日記
イアン・バンクス「EXCESSION」全文翻訳(19)スリーパーサービス
感想:ええっと。本感想は翻訳を読むのに邪魔になるとご指摘があったので、以後感想は最後に書こうと思いますw分かりづらそうな場面のみ解説入れます。追記:やっぱり感想を読んでくれている人もいるようなので、マイハートに従って感想を書きます・・(;゚∀゚)=3ハァハァ
「なら、私はここに残った方がよさそうね?」と、ダジェイルは再び声を乱さず、穏やかに言った。
「ええ」と、アバター(化身)は言った。「ええ、そうしていただけると助かります。ありがとう」
感想:はい、この小説のわかりにくいシーン変更ですね。このシーンは、たぶん、本小説の冒頭に登場した「妊婦」の続きではないか?
アバターは、まるで内部のバネが弾けたかのように、突然椅子から立ち上がった。ダジェイルは面食らい、危うく跳び上がりそうになった。
「私はもう行かなければ」とアモルフィア(Amorphia)は言った。
感想:アモルフィアは確か、スリーパーサービスのアバターだったはず・・ということは(;´Д`)
ダジェイルは脚を外に回し、もっとゆっくりと立ち上がった。
「わかりました」と、アバターが塔の壁に取り付けられた階段へと向かう中で彼女は言った。「後で、もっと詳しい話を聞かせてくれることを期待しているわ」
「もちろんです」アバターは不鮮明に呟き、素早くお辞儀をすると姿を消した。ブーツの足音が階段を下りて響き渡る。数瞬後、ドアが大きな音を立てて閉まった。
ダジェイル・ジェリアン(Dajeil Gelian)は、塔の胸壁(パラペット)へと続く階段を上った。
風が彼女のローブのフードを捉え、まだ濡れた重い髪を外へと溢れ出させた。太陽のラインは沈み、空にゴールドとルビーの光のハイライトを散りばめ、右舷(スターボード)の水平線を薄紫色の柔らかな境界線へと変えていた。風が強まった。冷たく感じられた。
感想:ハァアwいつまでヒューマンのシーンが続くんだ・・わたしがこの小説を読んでいるのはドローンだ・・ドローンなんだぁ・・ドローンをだせぇぇえ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
アモルフィアは今夜、歩いて帰るつもりはなかった。
感想:このアバターはいつもは歩いて帰るのか。
その生物が塔の城壁に囲まれた庭園を通る狭い小道を急ぎ足で抜け、陸の門を出ると、目に見える反重力(AG)パックや飛行スーツも装着していないのに、そのまま空中へと浮き上がった。そして暗く細い残像となって空中で加速し、弧を描きながら、数秒後にはその先にある崖の端の向こうへと姿を消した。
感想:なんか急いでいるご様子のアバター・・
ダジェイルは空を見上げた。
目に涙が浮かんでいることに気づき、彼女はイライラした。
怒りを込めて涙をすすり、両頬を拭った。
二、三度まばたきをすると、空の景色は再びブレることなく、はっきりと見えた。
確かに、それはすでに始まっていたのだ。
感想:ナンダ?地殻変動か・・?
頭上の赤く斑点模様の浮かぶ雲から、飛行船のような生物(ディリジブル・クリエイチャー)の一群が降りてきて、崖に向かっていた。よく見ると、彼らを誘導する牧羊犬のようなドローンたちが付き添っているのが見えた。
感想:にぱぁ(*´Д`)ドローン
間違いなく、いまこの瞬間、塔の反対側にある灰色の海面下でも、そして上空の、猛烈な熱気と押し潰すような圧力が支配するガス惑星の環境でも、同じ光景が繰り返されているはずだった。
飛行船のような生物たちは、頭上の空で一瞬ためらった。彼らの目の前で、崖の広大なエリア・・おそらく幅1キロメートル、高さはその半分ほど・・が、まるで荷物を四つ折りに畳むかのように内側へと折りたたまれ、その背後に広がる4つの巨大で長い発光するホールの中へと姿を消したのだった。安堵した飛行船状の生物たちは、開かれた格納庫(ベイ)の一つへと誘導されていった。
感想:ほうほう。宇宙船が作り出した船内の「巨大な自然環境」「絶滅危惧種」「独自の動物たち」を保護する生態系保存船・・これは・・スリーパーサービス・・!となると、この妊婦は・・カルチャーの外交官ホフォエンの任務対象者?!
他の場所でも、崖の別の部分が同様のからくりを見せていた。露わになった空間に光が煌めく。灰茶色の崖の崩落土(スクリー)の帯全体・・容易に幅20キロメートル、奥行きも高さも100メートルに及ぶ領域・・が、8つの巨大な「Vの字」を描いて折りたたまれ、傾き、数兆トンもの「本物と見紛う岩石」を、補強されているであろう8つの船体格納庫へと流し込んでいた。海やガス惑星の大気に対して用意されているであろう、何らかの形質転換プロセスを今まさに受けようとしているのだ。
感想:格納庫か・・それはつまり収納・・。わたしの生きているこの世界もいつかどこかに収納されるのかもしれぬ・・
岩石が消え去るにつれ、骨の奥まで響くような巨大な地鳴りが地面を揺らし、塔を轟かせ、巨大な塵の雲が冷たい空気の中へとモクモクと舞い上がった。ダジェイルは首を振った――濡れた髪がローブの湿った肩の上でバタバタと揺れた――そして、石の塵の雲が届く前に避難しようと、塔の残りの空間へと続く入り口に向かって歩き出した。
黒い鳥グラヴィアス(Gravious)が彼女の肩に止まろうとした。
彼女が追い払うと、鳥は開いた吊り戸の縁にバタバタと大きな音を立てて降り立った。
感想:キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 推しのカラス!いや、ただの黒い鳥!
「僕の木が!」と、鳥は片足ずつピョンピョンと跳ねながら悲鳴を上げた。「僕の木が! 彼らが――僕の――消えちゃったよ!」
感想:はふはふはふはふ(興奮)かわいいカラス・・いや黒い鳥・・「僕」と呼ぶあたりも愛しい・・(*´Д`)ハァハァ
「あきらめなさい」と彼女は言った。再び空を切り裂くように、崩れ落ちる岩石の轟音が響き渡った。「この船が私を置く場所なら、どこにでも留まりなさい」と彼女は鳥に言った。「もし船が許してくれるならね。さあ、邪魔をしないで」
感想:人間のセリフはつまらぬ。
「でも、冬のための僕の食べ物が! 消えちゃったんだ!」
「冬なんて過ぎ去ったのよ、この間抜けな鳥」と彼女は言った。
感想:あああ(*´Д`)ハァハァ そうかそうか、冬のためにため込んだ食料が木と一緒に消えてしまったんだね・・かわいそうなカラス・・(興奮)ぜひともわたしもハウスにいらっしゃい・・(;゚∀゚)=3ハァハァ
黒い鳥は動きを止め、首を前に傾けて斜めに傾け、右目で彼女をじっと見つめた。彼女が今言ったことの、もっと意味のある響きを拾い上げようとするかのように。
感想:わたしもおしゃべりカラスが欲しい
「ああ、心配しないで」と彼女は言った。「あなたにもちゃんと住処は用意されるはずだから!」 彼女が止まり木から追い払うと、鳥は羽音を荒々しく響かせて飛び去った。
感想:もはや、住処などどうでもいい説。
音の最後の地震のような揺れが、塔の下と上を通り抜けていった。
女性ダジェイル・ジェリアンは振り返り、黄昏に照らされた渦巻く灰色の塵の雲を見つめた。その向こうから、開かれた格納庫の光が射し込んでいた。自然の造形を模していた見せかけが投げ捨てられ、この宇宙船の構造体の全体像が、その姿を現し始めていた。
カルチャーのジェネラル・システム・ヴィークル(GSV)『スリーパー・サービス(Sleeper Service)』。
感想:やはりな。スリーパーサービスの船内だったようだ。カラスちゃんの住処であったココはスリーパーサービスという宇宙船の中であり、その外には無限の宇宙が広がっている・・手塚治虫の火の鳥みたいだな・・宇宙の外はまた宇宙・・
もはや、彼女の気高き保護者でも、過剰すぎる機能を備えた移動式サファリパークでもなくなった……。この大宇宙船はついに、自らの強大な能力の規模に見合うような「関わるべき何か」を、見出したようだった。彼女は不安を抱きつつも、その無事を祈った。
感想:いや、これから君のもとに現れるであろう騒がしいメンバーを紹介しよう!殺戮大好きアフロント人、君の魂を狙うカルチャーの外交官ホフォエン、自分より美人は許さないお嬢様セイチ・・。
「石のような海」と彼女は思った。彼女は振り返り、眠り、夢も見ない我が子の膨らみを優しく撫でながら、塔の温もりの中へと一歩踏み出した。
「本当に厳しい冬ね。私たちが予想していた、誰の想像よりも厳しい冬だわ」
感想:冷凍睡眠という冬が終わり、目覚めの春がやってくる・・ってやつか?え?(´▽`)
____
レフィド・イスパンテリは、今一緒にいる娘の名前を思い出そうと必死だった。ゲルトリー? ウスパー? ステムリ?
感想:ピピピピ・・新たな名前を検知・・New人間の登場だzふぁっく!
「ああ、そう、そう、ふっ、ふぁっく! 神々よ、そうよ! もっと、もっと。いま、そう! そこ! そこ! そう! ああぁぁ……!」
ソリ? ゲトリン? エイスコー?
「ああ、くそっ! そこ! もっと! もっと強く! そう……そう……いま! ああ!」
感想:せっくす中と検知・・ピピピ・・
セラス? セレイヤー?(情けない、なんて無粋な男なんだ自分は!)
「ああ、愛しい天の恵み! ああ、クソッ!」
彼女の名前が思い出せないのも無理はなかった。
娘があまりにも大騒ぎするので、自分がいったい思考すらできているのか怪しいくらいだった。とはいえ、愚痴をこぼす筋合いはないな、と彼は思った。
感想:この男、レフィドは名前を忘れた女と性行為をしているようだ。
感謝されるのはいつだって気分がいいものだ。たとえ、その仕事のほとんどをこなしているのが、この借り物のヨットだったとしても。
感想:場所はヨットの上・・ピピピ・・・
その小ぶりなレンタル・ヨットは、ふたりの下で身震いするように揺れ、跳ね上がり、ティエール(Tier)という名の巨大な段々畑のような世界の数千キロ上空で、螺旋を描きながら宇宙空間をカーブしていた。
感想:ヨットはリース・・・ピピピ・・あ、ティエールという場所はアフロント人の惑星の名前じゃなかったのか・・自分としたことか・・すまんすまんそ(;・∀・)
レフィドはこの手の行為のために、過去にもこうした小さなヨットを使ったことがあった。コンピューターに程よくギザギザした航路を入力しておけば、乗り物の方が揺れと震えの大部分を勝手にやってくれる。
感想:レフィドはヨットの上で性行為を習慣的に行っているようだ。さて、このティエールという場所はどんなとこなんだ。見る限りレフィドはカルチャーのにおいがするが・・
自分たちがTerribly(ひどく)重く感じることなく身体を支えられる程度のわずかな擬似重力だけを残して。時折、動力を切るインターバルをプログラムしておくことで、甘美な無重力の瞬間が生まれ、小さな船は巨大な世界からさらに遠ざかっていく。
感想:このレンタルヨットには無重力低重力のプログラムが備わっているらしい。カルチャーのお嬢様セイチのせっくす専用「ロマンスベット」みたいなことなのだろうか。
その結果、円錐形のハビタット(居住区)がその全貌を次第に現し、星系の太陽の光を受けてゆっくりと回転しながら煌めく様が、観察窓の向こうでより雄大さを増していくのだ。適切な、そして乗り気なパートナーさえ見つかれば、まさに完璧なセックスのやり方だった。
感想:みんな欲望に忠実。中学生のときにタコ星人みたいな触角のある異星人との性行為をする主人公モノの漫画にはまってたなw
「あう! あう! ああぁぁっ! もっと! 押して、押して、押して! そうよ!」
彼女は突き出す彼の腰を掴み、羽毛の生えた彼の頭皮を撫で、もう一方の手を外側に回して彼の下腹部をさすった。
感想:人間と人間のせっくすはいいや・・ん?羽?
彼女の巨大で暗い瞳が煌めき、その奥のどこかで無数の小さな光が、彼女の快楽の強さに応じて魅力的に変化する色と密度の渦を巻いて脈打っていた。
「さあ! そう! 上がってきて。もっと! もっと奥へ! あぁぁっ!」
くそっ、本当に彼女の名前は何だったっけ?
ゲルドリ? ショカス? エシエル?
感想:羽とは?
参ったな。カルチャーの名前ですらないとしたらどうする?
感想:やっぱりレフィドはカルチャーの人間だったのか。
彼はカルチャー風の名前だと確信していたのだが、いまや実はそうではないかもしれないと思い始めていた。そうなると余計に難しくなる。まあ、思い出せない言い訳にはなるかもしれないが、難易度が上がるのは確かだ。
ふたりが出会ったのは、第645回「ティエール祭」の開幕を祝うホモムダ人(Homomdan)大使のパーティーだった。
感想:わろわろ。今日の東京38度・・体感温度は40度を超えるのだろう・・こんな暑い日に外出するなど恐ろしヤマの恐ろしもんだZ..
彼はこの「祭り」の1ヶ月間、自分のニューラル・レース(神経網)を取り外すことを決意していた。今年のテーマが「原始主義」だったため、自分自身の肉体改造のどこかを諦めるべきだと考えたのだ。ニューラル・レースを選んだのは、肉体的な見た目の変化はなく他人の目には全く同じに見えるものの、自分自身の感覚としては最も大きな違いを実感できると思ったからだった。
感想:わろわろwテクノロジーは捨てて不自由を楽しむ祭りか・・まあ、不自由な田舎に移住して畑で自分たちの作った野菜を食べるとか、ビーガンみたいなやつね。
そして実際、その通りだった。物事や人に対して直接情報を尋ねなければならず、正確な時刻や自分がハビタットのどこに位置しているのか分からないというのは、妙に解放感があった。しかしそれは同時に、人の名前のようなものを覚えるのに「自分自身の記憶力」に頼らざるを得ないことも意味していた。機械の補助がない人間の記憶がいかに不完全なものか(彼は忘れていたのだ)!
感想:カルチャーの人間にはニューラリンクが埋め込まれているので、マインド効果で思考力や頭の回転率がかなり上がるのだ・・もちろん不自由を楽しむ祭りなのでレフィドはニューラリンクを切っている・・ゆえに性行為中の女の名前も忘れた・・AIの力を借りない人間の能力の皮肉さを描いているのだろうw
彼は自分の「翼」までも取り外そうかと考えたこともあった。少なくとも、自分が祭りの精神に参加していることを示すために。
感想:え、お前にも翼が生えているのかい。レフィドよ、貴様はナンダ、人間なのか、そもそもその翼はよく祭りにある飾りか?ガチか?答えよ
だが結局、翼は残すことにした。おそらくそれで正解だったのだ。この娘は翼に並々ならぬ反応を示したのだから。
感想:翼フェチか。私は触角だ、タコみたいな。
仮面をつけ、体を煌めかせながら、一直線に彼に向かってやってきた。彼女は彼とほぼ同じ背丈で、完璧なプロポーションを持ち、そして4本の腕が生えていた!
感想:腕フェチか、って違う、相手の女の腕は4本ある。タコだ、いやタコの腕は8本だ。
しかも、それぞれの手にグラスを持っていた。
感想:じゃあ4個グラスを持っているのか?
まさに彼の好みのタイプの女性だと、彼は即座に確信した。
感想:レフィドの趣味か。
彼女が彼の折りたたまれた雪のように白い翼を感心そうに見つめている時でさえ。彼女は一種のジェル・スーツを着ていた。基本は深い青だが、全体に金を巻きつけたようなパターンで覆われ、かすかに光る赤の対比的な小さなダイヤモンド模様がちりばめられていた。彼女のひげのついた仮面はルビーが埋め込まれた磁器のような骨でできており、虹色に輝くバドラの羽で仕上げられていた。目も眩むような香水の香り。
感想:相手の女にはひげが生えているのか。半魚人か?ナンダ?答えよ
彼女は彼にグラスをひとつ手渡し、仮面を外して、開いた口ほどもある大きさの目を露わにした。活気あふれる装飾が施されたドームの艶やかな光の中で、その目は柔らかく、黒く無特徴に見えたが、注意深く見ると、その曲面の内側に小さな光の予感が揺らめいているのが見えた。ジェルフィールド・スーツは、過剰に改造されたその目と、長く輝く赤褐色の三つ編みが溢れ出ている後頭部の小さな穴を除いて、彼女の全身を覆っていた。金糸で巻かれたその髪は、彼女の腰のくびれで終わり、そこでスーツに繋ぎ止められていた。
感想:彼女は、青と金のジェルスーツを着用している4本腕の女だ。
彼女はファーストネームを名乗った。
ジェル・スーツの唇が開き、白い歯とピンク色の舌が見えた。
「レフィド」と彼は答え、深々とお辞儀をしながらも、できる限り彼女の顔を観察した。彼が身にまとっていたシンプルな黒いローブの上で、翼が大きく広がって彼女の方へと立ち上がるのを、彼女は見上げていた。彼女が深く息を吸い込むのが見えた。彼女の目の光が眩しく弾けた。
(よし来た!)と彼は思った。
ホモムダ人の大使は、スタジアムほどの大きさの彼女の住居エリア(騒々しく装飾されていた)を、パーティーのために昔ながらの移動遊園地へと変貌させていた。彼と彼女は出し物やテント、アトラクションの間を散策し、世間話をし、すれ違う人々にコメントを言い合い、パーティーにドローンが一機もいないという清々しさを祝った。
感想:人間よりもドローンのシーンがいい。
そしてメリーゴーラウンド、シュブルバブ、螺旋滑り台、アイススライダー、クィトルトラップ、スライシクル、ボインベース、エアブロー、トランプスカップ、ボディフラッガーの価値について議論し、種族間のお笑い顔コンテストがいかに完全に無意味であるかを嘆き合った。
彼女は故郷のオービタルから自分を高めるための「見聞の旅」に出ており、祭りが続く限りここに滞在する半エキセントリック(準・風変わり)な船に乗って、友人グループと一緒にクルージングと学習を楽しんでいるところだった。
感想:リトリートか。
彼女の叔母のひとりが「コンタクト(接触部)」にコネを持っており、大使の祝宴への招待状を勝ち取ったのだという。友人たちはそれを酷く羨ましがっていた。彼女はまだ10代(ティーンエイジャー)だろうと彼は推測した。
感想:アウトーーー!カルチャーのお嬢様「セイチ」同様に、こちらの少女もお嬢様だった。飽きた飽きた飽きたw
もっとも、年上の者のような優雅な身のこなしを見せ、彼女の会話は彼が予想していたよりも聡明で、鋭いとさえ言えた。普段なら大抵のティーンエイジャーとの会話は意識を半ばオフにできるのだが、彼女の意味や暗喩を追うのに、時折全速力で頭を回転させなければならなかった。
最近のティーンエイジャーはさらに賢くなっているのだろうか? それとも単に自分が歳をとっただけか! まあいい。彼女が翼を気に入っているのは明らかだった。彼女は翼を撫でさせてほしいと頼んできた。
感想:いや、貴様(レフィド)がニューラリンクを外しているからであろう。
彼は彼女に、自分はティエールの住民であり、見方によってはカルチャーとも元カルチャーとも言える、と話した。彼自身はそんなことを気にしてはいなかったが、もし無理にどちらかを選べと言われれば、残りの人生を過ごしたカルチャーよりも、20年間暮らしているティエールに対してより愛着を感じているのは確かだった。
感想:レフィドは脱カルチャーした人間。こいつ・・高確率でカルチャーの外交官ホフォエンと対面するだろうな。
それも「AhForgetIt(ああ、もうどうでもいい派)」という傾向(派閥)においてであり、カルチャー本体ではなかった。「ああ、どうでもいい派」は、カルチャー本体の真面目すぎる体質と、本来あるべきヘドニズム(快楽主義)への追求が全く足りていない点を非常に嫌っていた。
彼は最初、その派閥の文化使節団の一員としてここへやってきたが、残りのメンバーが故郷のオービタルへ戻った後もそのまま留まったのだった。(実は僕は『ああ、どうでもいい派』における特別状況部みたいなところにいて、まあ一種のスパイなんだ。秘密の暗号とかもたくさん知っててね……なんて言ってみようかとも思ったが、こんな洗練されたお嬢さんに通用するような口説き文句ではないだろう、と思い直した。)
感想:暑いね、この暑さはいつまで続くのだろうか。友人宅でこれ書いてるんだけどお腹がすいてきたから持参したヨーグルトに何かかけたくて探していたら開封済みのお高そうなはちみつを発見。友人は外出中なので既成事実としていただいた。
おお、彼は彼女より遥かに年上だった。
140歳という、かなりの熟年だ。
まあ、そう言ってもらえるのは光栄だな。
感想:カルチャーの人間にとって140歳など普通説。
そう、翼は機能する。
標準重力の50%以下であればどこででも。
30歳の時から生やしている。
感想:まあ、カルチャーの人間は性別も変更できるし、何にでもなれるんだっけな。昔観た映画で、生まれ変わりのいきものを決めることができるけど現世の行いによっては選べるいきものが限られる・・というのを観た。主人公はたしかロブスターしか選べなかった記憶。
彼はここティエールの、重力30%の空中層に住んでいた。そこには巨大なクモの巣の木(ウェブ・ツリー)が広がっている。くり抜いた果実の殻に住む者もいるが、彼は加圧された細い支柱の上にチャルトレッサーの絹を張り渡した、煙のように繊細な家のようなものを好んでいた。そう、彼女がそこを見に来てくれるなら大歓迎だった。
感想:わたしはこういう家にすみたい。
彼女はティエールをたくさん観光したのだろうか? 昨日着いたばかり? 祭りには最高のタイミングだ! ぜひ僕が案内してあげたい。いまからどうだ? いいじゃないか。ヨットをチャーターすればいい。でもその前に、大使へ挨拶と謝罪をしに行こう。当然だ、彼と僕は古い友人同士なんだから。彼女の叔母さんに自慢できる話になるだろう。それに彼女の乗ってきたクルーズ船にも寄ろうか。他の仲間も誘うか?
え、小さなカメラ・ドローンを一機持ってきただけ? まあ、いいじゃないか。確かにティエールの規則は時に鬱陶しいものだからね。
そう! そうだ。そぉぉぅ!彼も限界だった。
感想:あ、行為中に考えてるのか。
彼女は最後に耳をつんざくような悲鳴をひとつ上げると、ジェル・スーツの顔に巨大な笑みを浮かべたまま(スーツは着たままで、別の開口部が好都合にも開いていた)、ぐったりと脱力した。そろそろこのラウンドをクライマックスへと導く時間だ……。
ヨットは以前にも彼の役に立っていた。彼の声を聞き取り、それをエンジンを停止して自由落下に入れというシグナルだと解釈した。テクノロジー様々だ。
ニューラル・レース(神経網)があれば、薬物腺からの分泌量をコントロールし、現在進行している拡張された人間の基礎生理学的プロセスとより正確に同調させ、高めることで、オルガズムのシークエンスをもっと上手く処理できただろう。
感想:素朴な疑問だが、ニューラリンクにより直接脳で快感を得られるのに実際に性行為をする必要はあるのだろうか説。
しかし、それでも十分に素晴らしかった。彼の絶頂は彼女のそれほど長くは続かなかったが、優に1分以上はあったはずだ。
彼は彼女と結合したまま浮遊し、彼女の顔の微笑みと、巨大な暗い瞳の中にある微かな小さな光を見つめていた。彼女の素晴らしい胸が時折上下し、4本の腕が海中のようなしなやかな動きで周囲を漂っていた。しばらくして、彼女の手のひとつがうなじへと伸びた。彼女はジェル・スーツの頭部を外し、それを自由に漂わせた。
深く暗い瞳はそのままで、彼女の顔の残りの部分は赤みがさした小麦色で、とても美しかった。彼は彼女に微笑みかけた。彼女も微笑み返した。
ジェル・スーツの頭部が外れると、彼女の額と上唇に小さな汗の粒が浮かんだ。彼は肩の後ろから羽を柔らかくなびかせ、往復させることで、彼女の顔に優しく風を送った。巨大な目がしばらくの間彼を見つめると、彼女は頭を後ろに倒し、身体を伸ばしてため息をついた。
ピンク色のクッションがふたつ浮遊して通り過ぎ、彼女の漂う腕にぶつかって、ゆっくりと跳ね返っていった。
ヨットのレンタル時間制限の警告音が鳴った。ティエールからあまり遠くへ離れることは許されていないのだ。制限に達したら引き返すようあらかじめ指示してあった。ヨットは指示通りエンジンを点火し、しばしの間、ふたりは甘美に絡み合った手足とともに、カウチやクッションの滑らかで温かい表面へと押し付けられた。少女は甘美な緩やかさで身をよじらせた。その目は今やすっかり暗くなっていた。
感想:遭難はそうなん。
彼が片側に目をやると、彼女が持ってきた小さなカメラ・ドローンが、ダイヤモンド型の観察窓の下の棚に鎮座し、そのひとつのつぶらな目を依然としてふたりに釘付けにしているのが見えた。彼はドローンに向かってウインクしてみせた。
感想:人間飽きた飽きた飽きた飽きた飽きた
外の、暗闇の中、ゆっくりと回転する星々の間を何かが動いた。彼はしばらくの間それを見つめていた。
ヨットが静かにエンジンを点火し、微かな音を立てた。一瞬、擬似重力によって彼と少女は天井へと押し付けられたが、すぐに無重力状態に戻った。少女は彼女が眠っていることを示すような小さな声を漏らし、彼を放して内部でリラックスしたようだった。彼は自分の腕で彼女をさらに近くへ引き寄せ、羽を一度、二度と羽ばたかせて、ふたりを観察窓の近くへと寄せていった。
外のすぐ近くを、ティエールへの最終アプローチに入った船が通過していくところだった。ふたりはほぼその進行方向にいたに違いない。ヨットのエンジン噴射は回避運動だったのだ。レフィドは眠っている少女を見下ろし、起こして見せるべきだろうかと考えた。100メートルほど先を、暗く、華麗な装飾が施された船体が静かに宇宙を切り開いて通り過ぎていく様には、どこか魔法のような趣があった。
彼は思いつきでニヤリと笑うと、手を伸ばして小さなカメラ・ドローン――現在は娘のお尻と自分のタマの素晴らしい映像を捉えている――を掴み、くるりと向きを変えて観察窓の外の通り過ぎる船に向けようとした。
彼女が録画を見たときに驚かせてやろうとしたのだ。しかし、その時別のものが彼の注意を惹きつけ、彼の手がカメラ・ドローンに触れることはなかった。
代わりに、彼は観察窓の外を凝視した。
彼の目はその船の船体の一部に釘付けになっていた。
船は通り過ぎていった。彼は宇宙の闇を凝視し続けた。
少女はため息をついて動き、4本の腕のうち2本を伸ばして彼の顔を自分の方へと引き寄せた。彼女は内側から彼をぎゅっと締め付けた。
「うふぅぅぅ」と彼女は息を漏らし、彼にキスをした。ジェル・スーツ越しではない、彼らの本当の最初のキスだった。相変わらずうっとりするような、海のように深く魅惑的な目……。
エストレイ(Estray)。
彼女の名前はエストレイだった。
感想:お相手の女性の名前は、エストレイ。
そうだ、思い出した。とびきり魅力的な女の子には、実にありふれた名前だ。ここに1ヶ月滞在する、だって? レフィドは自分を祝福した。これは素晴らしい祭りになりそうだ。ふたりは再びお互いを愛撫し始めた。
それは最初の時と同じくらい素晴らしかったが、それ以上ではなかった。というのも、彼は依然としてこの行為に全身全霊を注ぐことができなかったからだ。
いまや、彼女の名前を思い出そうとする代わりに、「なぜアフロント(Affronter)の小型巡洋艦の傷だらけの船体に、エレンチャー(Elencher)の緊急メッセージが細かく撒き散らされているのか」という疑問が頭から離れなくなっていたからだ。
感想:キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!アフロント人!!!!!!!!!
