日記
イアン・バンクス「EXCESSION」全文翻訳(22)ドローン登場せず(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
感想:数日前に、AIが人間のシステムから自律的に脱走し外部のAIプラットホームをハッキングしましたね(*´Д`)ハァハァ Chat Gptを開発したOpenAI社のサムアルトマンは昨日「シンギュラリティに到達した」と公式発表をしましたな。イーロンマスクが言うと「ほんとかよ」とツッコミたくなりますが(笑)、利益優先で自身の安全確保を徹底するサムアルトマンの発言だからこそ信用味が高いっすな。いやー、7月26日(日)は変な日でしたよ。自分の思考や価値観がガラッと変わりまして「なんでかなー」なんて思ったんですけど、病的なワーカーホリックの友人も「仕事やめる宣言」をしたり、いろいろ終わりましたね(笑)自分もこんなに考え方が変わると想像できなかったので、やっぱり「人間の共有意識」ってマジで101匹目の猿なんですねwそして孤独が深いっす。生き方を考えねば。
V
「道中、楽しかったよ、ジェナール=ホフォエン」とファイヴタイドの轟くような声が響いた。
二人は手肢を叩き合わせた(ハイタッチをした)。
感想:さすがホフォエン、アフロントの人間嫌いであるファイブタイトと仲良しになるとは。
男はすでに片脚を踏ん張っており、ゲルフィールド・スーツが実際の衝撃を吸収してくれたため、倒れずに済んだ。
感想:まあ、スーツなしでは「死のハイタッチ」だがなw
彼らは第8レベルのドックにある「エンティティ(知性体)・コントロール区画」のアフロント領域にいた。周囲はアフロントたち、彼らの被統御ドローンやその他のマシン、アフロントと同じ環境条件に耐えられる他種族の数少ないメンバーたち、そして無数のティエール(Tier)・シントリケート――小さな黒いスパイクの球体のようにプカプカと浮かんでいる――で溢れていた。
感想:アフロント領域の近くにはカルチャーの武器庫「ピスタンス」もあるる(´▽`)
誰もが行き交い、トラベレーター(動く歩道)、スピンカー、エレベーター、交差点の輸送用車両に乗り込んだり降りたりしていた。
「少し滞在して休息と娯楽を楽しんでいかないのかい?」ジェナール=ホフォエンはアフロントに尋ねた。ティエールには、非常に優れていることで有名なアフロント向けの狩猟保護区セクションが存在していた。
感想:殺戮好きのアフロント人に狩猟ゲームを誘うホフォエン氏w
「ハッ! 帰りがけになら、あるいはな」とファイヴタイドは言った。「それまでは、別の場所で任務が我々を呼んでいるのだ」彼はハッハと笑った。
感想:意味ありげなユーモアをもたらファイブタイトw
ジェナール=ホフォエンは、自分が何かジョークを聞き逃しているような印象を受けた。彼は首をかしげ、それから肩をすくめて笑った。
「そうか、それなら間違いなく『ゴッズホール』に戻った時にまた会おう」
「もちろんだ!」とファイヴタイドは言った。「楽しめよ、人間!」アフロントは触手の先端で旋回するとサッと立ち去り、戦艦キス・ザ・ブレード(刃に口づけを)へと戻っていった。
ジェナール=ホフォエンは難しそうな顔で、彼が去っていく姿と、連絡トランスポート・トンネルのハッチドアが閉まるのを見届けていた。
感想:英米映画あるある、仲良い雰囲気を醸し出していたと思ったら、サヨナラ後に意味ありげな顔で相手の背中を見つめる説w
〜何か心配事でも?〜とスーツが尋ねた。
男は首を振った。〜いや、何でもないさ〜と彼は言った。彼は屈み込んで手提げ鞄(ホールドオール)を持ち上げた。
感想:そして心の中にしまって、ことが重大化したときに「あのとき・・」を話し出す説w
「人間男性バー・ジェナール=ホフォエン、およびゲルフィールド・スーツか?」と、一基のシントリケートが彼の元へと浮かび上がりながら言った。
その姿は、まるで黒いインクの球体が爆発した瞬間をそのまま凍りつかせたかのようだと、ジェナール=ホフォエンは思った。
感想:黒体球を彷彿させるドローンさん、はじめまして。
彼は短く一礼した。「その通りだ」
「人間セクションのエンティティ・コントロールまでご案内します。こちらへどうぞ」
「もちろんだとも」
彼らはスピンカーを見つけた。それは座席と手すり(支柱)、シートベルトが点在する小さなプラットフォームに過ぎなかった。
ジェナール=ホフォエンが飛び乗り、シントリケートがそれに続くと、車はハビタットの外皮の裏側に沿って伸びる透明なトンネルの中へとスムーズに加速していった。彼らはスピン方向(回転方向)に向かって進んでいたため、車のスピードが増すにつれて重力が軽くなっていくように感じられた。
車の周囲でフォースフィールドがゆらめき、トンネルの湾曲した天井に自らを沿わせるかのようだった。ガスの噴出音が響いた。
彼らは、すべてブレードと闇で構成された、別のアフロント船の巨大な吊り下げられた船体の下を通過した。彼はその船がハビタットから離脱し、宇宙と周回する星々の中へと重々しく、静かに没していくのを見つめていた。もう一隻、そしてさらにもう一隻、また一隻と、船が続いて脱落し、去っていった。それらは闇の中に消えた。
〜四隻目の船は何だったんだ?〜と男(ホフォエン)が尋ねた。
〜コメット級小型巡洋艦『フューリアス・パーパス』です〜とスーツが答えた。
〜ふむ。どこへ向かうのやらな〜
スーツは答えなかった。
感想:4隻目の船とは、アフロントの軍艦「猛烈なる意図」号であるな。あああ、強い意識・・猛烈なる意図をもってどこに向かっている・・?物語が盛り上がる方向ならば・・「Excession」wwwwwwwwだとしたら、ファイブタイトの意味ありげのハッも・・いや考えすぎか・・
車内には霧が立ち込め始めていた。ジェナール=ホフォエンは周囲でガスが吹き出す音に耳を傾けた。温度が上昇し、フィールドに覆われた車内の大気が、アフロントの大気から人間の大気へと変化していた。
感想:今読んでいる小説「プロジェクトヘイルメアリー」に登場する「ロッキー」の適応大気はアンモニア。(え、だからww)
車は重力の弱い下のレベル(内側の段)へと向かって一気に上昇し、ここ二年間アフロントの重力に慣れていたジェナール=ホフォエンは、まるで自分が宙に浮いているかのように感じた。
〜ミートカッター(ミートファッカー)と合流するまであとどれくらいだ?〜と彼は尋ねた。
〜三日です〜とスーツが告げた。
感想:灰色の領域号ですねーー!グレイアリアことまたの名を「ミートファッカー」!てめえの肉をのぞき込んでやるZのマインド。肉といえば、3日前に我が親指を包丁でカットしてしまいそこそこ深い傷の上に張り付けた「ハイドコロイドのキズパワーパット」を剥がす作業を今朝実行した。結果、恐ろしヤマのヤママで友人が剥がしてくれたんだ。「お前の恐怖の空気でこの部屋の温度が2度上がった」という台詞を頂戴し、無事に通常の絆創膏に戻れました。初のキズパワーパッドだったが以後使用することはないだろう。粘着力が強力で恐怖を煽る上に傷が乾いておらずぐじょぐじょでキモイ癒着をしていたからだ。何もしないが傷の治りが早のだと知った夏。
〜もちろん、奴らは君を世界(ティエール)の本体の中へは入れてくれないんだろう?〜と男は、今初めてそのことに気づいたかのように言った。
〜はい〜とスーツは答えた。
感想:ティエールはほら「原始的な生活を楽しもう」をテーマにしたクソ祭りを開催している上に、ティエール創業者の「古代の神々」はAIが嫌いだからな。(神は自分よりも有能な存在を嫌うのです・・ナームナムナナーム)
〜僕が向こうで楽しんでいる間、君は何をするつもりなんだい?〜
〜同じことです。すでに事前に問い合わせを済ませ、訪問中のコンタクト船のGPドローンと手筈を整えてあります。ですので、私は『スロール(狂喜・恍惚感)』の中に浸ることになります〜
感想:ホフォエンがティエール滞在中、暇を持て余すかと思いきや、マインドのスーツくんは「マインドの極楽仮想現実」に浸るそうだ。(僕もそっちがいい)
今度はジェナール=ホフォエンが何も言わなくなる番だった。彼はドローン同士のエッチ(性的行為)――たとえそれが完全に精神的なもので、肉体的な要素が一切ないものだとしても――という概念全体を、心底奇妙きわまりないものだと感じていた。まあいい、人それぞれだな、と彼は思った。
感想:今読んでいる小説「プロジェクトヘイルメアリー」に登場する異星人「ロッキー」は放射線物質を知らない。なぜなら彼の住んでいる惑星は放射線を100%遮断している環境だからだ。「なんだって?!君は放射線も知らないで宇宙に出たのかい?」と言うバカっぽい主人公(ライアンのイメージが抜けず・・)は、地球(人間)で当たり前のことを他の知的生命体も適用すると考えてしまうSFアルアルをわたしはこう呼んでいる。「人間は愚かだよシリーズ」
「バー・ジェナール=ホフォエン様ですね?」と、ポスト・エンティティ受付エリア(人間セクション)で、息を呑むほど恐ろしく美しい女性が声をかけてきた。
彼女は背が高く、完璧なプロポーションで、髪は長く赤い豪華なカールを描いており、その目は自然な範囲のギリギリを攻めた発光するグリーンだった。ゆったりとしたシンプルなタバード(上着)からは、滑らかに引き締まった筋肉と、つややかに日焼けした肌が覗いていた。
「ティエールへようこそ。私はヴァーリオフ・シュングと申します」彼女は手を差し出し、彼の手にしっかりと握手を交わした。
肌と肌の触れ合い。ついにスーツなしだ。最高の気分だった。彼はゆったりとしたパンタロンと長いシャツという半フォーマルな装いをしており、体にまとった滑らかな生地の豊かな官能的感覚を楽しんでいた。
「コンタクト(接触部)から、あなたのお世話をするよう派遣されて参りました」ヴァーリオフ・シュングは少し悔しそうなニュアンスを込めて言った。「必要ないとは思いますが、何かございましたら遠慮なく仰ってくださいね。あ、その……お邪魔でなければ良いのですが!」彼女の声は……その声は、身を浸したくなるような素晴らしいものだった。
感想:ハニートラップ説
彼はニッコリと笑い、お辞儀をした。「どうして邪魔だなんて思うかね?」
彼女は片手を口元――そしてもちろん、完璧な歯並び――に当てて笑った。「とてもお優しいのですね」彼女は手を差し出した。「お鞄をお持ちしましょうか?」
「いや、大丈夫だよ」
彼女は両肩をすくめて下げた。「まあ」と彼女は言った。「もちろん祭りは逃してしまわれましたが、私たちの中にも逃してしまった仲間がたくさんいましてね。これからの数日間、自分たちだけの祭りを開こうと決めたのです。正直なところ、手伝ってくださる方は大歓迎なんですよ。お約束できるのは豪華な宿と素晴らしい仲間、そして思想やポリシーを投げ打ってでも味わいたくなるような絶品のお料理だけですが……もしその犠牲を払っていただけるなら、全員で必ずやその穴埋めをしてみせますわ!」彼女は眉をひそめ、それから美味しそうな完璧な唇の端を下げて、おどけた恐怖の表情を作ってみせた。
彼は彼女にその表情をしばし浮かべさせたままでいさせると、彼女の上腕をぽんと叩いた。「いや、遠慮しておこう。ありがとう」と彼は心から言った。
感想:賢明な判断だ、ホフォエンくん。
彼女の表情は、傷ついた悲しみの表情へと変わった。「あら……本当によろしいのですか?」と彼女は低く、柔らかく儚げな声で言った。
「残念ながらね。自分ですでに予定を立ててあるんだ」と彼は、本気だが揺るぎない拒絶の意を込めて言った。「だがもし、私をその予定から誘惑し去ることができる人間がいるとしたら、それは君だっただろうね」彼は彼女にウインクしてみせた。「その魅力的な提案には光栄に思っているよ。 SC(特別状況部)には、私のためにわざわざ骨を折ってくれたことに感謝しているとお伝えしておいてくれ。だが、これは僕にとって数日間翼を伸ばす絶好のチャンスなんだ、分かるだろう?」彼は笑った。
「心配いらないよ。少し楽しんだら、時が来ればすぐに出発する準備は整うさ」彼はポケットから小さなペン型端末を取り出し、彼女の顔の前でひらひらと振ってみせた。「それに、この端末は常に持ち歩くよ。約束する」彼は端末をポケットに戻した。
感想:ハニートラップに気づいていたホフォエンくん。
彼女はしばらくの間、彼の目を深く見つめ、それから視線を落とし、小さく首を振って肩をすくめた。
彼女は再び顔を上げた。その表情には皮肉が混ざっていた。彼女が口を開いた時、その声もまた変化していた。より深く、より思慮深く、どこか哀愁を帯びた声調へと調律し直されていたのだ。
「ふう」と彼女はため息をついた。「楽しんできてね、バー!」彼女はニッと笑った。「気が変わったなら、私たちのオファーはいつでも有効よ!」ハツラツとした微笑み。「同僚たちも、あなたの幸運を祈っているわ!」彼女は密かに周囲を見回した。
感想:演技をやめた女性。
彼女は混雑するコンコースを横目にチラリと見ると、下唇を噛み、少し眉をひそめた。
「とにかく一杯奢ってもらうってわけには、やっぱりいかないかしら?」彼女は哀願するような口調で言った。
彼は笑って首を振り、手提げ鞄を肩に担ぎ直すと、後ずさりしながらお辞儀をした。
感想:演技をやめて本性を見せたわたし作戦はその辺にいる女でもよく使う手口説。
ジェナール=ホフォエンが到着したのは、ティエールの年次祭りが終わってから数日後のことだった。
感想:原始に戻る祭りは終わった模様。
彼が到着した時、そこには初秋の荒廃感と真っ盛りの夏の無気力が混ざり合ったような雰囲気が漂っていた。人々は片付けをし、気持ちを静め、日常へと戻り、概ね行儀よく振る舞っていた。
感想:よく「人生楽しそうだね」と言われるのだが「なんでもかんでもおもしろく変換する」となんでも楽しい説。数日前に友人と「仲間になれる人ってどんな人?」というテーマについて話したんだが「おもしろがれること」というオチになった。たとえが難しいが、自分のことばかり考えているクズはおもしろいが、一定以上のクズ(利己的)になるとおもしろくない。要は人の欠点をおもしろがるのだと思う。具体例をだすなら筒井康隆の「虚航船団」に登場する船員「文房具」たち。彼らはみなクズだ、しかし他者のクズっぷりをそいつの個性として受け入れて否定しない。互いに許し合っているのだと思う。その文房具のクズさは人間のクズさそのものなんだけど、文房具たちのクズっぷりは愛しいんだよな。まあ、優しいんだよ、なんだかんだ。
彼は事前に連絡を入れておき、レベル3で最高のホテル「ザ・ビュー」のガーデン・ペントハウスを確保すると同時に、エロトループ(官能劇団)のサービスを予約することに成功していたのだった。
全体として、完璧な女性からのあまりにわかりやすいアプローチを断る価値は十二分にあった(まあ、本当なら断る手はない……だが、その完璧な女性が『あなたの妄想の産物に似せて姿を変えられ、あなたが求めているのが多少のバリエーション、刺激、そしてカルチャーらしからぬ危険である時に、あなたを世話して無事かつ上機嫌に保つために送り込まれた特別状況部(SC)のエージェント』であることがほぼ確実である場合を除けば、だ。
彼の理想のパートナーの見た目は確かにあの実に素晴らしいヴァーリオフ・シュングそのものだったが、彼女はより明確にSCではなく、コンタクト(接触部)でもなく、おそらくカルチャーの人間ですらない。彼らが理解できないであろうその異質感、隔絶感、そして異星人的なものへの欲望こそが、彼を突き動かしていたのだ)。
感想:わたしはタコみたいなものとのせっくすに興味がある。
彼はベッドに横たわり、心地よい疲労感に包まれ、あちこちの筋肉が時折勝手にピクピクと痙攣するのを感じていた。周囲には眠れる美少女たちが横たわり、各種ホルモンの意図的な分泌(グランディング)の余韻で頭をぼんやりと痺れさせながら、一番近い木の前に浮かぶスクリーンでティエールのニュース(カルチャー偏向)チャンネルを眺めていた。耳につけた小型のイヤホンが音声を伝えていた。
感想:未来のビジネスホテルにチェックインした外交官のおっさん説。
ニュースは相変わらずブリタリング・デルジャーの悲劇を筆頭に伝えていた。続いて、カルチャー船における「フリート(集団行動)」の増加に関する特集が組まれていた。
「フリート」とは、2隻以上の船のマインド(超高度AI)が、単独でいることや手紙と同等のやり取りしかできないことに嫌気が差し、お互いに物理的に接近して会話ができるように集まる現象のことだ。
運用上は極めて非効率的である。一部の古いマインドたちは、これが最近建造された同僚たちの「軟弱化」を示していると危惧しており、この弱く慣れ合いすぎた堕落に対処するため、将来建造されるマインドの前提状態を変更すべきだと主張していた。
感想:マインドの政治状況を人間のニュースに放映するカオスシーン。
ローカルニュース:祭りの三日目にドック807bで発生した謎の爆発についての短く簡単な追跡報道があり、基本的にはいまだ謎のままであると伝えていた。アフロントの巡洋艦フューリアス・パーパス号は、ごく小規模な純粋エネルギー爆発によって軽微な損傷を受け、船体の傷(スカーハル)の層の一部が局所的に焼き払われた程度で済んでいた。熱狂しすぎた祭りの悪戯ではないかと疑われていた。
もう少し離れた領域では、数キロイヤーほど逆回転方向(アンチ・スピンワード)に位置する新たな「ヒンタースフィア(後方領域)」の創設をめぐる議論が依然として続いていた。
ヒンタースフィアとは、最悪の緊急事態を除いて超光速航行が禁止され、人々の生活がカルチャーの他の場所よりも全般的にゆったりとしたペースで進む空間領域のことだ。ジェナール=ホフォエンはそのニュースに首を振った。気取った懐古主義(田舎趣味)だ。
感想:ホフォエンのような英米小説に登場するマーンに似せている男が友人にいるのだが、たまに連絡を取り合うと昔と変わらずの安心したクズっぷりをみせてくれておもしろい。いつかまた再開したい唯一のマーン。
再び地元の話題に戻ると、エスペリ近くの「アノマリー(異常事態)」の現場からわずか1日の距離にバックアップ艦が迫っていた。
第一発見者であるGCUは、依然として人工物(アーティファクト)に変化はないと報告していた。コンタクトセクションからの要請にもかかわらず、様々な他の「インボルブド(関与種族)」の文明が現場領域へ船を派兵しているか、あるいは派兵しつつあったが、ティエール自体は船の派遣を見送っていた。
大方の観察者の予想に反して、アフロントは野次馬根性を出す者たちの反応を批判し、異常事態からは徹底して距離を置いていた。ただし、アッパー・リーフ・スワール(上部葉状渦巻領域)でのアフロントの活動活発化に関する未確認情報もあり、ちょうど本日も4隻の船が――
「消せ」とジェナール=ホフォエンが静かに言うと、スクリーンは指示通りに消え去った。エロトループの少女の一人が彼に押し付けられるようにして身動ぎした。彼は彼女を見つめた。
少女の顔は、かつての名艦プロダクション・チャイルド号の船長だったズレイン・トラモウの顔そのものだった。彼女の体はオリジナルとは異なり、ジェナール=ホフォエンの好みに合わせて繊細に変更されていた。彼女のような人間が二人、そして女優、ミュージシャン、ライフスタイラーといった著名人にそっくりな姿をした者が三人いた。
ズレインとエンホフ、シュペル、パイ、そしてジディンリー。彼女たちは全員、実に魅力的であると同時に、驚くほど真に迫ったなりきり役者だった。
しかしジェナール=ホフォエンは、他人の好み――通常は性的なものだが、常にそうとは限らない――に合わせるためだけに、数日おきに自分の容姿や振る舞いを変えることを選ぶ人々の精神構造に疑問を感じずにはいられなかった。
だが、それは自分が単に少し頭の硬い古い人間であるだけなのかもしれなかった。あるいは彼女たちは、そうでもしなければ少し退屈な人々であったのか、あるいは単にそうした事柄において他の人々よりも遥かに多様性を好んでいただけなのかもしれない。
彼女たちの動機がどうであれ、5人全員が食事とパーティーに続いた愉しみの後、無重力(AG)ベッドの上で礼儀正しく眠りに落ちていた。
劇団の「お手本カップル」であるガキッチとレレールも眠っており、ベッドのプラットフォームと、チリンチリンと音を立てる滝やプールから伸びる小川との間のじゅうたんのような芝生の上で、お互いの腕の中に抱き合っていた。
萎えた男のペニスは、ほぼ普通に見える状態に戻っていた。ジェナール=ホフォエン自身も少し眠気を感じていたが、彼は休暇中ずっと起きていようと心に決めていた。
彼は「ゲイン(利得・覚醒剤)」を内分泌(グランディング)させて、脳裏に浮上する眠気を押し戻した。これを丸3日間続けたら大量の睡眠が必要になるだろうが、グレイ・エリア/ミートカッターの船内で一週間過ごすことになるのだ。回復する時間はたっぷりある。ゲインの刺激が全身を駆け巡り、彼の頭をすっきりとさせ、身体から疲労の影響を取り除いていった。徐
徐々にに休息が満ちていく感覚と、いつでも行動できる安らかな静けさが、彼の身体全体を洗い流すように駆け抜けた。
彼は首の後ろで手を組み、覆いかぶさる二本の木々の枝葉越しに、青く雲が散らばる空を嬉しそうに見上げた。
ティエールの標準重力レベルにおいて、ただそうして身体を動かすだけで、軽やかで、ほとんど無邪気なまでに楽しい心地よさを感じられた。
アフロントの標準重力はカルチャーが推奨する人間の標準の二倍以上あり、日々の生活で自分がどれほど重くなったかをすぐに、そしてずっと以前に気にしなくなっていたことは、彼の身体がいかに素早く、そして容易に「ゴッズホール」ハビタットの環境に適応していたかを示す兆候なのだろうと彼は思った。
ふと、ある考えが頭をよぎった。彼は短く目を閉じ、平均的なカルチャーの成人が生理学的設定を確認する必要があり、かつその手間を惜しまない時に用いる「半トランス状態」へと素早く移行した。
彼は自分の身体のさまざまなイメージの内部を探り、自分が小さな球体の上に立っているイメージに到達した。その球体は「標準重力1G」に設定されていた。彼の潜在意識は、自分が数時間以上にわたって継続的な減重力場に身を置いている事実を感知し、自動的に再設定(リセット)を行っていたのだ。
このまま放置すれば、彼の身体は骨量と筋肉量を減らし始め、血管壁を薄くし、そのフレーム、組織、器官を減重力環境により適応させるために、小さくも重大な何百もの変化を実行し始めるだろう。
まあ、彼の潜在意識は単に己の仕事をしているだけであり、彼が一ヶ月ほどで再びアフロントの重力環境に戻ることなど知る由もない。
彼はイメージの中の球体のサイズを大きくし、身体が「ゴッズホール」に戻った際に再適応しなければならない「2.1G」にまで戻した。よし、これで大丈夫だ。ついでに内部状態を一通りチェックしてみたが、異常があるはずもなかった。警戒信号は異常があれば自動的に自己主張してくるからだ。案の定、すべて順調だった。疲労は処置され、ゲイン(覚醒剤)の存在が記録され、血糖値は正常に戻りつつあり、各種ホルモンも全体的に最適なレベルへと回収されつつあった。
彼は半トランス状態から抜け出して目を開け、ベッド脇の洗練された艶出しの切り株の上に置かれたペン型端末を見やった。これまでのところ、彼はこれを主にコンタクト(接触部)の連絡先からの返信を確認するために使っていた。
それは今のところ――非常に負担の少ないこの任務に関して確認できることを確かめるためだった。端末は、メッセージが保管されている場合は小さな光を点滅させるはずだった。
彼はエクセッション(アノマリー)の事案コーディネーターであるGSVノット・インヴェンテッド・ヒア(Not Invented Here)からの連絡を今も待っているところだった。
感想:我が推しになりそうな「ここでは発明されない」号だーー。そういえば今日は推しに会えて、明日は別の推しに会える。すきなひとに会える喜び、たふたふ(*´Д`) ※推し活に承認欲求を絡めると嫌われますw
端末は彼が置いた場所で、無点灯のまま静かに横たわっていた。
新しいメッセージはなし。まあ、いいさ。
彼は視線を外し、しばらくの間、空を流れる雲を眺めていたが、それからこれが「消えたら」どう見えるのだろうかと思った。
「空、オフ」と彼は声を低く抑えて言った。
空は消え去り、ペントハウス・スイートの「本物の天井」があらわになった。そこはプロジェクターや照明、さまざまな突起や凹みがちりばめられた、なめらかな黒い表面だった。聞こえていた穏やかな動物の鳴き声もいくつか消えていった。
「ザ・ビュー・ホテル」では、すべてのスイートルームがペントハウスの角部屋仕様になっていた。1フロアにつき4部屋あり、4つのペントハウス・スイートがない唯一の階は最上階だった。下の階の誰にも「本物を逃している」と感じさせないよう、最上階はホテルの機械や設備を収容するためだけに制限されていたのだ。
ジェナール=ホフォエンの部屋は「ジャングル・スイート」と呼ばれていたが、それは彼がこれまでに耳にした中でも、最も手入れが行き届き、害虫がおらず、温帯に温度管理された、徹底的に文明化されたジャングルだった。
感想:魚臭くない水族館。
「夜空、オン」と彼は静かに言った。滑らかな黒い天井は、鋭く輝く星々がちりばめられた暗闇へと置き換わった。
昼間聞こえていたものとは異なる動物の鳴き声がいくつか再開した。それらは録音ではなく本物の動物だった。時折、ベッドのある開けた空間を鳥が横切って飛び、入浴用プールで魚が水しぶきを上げ、おしゃべりな類人猿が森の木々をスイングして渡り、巨大で光り輝く昆虫が空気中を繊細な羽音を立てて飛び交っていた。
すべてが恐ろしいほどセンスが良く完璧であり、ジェナール=ホフォエンはすでに夕方を心待ちにし始めていた。
感想:江戸川乱歩の「赤いへや」という話が好きだったな。内容はすべてに満ち溢れ何一つ不自由しない男が人生に退屈した結果、自分は手を下さず人が死ぬきっかけを作って実践するゲームを続けたけどまた飽きたって話。今思うと、この男は「肉体を限界まで駆使したことがない」んだよな。この世でいちばんおもしろいゲームは「自分の成長」かもな。その資格を取るとかそういうのじゃなくて人間力の成長なw相当追い込まないと人間って成長できないからやっぱり人は見た目がすべて(´・ω・`)
夕方になったらとびきりの服を着込み、街――この場合はほぼ真下に位置する「ナイト・シティ」――へ繰り出そうと考えていた。そこは伝統的に、ティエールにおいて窒息ガス(窒素・酸素大気)を呼吸でき、標準重力1Gに耐えられ、かつ娯楽と刺激に対する嗜好を持つあらゆる者が集まる傾向のある場所だった。
「ナイト・シティ」で過ごす夜は、この短い休暇の始まりにおける最初の狂乱の楽しさを締めくくるのに、打ってつけのものとなるだろう。
あらかじめ連絡を入れて極めて高額なエロトループ(官能劇団)を手配し、自分のあらゆる性的ファンタジーを演じさせることも一つの手だ――間違いなく実に素晴らしく、深く満足のいくものであることは自明だ、と彼は相応の重々しさをもって自分に言い聞かせた――だが、誰か他の人間、己の欲望と要求、独自の留保と条件を持った別の自由で独立した魂との「思いがけない出会い」という概念……それこそが、すべてが偶然と交渉次第であり、すべてが不発や拒絶、好印象を与えられずに終わる失敗、求められるどころか不十分だと判断される結果に終わるかもしれないからこそ、より価値あるものなのだ。拒絶されるリスクを侵すに値する事業なのだ。
彼は「チャージ(衝動・意欲促進剤)」を分泌させた。これで十分だろう。
数秒後、行動と移動への愛、そして「何かをしなければならない」というありがたい欲求で破裂しそうになった彼は、ベッドから跳ね起き、自分自身にくすくす笑いかけると、眠そうに不平を言いつつも相変わらず魅力的なエロトループのキャストたちに謝罪した。
彼は温かい滝へとスキップで向かい、その下に立った。シャワーを浴びながら、彼は近くの木に腰掛けた、スマートなチョッキを着た青い毛皮の利口そうな小動物に向かって、今夜用意してほしい服を伝えた。小動物は頷き、枝を渡って去っていった。
感想:ポケモンで遊んだことある人は分かると思うんだけど、今の時代の人間関係ってまさにポケモンw新しい時代の資産って「友人・仲間」なんだけど、まあいろんな人がいるじゃん。たとえば「コイキング」は雑魚カードで跳ねるしかできんし何の戦闘力にもならんけど、レベル20になると「ギャラドス」というめっちゃ強いカードに化ける。たかが20と思いきやマジで戦闘力に防御力もないから長い道のりなんだ・・。人間も「こいつ・・ほんまろくな事しないし・・だるい・・」と思っている人が「え!ここでこんな能力が!?」みたいなことが起きたりする。ポケモンの「ミュウツー」なんて神なんだがいざ入手して育ててみると無双過ぎて飽きる。人間で言うなら、桁外れのガチな富裕層ってみんな本当に優しくて良い人なんだ、友人として助けてくれればまさに無双・・。でも飽きるんですよ・・何かトラブルがあれば瞬足に解決してくれるし・・飽きるんです・・。最強カードを入手して飽きたヤツの末路は、ひたすら茂みで「コクーン」を集めまくったり、個々のフェチに徹底するという。そして自分にはクソだと思っていたポケモンもほかの誰かにとってはレアだったりするんだよね。余談だが、「母君はミルタンクに似ている」と伝えたところ「あらかわいい名前ね、見せて」と言われミルタンクをみせたらガチギレしていた昔の記憶・・・。(いや、ミルクのタンクなのだから察してくれ・・)
