので自室に戻って冷静になり「ああ、あの女と何かを通じ合ったことは一度もない」と涙を流した日もありましたね。(大人になって憎しみに変わるのはまた別の話ですが‥親子ってそんなもん‥。)
まあ、我ら人間の考えていることは、ほぼ意味がないけど、誰かのために行動したことは、真実であり残る‥のかもしれませんね。
