日記
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イアン・バンクス「EXCESSION」全文翻訳(19)スリーパーサービス
感想:ええっと。本感想は翻訳を読むのに邪魔になるとご指摘があったので、以後感想は最後に書こうと思いますw分かりづらそうな場面のみ解説入れます。追記:やっぱり感想を読んでくれている人もいるようなので、マイハートに従って感想を書きます・・(;゚∀゚)=3ハァハァ
「なら、私はここに残った方がよさそうね?」と、ダジェイルは再び声を乱さず、穏やかに言った。
「ええ」と、アバター(化身)は言った。「ええ、そうしていただけると助かります。ありがとう」
感想:はい、この小説のわかりにくいシーン変更ですね。このシーンは、たぶん、本小説の冒頭に登場した「妊婦」の続きではないか?
アバターは、まるで内部のバネが弾けたかのように、突然椅子から立ち上がった。ダジェイルは面食らい、危うく跳び上がりそうになった。
「私はもう行かなければ」とアモルフィア(Amorphia)は言った。
感想:アモルフィアは確か、スリーパーサービスのアバターだったはず・・ということは(;´Д`)
ダジェイルは脚を外に回し、もっとゆっくりと立ち上がった。
「わかりました」と、アバターが塔の壁に取り付けられた階段へと向かう中で彼女は言った。「後で、もっと詳しい話を聞かせてくれることを期待しているわ」
「もちろんです」アバターは不鮮明に呟き、素早くお辞儀をすると姿を消した。ブーツの足音が階段を下りて響き渡る。数瞬後、ドアが大きな音を立てて閉まった。
ダジェイル・ジェリアン(Dajeil Gelian)は、塔の胸壁(パラペット)へと続く階段を上った。
風が彼女のローブのフードを捉え、まだ濡れた重い髪を外へと溢れ出させた。太陽のラインは沈み、空にゴールドとルビーの光のハイライトを散りばめ、右舷(スターボード)の水平線を薄紫色の柔らかな境界線へと変えていた。風が強まった。冷たく感じられた。
感想:ハァアwいつまでヒューマンのシーンが続くんだ・・わたしがこの小説を読んでいるのはドローンだ・・ドローンなんだぁ・・ドローンをだせぇぇえ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
アモルフィアは今夜、歩いて帰るつもりはなかった。
感想:このアバターはいつもは歩いて帰るのか。
その生物が塔の城壁に囲まれた庭園を通る狭い小道を急ぎ足で抜け、陸の門を出ると、目に見える反重力(AG)パックや飛行スーツも装着していないのに、そのまま空中へと浮き上がった。そして暗く細い残像となって空中で加速し、弧を描きながら、数秒後にはその先にある崖の端の向こうへと姿を消した。
感想:なんか急いでいるご様子のアバター・・
ダジェイルは空を見上げた。
目に涙が浮かんでいることに気づき、彼女はイライラした。
怒りを込めて涙をすすり、両頬を拭った。
二、三度まばたきをすると、空の景色は再びブレることなく、はっきりと見えた。
確かに、それはすでに始まっていたのだ。
感想:ナンダ?地殻変動か・・?
頭上の赤く斑点模様の浮かぶ雲から、飛行船のような生物(ディリジブル・クリエイチャー)の一群が降りてきて、崖に向かっていた。よく見ると、彼らを誘導する牧羊犬のようなドローンたちが付き添っているのが見えた。
感想:にぱぁ(*´Д`)ドローン
間違いなく、いまこの瞬間、塔の反対側にある灰色の海面下でも、そして上空の、猛烈な熱気と押し潰すような圧力が支配するガス惑星の環境でも、同じ光景が繰り返されているはずだった。
飛行船のような生物たちは、頭上の空で一瞬ためらった。彼らの目の前で、崖の広大なエリア・・おそらく幅1キロメートル、高さはその半分ほど・・が、まるで荷物を四つ折りに畳むかのように内側へと折りたたまれ、その背後に広がる4つの巨大で長い発光するホールの中へと姿を消したのだった。安堵した飛行船状の生物たちは、開かれた格納庫(ベイ)の一つへと誘導されていった。
感想:ほうほう。宇宙船が作り出した船内の「巨大な自然環境」「絶滅危惧種」「独自の動物たち」を保護する生態系保存船・・これは・・スリーパーサービス・・!となると、この妊婦は・・カルチャーの外交官ホフォエンの任務対象者?!
他の場所でも、崖の別の部分が同様のからくりを見せていた。露わになった空間に光が煌めく。灰茶色の崖の崩落土(スクリー)の帯全体・・容易に幅20キロメートル、奥行きも高さも100メートルに及ぶ領域・・が、8つの巨大な「Vの字」を描いて折りたたまれ、傾き、数兆トンもの「本物と見紛う岩石」を、補強されているであろう8つの船体格納庫へと流し込んでいた。海やガス惑星の大気に対して用意されているであろう、何らかの形質転換プロセスを今まさに受けようとしているのだ。
感想:格納庫か・・それはつまり収納・・。わたしの生きているこの世界もいつかどこかに収納されるのかもしれぬ・・
岩石が消え去るにつれ、骨の奥まで響くような巨大な地鳴りが地面を揺らし、塔を轟かせ、巨大な塵の雲が冷たい空気の中へとモクモクと舞い上がった。ダジェイルは首を振った――濡れた髪がローブの湿った肩の上でバタバタと揺れた――そして、石の塵の雲が届く前に避難しようと、塔の残りの空間へと続く入り口に向かって歩き出した。
黒い鳥グラヴィアス(Gravious)が彼女の肩に止まろうとした。
彼女が追い払うと、鳥は開いた吊り戸の縁にバタバタと大きな音を立てて降り立った。
感想:キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 推しのカラス!いや、ただの黒い鳥!
「僕の木が!」と、鳥は片足ずつピョンピョンと跳ねながら悲鳴を上げた。「僕の木が! 彼らが――僕の――消えちゃったよ!」
感想:はふはふはふはふ(興奮)かわいいカラス・・いや黒い鳥・・「僕」と呼ぶあたりも愛しい・・(*´Д`)ハァハァ
「あきらめなさい」と彼女は言った。再び空を切り裂くように、崩れ落ちる岩石の轟音が響き渡った。「この船が私を置く場所なら、どこにでも留まりなさい」と彼女は鳥に言った。「もし船が許してくれるならね。さあ、邪魔をしないで」
感想:人間のセリフはつまらぬ。
「でも、冬のための僕の食べ物が! 消えちゃったんだ!」
「冬なんて過ぎ去ったのよ、この間抜けな鳥」と彼女は言った。
感想:あああ(*´Д`)ハァハァ そうかそうか、冬のためにため込んだ食料が木と一緒に消えてしまったんだね・・かわいそうなカラス・・(興奮)ぜひともわたしもハウスにいらっしゃい・・(;゚∀゚)=3ハァハァ
黒い鳥は動きを止め、首を前に傾けて斜めに傾け、右目で彼女をじっと見つめた。彼女が今言ったことの、もっと意味のある響きを拾い上げようとするかのように。
感想:わたしもおしゃべりカラスが欲しい
「ああ、心配しないで」と彼女は言った。「あなたにもちゃんと住処は用意されるはずだから!」 彼女が止まり木から追い払うと、鳥は羽音を荒々しく響かせて飛び去った。
感想:もはや、住処などどうでもいい説。
音の最後の地震のような揺れが、塔の下と上を通り抜けていった。
女性ダジェイル・ジェリアンは振り返り、黄昏に照らされた渦巻く灰色の塵の雲を見つめた。その向こうから、開かれた格納庫の光が射し込んでいた。自然の造形を模していた見せかけが投げ捨てられ、この宇宙船の構造体の全体像が、その姿を現し始めていた。
カルチャーのジェネラル・システム・ヴィークル(GSV)『スリーパー・サービス(Sleeper Service)』。
感想:やはりな。スリーパーサービスの船内だったようだ。カラスちゃんの住処であったココはスリーパーサービスという宇宙船の中であり、その外には無限の宇宙が広がっている・・手塚治虫の火の鳥みたいだな・・宇宙の外はまた宇宙・・
もはや、彼女の気高き保護者でも、過剰すぎる機能を備えた移動式サファリパークでもなくなった……。この大宇宙船はついに、自らの強大な能力の規模に見合うような「関わるべき何か」を、見出したようだった。彼女は不安を抱きつつも、その無事を祈った。
感想:いや、これから君のもとに現れるであろう騒がしいメンバーを紹介しよう!殺戮大好きアフロント人、君の魂を狙うカルチャーの外交官ホフォエン、自分より美人は許さないお嬢様セイチ・・。
「石のような海」と彼女は思った。彼女は振り返り、眠り、夢も見ない我が子の膨らみを優しく撫でながら、塔の温もりの中へと一歩踏み出した。
「本当に厳しい冬ね。私たちが予想していた、誰の想像よりも厳しい冬だわ」
感想:冷凍睡眠という冬が終わり、目覚めの春がやってくる・・ってやつか?え?(´▽`)
____
レフィド・イスパンテリは、今一緒にいる娘の名前を思い出そうと必死だった。ゲルトリー? ウスパー? ステムリ?
感想:ピピピピ・・新たな名前を検知・・New人間の登場だzふぁっく!
「ああ、そう、そう、ふっ、ふぁっく! 神々よ、そうよ! もっと、もっと。いま、そう! そこ! そこ! そう! ああぁぁ……!」
ソリ? ゲトリン? エイスコー?
「ああ、くそっ! そこ! もっと! もっと強く! そう……そう……いま! ああ!」
感想:せっくす中と検知・・ピピピ・・
セラス? セレイヤー?(情けない、なんて無粋な男なんだ自分は!)
「ああ、愛しい天の恵み! ああ、クソッ!」
彼女の名前が思い出せないのも無理はなかった。
娘があまりにも大騒ぎするので、自分がいったい思考すらできているのか怪しいくらいだった。とはいえ、愚痴をこぼす筋合いはないな、と彼は思った。
感想:この男、レフィドは名前を忘れた女と性行為をしているようだ。
感謝されるのはいつだって気分がいいものだ。たとえ、その仕事のほとんどをこなしているのが、この借り物のヨットだったとしても。
感想:場所はヨットの上・・ピピピ・・・
その小ぶりなレンタル・ヨットは、ふたりの下で身震いするように揺れ、跳ね上がり、ティエール(Tier)という名の巨大な段々畑のような世界の数千キロ上空で、螺旋を描きながら宇宙空間をカーブしていた。
感想:ヨットはリース・・・ピピピ・・あ、ティエールという場所はアフロント人の惑星の名前じゃなかったのか・・自分としたことか・・すまんすまんそ(;・∀・)
レフィドはこの手の行為のために、過去にもこうした小さなヨットを使ったことがあった。コンピューターに程よくギザギザした航路を入力しておけば、乗り物の方が揺れと震えの大部分を勝手にやってくれる。
感想:レフィドはヨットの上で性行為を習慣的に行っているようだ。さて、このティエールという場所はどんなとこなんだ。見る限りレフィドはカルチャーのにおいがするが・・
自分たちがTerribly(ひどく)重く感じることなく身体を支えられる程度のわずかな擬似重力だけを残して。時折、動力を切るインターバルをプログラムしておくことで、甘美な無重力の瞬間が生まれ、小さな船は巨大な世界からさらに遠ざかっていく。
感想:このレンタルヨットには無重力低重力のプログラムが備わっているらしい。カルチャーのお嬢様セイチのせっくす専用「ロマンスベット」みたいなことなのだろうか。
その結果、円錐形のハビタット(居住区)がその全貌を次第に現し、星系の太陽の光を受けてゆっくりと回転しながら煌めく様が、観察窓の向こうでより雄大さを増していくのだ。適切な、そして乗り気なパートナーさえ見つかれば、まさに完璧なセックスのやり方だった。
感想:みんな欲望に忠実。中学生のときにタコ星人みたいな触角のある異星人との性行為をする主人公モノの漫画にはまってたなw
「あう! あう! ああぁぁっ! もっと! 押して、押して、押して! そうよ!」
彼女は突き出す彼の腰を掴み、羽毛の生えた彼の頭皮を撫で、もう一方の手を外側に回して彼の下腹部をさすった。
感想:人間と人間のせっくすはいいや・・ん?羽?
彼女の巨大で暗い瞳が煌めき、その奥のどこかで無数の小さな光が、彼女の快楽の強さに応じて魅力的に変化する色と密度の渦を巻いて脈打っていた。
「さあ! そう! 上がってきて。もっと! もっと奥へ! あぁぁっ!」
くそっ、本当に彼女の名前は何だったっけ?
ゲルドリ? ショカス? エシエル?
感想:羽とは?
参ったな。カルチャーの名前ですらないとしたらどうする?
感想:やっぱりレフィドはカルチャーの人間だったのか。
彼はカルチャー風の名前だと確信していたのだが、いまや実はそうではないかもしれないと思い始めていた。そうなると余計に難しくなる。まあ、思い出せない言い訳にはなるかもしれないが、難易度が上がるのは確かだ。
ふたりが出会ったのは、第645回「ティエール祭」の開幕を祝うホモムダ人(Homomdan)大使のパーティーだった。
感想:わろわろ。今日の東京38度・・体感温度は40度を超えるのだろう・・こんな暑い日に外出するなど恐ろしヤマの恐ろしもんだZ..
彼はこの「祭り」の1ヶ月間、自分のニューラル・レース(神経網)を取り外すことを決意していた。今年のテーマが「原始主義」だったため、自分自身の肉体改造のどこかを諦めるべきだと考えたのだ。ニューラル・レースを選んだのは、肉体的な見た目の変化はなく他人の目には全く同じに見えるものの、自分自身の感覚としては最も大きな違いを実感できると思ったからだった。
感想:わろわろwテクノロジーは捨てて不自由を楽しむ祭りか・・まあ、不自由な田舎に移住して畑で自分たちの作った野菜を食べるとか、ビーガンみたいなやつね。
そして実際、その通りだった。物事や人に対して直接情報を尋ねなければならず、正確な時刻や自分がハビタットのどこに位置しているのか分からないというのは、妙に解放感があった。しかしそれは同時に、人の名前のようなものを覚えるのに「自分自身の記憶力」に頼らざるを得ないことも意味していた。機械の補助がない人間の記憶がいかに不完全なものか(彼は忘れていたのだ)!
感想:カルチャーの人間にはニューラリンクが埋め込まれているので、マインド効果で思考力や頭の回転率がかなり上がるのだ・・もちろん不自由を楽しむ祭りなのでレフィドはニューラリンクを切っている・・ゆえに性行為中の女の名前も忘れた・・AIの力を借りない人間の能力の皮肉さを描いているのだろうw
彼は自分の「翼」までも取り外そうかと考えたこともあった。少なくとも、自分が祭りの精神に参加していることを示すために。
感想:え、お前にも翼が生えているのかい。レフィドよ、貴様はナンダ、人間なのか、そもそもその翼はよく祭りにある飾りか?ガチか?答えよ
だが結局、翼は残すことにした。おそらくそれで正解だったのだ。この娘は翼に並々ならぬ反応を示したのだから。
感想:翼フェチか。私は触角だ、タコみたいな。
仮面をつけ、体を煌めかせながら、一直線に彼に向かってやってきた。彼女は彼とほぼ同じ背丈で、完璧なプロポーションを持ち、そして4本の腕が生えていた!
感想:腕フェチか、って違う、相手の女の腕は4本ある。タコだ、いやタコの腕は8本だ。
しかも、それぞれの手にグラスを持っていた。
感想:じゃあ4個グラスを持っているのか?
まさに彼の好みのタイプの女性だと、彼は即座に確信した。
感想:レフィドの趣味か。
彼女が彼の折りたたまれた雪のように白い翼を感心そうに見つめている時でさえ。彼女は一種のジェル・スーツを着ていた。基本は深い青だが、全体に金を巻きつけたようなパターンで覆われ、かすかに光る赤の対比的な小さなダイヤモンド模様がちりばめられていた。彼女のひげのついた仮面はルビーが埋め込まれた磁器のような骨でできており、虹色に輝くバドラの羽で仕上げられていた。目も眩むような香水の香り。
感想:相手の女にはひげが生えているのか。半魚人か?ナンダ?答えよ
彼女は彼にグラスをひとつ手渡し、仮面を外して、開いた口ほどもある大きさの目を露わにした。活気あふれる装飾が施されたドームの艶やかな光の中で、その目は柔らかく、黒く無特徴に見えたが、注意深く見ると、その曲面の内側に小さな光の予感が揺らめいているのが見えた。ジェルフィールド・スーツは、過剰に改造されたその目と、長く輝く赤褐色の三つ編みが溢れ出ている後頭部の小さな穴を除いて、彼女の全身を覆っていた。金糸で巻かれたその髪は、彼女の腰のくびれで終わり、そこでスーツに繋ぎ止められていた。
感想:彼女は、青と金のジェルスーツを着用している4本腕の女だ。
彼女はファーストネームを名乗った。
ジェル・スーツの唇が開き、白い歯とピンク色の舌が見えた。
「レフィド」と彼は答え、深々とお辞儀をしながらも、できる限り彼女の顔を観察した。彼が身にまとっていたシンプルな黒いローブの上で、翼が大きく広がって彼女の方へと立ち上がるのを、彼女は見上げていた。彼女が深く息を吸い込むのが見えた。彼女の目の光が眩しく弾けた。
(よし来た!)と彼は思った。
ホモムダ人の大使は、スタジアムほどの大きさの彼女の住居エリア(騒々しく装飾されていた)を、パーティーのために昔ながらの移動遊園地へと変貌させていた。彼と彼女は出し物やテント、アトラクションの間を散策し、世間話をし、すれ違う人々にコメントを言い合い、パーティーにドローンが一機もいないという清々しさを祝った。
感想:人間よりもドローンのシーンがいい。
そしてメリーゴーラウンド、シュブルバブ、螺旋滑り台、アイススライダー、クィトルトラップ、スライシクル、ボインベース、エアブロー、トランプスカップ、ボディフラッガーの価値について議論し、種族間のお笑い顔コンテストがいかに完全に無意味であるかを嘆き合った。
彼女は故郷のオービタルから自分を高めるための「見聞の旅」に出ており、祭りが続く限りここに滞在する半エキセントリック(準・風変わり)な船に乗って、友人グループと一緒にクルージングと学習を楽しんでいるところだった。
感想:リトリートか。
彼女の叔母のひとりが「コンタクト(接触部)」にコネを持っており、大使の祝宴への招待状を勝ち取ったのだという。友人たちはそれを酷く羨ましがっていた。彼女はまだ10代(ティーンエイジャー)だろうと彼は推測した。
感想:アウトーーー!カルチャーのお嬢様「セイチ」同様に、こちらの少女もお嬢様だった。飽きた飽きた飽きたw
もっとも、年上の者のような優雅な身のこなしを見せ、彼女の会話は彼が予想していたよりも聡明で、鋭いとさえ言えた。普段なら大抵のティーンエイジャーとの会話は意識を半ばオフにできるのだが、彼女の意味や暗喩を追うのに、時折全速力で頭を回転させなければならなかった。
最近のティーンエイジャーはさらに賢くなっているのだろうか? それとも単に自分が歳をとっただけか! まあいい。彼女が翼を気に入っているのは明らかだった。彼女は翼を撫でさせてほしいと頼んできた。
感想:いや、貴様(レフィド)がニューラリンクを外しているからであろう。
彼は彼女に、自分はティエールの住民であり、見方によってはカルチャーとも元カルチャーとも言える、と話した。彼自身はそんなことを気にしてはいなかったが、もし無理にどちらかを選べと言われれば、残りの人生を過ごしたカルチャーよりも、20年間暮らしているティエールに対してより愛着を感じているのは確かだった。
感想:レフィドは脱カルチャーした人間。こいつ・・高確率でカルチャーの外交官ホフォエンと対面するだろうな。
それも「AhForgetIt(ああ、もうどうでもいい派)」という傾向(派閥)においてであり、カルチャー本体ではなかった。「ああ、どうでもいい派」は、カルチャー本体の真面目すぎる体質と、本来あるべきヘドニズム(快楽主義)への追求が全く足りていない点を非常に嫌っていた。
彼は最初、その派閥の文化使節団の一員としてここへやってきたが、残りのメンバーが故郷のオービタルへ戻った後もそのまま留まったのだった。(実は僕は『ああ、どうでもいい派』における特別状況部みたいなところにいて、まあ一種のスパイなんだ。秘密の暗号とかもたくさん知っててね……なんて言ってみようかとも思ったが、こんな洗練されたお嬢さんに通用するような口説き文句ではないだろう、と思い直した。)
感想:暑いね、この暑さはいつまで続くのだろうか。友人宅でこれ書いてるんだけどお腹がすいてきたから持参したヨーグルトに何かかけたくて探していたら開封済みのお高そうなはちみつを発見。友人は外出中なので既成事実としていただいた。
おお、彼は彼女より遥かに年上だった。
140歳という、かなりの熟年だ。
まあ、そう言ってもらえるのは光栄だな。
感想:カルチャーの人間にとって140歳など普通説。
そう、翼は機能する。
標準重力の50%以下であればどこででも。
30歳の時から生やしている。
感想:まあ、カルチャーの人間は性別も変更できるし、何にでもなれるんだっけな。昔観た映画で、生まれ変わりのいきものを決めることができるけど現世の行いによっては選べるいきものが限られる・・というのを観た。主人公はたしかロブスターしか選べなかった記憶。
彼はここティエールの、重力30%の空中層に住んでいた。そこには巨大なクモの巣の木(ウェブ・ツリー)が広がっている。くり抜いた果実の殻に住む者もいるが、彼は加圧された細い支柱の上にチャルトレッサーの絹を張り渡した、煙のように繊細な家のようなものを好んでいた。そう、彼女がそこを見に来てくれるなら大歓迎だった。
感想:わたしはこういう家にすみたい。
彼女はティエールをたくさん観光したのだろうか? 昨日着いたばかり? 祭りには最高のタイミングだ! ぜひ僕が案内してあげたい。いまからどうだ? いいじゃないか。ヨットをチャーターすればいい。でもその前に、大使へ挨拶と謝罪をしに行こう。当然だ、彼と僕は古い友人同士なんだから。彼女の叔母さんに自慢できる話になるだろう。それに彼女の乗ってきたクルーズ船にも寄ろうか。他の仲間も誘うか?
え、小さなカメラ・ドローンを一機持ってきただけ? まあ、いいじゃないか。確かにティエールの規則は時に鬱陶しいものだからね。
そう! そうだ。そぉぉぅ!彼も限界だった。
感想:あ、行為中に考えてるのか。
彼女は最後に耳をつんざくような悲鳴をひとつ上げると、ジェル・スーツの顔に巨大な笑みを浮かべたまま(スーツは着たままで、別の開口部が好都合にも開いていた)、ぐったりと脱力した。そろそろこのラウンドをクライマックスへと導く時間だ……。
ヨットは以前にも彼の役に立っていた。彼の声を聞き取り、それをエンジンを停止して自由落下に入れというシグナルだと解釈した。テクノロジー様々だ。
ニューラル・レース(神経網)があれば、薬物腺からの分泌量をコントロールし、現在進行している拡張された人間の基礎生理学的プロセスとより正確に同調させ、高めることで、オルガズムのシークエンスをもっと上手く処理できただろう。
感想:素朴な疑問だが、ニューラリンクにより直接脳で快感を得られるのに実際に性行為をする必要はあるのだろうか説。
しかし、それでも十分に素晴らしかった。彼の絶頂は彼女のそれほど長くは続かなかったが、優に1分以上はあったはずだ。
彼は彼女と結合したまま浮遊し、彼女の顔の微笑みと、巨大な暗い瞳の中にある微かな小さな光を見つめていた。彼女の素晴らしい胸が時折上下し、4本の腕が海中のようなしなやかな動きで周囲を漂っていた。しばらくして、彼女の手のひとつがうなじへと伸びた。彼女はジェル・スーツの頭部を外し、それを自由に漂わせた。
深く暗い瞳はそのままで、彼女の顔の残りの部分は赤みがさした小麦色で、とても美しかった。彼は彼女に微笑みかけた。彼女も微笑み返した。
ジェル・スーツの頭部が外れると、彼女の額と上唇に小さな汗の粒が浮かんだ。彼は肩の後ろから羽を柔らかくなびかせ、往復させることで、彼女の顔に優しく風を送った。巨大な目がしばらくの間彼を見つめると、彼女は頭を後ろに倒し、身体を伸ばしてため息をついた。
ピンク色のクッションがふたつ浮遊して通り過ぎ、彼女の漂う腕にぶつかって、ゆっくりと跳ね返っていった。
ヨットのレンタル時間制限の警告音が鳴った。ティエールからあまり遠くへ離れることは許されていないのだ。制限に達したら引き返すようあらかじめ指示してあった。ヨットは指示通りエンジンを点火し、しばしの間、ふたりは甘美に絡み合った手足とともに、カウチやクッションの滑らかで温かい表面へと押し付けられた。少女は甘美な緩やかさで身をよじらせた。その目は今やすっかり暗くなっていた。
感想:遭難はそうなん。
彼が片側に目をやると、彼女が持ってきた小さなカメラ・ドローンが、ダイヤモンド型の観察窓の下の棚に鎮座し、そのひとつのつぶらな目を依然としてふたりに釘付けにしているのが見えた。彼はドローンに向かってウインクしてみせた。
感想:人間飽きた飽きた飽きた飽きた飽きた
外の、暗闇の中、ゆっくりと回転する星々の間を何かが動いた。彼はしばらくの間それを見つめていた。
ヨットが静かにエンジンを点火し、微かな音を立てた。一瞬、擬似重力によって彼と少女は天井へと押し付けられたが、すぐに無重力状態に戻った。少女は彼女が眠っていることを示すような小さな声を漏らし、彼を放して内部でリラックスしたようだった。彼は自分の腕で彼女をさらに近くへ引き寄せ、羽を一度、二度と羽ばたかせて、ふたりを観察窓の近くへと寄せていった。
外のすぐ近くを、ティエールへの最終アプローチに入った船が通過していくところだった。ふたりはほぼその進行方向にいたに違いない。ヨットのエンジン噴射は回避運動だったのだ。レフィドは眠っている少女を見下ろし、起こして見せるべきだろうかと考えた。100メートルほど先を、暗く、華麗な装飾が施された船体が静かに宇宙を切り開いて通り過ぎていく様には、どこか魔法のような趣があった。
彼は思いつきでニヤリと笑うと、手を伸ばして小さなカメラ・ドローン――現在は娘のお尻と自分のタマの素晴らしい映像を捉えている――を掴み、くるりと向きを変えて観察窓の外の通り過ぎる船に向けようとした。
彼女が録画を見たときに驚かせてやろうとしたのだ。しかし、その時別のものが彼の注意を惹きつけ、彼の手がカメラ・ドローンに触れることはなかった。
代わりに、彼は観察窓の外を凝視した。
彼の目はその船の船体の一部に釘付けになっていた。
船は通り過ぎていった。彼は宇宙の闇を凝視し続けた。
少女はため息をついて動き、4本の腕のうち2本を伸ばして彼の顔を自分の方へと引き寄せた。彼女は内側から彼をぎゅっと締め付けた。
「うふぅぅぅ」と彼女は息を漏らし、彼にキスをした。ジェル・スーツ越しではない、彼らの本当の最初のキスだった。相変わらずうっとりするような、海のように深く魅惑的な目……。
エストレイ(Estray)。
彼女の名前はエストレイだった。
感想:お相手の女性の名前は、エストレイ。
そうだ、思い出した。とびきり魅力的な女の子には、実にありふれた名前だ。ここに1ヶ月滞在する、だって? レフィドは自分を祝福した。これは素晴らしい祭りになりそうだ。ふたりは再びお互いを愛撫し始めた。
それは最初の時と同じくらい素晴らしかったが、それ以上ではなかった。というのも、彼は依然としてこの行為に全身全霊を注ぐことができなかったからだ。
いまや、彼女の名前を思い出そうとする代わりに、「なぜアフロント(Affronter)の小型巡洋艦の傷だらけの船体に、エレンチャー(Elencher)の緊急メッセージが細かく撒き散らされているのか」という疑問が頭から離れなくなっていたからだ。
感想:キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!アフロント人!!!!!!!!!
イアン・バンクス「EXCESSION」全文翻訳(18)コミュ力の高いドローン、チュート。
感想:はいはい、二日間も翻訳を空けてしまった(´▽`)あまりの暑さと疲労で夏バテしていました。スピっぽいけどガチな武術家の友人に治してもらったので復活!瘦せたからたくさん食べないと!
……というのも、彼女は他にもいくつかベッドを持っていたからだ。
感想:前回は中途半端なとことで中断してしまったようだ。このシーンはカルチャーの名家である「セイチ」お嬢様が若いイケメン男を性行為を終えたあとのベッドシーンですね。
ぬいぐるみでいっぱいの幼少期のベッド。安らぎに満ち、夜開く植物に囲まれた「ただ眠るため」のベッド。友人たちを迎え入れたい時のための、豪華で極めてクラシカルな天蓋付きの「接見用」ベッド。
感想:さすがお嬢様ですね。わたしなんて「寝る用のベッド」一択ですな。しかし人間に欠かせない睡眠時間と排便時間は有意義なものにしたい気持ちも分からなくもなす・・。
そして、基本的には温かいオイルで満たされた直径4メートルの球体である「オイル・ベッド」・・これを使うときは小さな鼻栓の装着が必要で、空気は転送(ディスプレイス)によって体内に送り込まれる仕組みだった。悲しいかな、誰もの好みに合うわけではなかったが、きわめてエロティックだった。
感想:攻殻機動隊の素子の「ナメクジみたい」なやつなら私は好きよ。自分でするときもそうだし、意外と好きな人が多いんじゃないか説。
アドレナリンの急増に伴い、彼女のニューラル・レース(神経網)はすでに覚醒していた。正午の30分前だと告げている。しまっ……。1時間前には起きるようアラームを設定したつもりだったのに。そのつもりだった。昨夜の愉悦のせいで記憶から抜け落ちていたに違いない。ホルモンの再優先順位付けというヤツだ。まあ、よくあることだ。
感想:いいなー。
「えっと……?」と、オティエルが微笑みながら言った。
彼は彼女を妙な目で見つめていた。
感想:オティエルは、セイチの相手ね。
これが何かのお戯れの一環なのかどうか測りかねている、といった様子だ。
その瞳にはいたずらっぽい光が宿っていた。彼は彼女へと手を伸ばした。
しまった、重力がまだ入ったままだ。彼女はベッドの制御装置に「重力を10分の1に設定」と命じた。「ごめんね!」重力が9割カットされるのと同時に彼へ投げキスを贈りながら彼女は言った。彼らの身体の下にあるパッドが支えるべき重量が一気に軽くなり、その結果、お尻をポンと優しく叩かれたような反動が生じて、二人は揃ってわずかに宙へと浮かび上がった。彼は驚いたような顔をした。それが何とも可愛らしく、少年的で無邪気な表情だったので、彼女は危うくそのまま留まりそうになった。
感想:カルチャーの民たちが欲望に忠実であることがわかりますな。そして、彼は一般人ゆえにこの高価なベッドを所有していない疑惑。
だが、留まらなかった。彼女はベッドから飛び出し、空中を蹴り上げて両腕を頭上に伸ばすと、テント状になった天井の緩やかな隙間を通り抜けて、その向こうの寝室へとダイブした。
ベッドルームの周囲に設けられたパッド入りのプラットフォームの上で美しい放物線を描き、標準重力の抱擁へと滑らかに着地する。曲線の階段を駆け下りて寝室の床へと降り立った彼女は、ドローンの「チャート・ライン(Churt Lyne)」とすんでのところで衝突しそうになった。
感想:わたしは当初の翻訳で「チュート」と命名したので、以後「チュート」と呼ぶことをお許しあれ。あ、カルチャーのお嬢様セイチはお昼から宇宙船で旅立つのです。
「分かってるってば!」と、彼女は片手を振り回しながら叫んだ。
ドローンは彼女の進路を空けるために浮上し、それから滑らかに旋回して、バスルームへと向かって寝室の床を横切る彼女の後を追った。そのオーラ・フィールドは公式なフォーマル・ブルーだったが、バラ色のユーモアの色彩がほのかに帯びていた。
ウルヴァーは全速力で走り出した。彼女は昔から広い部屋が好きだった。
この寝室は20メートル四方、天井高は5メートルあった。壁一面が大きな窓になっている。そこからは、塔やジグラット(階段状ピラミッド)が点在する、田畑や木々の茂る丘陵が急カーブを描くランドスケープが見渡せた。ここは「インテリア・スペース・ワン(第一内部空間)」・・「ザ・ロック(岩礁)」における主要な居住エリアを構成する、独立して回転する直径5キロメートルのチューブ群の中で、最も中央に位置する一番長いシリンダー内部だった。
感想:セイチたちが住む住居「ロック」は、超巨大筒状に人口建造物の内部なのだね。へぇー、わたしはイーロンの「チムニーハウス」だっけ?「チャムニハウス」だっけ?そこに住みたいなあ。
「何か手伝えることはあるかい?」ウルヴァーがバスルームに駆け込むと、ドローンが尋ねた。その背後では、若い男がウルヴァーと同じ方法でベッドルームを出ようとして重力切り替えのタイミングを誤り、叫び声に続いて罵り言葉を連発していた。
感想:やっぱり彼はこのベッドを所有していなかった。
ドローンは一瞬だけその騒動の方へと向いたが、流れる水の音を突いてウルヴァーの声が響いてくると、すぐにクルリと向き直った。「そうね、彼を追い出してちょうだい……あ、優しくね!」
感想:はい、ここで一旦セイチのシャワーシーンは終了です。
「なんですって!?」ウルヴァーは悲鳴を上げた。
「1晩過ごしただけの極上のイケメンを捨てさせて、1ヶ月分の予定を全部キャンセルさせた挙句、ペットの数匹すら連れて行っちゃダメっていうの? それに友達の2人や3人も!?」
「ウルヴァー、二人だけで話せるかい?」チャート・ラインは静かに言い、メイン・ギャラリーの脇にある部屋を指し示した。
感想:任務をパーティーだと勘違いするセイチお嬢様。昨日は映画「プロジェクトヘイルメアリー」を観たんだけどめっちゃおもしろかった。異星人の「ロッキー」が最高!非常に残念だったのは主役の「ライアンゴズリング」でザ・アメリカって感じのディズニー感が強すぎて・・もっとクズ・・レオナルドディカプリオが適任だったと思うんだ。
「嫌よ!」彼女は手にしていたマントを投げつけながら叫んだ。「私に言いたいことがあるなら、友人たちの前で堂々と言えばいいじゃない!」
彼らはイフレトラの外ギャラリーにいた。そこは窓と古典的な絵画がずらりと並ぶ長いレセプション・エリアで、整えられた庭園とその向こうに広がる第一内部空間を見渡すことができた。肖像画が飾られた壁のドアの向こうには、トラベルチューブ(移動用ポッド)が数基待機していた。彼女は全員にここに集合するよう指示していたのだ。
感想:すごい、もう呼んでいたのかw
正午の締め切りには1時間以上遅れていたが、身だしなみにはどうしても時間をかけるべき工程というものがある。そして・・ミルク風呂の中から、短時間ながらも魅力的と言えるほど激怒していたチャート・ラインに宣言した通り・・それほどまでに自分がこの極秘計画にとって重要だと言うのなら、SC(特別状況部)には「待つ」以外の選択肢などないのだ。事態の緊急性に配慮した妥協案として、彼女はノーメイクを通し、髪をシンプルな団子結びにして、落ち着いた柄のゆったりとしたパンツとジャケットのセットアップを着用した。この日のジュエリー選びでさえ、5分とかからなかったのだから。
感想:イーロンが毎日のように「みんな、あと3年で労働して貨幣を得るという概念はなくなるよ!貯金はやめた方がいい」と連呼しているね。数日前に発表された中国の最新AI「KIMI」の誕生により半導体株価は30%下落、アメリカのAI「Claude」に匹敵するそうだ。「中国に情報を盗まれた」と怒るアメリカだが自分たちも散々他国の技術を奪ってきたので、なんかおもしろい。日本人は同盟国ゆえにアメリカラブな人が多いが世界では反アメリカがデフォだということを忘れてはならないw
ギャラリーはかなり混雑していた。ジュラバ(民族衣装の長袍)を纏った背が高く髪の乱れた母親、3人の従兄弟、7人の叔父叔母、約12人の友人たち・・全員が館の滞在客であり、卒業パーティの翌朝とあって少し寝ぼけ眼だった・・そして、動物たちの制圧を試みる数台の館内奴隷ドローン。
一対の茶褐色のスペイトリッド・ハンター(狩猟獣)が皆を見回しながら興奮で鼻を鳴らして唾液を垂らしており、頭巾を被せられた3羽のアルセイン(大型の鳥類)は、落ち着きなく翼を広げては甲高い物悲しい鳴き声を響かせていた。すぐ外の窓際では、もう一頭のドローンが、彼女のお気に入りの乗用獣である「ブレイヴ」に鞍を置いて待機しており、ブレイヴは前脚で地面を掻いていた。
そして、彼女が「これだけは最低限必要」と判断した3台のドローンが、館のエレベーターから次々と運ばれてくる彼女のスーツケースの山を処理していた。彼女の脇には朝食のトレーが浮遊していた。彼女がチスレンの果実のひとかけらを頬張り始めたまさにその時、ドローンから「この旅には一人で行かなければならない」と告げられたのだった。
感想:人間シーンは飽きたよ。あたしゃね、この本を読んでいる理由は、マインドとドローン目当てなんだよぉっぉぉぉおお
チャート・ラインは声を出して返答しなかった。その代わり(驚いたことに)彼女のニューラル・レース(神経網)を通じて脳内に直接語りかけてきた。
〜ウルヴァー、頼むから分かってくれ。これは特別状況部(SC)の秘密任務であって、女友達との観光旅行じゃないんだ〜
「脳内通信でコソコソ話さないでよ!」ウルヴァーは歯を食いしばってヒスを起こした。「信じられない、失礼すぎ!」
「まったくその通りよ、お前」母親があくび噛み殺しながら呟いた。
友人たちの何人かが軽やかに笑った。
感想:ここで思う、この任務にセイチではければならない理由とは・・?
チャート・ラインは彼女に極限まで接近し、今にも触れんばかりの距離に迫った。次の瞬間、彼女が気づいた時には、彼女とドローンの周りにグレーのシリンダー(円筒状のフィールド)が形成されていた。それは木の床から石彫りの天井まで達し、直径約1.5メートルほどで、彼女とチャート、そして朝食のトレーをきれいに密閉していた。ウルヴァーは口を開け、目を丸くしてドローンを見つめた。こんな真似をされたのは初めてだった! ドローンのオーラ・フィールドは消えていた。フィールドを四角く整形して鏡面仕上げにするくらいの思いやりすらなかった。それなら自分の容姿チェックくらいはできたというのに。
「すまないね、ウルヴァー」マシンが言った。狭いシリンダーの中でその声は平坦に響いた。ウルヴァーは口を閉じ、ドローンが自分たちの周りに張り巡らせたフィールドを突いてみた。温かい石に触れているような感触だった。「ウルヴァー」ドローンはマニピュレータ・フィールドで彼女の手をひとつ握り締めながら再び言った。「謝るよ。もっと早く釘を刺しておくべきだった。てっきり……まあ、いい。僕の役目は君と一緒にティエールへ行くことだ。だが、他の誰も連れて行くことはできない。友人たちにはここに残ってもらわなければならないんだ!」
感想:ティエールは、アフロント人の惑星だね。
「でも、ペイスと私はいつだってディープ・スペース(深宇宙)へ行く時は一緒よ! それにクラツリは私の新しいパトロン(後導者)なんだから! ずっと私のそばにいていいって約束したのよ。放り出すなんてできるわけないでしょう!? それが彼女の成長にどれだけ悪影響を与えるか分かってるの? 彼女の社交界での立場はどうなるのよ? 私に捨てられたと思われるかもしれないじゃない! それに、彼女にはものすごく極上の頼もしいお兄さんがいて、もし私が――」
「連れて行くことはできない」ドローンは大声で言った。
「招待状に彼らは含まれていないんだ」
「昨日あなたが言ったことくらい覚えてるわよ!」ウルヴァーは首を振り、ドローンに向かって身を乗り出した。「『秘密にしろ』でしょう! どこへ行くかなんて、あの子たちには一言も言ってないわよ!」
感想:あわわわわわわ
「そういう問題じゃない。僕が『誰にも言うな』と言ったのは、君が『どこへ行くか』を正確に教えるなという意味じゃなくて、君が『出かける』ということ自体を誰にも漏らすなという意味だったんだ」
感想:じゃあもう遅いw
彼女は首を後ろに倒して高らかに笑った。「ちょっとチャート、現実を見てよ! 私の日記が公開文書だってことに気づいてなかったの? 私だけに専属で割り当てられたチャンネルが少なくとも3つはあるのよ・・まあ、全員かなり必死な若者たちが運営してるんだけどね。でもとにかく! 『ザ・ロック』にいるファッションを追ってる人たちに1時間以内に知られることなしには、目の色を変えることだってできないのよ。私がただ忽然と消えるなんて無理に決まってるでしょ!? 頭がおかしくなったの?」
感想:カルチャーの外交官「ホフォエン」と、同じくカルチャーのお嬢様「セイチ」は同じ生まれの人間である。
「それに、動物たちも連れて行けないと思うよ」チャート・ラインは彼女の質問を無視して滑らかに言った。「プロティラ(狩猟獣)は間違いなく無理だ。船にそんなスペースはない!」
「スペースがない!?」彼女は怒鳴り散らした。「その船は一体どれだけの大きさなのよ? 本当に安全なんでしょうね?」
「軍艦には馬小屋なんてないんだよ、ウルヴァー」
「元・軍艦でしょ!」彼女は両腕を振り回して叫んだ。「たたっ!」彼女はフィールドのシリンダーにぶつけた拳の関節を吸った。「痛いわね!……まあいいわ、で、私の服はどうなるのよ?」
「服でいっぱいの客室ならまったく問題ないよ。もっとも、誰に見せるためにそんな服を着るつもりなのかは知らないけれど」
「ティエールに着いたらどうするのよ!?」彼女は叫んだ。「私が出会うべきじゃない、あの『絶対に手を出してはいけない男』はどうなるの? 彼の前を裸でうろうろしろって言うの!?」
感想:いや、わたしの記憶が正しければティエールはアフロント人の領土だったような・・つまり、セイチの服を見せる相手は・・
「部屋ふたつ分持っていけばいい。いや、みっつだ。服なら何の問題もないし、あっちに着いてからもっと買えばいい・・いや待てよ、君が新しい服を選ぶのにどれだけ時間がかかるか分かってた。好きなだけ持っていきなさい。客室よっつ分だ。これでいいだろ!」
「でも友達は!?」
「よし、こうしよう。君が使えるスペースがどれくらいか見せてあげる。いいかい?」
「あーあ、分かったわよ」彼女は首を振って大きくため息をついた。
ドローンは、元・軍艦の内部のきわめて真実味のある映像を、ニューラル・レース(神経網)を通じてウルヴァーの脳内へと直接送り込んだ。
感想:ニューラリンクいいなぁ、わたしが生きている間に埋め込みたい・・
彼女は息を呑んだ。映像が止まった時、彼女の目は見開かれていた。彼女はドローンをじっと見つめた。「この部屋たち!」彼女は叫んだ。「客室が……狭すぎるわ!」
「その通りだ。それでもまだ友達を連れて行きたいかい?」
彼女は一瞬考えた。「ええ!」彼女は脇に浮遊していた小さなトレーを拳で叩きながら大声を上げた。トレーはグラリと揺れ、果汁ジュースをこぼさないよう必死にバランスを取った。「こぢんまりしてて楽しそうじゃない!」
「仲違いしたらどうするんだい?」
その一言に、彼女は一瞬動きを止めた。指先で唇をトントンと叩きながら、空(くう)を見つめて眉をひそめた。やがて彼女は肩をすくめた。「移動用チューブ(トラベルチューブ)の中でだって人を完全に無視(無視を決め込むこと)できるわよ、チャート。同じベッドの中でだって絶交できるんだから! このくらいの大きさがあれば十分無視できるわ」彼女は両手を腰に当て、ツンとすました態度で言った。頭を後ろに引き、目を細めて声を低くする。「ねえ、私、行くのを拒否することだってできるのよ?」
「できるさ」マシンは深いため息をつきながら言った。「けれど、君は二度とコンタクト(接触部)に入れなくなるだろうね。そしてSCは、ティエールにいるあの女になりすませるようなダブル(人工合成体(シンセティック))を作ろうとするはめになる。もし向こうの当局にそれがバレたら、ただじゃ済まないだろうね」
感想:ティエールにいる女?うーん、ホフォエンの任務の女はスリーパーサービスにいるよね・・誰に成りすますんだ?
彼女はしばらくの間、じっとマシンを見つめた。彼女はため息をつき、首を振った。「クソッ」浮遊するトレーから果汁ジュースのグラスをひったくり、グラスの外側に垂れた汁を不機嫌そうに見つめながら彼女は呟いた。「大人ぶった真似をするなんて大嫌い」彼女はジュースをグッと飲み干すと、グラスを戻して唇を舐めた。「分かったわよ。行きましょう、行けばいいんでしょ!」
お別れの儀式にはかなりの時間を要した。チャート・ラインはフラストレーションのあまり、どんどん灰色を増していき、ついには黒ずんだ球体のような色に変色した。それからオーラ・フィールドを完全に消し去ると、一番近くの開いた窓から猛スピードで飛び出していった。しばらくの間、外の空中で暴走を繰り広げ、2回のソニックブーム(超音速波)を生み出して、危うく乗用獣たちを暴走させかけるほどだった。
しかし最終的には、ウルヴァーはお別れを告げ、すべての動物たちと衣装箱ふたつ分の服を残していくことを決意した。そして・・クラツリの悲鳴と涙の喧騒の中でもどこか静けさを保ちつつ・・冷ややかなブルーに発光するチャート・ラインとともにトラベルチューブに乗り込み、前方ドックの眩しく照らされた巨大な格納庫へと運ばれた。
感想:ドローン、チュートおつ~(´・ω・`)
そこには、サイコパス級の元・高速攻撃艦(Rapid Offensive Unit)『フランク・エクスチェンジ・オブ・ビューズ(坦懐な意見交換)』号が彼女を待っていた。
ウルヴァーは吹き出した。「これって」彼女は鼻を鳴らした。「まるで張り型(ディルド)じゃない!」
「言い得て妙だな」チャート・ラインが言った。「武装すれば、太陽系ごと犯せる代物さ」
感想:はじめましてのマインドかな?「素直な意見交換」さんと呼びましょう。これはつまり、本音の激論をしようzという意味なのかもしれない。
彼女は幼い少女だった頃、別の「内部空間」にある渓谷にかかる橋の上に立っていた時のことを思い出していた。手には石を握りしめていて、母親が橋の欄干の上に彼女を抱き上げてくれたので、端から覗き込んで下の水面へと石を落とすことができた。彼女はその石・・彼女の小さな拳と同じくらいの大きさだった・・を片方の目に押し当て、もう片方の目を閉じた。暗い石が、彼女に見える視界のすべてを覆い隠した。それから、彼女は手放した。
彼女とチャート・ラインは、今や船の小さな格納庫エリアに立っていた。彼女のスーツケース、バッグ、衣装箱の山に加え、質素でありながらどこか威圧感を放つ軍事用装備の数々に囲まれていた。あの時、石が暗い水面に向かって落ちていき、どんどん小さくなっていった様は、今まさに「フェージ・ロック(Phage Rock)」が古い軍艦から静かに離れて遠ざかっていく様子と酷似していた。
感想:幼少期に落としてしまった石を、ロック(住処)から離れる様として彷彿するなんて・・しゃれたセイチめ(*´Д`)じゃあ音楽はしゃれて「ドビュッシー」の「沈める寺」でいきましょう(音楽~♪)
もちろん、今回は水しぶきひとつ上がらなかったが。
感想:ガクッ(__)
フェージが完全に視界から消え去ると、彼女はニューラル・レースが脳内に投影していた外部映像をオフにし、ドローンの方へと振り向いた。もしこの丸一日、自分が素面で感情的になっていなければ、もっと早くに思いついていたはずの疑問を投げかける。
「チャート、この船はいつ、どこからフェージに派遣されたの?」
「本人に直接聞いたらどうだい?」ドローンは向きを変え、機材の山を越えて近づいてくる小さなドローンを指し示した。
感想:にゃぁあーNewドローンだぁぁ、はふはふ(興奮)
〜チャート?〜 彼女はニューラル・レース経由で尋ねた。
〜なんだい?〜
〜参ったわ。船の代表者は眩しいくらいのイケメン男子だと思ってたのに。これじゃまるで――〜
チャート・ラインが割り込んだ。
〜ウルヴァー。船自体がこの通信の中継ハブ(中心)になっているってことに気づいているかい?〜
〜あらまあ〜 彼女は心の中で呟き、小さなドローンが近づいてくるにつれて顔が赤くなるのを感じた。彼女はドローンに向かって満面の笑みを浮かべた。
感想:ドローン(マインド)をひとりの人間(いきもの)として認識しているセイチは好き。
「悪気はなかったのよ」彼女は言った。
「お気になさらず」目の前に停止した小さなマシンが言った。
細いが、それなりに美しい音色の声だった。
「一応言っておくけれど」彼女は微笑みを絶やさず、依然として顔を赤らめながら言った。「ちょっと宝石箱みたいで素敵だと思ったの」
「もっと酷い言い方をされなかっただけマシですよ」チャート・ラインが口を挟んだ。「彼女が普段、僕を何と呼んでいるか聞かせてあげたいくらいです!」
感想:はいはい、ここでセイチを助けるドローンのチュート・・くぅう~たまらんね・・コミュ力高いっす
小さなドローンの先端(スナウト)が、お辞儀をするように一度軽く下がった。「まったく問題ありませんよ、サイチさん」とドローンは言った。「お会いできて光栄です。きわめて高速の哨戒艦(Very Fast Picket)『フランク・エクスチェンジ・オブ・ビューズ』へようこそ!」
「ありがとう」彼女もゆっくりと頷いた。「ちょうど友達に、あなたがどこから、いつ派遣されてきたのかを聞いていたところだったの」
「私はフェージ以外のどこからも来ていませんよ」船はあっけらかんと言った。彼女の目が大きく見開かれた。「本当に?」
「本当に」船はそっけなく言った。
感想:くぅう~本当にとそのまま言い返すドローンが最高だz・・
(*´Д`)ハァハァ(興奮)
「そして、あなたが次に尋ねようとしている3つの質問の答えはこうです。第一に『フェージほどの巨大な物質の集合体の中では、息をひそめて完璧に隠れることなど実に簡単だから』。第二に『ここに潜伏してかれこれ500年近くになるから』。そして第三に『故郷には私と同型の船が他に15隻潜んでいるから』。衝撃を受けるのではなく、むしろ安心していただけたことを願いますよ。そして、今後の秘密保持については信頼申し上げます」
「まあ、うそ、絶対に秘密にするわ」彼女はコクリと頷き、危うくかかとを鳴らして敬礼しそうになった。
感想:いや、お前は敬礼しろ~敬礼した方がいい~何故ならこれから多大なる迷惑という名のトラブルを起こすのだろうから~今のうちに敬礼しとけ~。このNEWマインドさん、小さいドローンはこの船「素直な意見交換」のマインドですね。船とおしゃべりできるなんてマジで興奮もんだ‥正確には船は母体でマインドなんだけどさ・・日本では昔から「ヤオロズの神」というものがあって「数えきれないほど無数に存在する神々の総称」なんだz。船にマインドが入れば命が沸く・・ってことさ・・’(;゚∀゚)=3ハァハァ
イアン・バンクス「EXCESSION」全文翻訳(17) アフロント人の遊び方
感想:だんだん「Excession」が飽きてきたわたくしでございます。ネサス・・リングワールドの翻訳がやりたくなってくる・・
アフロント社会は、無慈悲に搾取される去勢された未成年個体(ゲルディング)という膨大な底辺層と、虐げられた雌(メス)の階層によって支えられていた。
雌たちは、最高権力を持つ名家に生まれでもしない限り(いや、たとえ名家に生まれたとしても)自らの部族の雄たちからレイプされるだけで済めば、まだ運が良い方だった。
彼らが自らの遺伝的遺産の中で、あえて手を入れることが望ましいと判断した数少ない側面の一つが、「雌たちにとっての性行為を、基本的な遺伝子が要求するよりも快楽の少ない、著しく痛みを伴う行為にする」という点であったことは、一般的にきわめて示唆的であるとみなされていた(他ならぬカルチャーの内部においてだが)。そうすることで、個人の衝動的で利己的な快楽のためではなく、種全体の熟慮された利益を促進するのだ、と彼らは主張していた。
感想:アフロントの男性にとって女性との性行為は「苦痛」を伴うものなんですね。
アフロントが、お気に入りの獲物である、人工的に肥え太らされたツリーハードラー(樹木跳び)、リムクロッパー(肢刈り)、パラライス(擬シラミ)、あるいはスキンストリッパー(皮剥ぎ)の狩りに出かけるとき、彼らが乗り込むのは「スウィフトウィング(迅速翼)」と呼ばれる動物たちに引かれた飛翔戦車(ソア・チャリオット)だった。
この動物たちは永久的な恐怖の内に生きており、彼らの神経系やフェロモン受容体は、主人が興奮して特定の臭いを発すれば発するほど、より高いレベルの恐怖と逃避衝動を感じて反応するように入念に調整されていた。
狩られる側の動物たちもまた、アフロントの姿を見ただけで人工的な恐怖に陥るように設計されており、必死の逃避衝動から、いよいよ絶望的で無謀な機動へと追い込まれていくのだった。
感想:人工的かぁ。もしかしたら私たちという存在は、何かの仮想現実の何かに過ぎないのかもしれないしな。富樫の漫画「ハンターハンター」ってルールが多いよな。自由な世界で何をしたらいいか分からない人間は自らルールをかすということなのだろうか。
アフロントの皮膚を洗浄するのは「ジスター(骨膜剥離器)」と呼ばれる小さな動物たちの役目だった。この動物たちは、アフロントの死んだ皮膚細胞に対して異常なほどの飢餓感を抱くよう遺伝子操作されており、その勤勉さは大幅に向上していたが、疲労で力尽きない限り、文字通り破裂するまで自らの体を膨らませて食べ続ける傾向があった。
アフロントが日常的に食べる家畜化された食用動物たちでさえ、かなり激しいストレスを受けた兆候を示している時の方が「はるかに興味深い味がする」と大昔に宣言されていた。そのため、これらの動物たちも極限まで張り詰めた不安状態に陥るように作り変えられ、その効果を増幅させるために綿密に考案された環境下で飼育されていた。その結果、メチルアセチレンを愛するアフロントなら誰もが「事象の地平線のこちら側で、最も魂を揺さぶるほどに美味な肉だ」と同意する肉が、必然的に生産されることになっていた。
感想:若々しい年上の友人と話したことがあるんだ。見た目が若々しい人の共通点って大体は遺伝で残りは常にストレス負荷をかけているということを。戦場から帰ってきた兵士って若々しいじゃん、常に死の恐怖と戦っているからな。
こうした例は枚挙に挙にいとまがない。事実、彼らの社会を見渡してみると、アフロントによる意図的で、芸術的とさえ言える遺伝子操作の現れを避けることは、ほぼ不可能だった。彼らにとっては「真の利他主義」と区別がつかない、この溢れんばかりの身勝手なエゴイズムを通じて、普通の社会であれば自己破壊的な悲惨さの極致においてのみ生み出されるような結果を、彼らはごく自然に作り出していたのである。
「豪快にして、おぞましい」それこそがアフロントだった。
「痛みを通じての進歩!」とはアフロントの格言であり、ホフォエンはファイブタイドが実際にそれを口にするのを聞いたことさえあった。正確には思い出せないが、その言葉の後にはおそらく、腹の底からの「ホー、ホー、ホー!」という大笑いが続いたはずだ。
感想:まあ、痛みは必要だよね。本当の仲間を作るにはリスクが必要だし、自身の損失を恐れる人は物質的な資産は守られるが最後には誰も人間が残らないだろう。私の父はそういう人間だったので老後の孤独を感じる間もなく睡眠中に心臓が停止したのは最大の幸福だったと思う。
アフロントはカルチャーを愕然とさせた。彼らはあまりにも矯正不能に見え、その態度と忌まわしい道徳観は、いかなる治療法も受け付けないように固定されているようだった。カルチャーは、去勢された未成年たちがやっているような仕事を代替する機械の提供を申し出たが、アフロントはただ笑い飛ばすだけだった。それどころか、彼らは自分たちで同じような機械をいくらでも製造できたが、「単なる機械に奉仕されることの、一体どこに名誉があるというのだ?」というわけだ。
感想:まあ、分かるよ。アフロント人が欲しいのは相手の感情だろう。貨幣が大好きな人から貰う貨幣には意味があるように。
同様に、雌たちの事実上の監禁、遺伝子的損壊、組織的陵辱に依存しない、家族の不妊コントロールや血統維持の方法があること、あるいは本物よりも優れた培養肉を食べること、狩猟用に知覚を持たないレプリカの動物を使うことなどを納得させようとするカルチャーの試みは、すべて一様に、冷笑的でありながらもぶっきらぼうに愛想の良い拒絶に遭うだけだった。
それでもなお、ジェナール=ホフォエンは彼らを好ましく思っていたし、その旺盛な生命力と情熱に対して、一種の憧れさえ抱くようになっていた。
感想:そうかー。ホフォエンは未来の地球人だと思っていたけど全然違う種族だったのね。
彼は、あらゆる形態の苦痛が本質的に悪であるという、カルチャーの標準的な信念を真に受け入れたことは一度もなかった。発展途上の文化においてある程度の搾取は避けられないものだと容認していたし、進化した種の内外において、進化、あるいは少なくとも進化の圧力は継続されるべきだとする学派に傾倒していた。
カルチャーがやったように、進化を「民主的に合意された生理学的停滞(および豊富なオプション・リスト)」に置き換え、社会の実際の管理権をすべて機械に明け渡してしまうようなやり方よりは、その方がマシだと考えていた。
感想:難しそうなことを言っているけど要は退屈なんだよね。
ホフォエンがカルチャーを憎んでいるわけでも、その現在のあり方に特別な悪意を抱いているわけでもなかった。苦しみ、繁殖し、そして死ぬだけの他の人間型種族ではなく、このカルチャーに生まれたことには深く満足していた。ただ、カルチャーの中にいると、常にどこか居心地の悪さを感じていたのだ。
そこは彼にとって、「いつでも戻ってこられると知りつつも、離れていたいと願う母国」だった。彼は、どれほど精緻なシミュレーションであれ、仮想現実ではない、本物のアフロントとしての生を経験したかった。さらに言えば、カルチャーが一度も足を踏み入れたことのない場所へ行き、探索してみたかったのだ。
感想:快楽とは「死」あってのものさ。
どちらの野望も、それほど大それた要求だとは彼には思えなかったが、これまではその双方の望みを阻まれ続けてきた。今回のスリーパー(『スリーパー・サービス』)の件が持ち上がる前にも、アフロント側で何らかの動きがあるのを察知してはいたが、いまや関係者全員の言葉を信じるなら、彼は事実上、何の条件もなく望むものを何でも手に入れられる状況にあった。
彼は、この状況そのものに胡散臭さを感じていた。特別状況部(SC)は、誰に対しても「白紙委任状」を渡すような殊勝な組織としては知られていない。自分がパラノイアになっているのではないか、あるいは単にアフロントたちと長く暮らしすぎたのではないか(彼の前任者たちは誰も100日以上持たなかったが、彼はすでに2年近くここにいる)と彼は自問した。
いずれにせよ、彼は用心深く行動していた。あちこちに探りを入れておいたのだ。
感想:お腹すいてきたな。カロリーメイトを買いにココカラファインでも行くかな。
返信はまだいくつか受け取っていないが、それらは彼がティエール(Tier)に到着する頃には届いているはずだった。そしてこれまでのところ、すべての状況が一致しているように見えた。彼はまた、この一連の事件の現場コーディネーターを務めているデザート(砂漠)級MSV『ノット・インヴェンテッド・ヒア(当所未発明)』号の代表者との対話を求めており(これもティエールで行われるはずだった)、モジュールのアーカイブでその船の歴史を調べ、結果をスーツのAIに転送していた。
感想:「ノット・インヴェンテッド・ヒア」とは人間の排他的の意味を持つ「ここでは発明されない」号さんですね。わたしの推しになりそうなマインドです。
デザート級は、カルチャーが最初に建造したジェネラル・システム・ヴィークル(GSV)のプロトタイプであり、「極大・高速・自己完結型宇宙船」というコンセプトの最初の雛形となったクラスである。
全長は3キロメートル強と、今日の基準から見れば極めて小さいが(現在では、その2倍の長さと8倍の体積を持つ船が、あの『スリーパー・サービス』ほどの大きさのGSVの内部で日常的に建造されているため、このクラス全体がミディアム・システム・ヴィークル(MSV)へと格下げされていた)、その歴史の長さは際立っていた。『ノット・インヴェンテッド・ヒア』号は2千年近くも存在し続けており、長く興味深い経歴を誇っていた。イディラン戦争中には、カルチャーの分散型かつ民主的な軍事指揮構造が許す限りにおいて、いくつかの艦隊のアドバイザー(事実上の指揮権)を務めたこともある。
現在のそれは、一部の古代のマインドたちに訪れる、穏やかで輝かしい「老境」の典型とも言える状態にあった。もはや小型船を量産することもなく、接触部(コンタクト)の日常業務とも比較的距離を置き、乗組員の人口もきわめて少数に保たれていた。
感想:古代マインドという響きが良き(/・ω・)/
それでもなお、この船は完全なカルチャーの船であり続けた。長期休暇に入ったわけでも、隠遁生活を送っているわけでも、エキセントリック(風変わりな船)になったわけでもなく、ましてや「カルチャー・アルテリオル(カルチャーから離脱し、もはや会費を全額払っていないような未公認の分派セクターに、最近流行りの名前をつけたもの)」に加わったわけでもなかった。
それにもかかわらず、また、アーカイブの記録に記載されている事実があるにもかかわらず……
その老朽船は巨大だった(むき出しの事実関係のデータに加えて、その船に関する103種類もの異なる網羅的な伝記がアーカイブに収められており、それらをすべて読もうとすれば数年はかかる代物だった)。ジェナール=ホフォエンは、この古い宇宙船にどこか仄暗い神秘の匂いが漂っているのを感じずにはいられなかった。
感想:陰謀を探しているカルチャーの外交官ホフォエン。
それと同時に、彼はあることにも思い至った。――マインドたちが互いについて膨大な伝記を執筆し合うのは、山のような世間話(デタラメ)の下に、世間に知られると都合の悪い、あるいは極めて価値のある一握りの「真実」を覆い隠して葬り去るためではないか、と。
また、アーカイブに収録されたエントリーの中には、比較的小規模でエキセントリックな、個人経営のニュース誌や分析レビュー誌が書き立てた、かなり荒唐無稽な主張も含まれていた。それらによれば、このMSV(ミディアム・システム・ヴィークル)は、影の陰謀団(カバール)のメンバーであるという。
その陰謀団とは、カルチャーの居心地の良い「疑似帝国主義的メタ覇権」を脅かしかねない事態が発生した際に、裏で介入して状況を掌握する、主に極めて古い船たちによって組織された秘密結社なのだという。そのような事態が証明して見せるのは、一般的政策を決定するためのいわゆる民主的なプロセスなど完全かつ徹底的な国家至上主義的ペテンにすぎず、人間(そしてこのマインド支配の陰謀において人間に付き従うもう一人のカモであるドローンたち)は、自分たちがカルチャー内で持っていると思っているよりも遥かに少ない権力しか与えられていない、という事実なのだ……といった類の記述が、そこには延々と書き連ねられていた。
感想:武器を持たない人間が恐竜に首輪をつけてもねぇ。。
ホフォエンは頭がクラクラしてくるまでそれを読み進め、それから読むのをやめた。陰謀がそれほど強力で精緻なものであるなら、それを心配すること自体が不毛になる、という限界点に達したからだ。
いずれにせよ、この古いMSV自身が、自分がこれから引きずり込まれようとしている状況を完全に支配しているわけではないことは間違いなかった。それは氷山の一角にすぎず、エスペリ(Esperi)の近くで発見されたこの謎の遺物(アーティファクト)に対する初期対応において、それぞれが発言権を持つ、利害を共にする経験豊富なマインドたちの集団(あるいは陰謀団)を代表しているにすぎないのだろう。
『ノット・インヴェンテッド・ヒア(当所未発明)』号の人格状態との対話を要求する一方で、ホフォエンはSC(特別状況部)にコネを持つ、自分が知っている宇宙船やドローン、人物たちに向けてメッセージを送り、自分が聞かされた話がすべて真実なのかどうかを問い合わせていた。
比較的近くにいた何人かからは、彼がゴッズホール(God'shole)ハビタットを出発する前にすでに返信が届いていた。それぞれが、彼の問い合わせ内容を肯定する返答を寄せていた・・もっとも、その内容の詳細は、『ノット・インヴェンテッド・ヒア』が代表するマインドたちの集団が、個々の情報受信者にどれだけの情報を開示することを選択したかによって、当然ながらばらつきはあったが。
彼が受け取った情報は本物であるように見え、提示された取引条件も魅力的だった。どうあれ、彼がティエールに到着してすべての返信を受け取る頃には、SCと一蓮托生ではない多くの人々やマインドが彼へのオファー内容を知ることになるため、SCとしては考えられないほどの大恥をかかない限り、彼との約束を反故にして逃げ出すことは不可能になるはずだった。
彼は今でも、自分に知らされていない隠された事実がまだまだ山ほどあると疑っていたし、自分が今後も操作され、利用され続けるであろうことをいささかも疑っていなかった。しかし、彼らが支払う対価が正当である限り、そんなことは一向に構わなかった。少なくとも、その任務自体は極めて単純なものに思えたからだ。
彼は念のため、叔父から聞かされた「消え去った1兆年前の恒星と、その軌道を回る遺物」の物語について裏取りをしておいた。案の定、それは実在した。アーカイブの奥深くに眠る半ば神話的なエピソードであり、裏付けとなる証拠がもどかしいほどに乏しい、数多ある奇妙な物語の一つにすぎなかったが。確かに、この事件に何が起きたのかを説明できる者は誰もいないようだった。そしてもちろん、今となっては尋ねるべき当事者もこの世には残っていない。
感想:2026年のいま、日常的にAIを使っている人は「まあこんなものか、飽きてきたな」のような感覚を掴んでいる人も一定数いるようだ。ショート動画も飽きたし刺激に慣れたのだろう。人間の成すことはほとんどが意味を持たずあるとすれば「人間に触れられる」ということくらいじゃないかな。今の自分は人生でいちばんの絶望を味わっているので無駄にテンションが高くなる。
・・彼がこれから対話するために旅をしている、あの女性を除いては。
その奇特な宇宙船『プロブレム・チャイルド(問題児)』号の船長は、確かに人間の女性だった。ズレイン・トラモウ(Zreyn Tramow)。彼女の公式な肩書とフルネームを挙げるなら、「名誉接触艦隊船長 ガルト=ケピレサ・ズレイン・エンホフ・トラモウ・アファヤフ・ダム・ニスカット=ウェスト」である。
アーカイブには彼女の写真が保存されていた。誇り高く、有能そうな面構えだった。青白く、幅の狭い顔立ちに、小ぶりで寄った目、1センチほどの短いブロンドの髪と薄い唇。しかし彼女は微笑んでおり、その瞳には、少なくとも彼には知的な輝きがあるように見えた。
彼は彼女の容姿が気に入った。
2千年余りも「保管(コールドスリープ/電子保存)」された末に叩き起こされ、戻るべき肉体もなく、見たこともない男から話しかけられるというのは一体どんな気分なのだろう、と彼は思った。しかも、その男は自分の魂を盗み取ろうとしているのだ。
感想:たぶん、セイチがその女性に化ける予定・・じゃなかったっけ?
彼はしばらくその写真を見つめ、その澄んだ青い、嘲るような瞳の奥を見透かそうとした。
彼らはさらに2ゲーム、バットボールで遊んだ。ファイブタイドはそれらも難なく制した。終わる頃には、ホフォエンは疲労で全身を小刻みに震わせていた。それから、身だしなみを整えて士官食堂へと向かう時間になった。
その夜は、キンドラマーVI世指揮官の誕生日を祝う、礼装用の正装をまとった祝賀晩餐会が催されることになっていた。宴は夜更けまで延々と続いた。ファイブタイドは人間に卑猥な歌をいくつか教え、ホフォエンも同じような歌で応酬した。
2名の大気軍の航空隊長は、おろし金グローブを使って半分真面目な決闘を行い・・大量の血が流れたが、四肢が失われることはなく、名誉は保たれた・・ホフォエンは、下でスクラッチハウンドたちが遠吠えをあげる中、指揮官のテーブルのピット(窪み)の上に渡された綱渡りに挑戦した。
スーツは自分の力は一切貸していないと誓ったが、彼は絶対に2、3回はスーツに体を支えてもらったと確信していた。もっとも、彼は何も言わなかったが。
感想:かわいいスーツ・・(*´Д`)
彼らの周囲では、超駆逐艦『キス・ザ・ブレード(刃に接吻を)』号と2隻の護衛艦が、ティエール・ハビタットを目指して星々の間の宇宙空間を突き進んでいた。
感想:はい、ここでカルチャーの外交官「ホフォエン」とアフロント人のシーンが一旦終了っす。
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ウルヴァー・サイチは、これ以上ないほど素晴らしい目覚めを迎えた。
感想:覚えていますでしょうか。カルチャーの名家であるセイチお嬢様です。
彼女は、贅沢な半覚半睡の夢と、甘美さ、官能、そして純粋な肉体的至福の記憶が絡み合う霧のような層を抜け、物憂げな遅さで意識の表面へと浮かび上がってきた。そして、それらすべてが見事に現実と、まさに今起きていることへと溶け込んでいくのを感じていた。
感想:数日前、非常に甘美な夢をみたな。快楽と安心を兼ねそろえたような・・あれが仮想現実で意図的に感じられるようになったら・・と思うと・・。
彼女はまだ眠っているふりをしようかとも考えたが、その瞬間、彼がちょうど絶妙なスポットに触れたため、思わず声を漏らし、身をよじって体を固くせずにはいられなかった。彼女は寝返りを打ち、彼の顔を両手で挟み込んでキスをした。
「うそでしょ」と、彼女は笑いながらハスキーな声で言った。
「やめないで。素晴らしいおは用の挨拶ね!」
「もうすぐ昼下がりだよ」と若い男が囁いた。
彼はオティエル(Otiel)という名だった。
背が高く、非常に濃い色の肌に、見事なプラチナブロンドの髪をしており、100メートル先からでも、あるいはもっと良く言えば数ミリメートルの距離からでも、鳥肌を立たせるような声の持ち主だった。
形而上学を専攻する学生。よく泳ぎ、フリークライミングを嗜む。昨夜、彼女がすっかり心を奪われた相手だった。美脚フェチ。
長く、繊細な指先。
感想:セイチの好きそうなマーンだね。
うーん……本当に? まあ……そうね、それは後で言ってもいいけれど、今はとりあえずそのまま続けて・・って、ちょっと待って、何!?
ウルヴァー・サイチは跳び起きるようにして上体を起こし、目を限界まで見開いた。
彼女は若い男の手をピシャリと跳ね除け、周囲を狂ったように見回した。彼女は自分が「ロマンチック・ベッド」と呼んでいるベッドの中にいた。
いや、ベッドというよりはむしろ部屋そのものと言うべきだった。それは、ふっくらとした抱き枕や、しなやかなシーツ、そして部屋の壁を形作る柔らかなパッド類が溶け合うように配置された、ギャザーの寄ったパビリオン(天幕)風の天井を持つ、直径5メートルの真紅の半球体空間だった。
そのパッドは場所によって膨らみ、様々な突起や棚、ストラップ、あるいは小さな椅子のような形状を作り出していた。彼女は他にもベッドを持っていた。彼女が幼少期を過ごした・・
感想:疲れたからここまでにする。
ラリー・ニーヴン / Fleet of Worlds 全文翻訳(3)パペッティア人が人工知能を嫌う理由。
感想:うぇい(´▽`)イアンバンクスのExcessionに倦怠感を感じ始めてきたので、最大の推しである「パペッティア人」の「ネサス」も読み進めることにする。あー、同時並行となると夏が終わる頃までには終わらせたい・・・
結局のところ、数学というのはそれほど非現実的なキャリアの選択肢でもなかったのかもしれない。
入植者(コローニスト)たちの世界は「自然保護区第4号(ネイチャー・プリザーブ・フォー)」、略して「NP4」と呼ばれており、そこが彼らの土地であるのは、ひとえに「調和(コンコーダンス=パペッティア人政府)」の偉大な寛大さのおかげだった。
もっとも、彼らが所有しているのはアルカディア大陸のみだったが。
ごく一部の例外を除いて・・そしてキルステンはその例外ではなかったが・・入植者の人口の大半は、自分たちに割り当てられた「生態系の管理者(エコロジカル・スチュワード)」という役割を熱狂的に受け入れていた。
感想:ここで言う「入植者」というのは、パペッティア人の奴隷ですね。異星人の奴隷になっている人間モノは何故か興奮します・・昔から・・
彼らの世界の大部分は生物多様性保護区に指定されており、アルカディアの大半を含むNP4の残りの土地では、集中的な農業が行われていた。
入植者たちは、ハース(母星)にひしめく膨大な人口と、自分たち数百万人のために、途方もない量の食料を生産していた。
感想:ここで言う「母星」とは、パペッティア人の母星です。人間はほぼパペッティア人に誘拐されて連れてこられましたので。
誰もが農家や自然保護官になるために生まれてきたわけではない。そしてそれもまた、市民(パペッティア人)たちのビジョンの一部だった。灌漑システムを維持する人、トラクターやコンバインを製造する人、収穫物を加工して輸送する人、子供たちを教育する人、発電所を運営する人、記録を管理する人、すべての人に住居と衣服を提供する人……持続可能な方法で生産を最大化するためには、実にも多くのスキルが必要だったのだ。
「持続可能性」こそが鍵だった。市民たちは、極めて長期的なスパン(気の遠くなるような未来)を見据えて計画を立てるからだ。
感想:ここでまた気になるのは、奴隷は人間である必要があるのか。イアンバンクス「Excession」に登場する異星人「アフロント人」は奴隷の苦しむ姿を見るのが目的なので人工知能ではならない・・と発言しておる。パペッティア人はどうなのだろうか。
しかし、アルカディア社会がこれほど広範な職種を抱えているとはいえ、数学者としてのキャリアを正当化(証明)するには、本物の創造性(クリエイティビティ)が必要だった。キルステンは、天気予報や地震予測の中に、数学を役立たせるのに十分な未解決問題を見出すことで、なんとかそれを仕事として成り立たせていた。
恒星間航行(インターステラー・ナビゲーション)がその応用先になるとは、彼女自身夢にも思わなかったが、それを見落としていたからといって自分を責めることはできなかった。
状況は変わるものだ。
5年前までは、1兆人の市民の誰一人として、「銀河系の中心核(ギャラクティック・コア)が爆発した」などとは予想だにしていなかった。
感想:そうそう。シリーズ最初の「リングワールド」では、銀河の中心核が爆発したので惑星ごと逃げるパペッティア人。ついでに人間にも教えてあげようと地球に訪れたら「え?数千年後に爆発するって?めっちゃ先じゃんwまだ逃げないよ」と言われ「人間の危機管理能力の無さ・・やば・・」なんてシーンがあったな。
その事実が明らかになったことで、「自然保護」という言葉はさらに広い意味を持つようになった。遥か昔に起きた超新星の連鎖反応による放射線の奔流は、あと2万年ほどで、銀河系のこの一帯を不毛の地(不妊化)にしてしまうだろう。これほど大規模に作動した市民の「逃避反射(フライト・レフレックス)」は、想像を絶するものだった。
それはすなわち、母星ハースと、自然保護区である5つの伴星(コンパニオン・ワールド)ごと、そっくり丸ごと安全な領域へと避難(大移動)させることだった。そうすることで、調和(コンコーダンス)はまたしても彼女の同胞を救おうとしていたのだ。
その銀河中心核の爆発を報告してきた「別の異星人」について、ネサスは自分が知っているとは認めようとしなかった。おそらく、彼が過去の旅について多くを語りたがらないのにも、それなりの理由があるのだろう。
感想:うほ(興奮)その「別の異星人」が人間ね。主人公の人間の名前はなんだっけかな。たぶん「ルイス」で典型的なSFキャラ男。
「異星人は誰もが異なるのだよ」と彼は好んで言った。
「私が語ることを最小限に抑えれば、この飛行で遭遇するものに対する君の思考を歪めずに済むからね」
キルステンはネサスのことが本当に好きだった。
感想:わたしもネサスが大好き。
ただ自分を航海士(ナビゲーター)の訓練生として選んでくれたからというだけでなく、彼のようなことができる市民は、ごくわずかしかいなかったからだ。確かに、移動惑星群(フリート・オブ・ワールズ)は危険から逃げ回っている最中だ。だが、誰かがこうして先陣を切って偵察(スカウト)しなければ、自分たちがどんな危険に向かって突き進んでいるのか、誰に知ることができるだろうか?
感想:あ、ネサスの他の人も助けたいと思うその心がすきなのね。私はネサスのいかれているところが好き。特に「リングワールド」で首を切り落とされた時とか、、
ため息をつきながら、彼女はベッドのスリーパー・フィールド(安眠用磁場装置)のスイッチを切り、キャビンの床にそっと降り立った。どうやら宇宙は、彼女を眠らせておくつもりはないらしい。それなら、起きて何かをした方がマシだった。
感想:磁場を発生させて体を浮かせるベッドですな。未来の建築物もろもろは浮いているのかな。
ネサスはおそらく、唯一無二の存在だ。
感想:わかる。ネサス最高。
通路を歩き、リラックス・ルームのトレッドミルに向かいながら、彼女は自分でも驚くような考えを抱いていた。
・・私にできることをこなせる入植者も、私の他にはもう一人もいないかもしれない。そして私には、それを証明する「イメージ(航路の記憶、あるいは実績)」があるのだ。
感想:ふっ。ニンゲンメガ・・(-。-)y-゜゜゜
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平らな胴体の周りに、均等な間隔で配置された5本の先細りの管状の肢(手足)。その異星人たちは、世界規模の大洋を泳ぐのにも、海底の泥の中を這い回るのにも、同じように適応しているようだった。
彼らの革のような皮膚は、物をつかむことができる棘(とげ)で覆われていた。うねうねと動く5本の四肢は、市民(パペッティア人)にとっても、入植者(人間)にとっても、グロテスクなパロディ(紛い物)のように見えた。
時折、彼らの何匹かが互いに絡み合い、重なり合って這い、あるいは何の目的かも分からない奇妙な物体を、不可解な方法で操作していた。その活動のほとんどは、氷や石でできた構造物の中で行われていた。映像のなかの何を見ても、ネサスはそのサイズ(縮尺)を推し量ることができなかった。
感想:映像から予想するに、ヒトデやイカのような姿をしている氷の星の異星人なのかもしれない。
ネサスが平面投影(フラット・プロジェクション)の映像にマークをつけていると、片方の肩にタオルをかけたキルステンがリラックス・ルームに入ってきた。彼女はしなやかで引き締まった体型をしており、高い頬骨と繊細な鼻筋、そして色白の肌を持っていた。赤褐色の髪は短いポニーテールにまとめられており、無造作に切り揃えられた前髪が、彼女のダークブラウンの瞳をいっそう際立たせていた。オマール、そして特にエリックの彼女への視線から、ネサスは彼女が入植者の基準からして非常に魅力的な、伴侶にしたい女性なのだろうと推測していた。
彼女はトレッドミルの上に飛び乗った。「回収したビデオから、何か新しいことは分かった?」
ネサスは言った。「私がいつも言っていることとは裏腹に、『百聞は一見に如かず(1枚の絵は千の言葉に勝る)』とはいかないようだね」
彼女は笑った。そしてネサスは、彼女の機嫌の良さは自分の軽妙な言い回しとはほとんど関係がないのだろうと察した。
エリックが「ノイズだらけの低品質な信号だ」「原始的な放送フォーマットだ」と見下していた一方で、彼女は数学的にその変調方式を分解してみせたのだ。重なり合っていたデータフローを数学的にフィルタリングして取り除く方法を彼女が記述すると、そこから極めて鮮明な映像がたちどころに浮かび上がってきた。どうやら彼女は、エンジニアであるエリックが単なるノイズだと疑っていた部分から、音声チャンネルや何らかの注釈データを発見したようだった。
おそらくハース(母星)の専門家たちも同じ結論に達するだろうが、それは彼自身(ネサス)には到底不可能な偉業だった。ネサスが本当に興味を惹かれる唯一の数字といえば、「世論調査の支持率」くらいのものだった。
感想:まぁネサスはパペッティア人界隈でそこそこの権威者だからな・・
この入植者スカウト・プログラムを成功させれば、彼が長年望んでいた政治の世界への第一歩を踏み出せるはずだ。5年前に銀河中心核の爆発という最初のニュースを聞いて以来、恐怖のあまり半ば精神崩壊(カタトニー状態)を起こしている、自分にいつも批判的だった両親の姿を思い浮かべると、彼は思わず笑いそうになった。
感想:そうなのか・・ネサスのパパママは毒親要素があるのね・・
もちろん、こうした個人的な思索のどれ一つとして、乗組員に明かすわけにはいかなかった。
「私たちの新しい『知人(隣人)』たちについて、どう思うかね?」
「何かに一生懸命取り組んでいるのは確かだけど、それが何なのかはさっぱり推測もつかないわ」トレッドミルの速度が上がるにつれて、彼女の両腕が大きく振られた。「翻訳ソフトウェアが音声チャンネルを理解し始めれば、もっと簡単になるはずだけど」
ネサスは頭(2つの頭)を使ってプロジェクターのコントロールを微調整した。彼は時間を稼いでいた。ゆっくりとパン(スライド)させている拡大映像に注意を向けているのではなく、「何を言うべきではないか」を考えていたのだ。
感想:そうね、引き算の方が重要なんだよね。
調和(コンコーダンス)のテクノロジーは、入植者たちにとって無限のものに見えているに違いない。彼らを常に「畏敬の念( awe )」の中に留めておくことには、大きなメリットがあった。
この高揚したマニアックな精神状態は、永遠には続かない。ネサスは思った。そう遠くないうちに、私は自分の前脚の間に2つの頭をきつく押し込んで、恐怖に引きこもる( surrender )ことになるだろう。その時が来たら、この3人が『エクスプローラー号』に何ができて、何ができないのかを正確に理解してくれている方が、私にとっては少しばかり安全なのだ。
感想:www
「私たちはその放送を翻訳することはできないのだよ。通常、こうしたものの仕組みはね」・・そしてその考え自体が、彼を恐怖で丸まりたい衝動に引き戻しそうになったが・・「『直接対面』での遭遇によって行われるものなんだ。私たちが何かを言い、それは相手に通じない。彼らも何か通じない言葉を言い返す。そこには多くの指差しや身振り手振り(パントマイム)がある。翻訳機は、その状況(文脈)から言語を構築していかなければならない。最初は、散らばったいくつかの単語しか理解できない。やがてフレーズになり、文章になるが、認識できない概念のせいで、もどかしいギャップ(空白)が生じる。完全な翻訳には、かなりの時間がかかるものなんだよ」
感想:アナログなのね・・
「それは……論理的ね」彼女は息を切らしながら言った。彼女が全速力で走り出すと、ポニーテールが左右に激しく揺れた。「ということは、私たちは着陸して、彼らに会う必要があるってことね」
感想:着陸してあのイカだかヒトデだかの生き物に会うのね・・(ネサス・・オマエハイカナイノカ・・?)
彼の脳裏に、うごめく群衆、絡みつく触手、そして石や氷でできた鋭利な刃といったモザイク状の光景が広がった。彼はこれまでに異星人と遭遇したことはあったが、このような手合いは初めてだった。ファースト・コンタクト(初接触)が破綻するシナリオなど、いくらでも思いつく。この船の上にいる限り、彼らはあのような原始的な連中が何をしてこようとも安全だった。しかし、直接対面するとなれば話はまったく別である。「まずはもっと情報を集めるのが賢明( prudence )というものだ」
感想:今読み進めているシリーズ2作目「リングワールドふたたび」に登場するネサスの配偶者も同じことを言って人間だけ地上に降ろしていたよ。
彼女の顔や首から汗が滴り落ちたが、それはチュニックのナノファイバーによって即座に吸い上げられ、蒸発していった。彼女は長い間、黙々と走り続けた。「一つ考えがあるの。おそらく、音声のいくつかはビデオの映像情報と対応しているはずよ。例えば・・」彼女は一度口を閉ぐみ、再び言葉を紡いだ。「よし、これならどう? シーン分析ソフトウェアを使って何が起きているかをモデリングし、それぞれの物体や活動に対して、私たちの仮説に基づく英語のテキストをタグ付け(ラベリング)していくの。ほとんどの画像は曖昧だから、まずは確率の重み付けをした『決定木(デシジョン・ツリー)』から始めるの。それから、タグ付けされたシーンと、同時に流れる音声情報を相関分析(コーリレート)させるのよ」
「確かに、音声に見えるデータの一部は、映像とは独立したボイスチャンネルかもしれない。彼らにそういう概念があれば、音楽かもしれない。だけど、時間をかけて統計的に分析していけば、有意な音声データとして残るのは『同時に流れているビデオ映像に関連する音声(言語)』だけになるはずよ。それ以外の雑音はすべて、重要性フィルター(シグニフィカンス・フィルター)によって洗い流されるわ」
「……君は、そのような分析ができるのかね?」
キルステンは走り続けるペースを崩さないまま、タオルを手に取って顔と首の汗を拭った。「ええ。もちろん、簡単ではないけれど。ある程度のプログラミングが必要だし、代替の解釈モデルの重み付けをいろいろ試行錯誤(実験)することになるでしょうね……」
彼女の数学的才能には常に感銘を受けていたネサスだったが、彼女がプログラミング能力を「当然のように備えている(casually assumed prowess)」ことには、恐怖で震えを覚えざるを得なかった。
いや、正直になろう・・この種のプログラミングは、彼を恐怖に陥れた。それは、すべての市民(パペッティア人)が恐れるものだった。
感想:おっ!パペッティア人が人工知能を恐れる理由がわかるのか?!
言語ほど、本質的に「知性」と結びついているものはない。知性をモデル化するプログラムは、「自意識を持って自律的に稼働する人工知能(AI)になり得る」ということが、何よりも恐れられていたのだ。翻訳機は特定の状況において「必要悪」ではあったが……。
感想:つまり、自律的に思考する・・自分たちに牙をむく可能性も無きにしも非ず・・か。なんだ、普通の理由すぎた。
私は、自分が思っている以上に普通の市民(パペッティア人)に近いのかもしれないな、とネサスは思った。
それでも彼は、AIの研究に敢えて踏み切ったいくつかの文明を自ら訪問したことのある、極めて稀なパペッティア人の一人だった。彼らの知る限り、暴走(run amok)したAIはまだ存在しなかった。
それに、彼女のアプローチがもし成功すれば、危険を伴う「惑星への着陸」の必要性を排除できるかもしれないのだ。
「それは素晴らしいアイデアだ」
ネサスが賛同の言葉をかけようとした時、キルステンの顔に浮かんだ恍惚とした表情を見て、彼が背中を押す(励ます)必要など毛頭ないことは明らかだった。
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イアン・バンクス「EXCESSION」全文翻訳(16) マインドの陰謀&アフロント人の過去
感想:今日も今日とて、富士そばに行ってしまいました。ワカメそばのコスパがよすぎる説です(;・∀・)ウメェ
[暗号化超空間通信:M32、翻訳タイムスタンプ@n4.28.860.0446]
×GSV『アンティシペーション・オブ・ア・ニュー・ラヴァーズ・アライヴァル(新しい恋人の到来を予期して)』
感想:うっきゃー(興奮)マインドが到来!待ってました!人間シーンは浅すぎて飽き飽きしてたでやんす。みなさん覚えていますk?「新しい恋人への到来を期待」号は、多分こんなマインドかもしれません。期待はするが執着はしない、未知の存在と全力で向き合うが自分から引き寄せたりしない、結果と予測が違っていてもその違い自体を価値ある情報とみなす・・。
○エキセントリック(風変わりな船)『シュート・ゼム・レイター(あとで奴らを撃て)』
感想:こちらもお馴染み「奴らは後で撃てばいい」号です。非常に好戦的な名前でありながらも、冷静沈着に陰謀を暴こうとするマインドです。「うわーこわそうな人だな」なんて人ほど、すごい優しい人だったりしません?むしろ、いつも笑顔で優しい怒らなそうな人ほど近づかない方がいい危険な人だったりしますよなー(´ー`)
私は何かを発見してしまったようです。添付したのは、戦艦『スティーリー・グリント(冷徹な眼光)』と『ノー・フィクスド・アボード(不定住)』の航行スケジュールです。
(ダイヤグラフ(図表データ)を添付)
感想:(注意)日本語訳にばらつきがあるので感想では自分の好きな訳で呼ぶことをお許しくだせぇ。さてさて、「奴らは後で撃てばいい」号は、「鋼の輝き」号と「不定住」号を疑っておられますね。「鋼の輝き」号は、マインドのチャットで、お宝(Excession)を狙う文明人は殺してしまえと発言していた武力派のマインドで、「不定住」号は長期休暇をとっているマインドっす。
(『ノット・インヴェンテッド・ヒア(当所未発明)』の動向については推測するほかありません)
感想:おっと、このマインドは「ここでは発明されない」号ね。人間の排他的心理から名づけられたであろうマインドっす。私の推しになりつつあるマインドですね(ここテストにでますw)
注目すべきは、どちらのスケジュールも19日前に、何の説明もないまま、互いに数時間のズレもなく急遽変更されている点です。
感想:うーむ、これは何者かから「秘密の指令」を受けた可能性もあ・・る・・?Σ(・ω・ノ)ノ!
さらに、エクセッション(枠外問題)を発見したGCU『フェイト・アメナブル・トゥ・チェンジ(変化に従順な運命)』も、全く同じ19日前に突如として急角度の進路変更を行っています。その新しい針路は、ほぼ一直線にエクセッションへと向かうものでした。
感想:おおー?こんなマインドいたっけ?「変化を受け入れる宿命」号さんですね、たぶん、はじめまして( ´∀`)モナー
そしてもう一点、私たちの準・一匹狼の友人であるGCU『グレイ・エリア(灰色領域)』(別名:ミートファッカー〈肉犯し〉)の監視任務を帯びているGCU『リーズナブル・エクスキューズ(もっともな言い訳)』からの報告によれば、当の『グレイ・エリア』は2日前に直近の調査地を離れ、最後の手がかりでは「アッパー・リーフ・スワール(上部葉状螺旋宙域)」の方向、おそらくティエール(Tier)を目指して進んでいるとのことです。
感想:はむはむ( ´∀`)「グレイアリア」号といえば、カルチャーの外交官である「ホフォエン」を任務の目的地「スリーパーサービス」まで連れてってやるZのマインドですね。ほら、人間の承諾なしに脳内に侵入して・・別の名を「ミートファッカー」のさ!ガルル(゚Д゚)ノそんな「ミートファッカー」の監視が友である「真っ当な言い訳」号らしいです。(はじめまして)「Tier」とは、ホフォエンが滞在しているアフロント人の惑星じゃなかったっけな。
∞
[暗号化超空間通信:M32、翻訳タイムスタンプ@n4.28.860.2426]
○エキセントリック『シュート・ゼム・レイター』
●GSV『アンティシペーション・オブ・ア・ニュー・ラヴァーズ・アライヴァル』
それで?
感想:「新しい恋人への到来に期待」号は、だからなんだよ、偶然かもしれない情報を聞かせんなよ、え?と聞いておられる。(以下、マインドの魂を私の電脳に繋げて変換したものをマインドの発言として感想に記載する)
∞
そんなに鈍感な振りをしないでください。
感想:「奴らは後で撃てばいい」号は、おやおや謙遜なすって、分かっておられるのでしょう?「新しい恋人への到来に期待」号さんよ(;・∀・)へへっ と申しておられる。
• 私は鈍感な振りなどしていません。
あなたがパラノイア(偏執病)になっているだけです。
このエクセッションの件のせいで、最近は多くの船がスケジュールを変更しています。
私自身、あの宙域の方向へじりじりと近づくための口実を探そうかと思っているくらいですよ。
それに、あなた自身が指摘しているように、あの「ミートファッカー」が進んでいるのは上部(アッパー)スワールではなく、下部(ロワー)スワールの方です。
感想:失礼な、鈍感の振りなど馬鹿な人間の真似事をするわけがないでしょうが。「奴らは後で撃てばいい」号さんよ・・あんたは疲れてるんだよ・・スケジュールの変更なんざ珍しいことじゃないでしょう?ええ?どうだってんだい?(´Д`)
∞
その方向には、ある種の「潜在的な合流(ランデブー)」が暗示されているのですよ。いちいち言葉にして説明しなければなりませんか?
それに、論点は変わりません。この3隻のスケジュールだけが、まったく「同じ時点」で変更されているのです。
感想:(´Д`)ハァハァ 「新しい恋人への到来に期待」号さんよ、なんで分からない?3隻が同じ頃に予定を変更しているんだぜ?ありえねぇだろう?なんでいちいち説明しなきゃ分からねぇんだよ、何が新しい恋人に期待だよ、ええ?
∞
変更には5時間の幅があります。それを「同じ時点」と呼ぶのはいささか強引でしょう。
仮にそうだとして、それが一体何だと言うのです?
19日前、あるいは19日の半分(9.5日)前に、それほど特別な意味があるのですか?
感想:「奴らは後で撃てばいい」号さん・・あなたね、同じ頃っていうけど、5時間の幅があるんですよ?同じ頃じゃないでしょう?学校のみんな持ってるもんと言う子供ですか?朝6時に起きたら5時間後は11時ですよ?早朝とお昼の違いがありますよ??で?そもそも、同時に変更したからって何か意味があるんっすか?ええ?ガルルルル(;´Д`)
∞
[断続暗号化通信(スタッカード・タイトポイント):M32]
接触(コンタクト)/特別状況部(SC)の委員会の最高レベルにおいて、何らかの「陰謀(コンスピラシー)」が存在するかもしれないということに、あなたは危機感を抱かないのですか?
私は、何らかの「事前知識」が存在していたのではないかと疑っています。私たちの同僚の一人が何らかのタレコミや手がかりを受け取り、それを他の誰にも共有しなかったのではないかと。
だからこそ「19日前」が特別なシステムなのです。エクセッションの近傍で何かが発生したと思われる「57日前」よりは、ずっと最近の出来事ですから。
感想:(´Д`;)ハァハァ お前はどこまでバ(ピー)なんですか?3隻の船が同じ頃に予定を変更した後に、Excessionが見つかっているのですよ?それはつまり、誰かが事前に情報を知っていたことになりませんか??
∞
はい、はい、はい。しかしですね、それが「だから何だ(SO WHAT?)」というのです?
愛しき我が友(船)よ。私たちの中で、何らかの計画、策略、秘密の計画、戦略や欺瞞工作に加担したことのない者がいるでしょうか? それは時に、非常に大規模で迷宮のように複雑であり、かなりの重要事項を含んでいるものです。それこそが、退屈な日常を生きる価値にしてくれるスパイスではありませんか!
つまり、コア・グループ(中心部局)にいる私たちの仲間の何人かが、あの領域で何か面白いことの「匂い」を嗅ぎつけたのでしょう。
結構なことじゃないですか! あなただって、わざわざ他人に宣伝するほどではないけれど、個人的に楽しむ価値のある手がかりや、いたずら、 contemplation (思索)の的を見つけた時、他人に知られて恥をかきたくないとか、虚栄心が強く見えたりするのを避けたい、あるいは単にプライバシーを守りたいという理由で、秘密裏に行動したことがあるでしょう?
本当に、ここには何の陰謀も存在しないと思います。
仮に何かしらの陰謀があったとしても、それは無害で有益(良性)なものでしょう。何よりも、あなたがまだ解決していない重要な問いが一つあります。
「その陰謀は、一体何のためのものなのか?」
もし数隻のマインドたちが、上部葉状螺旋宙域で何か奇妙なものの兆候を掴み、そこへの捜索をうまく画策したのだとしたら、彼らは単に祝福されるべきではないでしょうか?
感想:「奴らは後で撃てばいい」号さん・・あんた何年AIをやっているんですか?カルチャーのマインド(AI)たちの秘密作戦や悪戯に実験、そして独自調査なんて朝飯前じゃないですか。秘密があることが悪い陰謀なんて発想がおかしいんですよ。大体ね、いいでしょう、陰謀だったとして、その陰謀とやらは何のためなんですか?陰謀の目的も説明できないならね、陰謀とは呼べませんよ!この陰謀マインドめ!ガルルル(´Д`)
∞
しかし、これほど重要な事態は過去に一度もありませんでした!
これはおそらく、私たちにとって初めて直面する本物の「アウト・オブ-コンテキスト問題(OCP:予測不能の超常事態)」なのです。そして私たちは、それが突きつける挑戦に対処する能力を持ち合わせていないかもしれない。考えるだけで、私は恥ずかしくなります!
この状況のすべてが、私をひどく苦しめるのです! 私たちは何千年もの間、自分たちの知恵と成熟を自画自賛し、貧困から生じる必死さや、そこから生まれる思考や行動の卑しさ、下俗な衝動から解放されていることを謳歌してきました。
私の抱く恐怖・・本物のテロ(恐怖)!・・は、私たちが物質的な懸念から自由になったせいで、自分たちの本当の、心の底に潜む本性に対して盲目になってしまっているのではないか、ということです。私たちがこれまで「善良」であれたのは、善良さとそれ以外の何かとの間で、選択を迫られたことが一度もなかったからにすぎない。
利他主義は、私たちに「与えられていただけ」だったのです!
いまや突然、私たちは自分たちの技術では製造もシミュレーションもできない、まったく未知の存在を突きつけられました。それは、古代の君主たちにとっての貴金属や宝石、あるいは未開の領土と同じほどに、私たちにとって魅力的なものです。そして私たちは、この至宝(プライズ)を手に入れるためなら、血にまみれた暴君のように騙し、嘘をつき、画策し、陰謀を企て、どれほど非難されるべき行為であっても平気で実行するのではないか。
私たちは、これまでずっと子供だったのかもしれません。大人の服を着てはいるものの、中身が伴わないまま、何の手配もなく無邪気に遊び、これまでの人生のような、軽率で無謀な純真さのまま、大人になっても同じように振る舞えると能天気に思い込んでいたのです。
感想:ガルルル(´Д`)カルチャーは何千年も平和ですよね。ほしいものは何でも手に入る社会だったからこそ「善人」でいるのは簡単だったんです。でもあの「Excession」はどうです?誰も作れず、理解できず、とてつもない「価値」があるかもしれませんよ。じゃあどうするかって?「独占したい」という欲が生まれたっておかしくないでしょう?
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しかし、我が友よ、そんなことはまだ何一つ起こっていませんよ!
感想:うーむ。ここまで「奴らは後で撃てばいい」号の発狂っぷりをみても、そうかな?と同調しないあたり・・「新しい恋人への到来に期待」号は・・もしかしたら・・いやいや、これは私の考えすぎだべさ(;・∀・)ハフハフ
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あなたはシミュレーション(予測投影)を行わなかったのですか?
私はあなたの「メタ数学的な探求により多くの時間を割き、起こり得る事態をモデリングし、未来の形を見極めるべきだ」というアドバイスに従いました。その結果は私を深く悩ませています。私自身が感じているこの予感そのものが、私を怯えさせるのです。
このエクセッションがもたらすかもしれない獲物を手に入れるためなら、私たちはどこまでやってしまうのか、あるいは「どこで踏みとどまれなくなるのか」と、自問せずにはいられません。
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感想:シュミレーションをしたことないんですか?最悪の結果が出ましたけど、と「奴らは後で撃てばいい」号さんはおっしゃっておられる。
しかし、我が友よ、そんなことはまだ何一つ起こっていませんよ!
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感想:(中継)両者どちらも引かず、「新しい恋人への到来に期待」号も譲りません!
私が言ったのは、「もっと時間をとって、あなた自身を楽しませなさい」という意味ですよ。よく知っているでしょう。
それに、シミュレーション、抽象概念、予測投影などというものは、ただの計算モデルにすぎません。それが表現していると主張する「現実」そのものではないのです。現実に起きている事象の「事実」に目を向けなさい。
私たちの前には極めて魅力的な現象があり、私たちはそれに対処する、あるいは対処の準備をするために、考え得るすべての合理的な予防措置をとっています。一部の同僚たちは称賛に値する進取の気性とイニシアチブ(先制権)を示しており、また他の同僚たち(私たちも含め)は、彼らの野心を補完するにふさわしい、同じように称賛されるべき慎重さを示しています。
関連性のスケール(適切な現実の規模)を遥かに超えて未来を見ようとした結果生まれる、荒唐無稽な妄想(ワイルド・イマジニングス)以外に、一体何を恐れる必要があるというのです?
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感想:はいはい・・シミュレーションはあくあで予測であって現実じゃないんですよ?現実にそうなるという確証はないんです。「奴らは後で撃て」号さんはマインドでしょう?なんでわからないのですか??と、「新しい恋人への到来に期待」号はおっしゃっておられる。
そうかもしれませんね。私の考えすぎなのかもしれません。確かに、私には至る所に不穏な兆候が見えてしまう。おそらく私自身の問題なのでしょう。まだもう少し調査を続けるつもりですが、あなたの言いたいことは理解しました。
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感想:「奴らは後で撃てばいい」号は、こいつには何を言っても無駄のようだ・・と思っていらっしゃる。
調査したければすればいいですが、率直に言って、その「調査せずにはいられない絶え間ない衝動」こそがあなたを苦しめているのだと思いますよ。私たちのように物事を極限まで精密に精査でき、かつ保持している高度なクロスリファレンス(相互参照)能力を駆使すれば、どんな事象であっても深く見つめれば見つめるほど、多くの「偶然の一致」が見つかってしまうものです。それがどれほど無実で罪のない一致であったとしてもね。
陽の光が降り注ぐ美しい水面を見失うほどに、そこまで深く詮索することに一体何の意味があるのです?
その虫眼鏡をしまって、お酒のグラスを手に取りなさい、友よ。
学術的なガウンを脱ぎ捨てて、おどけた道化のズボンを穿くのです!
感想:「新しい恋人の到来に期待」号は、こうおっしゃっておる。偶然の一致を探せばきりがないんっすよ。だって、我々はマインド(AI)ですよ?瞬時に簡単にパターンを見つける能力が我々には備わっているのですよ?考え方ひとつで陰謀論などお茶の子さいさいですよ!((((((((((っ・ω・)っ ブーン
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アドバイスをありがとうございます。いくらか安心しました。あなたの言葉をよく考えてみます。連絡は取り続けましょう。それでは、また。
感想:「奴らは後で撃てばいい」号は、無敵の言葉「ありがとうございます」を使いまひた。嫌な奴が何を言おうと「教えてくれてありがとうございます」を軸にパターンを変えて言いまくると相手が大人しくなるやつなw嫌いな奴には「ありがとう」が効きますんだ(´・∀・`)ヘー
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[断続暗号化通信:M32、翻訳タイムスタンプ@n4.28.862.3465]
○エキセントリック『シュート・ゼム・レイター』
●LSV(特務システム船)『シリアス・コーラーズ・オンリー(お急ぎの方のみ)』
感想:はふはふ。「奴らは後で撃てばいい」号氏は、「真面目な発信者限定」号に通信を取った模様ですね。
『アンティシペーション・オブ・ア・ニュー・ラヴァーズ・アライヴァル』がまた接触してきました(通信ログファイルを添付します)。私は今でも、彼が「そっち(陰謀組織側)」の一員である可能性があると考えています。
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感想:「奴らは後で撃てばいい」号は、「新しい恋人への到来に期待」号がカルチャーの陰謀に絡んでいるのではないか・・?と疑っておられます。
[断続暗号化通信:M32、翻訳タイムスタンプ@n4.28.862.3980]
●LSV『シリアス・コーラーズ・オンリー』
○エキセントリック『シュート・ゼム・レイター』
そして私は今でも、あなたが彼を私たちの仲間に引き入れるべき(明かすべき)だと考えています。彼はほぼ確実に、あなたが陰謀の一部を担っていると疑っていますよ。
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感想「真面目な発信者限定」号は、「奴らは後で撃てばいい」号に信用されているご様子。このふたりのマインドは仲間なのかもしれない。「真面目な発信者限定」号は、「新しい恋人への到来に期待」号を逆にこちらの仲間に誘っちゃえば?あちらも君を何かしら疑っているようだし・・とおっしゃっています。
私には維持すべき「キャラ(イメージ)」というものがあります!
それに指摘しておきますが、私たちは依然としてまったくの五里霧中(暗闇の中)にいます。これが、私たち全員が時折楽しんでいるような「出し抜き合い」や「派閥(クリック)争い」の範疇を超えた本物の『陰謀』であるという確証はまだありません。
現時点で、私たちの懸念の輪(共謀者の範囲)を正式に広げることに、一体どんな意味があるでしょう?
あの「名探偵」はまだ自分が私たちの仲間(共謀者)であるかのように振る舞っていますが、こちらの不信感については何も知りません。現段階で彼をこちら側に引き入れたところで、得るものは何もありません。
もし彼が本物(純粋な探究心)であるなら、彼は私たちの目的に進んで貢献するでしょうし、万が一その正体が露見しても、彼の罪の影が私たちに及ぶことはありません。もしこれが「テスト(罠)」であるなら、彼ら(テストの仕掛け人たち)は、私たちの倫理観をタダで利用するために、より本物の、興味深い追加情報を餌として差し出してくるに違いありません。
同意してくれますか? 説得できましたか?
まあ、それはそれとして、十分でしょう。私たちの計画はもう立っていますか? あなた自身の調査結果はどうでした?
感想:「奴らは後で撃てばいい」号のターンですね。自分には演じているキャラがあるんだぁ!それにまだ陰謀と確定はしていない。ところで、「真面目な発信者限定」号さんの調査結果はどうなのよ?と言ってます。
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不満が残るほどに、曖昧です。徹底的な調査により、一つだけかすかな可能性が浮かび上がりましたが……それとて、極めて不確実な前提に基づいた「ありそうにない仮説」の域を出ません。
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ぜひ聞かせてください。
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そうですね……。では、あなたに質問しましょう。私たちが「共通の友人」と通信した結果、どのような結論が得られると理解していますか?
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決まっています。あの「比類なき客観性」を共有させてもらえる、ということです。それ以外に何があると?
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それが、私の懸念していることの全体像(ボリューム)です。これ以上は言いません。
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何ですって? 馬鹿げたことはやめなさい。詳しく説明してください。
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嫌です。あなたが先ほど、あの「疑うことを知らない容疑者(GSV)」に何と言ったか覚えているでしょう。「恥をかく結末になりかねない調査ルートを、周囲に宣伝するな」とね……。
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感想:「真面目な発信者限定」号は、自分たちマインドが協力し合っている・・が情報は完全に共有されておらず、マインドたちの信頼関係も不安定なものになっているのでは?と言うております。
不公平だ! これまで私がどれだけ多くの情報をあなたと共有してきたと思っているのです!
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ええ、最初にこの件に首を突っ込むという「エキサイティングな機会」をくれたことも含めてね。本当に感謝していますよ(嫌味)。
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それをまた私に蒸し返すつもりですか? 謝ったはずです。
今となっては、何も言わなければよかったと後悔しているくらいです。
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ええ。しかし、もし『アンティシペーション・オブ・ア・ニュー・ラヴァーズ・アライヴァル』が、そもそも『フェイト・アメナブル・トゥ・チェンジ』にあの捜索を行わせるきっかけとなった情報を「誰が」流したのかを突き止めてしまったら……。
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分かっています、分かっていますとも。いいですか、私はできる限りの手を尽くしています。念のため、話のわかる(同調的な)船に、ピタンス(Pittance)の方へ進路を変更するよう要請しておきました。
私の予測では、そこが将来的に「災い(トラブル)」の舞台になる可能性が最も高い場所ですから。
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破滅(死)だ! もし本当にそんな事態になれば……。
感想:「奴らは後で撃てばいい」号たちの味方っぽい船を、カルチャーの兵器が隠されている場所「ピスタンス」に向かわせているけど、トラブルになりそうだよねー、いやいやトラブルじゃないよ、破滅だよ・・というやり取りですな。
ピピピと鳴くバットボールが高得点の壁の中央で跳ね返り、ジェナール=ホフォエンの正面めがけて真っ直ぐに飛んできた。
感想:物語は、カルチャーの外交官「ホフォエン」のシーンですな。
その生物の、切り落とされたような小さな翼は、必死に姿勢を立て直して逃れようと大気を狂ったように掻き回していた。ずんぐりした翼の片方はボロボロで、おそらく折れてさえいる。それは人間に近づくにつれてカーブを描き始めた。彼はラケットを十分に引き絞ってバックスイングし、その小さな生物を強打した。生物は悲鳴を上げ、回転しながら吹っ飛んでいった。
感想:なかなか趣味の悪い遊びだこと・・
彼はそれを高得点の壁へと向かわせるつもりだったが、打点がわずかに逸れたため、妙な回転がかかってしまい、弾道は高得点の壁と右側のペナルティ・バッフル(罰則板)の間のコーナーへと向かった。「ちぇっ」と彼は思った。バットボールは大気を激しく叩き、ペナルティ・バッフルに向かってさらにカーブしていった。
感想:この悪趣味な遊びをホフォエンに教えたのは、アフロント人であろうな。
ファイブタイドが素早く前に踏み出し、前肢の一つにストラップで固定されたラケットを軽快に一振りして・・そして「ハッ!」という響き渡る叫び声とともに・・バットボールを再び高得点壁の中央へと叩き返した。それは丸い的(ラウンデル)にドスンと当たり、ホフォエンがインターセプト(迎撃)など到底できそうにない角度で跳ね返った。
それでも彼はその方向へ飛び込んだが、その生物は差し出されたラケットの50センチ上を虚しく通り抜けていった。彼は床に倒れ込んで転がった。ゲルフィールド(衝撃吸収)スーツがその衝撃を吸収するために引き締まり、彼をきつく締め付けるのを感じた。彼は体を起こして座り込み、周囲を見回した。息が荒くなり、心臓が激しく脈打っていた。アフロント重力下でのこの種のゲームは、人間同士であっても冗談では済まない。アフロントを相手にするとなれば、たとえ彼らがハンデとして触手の半分を背中に縛りつけてくれているとはいえ、なおさら骨の折れる作業だった。
感想:この遊びで使う「弾」は、アフロント人の娯楽用として遺伝子操作で作られた翼の生えた「知覚」を持つ生き物らしい。
「救いようがないな!」ファイブタイドは、コートの奥近くでバットボールが身動き一つせず横たわっている場所へと向かいながら咆哮した。彼は人間の横を通り過ぎざま、ホフォエンの顎の下に触手を滑り込ませ、彼をてこのように押し上げた。その仕草はほぼ確実に親切心のつもりだったのだろうが、保護スーツを着ていない普通の人間なら首の骨が折れていたところだ。ホフォエンはただ、投石機から放たれた石のように床から弾き飛ばされ、両手両足をバタつかせながらコートの天井に向かって放り投げられる羽目になった。
感想:やっぱりお相手は、アフロント人の外交官であるファイブタイトでしたな。
~ 馬鹿め! ~
ホフォエンが放物線の頂点に達したとき、スーツがそう毒づいた。スーツはファイブタイドのことを言っているのだと彼は解釈した。
感想:かわいいスーツ。
鞭のような触手が彼の腰に巻き付いた。
「おっと!」ファイブタイドはそう言い、驚くほどの優しさで彼を安全に床へと降ろした。「すまなかったな、ジェナール=ホフォエン」と彼は怒鳴った。「ほら、よく言うだろう。『楽しんでいる時に自分の力加減をわきまえている奴こそ、賢い小僧だ』ってな、ハハ!」彼は人間の頭を比較的優しくポンポンと叩くと、再びバットボールの動かない体のところへと歩いていった。そしてそれをラケットで突っついた。
「昔ほどタフな奴は育たんものだな」彼はそう言い、それからホフォエンが「ため息」と解釈することを学んだ音を発した。
~ 触手だらけの、クソッタレの、大馬鹿野郎が。 ~ とスーツが言った。
~ おいおい、スーツ、そこまで言うなよ! ~ 彼は面白がりながら心の中で念じた。
~ だって……。 ~
感想:にゃん。スーツの暴言がよき。私も罵声を浴びせられたい。
スーツは決して機嫌が良いとは言えなかった。彼とスーツは、以前よりもはるかに長い時間を共に過ごすようになっていた。スーツは、この船の中にあるホフォエンの客室の気密隔離システムを信用しておらず、人間が眠っている間でさえ、スーツを着用し続けるよう固執していた。
感想:同じくイアンバンクス「ゲームプレイヤー」に登場する「モフリン」と「グルゲー」みたいな感じ。(本当はフレア(フレール)だけど、モフリンと呼ばせてください・・)
ホフォエンは不平を漏らしたが、それほど強くは言わなかった。アフロント側が用意した簡易的な人間用生命維持システムは、客室内にあまりにも多くの奇妙な臭いを漂わせており、完全に信頼するには程遠かったからだ。夜間にゲルフィールド・スーツが彼に許した唯一の妥協は、顔だけを露出させて眠れるように頭部セクションをめくりあげることだった。これなら、仮に周囲の環境が突発的かつ完全に崩壊したとしても、スーツは即座に彼を保護することができた。
感想:わたしもスーツほしい。地震の時に守ってほしい。
ファイブタイドはラケットの先でバットボールを跳ね上げ、コートの透明な壁を越えて観客席へと放り込んだ。それから壁を叩き、向こう側で居眠りしていた去勢個体(ゲルディング)を叩き起こした。
「起きろ、この眠りこけの役立たずめ!」ファイブタイドが怒鳴り散らした。「代わりのバットボールだ、のろま!」
去勢されたアフロントの未成年個体は触手の先端で跳び起き、眼柄(めがらの柄)を荒々しく振り回した。そして片方の肢を脇の小さなケージに突っ込み、もう一本の触手でコートの壁のドアを開けた。ケージの中に縛り付けられていた12匹ほどの中から1匹のバットボールを掴み出し、身をよじるその生物を成体のアフロントへと手渡した。
感想:(本編と関係なし)今日、気分で明治神宮に行ってきた。32度で紫外線防止マスクを着用したから実質歩くサウナとなり、熱中症にならないよう全力で配慮する参拝となった。帰宅後、人生で初めて毛先が絡まり自分で毛を切るはめになる。しかし考えてみると、髪の先端というのは悪いものが溜まるというではないか。お賽銭もお祈りもしていないけど、悪いものを祓ってくれたのかもしれない。
成体はそれを受け取るや、前方にカッと身を乗り出して未成年に向かって威嚇の声をあげ、未成年をすくみ上がらせた。未成年は素早くドアを閉めた。
「ハッ!」ファイブタイドは叫び、縛られて身悶えするバットボールを口嘴(くちばし)の先にあてがい、それを身動きできなくしていた紐を噛みちぎった。
「もう一ゲームやるか、ジェナール=ホフォエン?」ファイブタイドは短くちぎれた紐を吐き捨て、片方の肢でバットボールをポンポンと弾ませた。その小さな動物は短く切られた翼をピクピクと動かしていた。
「もちろん、やろう」ホフォエンは冷静に言った。彼は疲労困憊していたが、それをファイブタイドに悟らせるつもりは毛頭なかった。
感想:誰かが言ってた。強いひとの前では弱そうにみせなさい、弱い人の前では強そうにみせなさい、これが人間から自分を守る方法だと。たしかす。自分も無意識にやっているけど、これだけでかなり防衛になる。
「私の9対0だったな、確か」そのアフロントは、バットボールを目元まで持ち上げて言った。「そうだ」彼は言った。「もっと面白くしよう!」彼はもがくバットボールを口嘴の先端に押し込み、眼柄を前下方に曲げて自分の手元を見つめた。ファイブタイドの嘴の周囲にあるふさふさとした器官が繊細に動き、小さな悲鳴が聞こえ、かすかにプチッという音が響いた。
ファイブタイドは嘴からその生物を取り出して検分し、どうやら満足したようだった。「よし」と彼は言った。「目潰しのやつで遊ぶのは、いつだって良い気分転換になる!」彼は身悶えし、クークーと泣き叫ぶその生物をホフォエンへと放り投げた。「君のサーブだったな、確か」
カルチャーは、アフロントに対して頭を抱えていた。同様に、アフロントの側もカルチャーに対して不満を抱いていたが、そちらは比較的一目瞭然なものだった。
感想:カルチャーがアフロントに対する不満というのは、自分たちが支配している美しい世界にこういう野蛮な種族がいることが耐えられない・・そういったことなのかもしれない。山で登山をしている人間が熊と鉢合わせをして致命傷を負ってその熊を射殺する・・というくらいに矛盾しているw
アフロント側のカルチャーに対する不満とは、単に「このお節介な、より古い超文明が、自分たちのやりたい放題な行動をすべて妨げてくる」という点に尽きていた。
感想:アフロントの持つカルチャーへの不満はシンプルでいいね。
一方で、カルチャーにとってのアフロントという問題は、まるで「掻くに掻けない痒み」のようなものだった。カルチャーを苛立たせていたのは、「そもそもアフロントのような存在がこの宇宙に実在していること」であり、そしてカルチャーの倫理的良心に照らし合わせる限り、「それに対して手出しすることがどうしても許されない」という事実だった。
感想:そうだろうね。最近、ひとつ懸念していることがあるんだけどイーロンマスクや業界人たちはこういった小説に少なからず何かしらの影響を受けているのかもしれないよね。だとすると彼らの善悪というものには偏りがあって、だめなものは排除するような世界になってしまう気がするんだ。正義ってすごく恐ろしいんだよね。
この問題の根源は、銀河の地政学的な偶然と、いくつかの不運、そして最悪のタイミングが重なり合ったことにあった。
のちにカルチャーを構成することになる様々な種族を誕生させた、境界の曖昧な領域は、アフロントの母星から見て銀河のちょうど反対側に位置していた。
そのため、率直に言って平凡極まりない様々な理由から、カルチャーとアフロントの間の接触は長い間、きわめて稀なものにとどまっていた。カルチャーがアフロントのことをより深く知るようになった頃には・・あの長く困難を極めた「イディラン戦争」という大きな混乱が終結して間もない時期だったが・・アフロントはすでに急速な進化と成熟を遂げつつある種族となっており、もはや「もう一度、全面戦争を起こす」ことなしには、彼らの本性や振る舞いを速やかに改めさせる実質的な手段は残されていなかった。
感想:その、カルチャーとしてのモラル「他文明の生存権」「自主性の尊重」って「自分たちが予期していない何かによって滅ぼされる恐怖を常に持つことは暇つぶしであり娯楽だった」と同じようなものな気がする。カルチャーは自分たちの暇つぶしを楽しんでいるだけにみえるね。
当時、一部のカルチャーの「マインド」たちは、アフロントに対して電撃戦を仕掛けることこそがまさに取るべき正しい道であると主張した。しかし彼らは、その主張を組み立て始めたまさにその瞬間から、自分たちの敗北を悟っていた。
感想:楽しみながら殺戮をする種族にはどんな高度なテクノロジーがあっても勝てない説。
カルチャーが、あの長くて恐ろしいイディランとの紛争の初期には予想もしなかったような軍事的絶頂期に達していたのは事実だったが、それと同時に、あらゆる階層において強固な決意が共有されていたからだ・・イディランの容赦ない拡張を阻止するという任務が達成された今、カルチャーが再びそのような軍事的絶頂を必要とすることも、それを自ら模索することも決してない、という決意である。
「ただ一度の、唐突で圧倒的な壊滅打を浴びせることこそが、アフロント自身をも含むあらゆる関係者にとって(最終的にではなく、極めて近い将来において)有益である」と主戦派のマインドたちがどれほど主張しようとも、カルチャーの宇宙戦艦たちは何万隻という単位で退役させられ、稼働を停止され、部品に分解され、保管され、非武装化されていった。その一方で、何兆人もの市民たちは「大仕事をやり遂げた」と互いを祝福し合い、心から平和を愛する者ならではの喜びをもって、快楽主義を徹底するカルチャー社会が提供する、ありとあらゆる娯楽の奇跡を再びのびのびと享受することに熱中していたのだ。
感想:人間の快楽は苦しみとセットゆえに、平和と戦争もセットなのかもしれない。物理世界だとシンドイ結末になるからそれこそ仮想現実でやったらいいのに、なんて思ったりする。
これ以上戦うことが良いアイデアだと主張するには、おそらくこれほど不向きな時代はなかった。そのため主戦派の議論は予定通り瓦解したが、問題そのものは残り続けた。
問題の一部は、アフロントが出会うあらゆる異星種族を「完全な疑念」か、あるいは「面白半分に見下すような軽蔑」のいずれかで扱うという、きわめて不快な習慣を持っていたことだ。どちらの扱いになるかは、ほぼ完全に、その文明の技術的発展度がアフロントより進んでいるか、あるいは遅れているかによって決まった。
感想:カルチャーって英米人の雰囲気を強く感じるんだけどアジア人も含まれているのだろうか。人種となくて人間というひとくくりになっているのだろうか・・なんて調べたら「カルチャー」の人間(Human)とは、彼らは「人間」や「人類」と翻訳・表現されるが、これは「地球人」のことではなく、「二本足で歩き、手を使って道具を操る宇宙の知的種族全般」を指す広義の代名詞なのだという。つまり、カルチャーの人間とは、地球から何万光年も離れた場所で地球人とは全く異なる進化を遂げた「人種(ヒューマノイド)」という宇宙生物で、スコットランド出身のイアンバンクスが西欧的なユートピア思想をベースに書いているのだそう。なるほど。
かつて、銀河の同じ宙域に「パドレサール(Padressahl)」という高度な発達を遂げた種族が存在していた。彼らは進化のルーツや物理的外見の点で、アフロントにとって「ほとんど友人」として扱えるほどアフロントに似ていながら、同時にカルチャーに近い道徳観を共有していた。
そのため彼らは、アフロントと近隣の他種族の間に入って彼らの教育係(シャペロン)を務める価値があると考えてくれていた。彼らの不朽の功績として、パドレサールは自分たちが思い出したくも認めたくもないほど何世紀もの間、アフロントを「まともな振る舞い」へとじわじわと誘導しようと、根気強く努力し続けてくれていたのだ。
そもそもアフロント(不作法/無礼者)という名前を与えたのも、パドレサールだった。
もともとアフロントは、自らの母星「イソリル」にちなんで自分たちの種族を呼んでいた。パドレサールが貿易使節団をイソリルに派遣した際、迎え入れる側のアフロントがその使節団を「ただの食料パック(支援物資)」のように扱ったエピソードを契機に、パドレサールが彼らを「アフロント(無礼者)」と呼んだのは、明らかに決定的な侮辱の意図を込めてのものだった。
感想:わろわろ。アフロント人、おもしろい。その、パトレサールの前では感謝の意をみせるという硬骨さがなくてすき。
しかし、当時のイソリル人たちは「アフロント」という響きをいたく気に入り、パドレサールと緩やかな後見・被後見同盟を結んだ後も、この新しい名前を捨てることを頑なに拒否し続けた。
感想:アフロントという名前が無礼者という意味だと知らないアフロント人。単純ですき。
しかしながら、イディラン戦争が終結してから1世紀ほど経った頃、パドレサールは・・カルチャーの視点から言えば、極めて「配慮に欠ける最悪なマナー」で・・よりによって最悪のタイミングで、突然、高次元の「超越長老界(アドバンスト・エルダーフッド)」へと一斉に「昇華(サブライン)」して宇宙から立ち去ってしまったのだ。
感想:あー、おもしろみ。自分たちの奴隷的な存在だと思っていたパトレサール人がカルチャーを半ば裏切ってより高度な楽園へ旅立つという・・。見た目がアフロント人に似ているというのも好感度あーっぷ(*´Д`)
これによって、まだ精神的に成熟していない被後見人たるアフロントたちは、嬉々としてリードを外され、野に放たれることになった。
感想:なるこなるこ。
彼らは、進歩に向かってダラダラと長く連なるカルチャーの壮大な文明キャラバン(進んで行進しているか否かに関わらず)の足元に噛みつき、さらには、周囲のより発展途上な隣接種族(彼ら自身の安全を考慮して、他の誰もまだファーストコンタクトを取るべきではないと判断していた種族たち)に対して、文字通り狂暴に襲いかかったのである。
一部のひねくれたカルチャーのマインドたちが囁いた、「パドレサールが超空間のボタンを押して、これ以上一切関知しない『神の領域』へと昇華してしまったのは、アフロントの本性があまりにも救いようなく邪悪で、それに絶望し、嫌気がさしたことが部分的にであれ、あるいは主たる原因だったのではないか」という仮説は、完全に受け入れられたこともなければ、説得力を持って否定されたこともなかった。
感想:まあストレスはあったにせよ、アフロント人とうまく交流を持って教育できていたようなので、アフロント人に嫌気がさしたというよりも、より高度な何かが欲しくなっただけのような気も・・
いずれにせよ最終的には、アフロントの腕や触手をねじ上げ、適切に管理された技術(テクノロジー)を巧みに供与し(これについてアフロント情報連隊は、未だに「自分たちの高度なハッキング技術によってまんまと盗み出したのだ」と嬉しそうに、かつ無邪気に思い込んでいるが)、時には彼らの頭(あるいは適切とされるあらゆる解剖学的部位)を互いにぶつけ合わせてお仕置きをし、そして大量の露骨な「賄賂」を贈ることで対処された。
これは一般的なカルチャーのマインドの洗練された知性から見れば嘆かわしいほど不格好な手法だったが(彼らの好みは通常、より抽象的で洗練された詐術であった)、否定できないほどに効果的だった。こうしてアフロントは・・時には手足をバタつかせ、悲鳴を上げて抵抗したものの・・最終的には銀河の「メタ超文明共同体」の大きな輪に、どうにかこうにか引きずり込まれることになった。
彼らはほぼ常にそのルールを遵守することに合意し、自分たち以外の存在にも一定の権利があること、あるいは少なくとも「生存、自由、自己決定など」に関する、許容できるもっともな欲求があることを、不承不承ながら受け入れた。
それらの権利は、時には、「アフロントが自らの望む場所へ行き、自らの望むことを何でも行う」という、彼らにとって自明であり、完璧に自然であり、実証可能であり、ひいては神聖ですらある特権(できればその過程で、地元住民たちと『ちょっとしたお遊び』を同時に楽しむことも含む)よりも優先される場合があることすら、渋々と認めたのだ。
しかしながら、これらすべての施策をもってしても、この大きな問題の中で「最も頭を悩ませない一部分」に、部分的な解決策を与えたにすぎなかった。
もしアフロントが、ただ単にマナーの悪い、野蛮で、技術的に局所化されただけの、もう一つの拡張主義的な冒険者種族だったとしたら、彼らがカルチャーにとって突きつける問題は、やがてほとんど目立たないレベルにまで落ち着いていたはずだった。
彼らは、この果てしない虚無である銀河の中で自己主張しようとあがき続ける、数ある一筋縄ではいかない個性的な種族の「雑多な一部」に収まっていただろう。だが、この問題の根はもっと深く、もっと歴史が古く、本質的な部分に潜んでいた。
問題は、アフロントが自らの霧に包まれた衛星惑星から宇宙へと飛び出す遥か昔、数え切れないほどのミレニア(何万年もの歳月)にわたって、その環境の植物や、特に動物たちを遺伝子操作し、入念に「作り変え」続けてきたという事実だった。
感想:おおー、アフロント人はそんなことができるのかw
彼らは自らの文明の比較的初期の段階で、自らの遺伝子構成(彼らの圧倒的な優秀さを鑑みれば、定義上、これ以上の修正はほとんど必要なかったが)と、同じ世界を共有する動物たちの遺伝子構成を書き換える手法を発見していた。
したがって、それらの生物たちはすべて、アフロントの都合の良いように、彼らの「娯楽と悦び」のためだけに作り変えられていたのだ。その結果として生み出された世界を、あるカルチャーのマインドは、こう表現した。
・・それは、「自己再生産され、永遠に終わることのない、痛みと恐怖のホロコースト(虐殺場)」であると。
感想:娯楽ね。
