足裏吉田

日記

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イアン・バンクス「EXCESSION」全文翻訳(10)ドローンのチュート、AI搭載の巨石

2026 / 07 / 08  09:34
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モノレールは、ハビタット(居住区)の天井裏に張り巡らされた超伝導コイルの間をすり抜けながら、吊り下げられた状態で疾走していた。

 

感想:モノレール・・話の舞台は、ドローンのシセル2/2からどこかの文明社会に移られたご様子。

 

ジェナール=ホフォエンは、車両の傾斜した窓から霧に煙る眼下のフレームスケープ(構造体の景色)を見下ろした。

 

感想:おお、ホフォエン!なんか久しぶりって感じだね。

 

「ゴッズホール(神の穴)」ハビタット(カルチャーの厳密な命名法に従えば、オービタルと呼ぶにはあまりに小さすぎ、そのうえ密閉型だった)は、築1000年近くを数え、多くの文明がとっくの昔に「ファーンブレード(シダの刃)」と呼ぶことで合意した宇宙領域における、アフロントの最も古い前哨基地の一つだった。

 

感想:ほほう。舞台は、アフロント人の前哨基地なのか。前哨基地とは、まあ主要部隊とは別に、補給や偵察用の基地、みたいな感じ。

 

この小さな世界は中空のリング、すなわち直径10キロメートル、長さ2200キロメートルのチューブを円形に繋ぎ合わせた形状をしていた。超伝導コイルと電磁導波路が、この巨大な車輪の内側のリムを形成している。この構造体の動力を供給する、急速に自転する微小なブラックホールは、車輪のハブ(中心)に当たる場所に鎮座していた。円形断面の居住空間は、内側のリムから膨らんだ高圧タイヤのようであり、そのトレッド(外周面)に当たる場所には、アフロントや他の1ダースもの種族の宇宙船が行き交うガントリー(架台)やドックがぶら下がっていた。

 

感想:形状だけみると、ラリーのリングワールドを彷彿しますな。まあでも、リングワールドを何百倍も小さくして、それを完全密閉して、チューブ状にしたもの・・って感じか?

 

この一連の構造物すべてが、他には衛星を持たない褐色矮星の周囲を、遥か遠くでゆっくりと周回していた。その天体は本物の恒星になるには僅かに質量が足りなかったが、アフロントの勢力圏の継続的な拡大と統合を推し進める上で、まさにうってつけの場所に位置するという栄誉を長らく担ってきた。

 

感想:おお、まさにアフロント人の巣窟・・

 

モノレール車両は、前方の視界を完全に遮る巨大な壁に向かって突進した。レールは小さな円形の扉の中へと消えており、車両が接近するとその扉は括約筋(スフィンクター)のように開き、通過すると再び背後で閉じた。

 

感想:かっこええ!

 

短いトンネルを通過する間、車内はしばらく薄暗くなり、それから前方のもう一つの扉が広がり、車両は霧の立ち込める広大な開放空間へと飛び出した。そこでは景色が雲と靄の中にただ消え去っていた。

 

感想:テーマパークみたい。

 

ゴッズホール・ハビタットの内部は約40の個別に隔離可能なコンパートメントに区切られており、その大部分はフレーム、梁、管状の部材によるウェブ(蜘蛛の巣)状の構造で縦横に交差していた。

 

これは構造体にさらなる強度を与えるためでもあったが、アフロントの建築の基本的な細胞構成要素である「巣(ネスト)空間」の束を固定するための無数の足場を作り出すためでもあった。

 

感想:アフロント人のハビタットは、過酷な環境を好む種族のための巨大な密閉工業ワールドみたいだね。わたしは、もっと楽園っぽいハビタットに住みたいなあ。

 

ハビタットに沿って数セクションごとに、より開放的なコンパートメントが存在し、そこには何層もの雲と、いくつかの浮遊する巣空間の束、そして選りすぐりの動植物くらいしか存在していなかった。

 

これらは、アフロントが好む、主にメタン大気で構成された惑星や衛星の環境をより忠実に再現したセクションであり、アフロントたちが最大の情熱を注ぎ込む場所・・すなわち「狩猟」を行う場所だった。

 

感想:原始的な最大の娯楽は、狩猟なり。ローマ帝国のコロッセオや奴隷も。

 

車両が現在横切っているのは、これら広大な禁猟区(ゲーム・リザーブ)の一つだった。ジェナール=ホフォエンは再び見下ろしたが、狩猟が進行している様子は見えなかった。

 

感想:同じくイアンバンクスのゲームプレイヤーの主人公も、アザド帝国で同じような場面になる。

 

ハビタット全体の5分の1もの広さが狩猟空間に割かれていたが、それさえもアフロントにとっては実用性に対する多大な妥協を意味していた。

 

感想:まあ、寝て食べるくらいなら、残りはエンタメ(狩猟)に割きたいよね。

 

彼らはおそらく、狩猟空間とそれ以外を半々の割合にすることを好み、それでいて自分たちは極めて責任感があり、自己犠牲的であると考えたことだろう。

 

ジェナール=ホフォエンは、大いなる銀河文明のゲームにおいて最終的に主要なプレイヤー(インボルブド)の一角に上り詰めるような種族の発達過程で起きる、「技術の研鑽」と「気を取られること(娯楽)」のトレードオフについて、再び考えずにはいられなかった。

 

感想:イアンバンクスの小説は、本小説が2冊目だけど、主人公のキャラが同じあるある。

 

カルチャーの標準的な評価では、アフロントは狩猟にあまりにも多くの時間を費やし、宇宙を旅する責任ある種族としての業務を全うするための時間が到底足りていないとされていた(もっとも、カルチャーは十分に洗練された文明であるため、これが自らの、言うなれば主観的な見方にすぎないことも承知していた。それに、アフロントが狩猟公園で油を売り、酒宴の席で互いに狩りの武勇伝を語り合うことに時間を費やしてくれればくれるほど、彼らが銀河の自分たちの領域で暴れ回り、人々に惨い仕打ちをする時間が減るという利点もあった)。

 

感想:その、カルチャーは洗練された・・という、原始的なアフロント人とは違う格上の存在・・と、自らが神だと思い込んでるあたりが、英米小説あるあるだと毎度思うぜ。まあ、彼らが「神がそう言うのです・・!」と十字軍が何をしたか・・戦争をして世界中のあらゆるものを自分たちのものにして・・神が許してくれました・・と。おこおこおこおこ(; ・`д・´)

 

しかし、もしアフロントがこれほどまでに狩猟を愛していなかったら、彼らは果たしてアフロントであり得ただろうか? 狩猟、特にアフロントが進化させてきた三次元空間における高度な協調型の狩猟は、知性を必要とし、またそれを促すものであり、種族を宇宙へと駆り立てるのは一般的に‥例外はあるにせよ‥知性だった。

 

感想:人間の祖先である猿が、その辺に落ちている石(黒曜石)とかを使って、小動物を殺して食べたのも知性やな。

 

必要とされる常識、独創性、慈愛、そして攻撃性の配合バランスは種族ごとに異なる。おそらく、アフロントの狩猟への心酔をほんの少しでも和らげようとすれば、彼らの知性と探求心を著しく損なうことでしか実現できないのだろう。

 

感想:そうね、個性は大切です。

 

それは遊びのようなものだった。子供の頃のそれは楽しむためのものであると同時に、大人になったときのための訓練でもある。「楽しさ」とは真面目なことなのだ。

 

感想:全力で遊べる大人になる、と椎名誠や野田知佑はおっしゃってました、たしか。子供の時って、虫を殺したりするよね。

 

依然として、狩猟が進行している兆候も、獲物となる動物の群れさえも見当たらなかった。ただ、 floating plant life(浮遊植物)の薄い膜のマットや、垂直に垂れ下がる繊維がいくつか見えるだけだった。

 

感想:宇宙に行ってみたい、も遊び心なんや。

 

間違いなく、獲物となるクリーチャー自体のいくつかの種が捕食するような、より小型の動物たちが植物の膜やガス嚢にしがみついてムシャムシャと貪っているのだろうが、この距離からは靄のせいで詳細な観察が遮られ、何も見えなかった。

 

ジェナール=ホフォエンは背もたれに身を預けた。モノレール車両は人間用に作られていないため、寄りかかるべき本物の座席は存在しなかったが、ゲルフィールド・スーツが座席の感触を模倣してくれていた。

 

感想:今日もスーツ(AI)はいるのかな( ´ ▽ ` )

 

彼はいつものジレ(ベスト)を着用し、ホルスターを身につけていた。足元にはゲルフィールド製の旅行カバンがあった。彼はそれを見つめ、足の先でつついた。6000光年の往復旅行に携えていくにしては、大した荷物には見えなかった。

 

感想:必要なものなど、さほどないのさ。ドラえもんのポケット‥人工知能さえあれば‥なおのこと‥。

 

『ろくでなしどもが』

モジュール(AI)が彼の脳内で言った。

 

感想:かーわーいいーー・:*+.(( °ω° ))/.:+

 

「何がだ?」彼は尋ねた。

『何でもかんでも最後の瞬間まで引き延ばすのがお好みのようですな』モジュールは苛立った様子で言った。

 

感想:わたし「何がだ?」

 

『よろしいですか、我々が宇宙船のチャーター交渉をようやく終わらせたのは、たった今なのですよ? つまり、あなたはあと10分ほどで出発する予定なのです。この狂人どもは、一体どこまで物事を遅らせれば気が済むのですか?』

 

感想:アフロント人が時間を守れるようにみえるのか?えぇ?!

 

「船、と言ったか? 複数形か?」彼は尋ねた。

『複数形(宇宙船船団)です』モジュールは言った。

 

感想:もしかして、ここに来るの?ミートファッカー‥その名も、グレイゾーンが!

 

『彼らは、自分たちのあの忌々しいタライ(宇宙船)を3隻チャーターすることを頑なに要求してきたのです。付け加えておきますが、そのうちのどれか1隻だけでも、私を収容するには十分すぎるほどの容積があります。そこも論点の一つだったのですがね。しかし3隻ですよ! 信じられますか? 彼らの基準からすれば、実質的に艦隊(フリート)ではありませんか!』

 

感想:ああ、艦隊とな( ´ ▽ ` )目的地である黒体球(エクスクルージョン)へ一刻も早く到達するため、SC(特別事情部)の資金によってアフロントの最新鋭かつ最強の超大型戦艦を3隻も丸ごとチャーター(艦隊を雇用)したんだな。モジュールは「アフロントに大金を与えるのは、彼らの軍事的拡張を援助することになり非道徳的だ」とブツブツ文句を言っておられる。

 

「金が必要だったんだろう」

「ジェナール=ホフォエン、あなたがアフロントへの資金移動の原因になることを面白がっているのは知っていますが、あらゆる意図や目的においてそれが無関係ではない場所では、金とは力であり、金とは影響力であり、金とは結果(エフェクト)そのものであると指摘させていただきたい』

 

感想:その時代に金があるのか?今だって、お金の意味が問われている時代なのに。まあ、資源を求めるために戦争は続くだろうけどさ。艦隊も立派な資源であろうな。

 

「『金とは結果である』か」ジェナール=ホフォエンは反芻した。「それはお前の自前の格言か、スコペル=アフランクイ?」

 

感想:まあ、そうな。

 

『要するに、我々がアフロントに追加の交換手段(資金)を寄付するたびに、我々は実質的に彼らの拡張主義的な衝動の片棒を担ぐことになるのです。これは道徳的ではありません』

 

感想:カルチャーが未発達な文明をコントロールする方法は、まあ、こういうやり方。

 

「クソ喰らえだ。俺たちは奴らにオービタルの建造技術まで与えたんだぞ。それに比べりゃ、数回分のギャンブルの借金が何だってんだ?」

『あれは話が別です。彼らがこれ以上多くの惑星を乗っ取るのをやめさせるためであり、彼らが我々の作ったオービタルを信用しなかったから与えたにすぎません。それに、私はあなたのギャンブルの借金がどれほど法外であるかとか、賄賂の価格を自ら競り上げるというあなたの奇妙な悪癖について話しているのではありません。私が問題にしているのは、アフロントのノヴァ級突撃巡洋艦3隻とその乗組員を2ヶ月間雇うための費用のことです』

 

感想:雇う‥。黒球体の旅に連れて行くのか?

 

ジェナール=ホフォエンは思わず大声で笑いそうになった。「SC(特別事情部)はお前のツケにそれを回したりはしないだろう?」

『当然です。私はもっと広い視野(大局)の話をしているのです』

「一体俺にどうしろってんだ?」彼は抗議した。「これが、SCが俺に行かせたがっている場所に到達するための最速の手段なんだ。俺のせいじゃない」

『「ノー」と言うこともできたはずです』

「できたさ。そうすりゃお前は、要請されたときにカルチャーへの義務を果たさなかったって、これからの1年かそこら、俺の耳元でネチネチと小言を言い続けたはずだ」

『それがあなたの唯一の動機であったと、私は確信しておりますよ』スコペル=アフランクイは、モノレール車両が減速するのと同時に、いけしゃあしゃあと言い放った。モジュールはこれ見よがしなクリック音とともにオフラインになった。

 

感想:はっはっ。最新鋭戦艦3隻という物々しいアフロント艦隊を率いて、ホフォエンがいよいよ6000光年の彼方にある超越存在(エクセッション)へと旅立つのか!カルチャーのテンプレボーイと、野蛮と言われるアフロントの乗組員たちがどのような道中を繰り広げるのか!

 

(嫌な奴め)ジェナール=ホフォエンは、声に出さずに思った。

 

感想:声に出すとバレるものね。

 

モノレール車両はさらにいくつかのハビタットの隔壁を通過し、混雑した様相の工業セクションへと抜け出た。そこでは、建造が始まったばかりのアフロントの宇宙船の竜骨(キール)の骨組みが、靄の中から、まるで奇妙に場違いな脊椎や肋骨のコレクションのように突き出ていた。

 

それらはハビタット自体を支えるバットレス(控え壁)や円柱の巨大なフレームワークの中で、華美な装飾を凝らしたディテールを形作っていた。モノレール車両はさらに減速を続け、構造部材の一つに取り付けられたウェブ・チューブ(網状の筒)の内部で完全に停止した。そこから車両は、ほぼ自由落下(フリーフォール)に近い状態で降下し始めた。

 

車両が振動した。実際、ガタガタと音を立てていた。ジェナール=ホフォエンはカルチャーのオービタルで育ったが、そこではスポーツ用の車両や、冗談半分で自作した乗り物くらいしか振動を発生させない。通常の交通システムは、どの階に行きたいか尋ねるときや、車内の香りを変えたいか確認するとき以外は、音さえめったに立てないものだ。

 

感想:まあ、カルチャーの乗り物は完璧に制御されているゆえに、全くの無音、無振動だけど、アフロントのモノレールやエレベーターは、ガタガタと激しく音を立てて振動し、自由落下する、という。

 

モノレール車両は床を突き抜け、もう一つの巨大なハンガー(格納庫)空間へと突入した。そこでは、作りかけの宇宙船のそびえ立つ形状が、眼下に広がる細い梁の靄に包まれたフレームワークから、棘だらけの尖塔のように突き出ていた。宇宙船の刃のような船体が、すぐ側を次々とぼやけて通り過ぎていく。

 

『うひょーー!』

ゲルフィールド・スーツが歓声をあげた。

 

感想:モジュールよりもスーツが好き!スーツは楽しんでおられる( ´ ▽ ` )

 

こいつはアフロント流の自由落下を、ただただ最高のスリル(フート)だと捉えているようだった。

 

「楽しそうだな」とジェナール=ホフォエンは思った。

『もし今この乗り物がクラッシュしたら、私でさえあなたの主要な骨のほとんどがへし折れるのを防ぎきれませんからね。そのあたりを自覚していただきたいものです』とスーツが彼に告げた。

 

感想:(笑) いいじゃん、楽しんでいるだけだもんね(・ω・`)

 

「役に立つことが言えないなら、とっとと黙れ」彼はスーツに言い返した。

 

感想:上から目線のホフォエンきやい!あれ、ドローンの上から目線はかわいいのに、人間だとイラっとするのなんでだろう(´Д` )

 

また別の床が、車両を迎え撃つように急接近してきた。車両はその床を突き抜け、霧の立ち込める広大なホールへと突入した。そこでは、完成間近のアフロントの宇宙船が、まるでギザギザとした摩天楼のようにそびえ立っていた。車両は巨大な空間の床の近くで、ガタガタと音を立て、金切り声をあげながら急停車した。

 

スーツがホフォエンを支えるように彼の身体を締め付けたが、見かけ上の凄まじい追加重力(G)のせいで、彼は内臓が不快な蠢き方をするのを感じた。

 

感想:あんなことを言いながらも、守ろうとしてくれるスーツがすき!

 

それから車両は一対のエアロックを通過し、暗いトンネルをゴトゴトと進んでいった。

車両が抜けた先は、ハビタットの裏側の端だった。

 

感想:居住区の裏側の端。

 

そこでは、巨大な肋骨のような形をしたドックが、この小さな世界の緩やかな湾曲に沿って、遥か彼方まで連なっていた。あちこちから強烈な眩しい光が放たれていたが、暗闇の中にはいくつかの明るい星も輝いていた。ドックの約半分は埋まっており、アフロントの船もあれば、他のいくつかの種族の宇宙船も停泊していた。

 

感想:さぞ、美しい光景なのだろうな。

 

そして、他のすべての船を完全に圧倒していたのが、3隻の巨大で薄暗い宇宙船だった。

 

感想:カルチャーの船やな。

 

それらはどれも、ある時代の「自由落下型空中爆弾(航空爆弾)」を持ってきて、そこにさらに古い時代の「ブロードソード(幅広の剣)」「シミター(三日月刀)」「ダガー(短剣)」をこれでもかと溶接し、その結果を全長2キロメートルにまで拡大したかのような、禍々しい外観をしていた。

 

感想:アフロント人の攻撃性をデザインした宇宙船説。

 

それらは数キロ先にあるドックの架台に固定されていた。モノレール車両は向きを変え、その3隻へと向かった。

 

『「サックスライサーII(陰嚢切り二号)」「フライトスピア(恐怖の槍)」そして「キス・ザ・ブレード(刃への接吻)」号でございます』車両が再び減速し、宇宙船の球状に膨らんだ黒い巨体が星々を覆い隠していく中、スーツがアナウンスした。

 

感想:なんちゅう名前や。

 

「そいつは実に魅力的だな」とジェナール=ホフォエンは思いながら、旅行カバンを持ち上げた。彼は3隻の軍艦の船体を観察し、その船が実戦をくぐり抜けてきたベテラン(老朽艦)であることを示す損傷の痕跡を探した。

 

感想:名誉の負傷とは、その名のとおり。カルチャーの宇宙船なら、プラズマ爆風や跡を一瞬で完全修復する戦闘の傷跡を、アフロントは戦士の名誉としてあえて完璧には直さず、自慢の傷跡として残しているのだ。古傷が痛むぜ‥ってな( ´ ▽ ` )

 

痕跡は確かにあった。中央の船のスパイン(竜骨)、ブレード(翼状の刃)、そしてカーテン状の船体全体に広がっている、暗いグレーと黒の地の上に浮かぶ薄グレーの湾曲した線の繊細な網目は、おそらくプラズマ爆風をかすめるように浴びた跡だった(兵器の類いには退屈さを覚えるホフォエンでさえ、それと識別できた)。

 

その中央の船と最も手前にある船に見られる、同心円状の青あざのような、にじんだグレーの円形の紋様は、また別の兵器システムによる傷跡だった。そして3番目の船のあらゆる表面に刻まれた鋭くまっすぐな線は、さらに別の兵器がもたらした効果のように見えた。

 

感想:こう傷を直さないと、あれは〇〇文明にやられた傷か?あれは‥と、確かに勲章だな。

 

当然ながら、アフロントの宇宙船は、他のまともな先進文明の船と同様に高度な自己修復機能を備えており、船体に残された傷は「ただの見た目の問題」にすぎなかった。

 

感想:致命傷はきちんと直すアフロント人。勲章の意味を理解しているアフロント人。

 

傷の厚みは塗装の一層分ほどしかなく、宇宙船の運用能力に対する影響は無視できるほど微々たるものだ。しかし、アフロントたちは、自分たちの軍艦も‥自分たち自身がそうであるように‥戦闘がもたらす「名誉の負傷(傷跡)」を帯びているべきだと考えていた。

 

感想:わたしの名誉の傷はなんだろうか。古傷もないな。なにしろ怪我をすることがないな。

 

そのため、彼らは軍艦の自己修復メカニズムをあえて完璧な手前で停止させ、自らの戦艦が誇る輝かしい名声の由緒を、より誇示しやすいようにしていたのである。

 

感想:わかりやすいのがいちばん。

 

モノレール車両は、中央の軍艦の真下、船の腹部へと消えていく巨大な配管やチューブが林立するジャングルの真ん中で停止した。車外から聞こえるガチッという噛み合わせ音、ドスンという衝撃音、そしてシューという排気音が、すべての安全が確保されたことを告げた。シール(密閉部)から一筋の蒸気が噴き出し、車両のドアが外側へと跳ね上がった。その先には通路が続いていた。

 

アフロントの儀仗兵たちが、ピシッと直立不動の姿勢をとった。もちろん彼に対する敬意ではなく、ファイブタイドと、彼の傍らに立つ海軍指揮官(コマンダー)の制服を着たアフロントに対するものだ。

 

感想:ファイブタイト・・あのおもしろいアフロント人か・・。

 

二人は半分宙に浮き、半分歩くような格好で、パドル(鰭状の肢)を漕ぎ、ぶら下がった四肢で壁を押し、こちらに向かって進んできた。

 

「さあ、我らがゲストの到着だ!」ファイブタイドが大声で叫んだ。「ジェナール=ホフォエン、紹介しよう。『ブレードコーナー』部族、そしてこの突撃巡洋艦『キス・ザ・ブレード』号の指揮官であるキンドラマーVI世コマンダーだ。さあ人間よ、我らのちょっとした楽しい旅の準備はいいか?」

「ああ」と言って、ホフォエンは通路へと足を踏み入れた。

 

感想:それでも君を愛しているよ号といい、刀にキスしろ号・・痛みや秒力に服従する、死を受け入れる・・といった意味であろう船。

 

ウルヴァ・セイチは、まだわずか22歳だった。

 

感想:おっと、ここで物語は変わるらしい。彼女(セイチ)がアフロント人でなければな・・にやり。

 

3歳の頃から天才的な学術的超優等生として名を馳せ、ここ5年間の大学生活では連続して「最も魅力的な学生」に選ばれ、彼女の伝説的なひいおばあちゃん以来、誰よりも多くのハートを「ファージ・ロック(ファージの岩)」で打ち砕いてきた輝かしい経歴の持ち主である。

 

感想:セイチは誰だ。まあ、この流れだと、ホフォエンの任務でる女性な可能性が高いけどこの時点では分からず(´Д`)

 

そんな彼女が、卒業記念舞踏会の会場から、ドローンのチュート・ラインによって文字通り強引に連れ出されていた。

 

感想:新しいドローンさん、こんにちは。名前がいいね、チュート!

 

「チュート!」彼女は長い黒のロンググローブをはめた両手を握りしめ、顎を突き出して抗議した。彼女のハイヒールが、寄木細工の施された待合室の床にカチカチと音を立てて響いた。

 

「よくもやってくれたわね。私が一緒に踊っていたのは、信じられないほど素敵な若い男の子だったのよ! 完璧に、もうお話にならないくらいゴージャスだったの。それをあんな風に引っ張り出すなんて、一体どういうつもり?」

 

感想:盛り上がっているところ申し訳ないけど、どうしてこの時代設定で大学というものがあるんだろう。趣味なのかな。

 

彼女の背後を急いでついてきていたドローンは、彼女の前に回り込むと、舞踏会の待合室から続く古めかしい手動式の観音開きドアを開けた。そのスーツケース大のボディが、彼女のドレスのバッスル(腰の膨らみ)にカサカサと擦れた。『言葉もないほど申し訳なく思っていますよ、ウルヴァ』ドローンは彼女に言った。『ですが、お願いですから遅れないでください』

「私のバッスルに気をつけて」と彼女は言った。

『おっと、失礼!』

「本当にゴージャスな子だったのよ」ウルヴァ・セイチは、数々の絵画やアーンプラント(壺型植物)が並ぶ石畳の廊下を、トラベルチューブ(移動用チューブ)のドアへと浮遊しながら進むドローンの後を追い、大股で歩きながら激しく愚痴をこぼした。

『あなたの言葉を信じることにしましょう』とドローンは言った。

「それに、彼、私の脚を気に入ってくれてたの」彼女はドレスの大きくスリットの入ったフロント部分に目を落としながら言った。露出した彼女の長い脚は、透き通るような純黒のストッキングに包まれていた。深く胸元の開いたドレスの色に合わせたバイオレットの靴を履き、ドレスの短い裾(トレイン)が、彼女の動きに合わせてうねるように素早く後を追っていた。

 

感想:女版、ホフォエンとみた。

 

『実に見事な脚ですよ』ドローンも同意し、物事を急がせるために前方のトラベルチューブの制御パネルに信号を送った。

「当然でしょ」と彼女は言い、首を振った。「本当にゴージャスだったのに・・」彼女はピタッと足を止めた。「やっぱり戻るわ」彼女は、ほんの少し足元をふらつかせながら、ヒールを返して引き返そうとした。

『なんですって!?』チュート・ラインが悲鳴をあげた。ドローンは彼女の前に回り込み、彼女は危うく激突しそうになった。『ウルヴァ!』機械は怒ったような声を出し、そのオーラフィールドを真っ白に明滅させた。『いい加減にしてください!』

「そこを退いて。彼はゴージャスだったの。彼は私のものよ。彼は私に愛される資格があるの。ほら、退いて、退いて!」

 

感想:その時代設定に恋愛ってあるのかな。恋愛とは、種を残すための脳内物質でしょ?わたしは女性なのだけど、子供が欲しいと思わないんだよね。それって普通に考えると異常だと思うの。だって、子供が欲しいって本能でしょ?徐々に、生物としても変わってくのかもしれない。ああ、話が分かりにくくてすまない。この時代の恋愛ってゲームなのかな?(人間が出産とかありえくなて)

 

ドローンは退こうとしなかった。彼女は再び拳を握りしめ、足を踏み鳴らしながら、ドローンのフロント部分をポカポカと叩いた。彼女はヒックと一回、しゃっくりをした。『ウルヴァ、ウルヴァ』ドローンは彼女の手をフィールドで優しく包み込んで宥めた。

 

感想:そのドローンのフィールドって、その辺の人間よりと抱き合うよりも気持ちよさそう。

 

彼女は顔を突き出し、機械の前方センサーバンドをこれ以上ないほど激しく睨みつけた。『ウルヴァ』ドローンは繰り返した。『お願いです。頼むから聞いてください。これは・・』

「大体、何だって言うのよ!?」彼女は叫んだ。

『言ったでしょう、あなたに見せなければならないものがあるのです。シグナル(信号)ですよ』

「だったら、どうしてここで見せてくれないの?」彼女は廊下を見回した。柔らかくライトアップされた肖像画の数々、そしてアーンプラントの斑入りの葉、つる植物、パラソルのような葉が広がっている。「周りには誰もいないじゃない!」

『そういう仕組みになっていないからです』チュート・ラインは呆れたように言った。『ウルヴァ、本当にお願いです、これは重大なことなのです。あなた、まだコンタクト(接触部)に入りたいのでしょう?』

 

感想:コンタクトに就職希望の大学生、セイチ。(余談だが、セイチという名前の即覚えるために、セイウチ=セイチと記憶している。)

 

彼女はため息をついた。「まあ、そうね」彼女は目を丸くしながら言った。「コンタクトに入って、未知の宇宙を探検しにいく・・」

『よろしい、これがその招待状なのです』ドローンは彼女の手を離した。

 

感想:まあ、宇宙の冒険も、セイチが狙っている男とのあれこれも、似たような冒険・・もごもご。

 

彼女は再びドローンに向かって顔を突き出した。彼女の髪は、ゴールド、プラチナ、エメラルドの、ヘリウムが注入された微小な球体がちりばめられた、巧妙かつ華麗に編み込まれた黒いカールの塊だった。それが、ひときわ装飾的な雷雲のように、ドローンのフロント部分に触れた。

「それで、あの素敵な男の子を『探検』させてくれるの?」彼女は吹き出しそうになるのを堪えながら尋ねた。

 

感想:ああ、女版ホフォエンであるセイチと同じことを思ってしまった私が自分で嫌になった。ホルモンで頭がおかしい期間なのだ、あああ( ;∀;)

 

『ウルヴァ、もし私の言う通りにしてくれるなら、コンタクトは喜んで、ゴージャスな若い男たちで満載の宇宙船を丸ごと何隻もあなたに提供してくれることでしょう。さあ、前を向いてください!』

彼女は小馬鹿にしたように鼻を鳴らし、爪先立ちになると、舞踏会会場の方向を確かめるように、機械の筐体越しにふらふらと視線を走らせた。置き去りにしてきたダンスの音楽が、まだかすかに聞こえていた。「ええ、でも私が興味あったのは、まさに『彼』だったのよ・・・」

 

感想:ここまでの描写で分かるように、セイチという女性はカルチャー志願の大学生であり、3歳から天才、5年連続で魅力的な学生と選ばれ、数々の男心を弄んできた自信家の女性です。というか、魅力的賞ってなんやねん。小説「フラニーとズーイ」が苦手だった私は、この手の設定人間もあんまり好きじゃない。

 

ドローンは、穏やかな友愛を示す黄緑色のフィールドで再び彼女の手を包み込み、彼女の爪先立ちを優しく下ろさせた。

『お若いお嬢さん』ドローンは言った。『これから私が言う二つのことほど、真実な言葉はありませんよ。一つ、あなたのこれからの人生には、ゴージャスな若い男などいくらでも現れます。二つ、コンタクト、それどころかSC(特別事情部)に潜り込み、彼らにあなたへの貸しを一つか二つ作らせる絶好のチャンスは、後にも先にも今しかありません。理解できましたか? これはあなたにとって、人生最大のチャンスなのですよ、お嬢ちゃん!』

「私を『お嬢ちゃん』なんて呼ばないで」彼女はツンとして言い返した。

 

感想:チュート、もうやめちゃいなよ。セイチのために頑張るチュールをみたくなよ!(余談だが、チュートという名前を覚えるために、チュール(猫の餌名)+トと記憶している。)

 

ドローンであるチュート・ラインは、彼女の家族と1000年近くにわたる付き合いがあり、その人格の大部分は、9000年前にあるハウスシステムのコンピューター内のプログラムだった時代にまで遡るとされていた。

 

感想:ほほーう。イアンバンクス「ゲームプレイヤー」に登場するドローン、チャムリスが4000年のお付き合いだったから、ドローン界隈では1000年単位でひとつの家系とお付き合いをするのか。9000年前のモジュールAIか・・。

 

普段は彼女に対して年齢の差を振りかざしたり、自分という軋むような気の遠くなる古代の存在に比べれば彼女など「陽炎(カゲロウ)」のような一時の命にすぎないと思い知らせるような真似はしなかったが、状況がそれを要求していると判断したときには、容赦なくそのカードを切ることも辞さなかった。

 

感想:そうね、人間の命などほんと一瞬。そう考えると、人間が作った社会システムの中で不自由に生きているのってバカらしいよね。

 

彼女は片目を細め、機械をじっと見つめた。「今、あなた『特別事業部』って言った?」

『言いましたよ?』

彼女は身を引いた。「ふーん・・」彼女の目が細くなった。

 

感想:半目・・私も使う。相手に気持ちを悟られない時に使う術。

 

彼女の背後でトラベルチューブがチャイムを鳴らし、ドアが滑るように開いた。彼女はくるりと向きを変え、チューブに向かって歩き始めた。「だったら、早く来なさいよ!」彼女は肩越しに言った。

 

感想:Excessionの口コミで、男もクズだが女はもっとクズ、というコメントがあったのを思い出す。

 

ファージ・ロックは、9000年近くもの間、銀河を彷徨い続けていた。それは、この岩石がカルチャーという社会において最も古い構成要素(エレメント)の一つであることを意味していた。

 

感想:物語は変わりましたな。ファジーロックというのは、ハビタットのことかい?でも、岩石の居住区ってどんな?巨石系すき。

 

その始まりは、後にカルチャーを結成することになる種族が最初に探索した太陽系の一つに存在した、全長3キロメートルの「小惑星」だった。

 

感想:カルチャーの歴史だね。

 

そこはまず、金属、鉱物、そして宝石を採掘するために掘り進められ、その後、内部に作られた巨大な空洞が真空に対して密閉され、空気が満たされた。さらに人工重力を生み出すために自転が与えられ、主星の周囲を回る居住ハビタットとなったのである。

 

感想:現実でも小惑星ハビタットは真面目に検討されたことがあるっぽい。カルチャーで言うと、元は小惑星だった→移動式居住区になった。

 

その後、技術が進歩し、当時の政治的状況からその太陽系を離脱することが賢明であると判断されたとき、ハビタットには恒星間空間へと進むための核融合駆動の蒸気ロケットとイオンエンジンが取り付けられた。

 

感想:ニーブンの小説「リングワールド」のパペッティアの「艦隊世界」に少し似ているね。(惑星そのものを推進装置付き宇宙船に改造して移動させる)パペッティアの艦隊世界をカルチャー風にすると「逃亡用に改造した惑星の管理AIが数千年後に自我を獲得し、惑星そのものがひとりの市民として扱われる」・・。

 

これもまた当時の政治的状況のせいで、ファージ・ロックは出力を強化した信号レーザーや、レールガンとしても機能する半誘導式の質量投射機を複数装備して武装を整えた。

 

それから数年後、傷つきながらも健在であり、ついに人間の居住者たちから「独自の意識を持つ知性体」として承認されたこの岩石は、自らを「カルチャー」と呼び始めていた、新興の汎文明・汎種族グループへの参加を表明した最初の宇宙エンティティ(存在)の一つとなったのである。

 

感想:エンジンを積まれて自行型ハビタット(居住区)になり、やがて独自の意識というマインドを持った・・。それが、カルチャーの初期メンバーとなる。

 

その後に続いた数十、数百、数千年の歳月の中で、ファージは銀河を旅し、システム(星系)からシステムへと放浪を続けた。

 

最初は交易や製造業に力を入れていたが、カルチャーが育んできた技術の進歩によって、社会の生産能力がその構造全体に極めて均等に行き渡るようになると、あらゆる場所でほぼ何でも製造できるようになり、交易という行為自体が比較的稀なものとなっていった。

 

そのため、ファージの役割は次第に文化的・教育的なものへと移行していった。

 

感想:うっど!木だ!代々木八幡宮に大きな木があるんだけど、たくさんある大きな木の中のひとつなのに、みんなその木に触れるんだよ、不思議。かあさんやぁぁ。

 

そして、今や「宇宙船でもなければ世界でもない、その中間に位置する」というカルチャー特有の人工物カテゴリーとして認識されるようになったファージ・ロックは、その時々の必要性に応じて、周囲の星系や恒星間のデブリ(残骸)を新たに取り込みながら、その規模をさらに拡大し続けていたのだった。

 

感想:おお~。気持ちいい感じで終わりましたな。まだ2割くらいしか読んでないけど。船でも世界でもない、その中間のハビタット!余談だけど、どうして人間は石に惹かれるのだろうか・・なんて話を友人としたんだ。猿時代にその辺に落ちていた石(黒曜石)を拾って・・武器にもなればなんでも使えるすごいもの、みたいな感じで我々のDNAに名残が残っているんじゃないか?というオチになった。私も、小学生の時、よく石を拾い集めていたな。均一に丸いやつと、適度に薄くて長い石を好んでいたな。墓参りの時、墓場に落ちていた石(白いやつ)を持って、人工物感が強くて気に入らない、と石を投げたらすごい怒られた記憶がある。あと、河原の石は絶対に拾うな、と父によく言われたんだけど、なんでだったんだろう。