足裏吉田

日記

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イアン・バンクス『ゲームプレイヤー3章-3』

2026 / 06 / 19  23:13
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3.

何かの「物体」が頭に衝突して、気を失っていたグルゲーは、自室で目を覚ました。

 

顔の上を飛んでいるのはドローンのフレールだが、グルゲーは「脳震盪」を起こしていてドローンのことがよく分からず記憶が曖昧になるが、徐々に回復しはじめる。

 

ドローンのフレールによると、「グルゲーの頭に衝突したのは、火の惑星の動物です。その動物はヨモナルにも襲いかかり‥そして、グルゲーがヨモナルに発砲した様子も録画されています。」

 

「誰かが、ヨモナルの外骨格を乗っ取っていたようです。皇帝が会いたがっています。しかしグルゲー、あなたは嘘をつかねばなりません。もう少し体調が復活してから‥はいはい、わかりました、行きますよ。」

 

病み上がりのグルゲーは、ドローンのフレールの忠告を無視して皇帝と会う。

 

皇帝は謝罪と事件の真相を話す。

「朕は申し訳ないと思っている。首謀者は、朕の恩師であるハミンであった。ハミンが服用している長寿薬を没収したので彼は4〜50日後に死ぬであろう。それよか、朕はグルゲーとゲームがしたい。」

 

グルゲーも「皇帝とゲームをしたい」という意志を伝え、その場を去った。

 

グルゲーが自室に戻ると、ドローンのフレールが皮肉なしでこんな発言をするので驚く。「大丈夫ですよ。何かの時は、私があなたを守りますから。」

 

(むむむ。外骨格を乗っ取ったのは、マインドではないか‥?グルゲーに「皇帝とのゲームを辞退するよう説得した」皇帝の恩師ハミンは、皇帝にとって邪魔だったのでは‥?皇帝はゲーム盤でグルゲーを倒すことで自身の力を示せるのだから‥)

 

翌日は、皇帝とのゲーム初日。

 

グルゲーは「自分の中にあるナニカが消えてしまったことに気づく。その消えてしまったナニカがゲームに重要な気がするのに‥」とモヤモヤ。

 

今日のゲームは終わって自室に戻ると、ドローンのフレールはこう言う。「部屋に取り付けられていたアザド帝国の盗聴器機能を消しました。専門じゃないので苦労しましたよ。これで、グルゲーの故郷であるマレイン語を話しても大丈夫ですよ。ああ、もっと喜んでくれると思ったのにな。」

 

グルゲーは、懐かしき響きのマレイン語でドローンのフレールと夜通し話した。

 

翌日、皇帝とのゲーム再開。

 

ここで、ゲームの勝率を話そう。

たぶん、グルゲーが勝つ。

 

なぜグルゲーの勝利がほぼ決まっているのか。

それは、グルゲーが「アザド帝国そのものの正体を理解した」からだろう。

 

簡潔にまとめると、皇帝のゲームスタイルは「アザド帝国の思想」そのものである。(勝利、支配、序列、強者が弱者を従わせる、中央集権的)

 

一方グルゲーは、カルチャーの思想(流動的、柔軟、多様、自己組織化)を戦略としてゲームを進めた。

 

要は、カルチャーという国の思想にアザド帝国が負けそう‥皇帝の人生観そのものが否定された‥という解釈にもなる。

 

そう考えると、カルチャー(マインド)がなぜ、グルゲーをアザド帝国に送り込んだのか、分かる気がする。

 

たぶんカルチャーの計画は、皇帝にゲームで勝つことによって「アザド帝国そのものを精神的に解体すること」帝国のスタイルそのものである皇帝が敗北すれば、その「統制システム」は根底から崩壊するから。

 

「やったー!俺は皇帝に勝つぞー!」と手放しに喜べないグルゲーは、わかっているのでしょう。自分が今やっていることは、ひとつの「文明を滅ぼす」一部になっているのだということを。

 

はい、ここまでが第3章-3です。