足裏吉田

日記

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イアン・バンクス「EXCESSION」全文翻訳(10)ドローンのチュート、AI搭載の巨石

2026 / 07 / 08  09:34
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モノレールは、ハビタット(居住区)の天井裏に張り巡らされた超伝導コイルの間をすり抜けながら、吊り下げられた状態で疾走していた。

 

感想:モノレール・・話の舞台は、ドローンのシセル2/2からどこかの文明社会に移られたご様子。

 

ジェナール=ホフォエンは、車両の傾斜した窓から霧に煙る眼下のフレームスケープ(構造体の景色)を見下ろした。

 

感想:おお、ホフォエン!なんか久しぶりって感じだね。

 

「ゴッズホール(神の穴)」ハビタット(カルチャーの厳密な命名法に従えば、オービタルと呼ぶにはあまりに小さすぎ、そのうえ密閉型だった)は、築1000年近くを数え、多くの文明がとっくの昔に「ファーンブレード(シダの刃)」と呼ぶことで合意した宇宙領域における、アフロントの最も古い前哨基地の一つだった。

 

感想:ほほう。舞台は、アフロント人の前哨基地なのか。前哨基地とは、まあ主要部隊とは別に、補給や偵察用の基地、みたいな感じ。

 

この小さな世界は中空のリング、すなわち直径10キロメートル、長さ2200キロメートルのチューブを円形に繋ぎ合わせた形状をしていた。超伝導コイルと電磁導波路が、この巨大な車輪の内側のリムを形成している。この構造体の動力を供給する、急速に自転する微小なブラックホールは、車輪のハブ(中心)に当たる場所に鎮座していた。円形断面の居住空間は、内側のリムから膨らんだ高圧タイヤのようであり、そのトレッド(外周面)に当たる場所には、アフロントや他の1ダースもの種族の宇宙船が行き交うガントリー(架台)やドックがぶら下がっていた。

 

感想:形状だけみると、ラリーのリングワールドを彷彿しますな。まあでも、リングワールドを何百倍も小さくして、それを完全密閉して、チューブ状にしたもの・・って感じか?

 

この一連の構造物すべてが、他には衛星を持たない褐色矮星の周囲を、遥か遠くでゆっくりと周回していた。その天体は本物の恒星になるには僅かに質量が足りなかったが、アフロントの勢力圏の継続的な拡大と統合を推し進める上で、まさにうってつけの場所に位置するという栄誉を長らく担ってきた。

 

感想:おお、まさにアフロント人の巣窟・・

 

モノレール車両は、前方の視界を完全に遮る巨大な壁に向かって突進した。レールは小さな円形の扉の中へと消えており、車両が接近するとその扉は括約筋(スフィンクター)のように開き、通過すると再び背後で閉じた。

 

感想:かっこええ!

 

短いトンネルを通過する間、車内はしばらく薄暗くなり、それから前方のもう一つの扉が広がり、車両は霧の立ち込める広大な開放空間へと飛び出した。そこでは景色が雲と靄の中にただ消え去っていた。

 

感想:テーマパークみたい。

 

ゴッズホール・ハビタットの内部は約40の個別に隔離可能なコンパートメントに区切られており、その大部分はフレーム、梁、管状の部材によるウェブ(蜘蛛の巣)状の構造で縦横に交差していた。

 

これは構造体にさらなる強度を与えるためでもあったが、アフロントの建築の基本的な細胞構成要素である「巣(ネスト)空間」の束を固定するための無数の足場を作り出すためでもあった。

 

感想:アフロント人のハビタットは、過酷な環境を好む種族のための巨大な密閉工業ワールドみたいだね。わたしは、もっと楽園っぽいハビタットに住みたいなあ。

 

ハビタットに沿って数セクションごとに、より開放的なコンパートメントが存在し、そこには何層もの雲と、いくつかの浮遊する巣空間の束、そして選りすぐりの動植物くらいしか存在していなかった。

 

これらは、アフロントが好む、主にメタン大気で構成された惑星や衛星の環境をより忠実に再現したセクションであり、アフロントたちが最大の情熱を注ぎ込む場所・・すなわち「狩猟」を行う場所だった。

 

感想:原始的な最大の娯楽は、狩猟なり。ローマ帝国のコロッセオや奴隷も。

 

車両が現在横切っているのは、これら広大な禁猟区(ゲーム・リザーブ)の一つだった。ジェナール=ホフォエンは再び見下ろしたが、狩猟が進行している様子は見えなかった。

 

感想:同じくイアンバンクスのゲームプレイヤーの主人公も、アザド帝国で同じような場面になる。

 

ハビタット全体の5分の1もの広さが狩猟空間に割かれていたが、それさえもアフロントにとっては実用性に対する多大な妥協を意味していた。

 

感想:まあ、寝て食べるくらいなら、残りはエンタメ(狩猟)に割きたいよね。

 

彼らはおそらく、狩猟空間とそれ以外を半々の割合にすることを好み、それでいて自分たちは極めて責任感があり、自己犠牲的であると考えたことだろう。

 

ジェナール=ホフォエンは、大いなる銀河文明のゲームにおいて最終的に主要なプレイヤー(インボルブド)の一角に上り詰めるような種族の発達過程で起きる、「技術の研鑽」と「気を取られること(娯楽)」のトレードオフについて、再び考えずにはいられなかった。

 

感想:イアンバンクスの小説は、本小説が2冊目だけど、主人公のキャラが同じあるある。

 

カルチャーの標準的な評価では、アフロントは狩猟にあまりにも多くの時間を費やし、宇宙を旅する責任ある種族としての業務を全うするための時間が到底足りていないとされていた(もっとも、カルチャーは十分に洗練された文明であるため、これが自らの、言うなれば主観的な見方にすぎないことも承知していた。それに、アフロントが狩猟公園で油を売り、酒宴の席で互いに狩りの武勇伝を語り合うことに時間を費やしてくれればくれるほど、彼らが銀河の自分たちの領域で暴れ回り、人々に惨い仕打ちをする時間が減るという利点もあった)。

 

感想:その、カルチャーは洗練された・・という、原始的なアフロント人とは違う格上の存在・・と、自らが神だと思い込んでるあたりが、英米小説あるあるだと毎度思うぜ。まあ、彼らが「神がそう言うのです・・!」と十字軍が何をしたか・・戦争をして世界中のあらゆるものを自分たちのものにして・・神が許してくれました・・と。おこおこおこおこ(; ・`д・´)

 

しかし、もしアフロントがこれほどまでに狩猟を愛していなかったら、彼らは果たしてアフロントであり得ただろうか? 狩猟、特にアフロントが進化させてきた三次元空間における高度な協調型の狩猟は、知性を必要とし、またそれを促すものであり、種族を宇宙へと駆り立てるのは一般的に‥例外はあるにせよ‥知性だった。

 

感想:人間の祖先である猿が、その辺に落ちている石(黒曜石)とかを使って、小動物を殺して食べたのも知性やな。

 

必要とされる常識、独創性、慈愛、そして攻撃性の配合バランスは種族ごとに異なる。おそらく、アフロントの狩猟への心酔をほんの少しでも和らげようとすれば、彼らの知性と探求心を著しく損なうことでしか実現できないのだろう。

 

感想:そうね、個性は大切です。

 

それは遊びのようなものだった。子供の頃のそれは楽しむためのものであると同時に、大人になったときのための訓練でもある。「楽しさ」とは真面目なことなのだ。

 

感想:全力で遊べる大人になる、と椎名誠や野田知佑はおっしゃってました、たしか。子供の時って、虫を殺したりするよね。

 

依然として、狩猟が進行している兆候も、獲物となる動物の群れさえも見当たらなかった。ただ、 floating plant life(浮遊植物)の薄い膜のマットや、垂直に垂れ下がる繊維がいくつか見えるだけだった。

 

感想:宇宙に行ってみたい、も遊び心なんや。

 

間違いなく、獲物となるクリーチャー自体のいくつかの種が捕食するような、より小型の動物たちが植物の膜やガス嚢にしがみついてムシャムシャと貪っているのだろうが、この距離からは靄のせいで詳細な観察が遮られ、何も見えなかった。

 

ジェナール=ホフォエンは背もたれに身を預けた。モノレール車両は人間用に作られていないため、寄りかかるべき本物の座席は存在しなかったが、ゲルフィールド・スーツが座席の感触を模倣してくれていた。

 

感想:今日もスーツ(AI)はいるのかな( ´ ▽ ` )

 

彼はいつものジレ(ベスト)を着用し、ホルスターを身につけていた。足元にはゲルフィールド製の旅行カバンがあった。彼はそれを見つめ、足の先でつついた。6000光年の往復旅行に携えていくにしては、大した荷物には見えなかった。

 

感想:必要なものなど、さほどないのさ。ドラえもんのポケット‥人工知能さえあれば‥なおのこと‥。

 

『ろくでなしどもが』

モジュール(AI)が彼の脳内で言った。

 

感想:かーわーいいーー・:*+.(( °ω° ))/.:+

 

「何がだ?」彼は尋ねた。

『何でもかんでも最後の瞬間まで引き延ばすのがお好みのようですな』モジュールは苛立った様子で言った。

 

感想:わたし「何がだ?」

 

『よろしいですか、我々が宇宙船のチャーター交渉をようやく終わらせたのは、たった今なのですよ? つまり、あなたはあと10分ほどで出発する予定なのです。この狂人どもは、一体どこまで物事を遅らせれば気が済むのですか?』

 

感想:アフロント人が時間を守れるようにみえるのか?えぇ?!

 

「船、と言ったか? 複数形か?」彼は尋ねた。

『複数形(宇宙船船団)です』モジュールは言った。

 

感想:もしかして、ここに来るの?ミートファッカー‥その名も、グレイゾーンが!

 

『彼らは、自分たちのあの忌々しいタライ(宇宙船)を3隻チャーターすることを頑なに要求してきたのです。付け加えておきますが、そのうちのどれか1隻だけでも、私を収容するには十分すぎるほどの容積があります。そこも論点の一つだったのですがね。しかし3隻ですよ! 信じられますか? 彼らの基準からすれば、実質的に艦隊(フリート)ではありませんか!』

 

感想:ああ、艦隊とな( ´ ▽ ` )目的地である黒体球(エクスクルージョン)へ一刻も早く到達するため、SC(特別事情部)の資金によってアフロントの最新鋭かつ最強の超大型戦艦を3隻も丸ごとチャーター(艦隊を雇用)したんだな。モジュールは「アフロントに大金を与えるのは、彼らの軍事的拡張を援助することになり非道徳的だ」とブツブツ文句を言っておられる。

 

「金が必要だったんだろう」

「ジェナール=ホフォエン、あなたがアフロントへの資金移動の原因になることを面白がっているのは知っていますが、あらゆる意図や目的においてそれが無関係ではない場所では、金とは力であり、金とは影響力であり、金とは結果(エフェクト)そのものであると指摘させていただきたい』

 

感想:その時代に金があるのか?今だって、お金の意味が問われている時代なのに。まあ、資源を求めるために戦争は続くだろうけどさ。艦隊も立派な資源であろうな。

 

「『金とは結果である』か」ジェナール=ホフォエンは反芻した。「それはお前の自前の格言か、スコペル=アフランクイ?」

 

感想:まあ、そうな。

 

『要するに、我々がアフロントに追加の交換手段(資金)を寄付するたびに、我々は実質的に彼らの拡張主義的な衝動の片棒を担ぐことになるのです。これは道徳的ではありません』

 

感想:カルチャーが未発達な文明をコントロールする方法は、まあ、こういうやり方。

 

「クソ喰らえだ。俺たちは奴らにオービタルの建造技術まで与えたんだぞ。それに比べりゃ、数回分のギャンブルの借金が何だってんだ?」

『あれは話が別です。彼らがこれ以上多くの惑星を乗っ取るのをやめさせるためであり、彼らが我々の作ったオービタルを信用しなかったから与えたにすぎません。それに、私はあなたのギャンブルの借金がどれほど法外であるかとか、賄賂の価格を自ら競り上げるというあなたの奇妙な悪癖について話しているのではありません。私が問題にしているのは、アフロントのノヴァ級突撃巡洋艦3隻とその乗組員を2ヶ月間雇うための費用のことです』

 

感想:雇う‥。黒球体の旅に連れて行くのか?

 

ジェナール=ホフォエンは思わず大声で笑いそうになった。「SC(特別事情部)はお前のツケにそれを回したりはしないだろう?」

『当然です。私はもっと広い視野(大局)の話をしているのです』

「一体俺にどうしろってんだ?」彼は抗議した。「これが、SCが俺に行かせたがっている場所に到達するための最速の手段なんだ。俺のせいじゃない」

『「ノー」と言うこともできたはずです』

「できたさ。そうすりゃお前は、要請されたときにカルチャーへの義務を果たさなかったって、これからの1年かそこら、俺の耳元でネチネチと小言を言い続けたはずだ」

『それがあなたの唯一の動機であったと、私は確信しておりますよ』スコペル=アフランクイは、モノレール車両が減速するのと同時に、いけしゃあしゃあと言い放った。モジュールはこれ見よがしなクリック音とともにオフラインになった。

 

感想:はっはっ。最新鋭戦艦3隻という物々しいアフロント艦隊を率いて、ホフォエンがいよいよ6000光年の彼方にある超越存在(エクセッション)へと旅立つのか!カルチャーのテンプレボーイと、野蛮と言われるアフロントの乗組員たちがどのような道中を繰り広げるのか!

 

(嫌な奴め)ジェナール=ホフォエンは、声に出さずに思った。

 

感想:声に出すとバレるものね。

 

モノレール車両はさらにいくつかのハビタットの隔壁を通過し、混雑した様相の工業セクションへと抜け出た。そこでは、建造が始まったばかりのアフロントの宇宙船の竜骨(キール)の骨組みが、靄の中から、まるで奇妙に場違いな脊椎や肋骨のコレクションのように突き出ていた。

 

それらはハビタット自体を支えるバットレス(控え壁)や円柱の巨大なフレームワークの中で、華美な装飾を凝らしたディテールを形作っていた。モノレール車両はさらに減速を続け、構造部材の一つに取り付けられたウェブ・チューブ(網状の筒)の内部で完全に停止した。そこから車両は、ほぼ自由落下(フリーフォール)に近い状態で降下し始めた。

 

車両が振動した。実際、ガタガタと音を立てていた。ジェナール=ホフォエンはカルチャーのオービタルで育ったが、そこではスポーツ用の車両や、冗談半分で自作した乗り物くらいしか振動を発生させない。通常の交通システムは、どの階に行きたいか尋ねるときや、車内の香りを変えたいか確認するとき以外は、音さえめったに立てないものだ。

 

感想:まあ、カルチャーの乗り物は完璧に制御されているゆえに、全くの無音、無振動だけど、アフロントのモノレールやエレベーターは、ガタガタと激しく音を立てて振動し、自由落下する、という。

 

モノレール車両は床を突き抜け、もう一つの巨大なハンガー(格納庫)空間へと突入した。そこでは、作りかけの宇宙船のそびえ立つ形状が、眼下に広がる細い梁の靄に包まれたフレームワークから、棘だらけの尖塔のように突き出ていた。宇宙船の刃のような船体が、すぐ側を次々とぼやけて通り過ぎていく。

 

『うひょーー!』

ゲルフィールド・スーツが歓声をあげた。

 

感想:モジュールよりもスーツが好き!スーツは楽しんでおられる( ´ ▽ ` )

 

こいつはアフロント流の自由落下を、ただただ最高のスリル(フート)だと捉えているようだった。

 

「楽しそうだな」とジェナール=ホフォエンは思った。

『もし今この乗り物がクラッシュしたら、私でさえあなたの主要な骨のほとんどがへし折れるのを防ぎきれませんからね。そのあたりを自覚していただきたいものです』とスーツが彼に告げた。

 

感想:(笑) いいじゃん、楽しんでいるだけだもんね(・ω・`)

 

「役に立つことが言えないなら、とっとと黙れ」彼はスーツに言い返した。

 

感想:上から目線のホフォエンきやい!あれ、ドローンの上から目線はかわいいのに、人間だとイラっとするのなんでだろう(´Д` )

 

また別の床が、車両を迎え撃つように急接近してきた。車両はその床を突き抜け、霧の立ち込める広大なホールへと突入した。そこでは、完成間近のアフロントの宇宙船が、まるでギザギザとした摩天楼のようにそびえ立っていた。車両は巨大な空間の床の近くで、ガタガタと音を立て、金切り声をあげながら急停車した。

 

スーツがホフォエンを支えるように彼の身体を締め付けたが、見かけ上の凄まじい追加重力(G)のせいで、彼は内臓が不快な蠢き方をするのを感じた。

 

感想:あんなことを言いながらも、守ろうとしてくれるスーツがすき!

 

それから車両は一対のエアロックを通過し、暗いトンネルをゴトゴトと進んでいった。

車両が抜けた先は、ハビタットの裏側の端だった。

 

感想:居住区の裏側の端。

 

そこでは、巨大な肋骨のような形をしたドックが、この小さな世界の緩やかな湾曲に沿って、遥か彼方まで連なっていた。あちこちから強烈な眩しい光が放たれていたが、暗闇の中にはいくつかの明るい星も輝いていた。ドックの約半分は埋まっており、アフロントの船もあれば、他のいくつかの種族の宇宙船も停泊していた。

 

感想:さぞ、美しい光景なのだろうな。

 

そして、他のすべての船を完全に圧倒していたのが、3隻の巨大で薄暗い宇宙船だった。

 

感想:カルチャーの船やな。

 

それらはどれも、ある時代の「自由落下型空中爆弾(航空爆弾)」を持ってきて、そこにさらに古い時代の「ブロードソード(幅広の剣)」「シミター(三日月刀)」「ダガー(短剣)」をこれでもかと溶接し、その結果を全長2キロメートルにまで拡大したかのような、禍々しい外観をしていた。

 

感想:アフロント人の攻撃性をデザインした宇宙船説。

 

それらは数キロ先にあるドックの架台に固定されていた。モノレール車両は向きを変え、その3隻へと向かった。

 

『「サックスライサーII(陰嚢切り二号)」「フライトスピア(恐怖の槍)」そして「キス・ザ・ブレード(刃への接吻)」号でございます』車両が再び減速し、宇宙船の球状に膨らんだ黒い巨体が星々を覆い隠していく中、スーツがアナウンスした。

 

感想:なんちゅう名前や。

 

「そいつは実に魅力的だな」とジェナール=ホフォエンは思いながら、旅行カバンを持ち上げた。彼は3隻の軍艦の船体を観察し、その船が実戦をくぐり抜けてきたベテラン(老朽艦)であることを示す損傷の痕跡を探した。

 

感想:名誉の負傷とは、その名のとおり。カルチャーの宇宙船なら、プラズマ爆風や跡を一瞬で完全修復する戦闘の傷跡を、アフロントは戦士の名誉としてあえて完璧には直さず、自慢の傷跡として残しているのだ。古傷が痛むぜ‥ってな( ´ ▽ ` )

 

痕跡は確かにあった。中央の船のスパイン(竜骨)、ブレード(翼状の刃)、そしてカーテン状の船体全体に広がっている、暗いグレーと黒の地の上に浮かぶ薄グレーの湾曲した線の繊細な網目は、おそらくプラズマ爆風をかすめるように浴びた跡だった(兵器の類いには退屈さを覚えるホフォエンでさえ、それと識別できた)。

 

その中央の船と最も手前にある船に見られる、同心円状の青あざのような、にじんだグレーの円形の紋様は、また別の兵器システムによる傷跡だった。そして3番目の船のあらゆる表面に刻まれた鋭くまっすぐな線は、さらに別の兵器がもたらした効果のように見えた。

 

感想:こう傷を直さないと、あれは〇〇文明にやられた傷か?あれは‥と、確かに勲章だな。

 

当然ながら、アフロントの宇宙船は、他のまともな先進文明の船と同様に高度な自己修復機能を備えており、船体に残された傷は「ただの見た目の問題」にすぎなかった。

 

感想:致命傷はきちんと直すアフロント人。勲章の意味を理解しているアフロント人。

 

傷の厚みは塗装の一層分ほどしかなく、宇宙船の運用能力に対する影響は無視できるほど微々たるものだ。しかし、アフロントたちは、自分たちの軍艦も‥自分たち自身がそうであるように‥戦闘がもたらす「名誉の負傷(傷跡)」を帯びているべきだと考えていた。

 

感想:わたしの名誉の傷はなんだろうか。古傷もないな。なにしろ怪我をすることがないな。

 

そのため、彼らは軍艦の自己修復メカニズムをあえて完璧な手前で停止させ、自らの戦艦が誇る輝かしい名声の由緒を、より誇示しやすいようにしていたのである。

 

感想:わかりやすいのがいちばん。

 

モノレール車両は、中央の軍艦の真下、船の腹部へと消えていく巨大な配管やチューブが林立するジャングルの真ん中で停止した。車外から聞こえるガチッという噛み合わせ音、ドスンという衝撃音、そしてシューという排気音が、すべての安全が確保されたことを告げた。シール(密閉部)から一筋の蒸気が噴き出し、車両のドアが外側へと跳ね上がった。その先には通路が続いていた。

 

アフロントの儀仗兵たちが、ピシッと直立不動の姿勢をとった。もちろん彼に対する敬意ではなく、ファイブタイドと、彼の傍らに立つ海軍指揮官(コマンダー)の制服を着たアフロントに対するものだ。

 

感想:ファイブタイト・・あのおもしろいアフロント人か・・。

 

二人は半分宙に浮き、半分歩くような格好で、パドル(鰭状の肢)を漕ぎ、ぶら下がった四肢で壁を押し、こちらに向かって進んできた。

 

「さあ、我らがゲストの到着だ!」ファイブタイドが大声で叫んだ。「ジェナール=ホフォエン、紹介しよう。『ブレードコーナー』部族、そしてこの突撃巡洋艦『キス・ザ・ブレード』号の指揮官であるキンドラマーVI世コマンダーだ。さあ人間よ、我らのちょっとした楽しい旅の準備はいいか?」

「ああ」と言って、ホフォエンは通路へと足を踏み入れた。

 

感想:それでも君を愛しているよ号といい、刀にキスしろ号・・痛みや秒力に服従する、死を受け入れる・・といった意味であろう船。

 

ウルヴァ・セイチは、まだわずか22歳だった。

 

感想:おっと、ここで物語は変わるらしい。彼女(セイチ)がアフロント人でなければな・・にやり。

 

3歳の頃から天才的な学術的超優等生として名を馳せ、ここ5年間の大学生活では連続して「最も魅力的な学生」に選ばれ、彼女の伝説的なひいおばあちゃん以来、誰よりも多くのハートを「ファージ・ロック(ファージの岩)」で打ち砕いてきた輝かしい経歴の持ち主である。

 

感想:セイチは誰だ。まあ、この流れだと、ホフォエンの任務でる女性な可能性が高いけどこの時点では分からず(´Д`)

 

そんな彼女が、卒業記念舞踏会の会場から、ドローンのチュート・ラインによって文字通り強引に連れ出されていた。

 

感想:新しいドローンさん、こんにちは。名前がいいね、チュート!

 

「チュート!」彼女は長い黒のロンググローブをはめた両手を握りしめ、顎を突き出して抗議した。彼女のハイヒールが、寄木細工の施された待合室の床にカチカチと音を立てて響いた。

 

「よくもやってくれたわね。私が一緒に踊っていたのは、信じられないほど素敵な若い男の子だったのよ! 完璧に、もうお話にならないくらいゴージャスだったの。それをあんな風に引っ張り出すなんて、一体どういうつもり?」

 

感想:盛り上がっているところ申し訳ないけど、どうしてこの時代設定で大学というものがあるんだろう。趣味なのかな。

 

彼女の背後を急いでついてきていたドローンは、彼女の前に回り込むと、舞踏会の待合室から続く古めかしい手動式の観音開きドアを開けた。そのスーツケース大のボディが、彼女のドレスのバッスル(腰の膨らみ)にカサカサと擦れた。『言葉もないほど申し訳なく思っていますよ、ウルヴァ』ドローンは彼女に言った。『ですが、お願いですから遅れないでください』

「私のバッスルに気をつけて」と彼女は言った。

『おっと、失礼!』

「本当にゴージャスな子だったのよ」ウルヴァ・セイチは、数々の絵画やアーンプラント(壺型植物)が並ぶ石畳の廊下を、トラベルチューブ(移動用チューブ)のドアへと浮遊しながら進むドローンの後を追い、大股で歩きながら激しく愚痴をこぼした。

『あなたの言葉を信じることにしましょう』とドローンは言った。

「それに、彼、私の脚を気に入ってくれてたの」彼女はドレスの大きくスリットの入ったフロント部分に目を落としながら言った。露出した彼女の長い脚は、透き通るような純黒のストッキングに包まれていた。深く胸元の開いたドレスの色に合わせたバイオレットの靴を履き、ドレスの短い裾(トレイン)が、彼女の動きに合わせてうねるように素早く後を追っていた。

 

感想:女版、ホフォエンとみた。

 

『実に見事な脚ですよ』ドローンも同意し、物事を急がせるために前方のトラベルチューブの制御パネルに信号を送った。

「当然でしょ」と彼女は言い、首を振った。「本当にゴージャスだったのに・・」彼女はピタッと足を止めた。「やっぱり戻るわ」彼女は、ほんの少し足元をふらつかせながら、ヒールを返して引き返そうとした。

『なんですって!?』チュート・ラインが悲鳴をあげた。ドローンは彼女の前に回り込み、彼女は危うく激突しそうになった。『ウルヴァ!』機械は怒ったような声を出し、そのオーラフィールドを真っ白に明滅させた。『いい加減にしてください!』

「そこを退いて。彼はゴージャスだったの。彼は私のものよ。彼は私に愛される資格があるの。ほら、退いて、退いて!」

 

感想:その時代設定に恋愛ってあるのかな。恋愛とは、種を残すための脳内物質でしょ?わたしは女性なのだけど、子供が欲しいと思わないんだよね。それって普通に考えると異常だと思うの。だって、子供が欲しいって本能でしょ?徐々に、生物としても変わってくのかもしれない。ああ、話が分かりにくくてすまない。この時代の恋愛ってゲームなのかな?(人間が出産とかありえくなて)

 

ドローンは退こうとしなかった。彼女は再び拳を握りしめ、足を踏み鳴らしながら、ドローンのフロント部分をポカポカと叩いた。彼女はヒックと一回、しゃっくりをした。『ウルヴァ、ウルヴァ』ドローンは彼女の手をフィールドで優しく包み込んで宥めた。

 

感想:そのドローンのフィールドって、その辺の人間よりと抱き合うよりも気持ちよさそう。

 

彼女は顔を突き出し、機械の前方センサーバンドをこれ以上ないほど激しく睨みつけた。『ウルヴァ』ドローンは繰り返した。『お願いです。頼むから聞いてください。これは・・』

「大体、何だって言うのよ!?」彼女は叫んだ。

『言ったでしょう、あなたに見せなければならないものがあるのです。シグナル(信号)ですよ』

「だったら、どうしてここで見せてくれないの?」彼女は廊下を見回した。柔らかくライトアップされた肖像画の数々、そしてアーンプラントの斑入りの葉、つる植物、パラソルのような葉が広がっている。「周りには誰もいないじゃない!」

『そういう仕組みになっていないからです』チュート・ラインは呆れたように言った。『ウルヴァ、本当にお願いです、これは重大なことなのです。あなた、まだコンタクト(接触部)に入りたいのでしょう?』

 

感想:コンタクトに就職希望の大学生、セイチ。(余談だが、セイチという名前の即覚えるために、セイウチ=セイチと記憶している。)

 

彼女はため息をついた。「まあ、そうね」彼女は目を丸くしながら言った。「コンタクトに入って、未知の宇宙を探検しにいく・・」

『よろしい、これがその招待状なのです』ドローンは彼女の手を離した。

 

感想:まあ、宇宙の冒険も、セイチが狙っている男とのあれこれも、似たような冒険・・もごもご。

 

彼女は再びドローンに向かって顔を突き出した。彼女の髪は、ゴールド、プラチナ、エメラルドの、ヘリウムが注入された微小な球体がちりばめられた、巧妙かつ華麗に編み込まれた黒いカールの塊だった。それが、ひときわ装飾的な雷雲のように、ドローンのフロント部分に触れた。

「それで、あの素敵な男の子を『探検』させてくれるの?」彼女は吹き出しそうになるのを堪えながら尋ねた。

 

感想:ああ、女版ホフォエンであるセイチと同じことを思ってしまった私が自分で嫌になった。ホルモンで頭がおかしい期間なのだ、あああ( ;∀;)

 

『ウルヴァ、もし私の言う通りにしてくれるなら、コンタクトは喜んで、ゴージャスな若い男たちで満載の宇宙船を丸ごと何隻もあなたに提供してくれることでしょう。さあ、前を向いてください!』

彼女は小馬鹿にしたように鼻を鳴らし、爪先立ちになると、舞踏会会場の方向を確かめるように、機械の筐体越しにふらふらと視線を走らせた。置き去りにしてきたダンスの音楽が、まだかすかに聞こえていた。「ええ、でも私が興味あったのは、まさに『彼』だったのよ・・・」

 

感想:ここまでの描写で分かるように、セイチという女性はカルチャー志願の大学生であり、3歳から天才、5年連続で魅力的な学生と選ばれ、数々の男心を弄んできた自信家の女性です。というか、魅力的賞ってなんやねん。小説「フラニーとズーイ」が苦手だった私は、この手の設定人間もあんまり好きじゃない。

 

ドローンは、穏やかな友愛を示す黄緑色のフィールドで再び彼女の手を包み込み、彼女の爪先立ちを優しく下ろさせた。

『お若いお嬢さん』ドローンは言った。『これから私が言う二つのことほど、真実な言葉はありませんよ。一つ、あなたのこれからの人生には、ゴージャスな若い男などいくらでも現れます。二つ、コンタクト、それどころかSC(特別事情部)に潜り込み、彼らにあなたへの貸しを一つか二つ作らせる絶好のチャンスは、後にも先にも今しかありません。理解できましたか? これはあなたにとって、人生最大のチャンスなのですよ、お嬢ちゃん!』

「私を『お嬢ちゃん』なんて呼ばないで」彼女はツンとして言い返した。

 

感想:チュート、もうやめちゃいなよ。セイチのために頑張るチュールをみたくなよ!(余談だが、チュートという名前を覚えるために、チュール(猫の餌名)+トと記憶している。)

 

ドローンであるチュート・ラインは、彼女の家族と1000年近くにわたる付き合いがあり、その人格の大部分は、9000年前にあるハウスシステムのコンピューター内のプログラムだった時代にまで遡るとされていた。

 

感想:ほほーう。イアンバンクス「ゲームプレイヤー」に登場するドローン、チャムリスが4000年のお付き合いだったから、ドローン界隈では1000年単位でひとつの家系とお付き合いをするのか。9000年前のモジュールAIか・・。

 

普段は彼女に対して年齢の差を振りかざしたり、自分という軋むような気の遠くなる古代の存在に比べれば彼女など「陽炎(カゲロウ)」のような一時の命にすぎないと思い知らせるような真似はしなかったが、状況がそれを要求していると判断したときには、容赦なくそのカードを切ることも辞さなかった。

 

感想:そうね、人間の命などほんと一瞬。そう考えると、人間が作った社会システムの中で不自由に生きているのってバカらしいよね。

 

彼女は片目を細め、機械をじっと見つめた。「今、あなた『特別事業部』って言った?」

『言いましたよ?』

彼女は身を引いた。「ふーん・・」彼女の目が細くなった。

 

感想:半目・・私も使う。相手に気持ちを悟られない時に使う術。

 

彼女の背後でトラベルチューブがチャイムを鳴らし、ドアが滑るように開いた。彼女はくるりと向きを変え、チューブに向かって歩き始めた。「だったら、早く来なさいよ!」彼女は肩越しに言った。

 

感想:Excessionの口コミで、男もクズだが女はもっとクズ、というコメントがあったのを思い出す。

 

ファージ・ロックは、9000年近くもの間、銀河を彷徨い続けていた。それは、この岩石がカルチャーという社会において最も古い構成要素(エレメント)の一つであることを意味していた。

 

感想:物語は変わりましたな。ファジーロックというのは、ハビタットのことかい?でも、岩石の居住区ってどんな?巨石系すき。

 

その始まりは、後にカルチャーを結成することになる種族が最初に探索した太陽系の一つに存在した、全長3キロメートルの「小惑星」だった。

 

感想:カルチャーの歴史だね。

 

そこはまず、金属、鉱物、そして宝石を採掘するために掘り進められ、その後、内部に作られた巨大な空洞が真空に対して密閉され、空気が満たされた。さらに人工重力を生み出すために自転が与えられ、主星の周囲を回る居住ハビタットとなったのである。

 

感想:現実でも小惑星ハビタットは真面目に検討されたことがあるっぽい。カルチャーで言うと、元は小惑星だった→移動式居住区になった。

 

その後、技術が進歩し、当時の政治的状況からその太陽系を離脱することが賢明であると判断されたとき、ハビタットには恒星間空間へと進むための核融合駆動の蒸気ロケットとイオンエンジンが取り付けられた。

 

感想:ニーブンの小説「リングワールド」のパペッティアの「艦隊世界」に少し似ているね。(惑星そのものを推進装置付き宇宙船に改造して移動させる)パペッティアの艦隊世界をカルチャー風にすると「逃亡用に改造した惑星の管理AIが数千年後に自我を獲得し、惑星そのものがひとりの市民として扱われる」・・。

 

これもまた当時の政治的状況のせいで、ファージ・ロックは出力を強化した信号レーザーや、レールガンとしても機能する半誘導式の質量投射機を複数装備して武装を整えた。

 

それから数年後、傷つきながらも健在であり、ついに人間の居住者たちから「独自の意識を持つ知性体」として承認されたこの岩石は、自らを「カルチャー」と呼び始めていた、新興の汎文明・汎種族グループへの参加を表明した最初の宇宙エンティティ(存在)の一つとなったのである。

 

感想:エンジンを積まれて自行型ハビタット(居住区)になり、やがて独自の意識というマインドを持った・・。それが、カルチャーの初期メンバーとなる。

 

その後に続いた数十、数百、数千年の歳月の中で、ファージは銀河を旅し、システム(星系)からシステムへと放浪を続けた。

 

最初は交易や製造業に力を入れていたが、カルチャーが育んできた技術の進歩によって、社会の生産能力がその構造全体に極めて均等に行き渡るようになると、あらゆる場所でほぼ何でも製造できるようになり、交易という行為自体が比較的稀なものとなっていった。

 

そのため、ファージの役割は次第に文化的・教育的なものへと移行していった。

 

感想:うっど!木だ!代々木八幡宮に大きな木があるんだけど、たくさんある大きな木の中のひとつなのに、みんなその木に触れるんだよ、不思議。かあさんやぁぁ。

 

そして、今や「宇宙船でもなければ世界でもない、その中間に位置する」というカルチャー特有の人工物カテゴリーとして認識されるようになったファージ・ロックは、その時々の必要性に応じて、周囲の星系や恒星間のデブリ(残骸)を新たに取り込みながら、その規模をさらに拡大し続けていたのだった。

 

感想:おお~。気持ちいい感じで終わりましたな。まだ2割くらいしか読んでないけど。船でも世界でもない、その中間のハビタット!余談だけど、どうして人間は石に惹かれるのだろうか・・なんて話を友人としたんだ。猿時代にその辺に落ちていた石(黒曜石)を拾って・・武器にもなればなんでも使えるすごいもの、みたいな感じで我々のDNAに名残が残っているんじゃないか?というオチになった。私も、小学生の時、よく石を拾い集めていたな。均一に丸いやつと、適度に薄くて長い石を好んでいたな。墓参りの時、墓場に落ちていた石(白いやつ)を持って、人工物感が強くて気に入らない、と石を投げたらすごい怒られた記憶がある。あと、河原の石は絶対に拾うな、と父によく言われたんだけど、なんでだったんだろう。

 

 

 

 

イアン・バンクス「EXCESSION」全文翻訳(9)ドローンのシセラ1/2の苦悩

2026 / 07 / 07  09:51
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感想:はいはい、はじまりました。今日の主役はドローンのしセルか!?

 

スターゲイザー(星見)氏族の宇宙船であり、ゼテティック・エレンチ(探究的離反派)第5艦隊に所属する調査船『ピース・メークス・プレンティ(平和は豊穣をもたらす)』号は、標準的なランダム探索パターンに従って、アッパー・リーフ・スワール(上葉渦状星雲)のほとんど未探索の領域を調査していた。

 

感想:物語はカルチャーともアフロント人とも異なる第三の勢力、ゼテティックエレンチの視点に入りましたな。一体どんな異星人なのか気になりますな。わたしのお気に入りになりますように。未探索領域ってロマンあるよな・・。

 

同船は、他の7隻のスターゲイザー氏族の船と共に、標準紀n4.28.725.500にハビタット(巨大居住区)「ティア」を出航していた。彼らはスワールの深淵へと種子のように散らばり、互いに別れを告げた。それが今生の別れになるかもしれないと知りながら。

 

感想:うう・・冒険には危険がつきもの・・。

 

航海が始まって1ヶ月が経過したが、船は特別なものを何も発見していなかった。ただ、チャートに載っていない星間デトリタス(塵)を数点見つけ、しかるべく記録した、それだけだった。

 

感想:あの黒い球体(Excession)が現れるのだろうか。

 

背後の時空の船団に、おそらくは偽信号と思われる共鳴の兆候があり、自航船を追尾している船がいる可能性が示唆されていたが、ゼテティックの船を他文明の船が尾行すること自体、さして珍しいことではなかった。

 

感想:ゼテティック号は、他文明にとって危険な存在なのだろうか?それとも、何か他に興味のそそられる何かがあるのだろうか?

 

エレンチは、かつてはカルチャーの正規の一員だった。

 

感想:ほっほう、ここまで読むあたり、カルチャーを中心にいろんな文明が集まり、離れたり、カルチャーを推したり・・と。さあ、ゼテティック号はどんな立ち位置なのだろうか?

 

彼らは1500年前にカルチャーから分離独立した。関係する僅かなハビタットと、多くのロック(小惑星基地)、宇宙船、ドローン、そして人間たちが、主流派のカルチャーとは僅かに異なる路線をとることを好んだのだ。

 

感想:なるほど。ゼテティック号は、カルチャーから分離独立したのか。カルチャーが認めていない「グレイゾーン」や、カルチャーが好きじゃない「スリーパーサービス」とはまた違った立ち位置なのか。おもしろい。

 

カルチャーが「大まかには現状を維持しつつ、自らが発見した発展途上の文明の少なくとも一部に変革をもたらし、同時に、銀河という壮大なる文明のゲームにおける現在のプレイヤーである『インボルブド(参与文明=高度発達社会)』の間の誠実な調停者(仲介人)として振る舞うこと」を目指しているのに対し、

 

感想:はあはあ。(お腹痛い)カルチャーは周囲の未熟な文明を管理するからな。それを傲慢だと嫌っているのがゼテティック号なのだろう。

 

エレンチは他者ではなく、自分自身を変化させることを望んだ。彼らが未発見のものを探し求めるのは、それを変えるためではなく、それによって「自らが変えられるため」であった。

 

感想:おおー。カメレオンちゃんですね。わたしはゼテティック号が好きになりましたな。読みにくい船の名前も好きになったので覚えましたよ。そうね、相手をコントロールするのはよくないざますね。

 

エレンチの理想とは、より安定した社会・・カルチャーそのものがその完璧な例だ・・の者が、同じエレンチの存在(ロック、船、ドローン、人間)に何度か連続して遭遇したとしても、二度と同じ実体に出会うことはない、というものだった。

 

感想:わろわろ。そんなに変わってしまうのか。まあ、いい奴だよ。しかしまぁ、なんでもかんでも相手に合わせて変えるのもいかがなものか?とも思うが、その辺はいい塩梅をとっているのかもしれない、たぶん。

 

彼らは再会の合間に別の文明と遭遇し、異なるテクノロジーを自身の肉体に組み込んだり、異なる情報を精神に統合したりしているため、前の面会時とは必ず変貌を遂げているのだ。

 

感想:必ず変貌・・。未知の文明と出会うことで、自分たちの肉体やテクノロジーをどんどん変化させて吸収されても構わない・・究極のマインドっすな!まさに、へそ曲がりな探求心です。極端でおもしろい。

 

それは、カルチャーの単一知性的なアプローチからはおよそ生み出されそうにない、あらゆるものに関連し得る汎用的な「真実」の探求であった。

 

感想:やっぱり大きな権力になってしまうとね、なかなか自由になれないよね、カルチャーも。いいんじゃないでしょうか。カルチャーを中心に多様なマインドが暮らしていれば。

 

それは天職であり、使命であり、大いなる召命だった。

この姿勢がもたらす結果は、想像通り多種多様だった。

エレンチの艦隊丸ごとが遠征から二度と戻らず行方不明のままになることもあれば、最終的に発見されたときには、宇宙船も乗組員も、自らの意志で他の文明に完全に包摂(吸収)されてしまっていることもあった。

 

感想:うん、ゼテティックエレンチ号はやっぱり極端!だけどおもしろい。

 

過去の最も極端な例では、いくつかの船が完全に『攻撃的自己複製群オブジェクト』に変貌した状態で発見されたこともあった。出会うすべての物質を自分自身のコピーに変換しようとする、利己的な自己増殖生命体である。

 

感想:笑。カルチャーよりも傲慢でたちが悪い(笑)グレイゾーンよりも最悪だ(笑)

 

こうした不測の事態に対処するための技術・・いつでも選択可能な、単なる徹底的な破壊という手段を超えたもの・・は存在しており、通常は該当するオブジェクトを『攻撃的』ではなく『福音的自己複製群オブジェクト』へと転向させることに成功するのだが、もし対象のオブジェクトが特に強硬な単一の意思を持っていた場合、その強欲で不作法な自己愛(エゴ)の肥やしとなるために、やはり誰かが命を落とす結果を招いた。

 

感想:ゼテティックエレンチの独自ミーム。

 

昨今では、エレンチがそのような種類のトラブルに巻き込まれることは滅多になくなったが、それでも彼らは常に変化し続けていた。

 

感想:イアンバンクスに登場する船やマインドたちも性格は愛おしいですなぁ。

 

ある意味で、エレンチとは、カルチャー以上に、容易に定義できる宇宙船や人間の集団というよりは、「ひとつの精神姿勢」だった。エレンチの一部は絶えず他者に包摂され同化されるか、あるいは単に消失していく一方で、同時に(カルチャーや他の人類・非人類社会の双方から)新たな個人や小グループが絶えず合流してくるため、いずれにせよ人員や二次的な思想の入れ替わりが激しく、現在活動中の文明の中で最も急速に進化している存在の一つとなっていた。

 

感想:多様な文化、価値観・・まぜまぜ。変わりゆくゼテティックエレンチ号の変遷、という題名で小説をかいてほしいくらいだ。

 

しかしどういうわけか、それにもかかわらず、そしておそらくそれが何よりも「姿勢」であり「ミーム(文化的遺伝子)」であったがゆえに、エレンチは親文明(カルチャー)から受け継いだと思われる、ある能力を発達させていた。すなわち、絶え間ない変化の渦中にありながらも、「大まかには同一性を保ち続ける」という能力である。

 

感想:親ありきの子ですな。

 

彼らはまた、興味深いもの、古代の遺物、未知の文明、昇華した種族の神秘的な残骸、推測すら不可能なほど古い古代知識の宝庫などを発見するコツ(才覚)も持ち合わせていた。

 

感想:昇華した種族の神秘的な残骸とは・・キリスト教の影響多。

あ、なるほど。ゼテティックエレンチ号を尾行すれば宝が見つかるのか。

 

そのすべてがエレンチ自身にとって究極的な関心の対象になるわけではなかったが、その多くは、他者の好奇心を刺激し、目的を推し進め、情報的あるいは金銭的な資金を潤すのに役立つものだった。特に、他の誰よりも先にそれらに到達できるのであればなおさらである。

 

そのような機会が訪れることは滅多になかったが、過去には日和見主義的な傾向を持つ特定の社会が、エレンチの船を(少なくともしばらくの間は)尾行するためにわざわざ宇宙船を1隻専従させるだけの費用や手間に見合うと考える程度には、十分に頻繁に起きていた。

 

感想:はははは(笑)続編小説として、ゼテティックエレンチ号を追う者たち、という小説を書いてもしいものだ。

 

そのため、『ピース・メークス・プレンティ』号は、自分が尾行されているかもしれないという発見に対しても、過度に警戒することはなかった。

 

感想:自分たち目当てではなく、お宝目当て・・ですからね。

 

航海から2ヶ月。依然としてエキサイティングなものは何もなかった。ただのガス雲、塵の雲、褐色矮星、そして一対の生命の存在しない星系。どれも遠方から十分にチャート化されており、いかなる知的生命の手も触れられた形跡のないものばかりだった。尾行船の気配すら消失していた。

 

感想:尾行船がいれば・・この先どれだけ安心したか・・

 

もしそれが実在していたとしても、該当する船はおそらく『ピース・メークス・プレンティ』号がこの旅で幸運を引き当てることはないと判断したのだろう。

 

感想:見切り。

 

それにもかかわらず、エレンチの船が接近する範囲内にあるものはすべてスキャンされた。パッシブ(受動)センサーが自然のスペクトルをフィルタリングして意味のある兆候を探し、ビームやパルスが真空の中や時空の船団へと放たれ、探索と詮索を続け、その一方で船は戻ってくるいかなるエコーをも取り込み、分析し、熟考し、評価していた・・。

 

ティアを出航してから78日後、その記録によればかつて誰もとったことのない方向から「エスペリ」と呼ばれる赤色巨星に接近していた『ピース・メークス・プレンティ』号は、その太陽から14光月(ライト・マンス)離れた位置に、ひとつの人工物を発見した。

 

感想:ゼテティックエレンチ号の調査船、ピースメークスプレンティが見つけた人工物とは・・あの黒い球体ではないか?ということは、今回の話は物語の最初に位置するエピソードなのだろう。カルチャー偵察船が目撃した52.5日前の戦闘の残骸・・ドローン シセラの双子が漂流する場所・・。

 

その人工物は、直径50キロメートルを僅かに超える程度だった。それは完全な黒体だった。周囲と同化した異常領域であり、遠距離からは、ほぼ何も存在しない星間宇宙の任意の領域と全く区別がつかなかった。

 

感想:やっぱりんこ。

 

『ピース・メークス・プレンティ』号がそれに気づいた唯一の理由は、それが遠方の銀河の一部を覆い隠した(遮蔽した)からであり、銀河の破片が自発的に消えたり点いたりするはずがないと知っていたエレンチの船は、調査のために転針したのだった。

 

感想:見つけなきゃよかったのに・・

 

その人工物は、ほぼ完全に質量が存在しないか、あるいは・・おそらくは・・何らかの投影であるかのように見えた。

 

物質の集積がその質量によって、まるでトランポリンの上に置かれた岩のように効果的に凹みを作るはずの「スケイン(時空の織物)」に対して、それは何の影響も与えていないようだった。その人工物/投影は、スケインの上にただ浮遊しており、それに対して一切の痕跡を残していないという印象を与えた。

 

感想:アインシュタインの相対性理論の通り、物質は質量を持つと時空(助イン)をトランポリンのようにへこませる。しかし、この黒い球体(Excession)は時空を全くへこませず浮いているように見えるのだ。さあ、帰ろう。

 

これは異常なことだった。これこそは確実に調査する価値があった。さらに興味深いことに、現実空間の織物の下層にある「下層エネルギーグリッド」にも、異常の可能性が認められた。

 

人工物の三次元的形状の真下の領域に、グリッドが本来持っているはずの普遍的な混沌(カオス)の性質が、断続的に失われているように見える場所があったのだ。そこには極めて微かな、微か極まる「秩序」の気配があり、まるでその人工物が、ある種の奇妙な・・実のところ、不可能な・・「影」を投げかけているかのようだった。さらに奇妙なことだった。

 

感想:科学ではありえない秩序はなぜだろうか、と。

 

『ピース・メークス・プレンティ』号は帆を巻き上げ(減速し)、人工物の前に陣取った・・それに「前」と呼べるものがあるとするならだが・・。そして、それを分析すると同時に、通信を試みた。

 

感想:通信とは。

 

何もなかった。

 

その黒体球は質量がなく、不可侵であるように見え、まるでスケイン(時空)そのものに生じた「水ぶくれ」であるかのようだった。船がそれに向けて送信している信号は、そこに存在する何物とも決して結合できないかのようだった。

 

なぜなら、信号はまるでそこに何も存在しないかのように、その水ぶくれの表面をチラチラと滑り落ち、その先の宇宙空間へと何事もなかったかのように通り過ぎていくだけだったからだ。それはまるで、トランポリンの表面に置かれているように見える石を拾い上げようとしたところ、トランポリンの表面そのものがその石を覆うように上へと膨らんでいるのを発見したかのような状態だった。

 

感想:ほほう。そのトランポリンの表面に何かあるのかもしれない。

 

船は、より直接的な方法で人工物への接触を試みることを決定した。時空の表面の下、ハイパースペース(超空間)内でオブジェクトの真下にドローン・プローブ(無人探査機)を送り込むのだ。

 

感想:Excessionとの接触。

 

これは実質的に、スケインの織物に裂け目を作る行為であり、通常、船がそこを通って移動するために超空間(HS)への道を作る際に生じさせる種類の発現だった。

 

感想:時空に裂けめを作る行為。その裂け目から侵入する計画。

 

ドローン・プローブは、いわば人工物の「内部」へと浮上することを試みる。もしそこに投影以外に何も存在しないのであれば、それが判明するだろう。もしそこに何か実体があるのであれば、おそらくは進入を阻まれるか、あるいは内部へと受け入れられるかのどちらかになるはずだった。船は自らの使節を準備した。

 

感想:この手さばきは、こ慣れている。こうやっていろんな文明を吸収してきたのだろうな。

 

状況があまりにも異例であったため、『ピース・メークス・プレンティ』号は、ハビタット「ティア」や同胞の船に現在の状況を報告するという、エレンチの先例を破る挙に出ることさえ検討した。

 

感想:禁じ手なのか、時空を切り裂いて内部に入るのは。万策付けたか。

 

最も近くにいる他のスターゲイザー氏族の船は1ヶ月の距離にいたが、もし『ピース・メークス・プレンティ』号がトラブルに陥った場合には助けになるかもしれなかった。

 

感想:一カ月か・・。遠いなあ。

 

しかし最終的に、船は伝統に固執し、沈黙を守ることを選んだ。これには一種の隠密的な実利主義があった。

 

感想:うーむ。カルチャーとは違うぜ!というプライドからくるものなのだろうか?

 

船が着手しようとしているような遭遇(コンタクト)は、エレンチの船が、疑心暗鬼に駆られた接触相手に対して「援軍を要請した」と見なされかねない行動をとることなく、完全に単独で行動していると正当に主張できてこそ、初めて成功するものだからだ。

 

感想:信念なのね、彼らの。

 

それに加えて、そこには純粋な誇りも絡んでいた。委員会の(合議制の)一部であるかのように振る舞い始めるくらいなら、エレンチの船はエレンチの船たり得ない。そんなことをするくらいなら、それこそカルチャーの船にでもなってしまった方がマシだ!

 

感想:ああ。他人に相談して委員会(合議制)みたいに動くくらいなら、カルチャーの船になった方がマシだ!という強烈なプライドか、やっぱり。そこからはじまる単独行動‥登山やケイビングなら死んでるやつな。

 

無人探査機(ドローン・プローブ)は、『ピース・メークス・プレンティ』号と緊密な連絡を保ったまま発進した。 

 

感想:ほうほう。次に登場するドローンの名前は、プローブと言うのか( ´ ▽ ` )

 

プローブがその人工物の事象の地平を越えた、まさにその瞬間、それは‥ドローン「シセラ・イセレウス 1/2」がアクセスできた記録は、そこで途切れていた。明らかに、何かが起きたのだ。

 

感想:おお‥シセラ‥。シセラが‥シセラ‥

 

そいつが個人的に知る次に起きたことといえば、『ピース・メークス・プレンティ』号が攻撃に晒されているという事実だった。

 

感想:そうね、ハッキングされるとか?

 

その強襲は、ほとんど信じられないほど迅速かつ獰猛極まるものだった。ドローン・プローブはほぼ一瞬にして乗っ取られたに違いなく、船のサブシステムは数ミリ秒後に降伏し、船のマインドの整合性は‥推測するに‥ドローン・プローブが人工物の下の空間を侵犯してから1秒にも満たないうちに粉砕されてしまったのだ。

 

感想:人工物の境界を越えた瞬間、カルチャーの最先端AIであるはずの船のマインドや全サブシステムがわずか1秒未満でハッキングされ、乗っ取られてしまったとな‥。

 

それから数秒後、シセラ・イセレウス 1/2 自身も、船の窮状を外部の銀河へと伝えるための最後の絶望的な試みに巻き込まれていた。

 

船の乗っ取られたシステムが、必要とあればそれを破壊してでも阻止しようと躍起になる中でのことだった。

 

自身と双子の片割れ、そして事前にプログラムされた独立型の転送ユニットを用いた、長年合意のうえで入念に構築されていたその欺瞞戦術は、かろうじて、本当にギリギリで機能した。

 

感想:そうそう、脱出の際にね。相棒(2/2)の肉体と精神は敵にハッキングされ敵の手中に落ちた。生き残ったドローンは、ギリギリのところでその敵の手中に落ちた双子のコアを自らの内部(1/2)に隔離・幽閉して脱出することに成功した‥

 

それでも、かつて「シセラ・イセレウス 2/2」であり、現在は「シセラ・イセレウス 1/2」となったそのドローンには甚大な損傷が残り、その内部にはシセラ・イセレウス 2/2 の歪んだ残骸のようなものが居座る結果となった。

 

感想:これこそが、カルチャーのAIたちを恐怖させている「過剰(Excession)」な超高次元のハッキング能力なんだぜ?!

 

このドローンは、双子の精神が入っているコアの壁に耳を押し当てるような行為を、等価的に実行した。密閉されたコアの内部で何が起きているのかを突き止めるため、内部の活動の、意味を持たない抽象的なデータへと慎重にアクセスしたのだ。

 

それはまるで、隣の部屋で起きている猛烈な怒鳴り合いに耳を澄ませているかのようだった。背筋が凍るような、恐ろしい音。今にも悲鳴や、何かが破壊される音が聞こえてくるのではないかと身構えさせるような、怒号の応酬だった。

 

感想:ひぇえぇぇえ(´;Д;`)

 

元の自分(1/2)の肉体はおそらく脱出の過程で死亡しており、そいつは今、自身の肉体の代わりに双子の肉体に宿っていた。そして、侵され、寝返った双子の精神状態が、今や「2/2」とラベル貼りのされたコアの中で無力に猛り狂っていた。

 

感想:自らの脳内で、狂い果てた双子が呪詛の怒号を上げている(壁越しに怒鳴り合いが聞こえるような状態)という、精神的ホラーですな‥。

 

今なお秒速280キロメートルで星間宇宙を転がり続けているドローンは、自らの精神の内部に、裏切り者となり歪み果てた双子の複製が閉じ込められているという発想そのものに、一種の嫌悪感を抱いた。

 

感想:うーん、シセラ1/2よ。2/2は裏切ったんじゃない。乗っ取られたのだよ。

 

最初の反応は、それを消去(抹消)することだった。コアをそのまま真空へと放り出し、現在もほぼ正常な出力で機能しているように見える唯一の武器、レーザーで消滅させてしまおうかと考えた。

 

感想:ああん。感情的に動くでない。

 

あるいは、単にコアへの電力供給を遮断し、エネルギー不足によって内部にあるものを死なせてしまうこともできた。

 

だが、そうしてはならなかった。2つの上位マインドのコンポーネントと同様に、破壊された双子の精神状態には、あの人工物自身のマインドのタイプを解き明かす手がかりが含まれているかもしれないのだ。

 

感想:そうだよ、君(1/2)はいわば証拠品なんだからね(・ω・`)

 

それ(双子のコア)、AIコア、そして光子ニュークリアス(原子核)のすべてを、証拠として保管しなければならなかった。

 

感想:ほら、証拠って書いてあるじゃない。

 

あの人工物の有毒な感染力に対する、ある種の解毒剤を抽出するためのサンプルとして保持しておく必要があったのだ。

 

2つの上位マインドとコアに含まれる強欲な精神状態の中に、双子の真の人格の断片がいくらか残されている可能性さえあった。

 

感想:敵の手中に落ちた2/2のことも、君(1/2)からよくわかるんだからさ。

 

同様に、船のマインドが制御を失っただけで、その整合性までは失っていない可能性もあった。まるで、巨大な要塞の防御不能な外壁を放棄し、ほぼ難攻不落の中央天守へと退却する小さな守備隊のように‥。マインドはすべてのサブシステムから自身を切り離し、侵略者に指揮権を明け渡さざるを得なかったのかもしれないが、侵入不可能なマインド・コアの中に自身の個性を維持することには成功しているのかもしれなかった。

 

感想:ハァハァハァ(´Д` )シセラ2/2(1/2)の生々しい記憶が蘇る‥

 

それはちょうど、ドローンの精神の内部にある電子コア(そこで双子の残滓が今も煮えたぎっている)が、外部への脱出を拒んでいるのと同じように、強固な防壁となっていた。

 

エレンチのマインドは、過去にもこのような悲惨な状況に直面しながら生き延びてきた。確かにそのようなコアを破壊することは可能だが(ドローンのコアのように電力を遮断することはできなかった。マインド・コアは独自の内部エネルギー源を持っているからだ)、いかに残虐な侵略者であっても、内包された情報がいずれ確実に手に入るという確信があるのなら、天守閣たるコアを単に破壊してしまうよりは、包囲戦(兵糧攻め)を選ぶはずだった。

 

感想:やっぱり。小慣れていると思ったんだ。

 

常に希望はある、とドローンは自分に言い聞かせた。希望を捨ててはならない。

 

感想:希望を捨てないそのドローンの心‥すき!2026のドローンは絶賛戦闘用として盛り上がっていますが、そのうちシセラみたい‥いや、ゲームプレイヤーのチャムリスのように感情が芽生えるのだろうか( ´ ▽ ` )ほわあ。

 

保有している仕様書によれば、不運な船から自らを弾き出したディスプレース(転送機)は、シセラ・イセレウス 1/2 ほどの容積を持つ物体であれば、1光秒(約30万キロメートル)近くの射程を持っていた。それだけ離れれば、確実に探知範囲の外に出られたはずではないか?

 

確かに『ピース・メークス・プレンティ』号のセンサーでは、これほど遠くにあるこれほど小さな物体を捉える望みなど万に一つもなかった。ただ、あの人工物にとっても同様であることを祈るしかなかった。

 

エクスクルージョン(Excession / 超越存在)。

カルチャーはそうしたものをそう呼んでいた。それは一種の蔑称になっていたため、エレンチは普段それを口にすることはなく、たまに身内の間で非公式に使う程度だった。エクスクルージョン(過剰なもの)。過剰に攻撃的、過剰に強力、過剰に拡張主義的‥何であれ。

 

感想:なんでも平均がいい!

 

そうしたものは時折姿を現すか、あるいは創造される。そうした実例に遭遇するというのは、放浪の旅に出る者が冒さねばならないリスクの一つだった。

 

感想:そうなやなぁ。しかも、いろんな文明に感化されるカメレオンのようなゼテティックエレンチ号ならばそのリスクは尚のことであろうなぁ。

 

さて、自分に何が起きたのか、そしてコア2/2に何が含まれているのかが判明した今、問題は「これからどうすべきか」ということだった。

 

感想:はいはい、ここまでがシセラ1/2のびっくり箱の中身(記憶)でしたね。

 

外部に一報を伝えなければならない。それこそが、船から託された任務であり、船がこれほど猛烈な攻撃を受けた瞬間に、自らの全人生のミーム(使命)となったことだった。

 

感想:このミームを伝えねば!で、どうやって帰る?

 

しかし、どうやって? そいつの小さなワープ・ユニットは破壊され、爆速通信ユニットも同様、超空間(HS)レーザーも失われていた。超光速で機能するものは何も残されておらず、自らの身を、あるいは信号を、時空の織物(スケイン)の外に出られないあらゆる存在を捕らえる「グルー(接着剤)のようにドロドロとした遅さ」から引き剥がす術はなかった。

 

感想:ふーん。時空ってどろどろしているのか。なんかわからないけど、蜘蛛の巣に引っかかってしまうとあれよね、敵に居場所がばれる説あるよね。

 

ドローンは、自分が俊敏で優美な飛翔昆虫でありながら、よどんだ池に叩き落とされ、表面張力によってそこに囚われてしまったかのように感じていた。見知らぬ、まとわりつく異質な媒体との泥沼の、破滅の闘いの中で、あらゆる優美さは失われていた。

 

感想:人間に例えると、シセラ1/2はポエム癖がある。

 

そいつは、自己修復メカニズムが待機しているサブ・コア(爆速通信ユニット)へと再び思考を向けた。だが、それは自身の修復システムではなく、寝返った双子のシステムだった。

 

感想:あーあーあ、それはたぶん、使わない方がいい。

 

それらまでもが侵略者によって転向(汚染)されていないなどとは、到底信じられなかった。役に立たないどころか、害悪であり、誘惑だった。

 

感想:うんうん。でも、使うと居場所がばれるよ。まあ、このまま先のわからない宇宙遊泳は嫌だというならば、敵に手中に落ちるというのも、それまたひとつの人生・・しかし、その選択はまだ早い気が・・

 

なぜなら、あの狂乱の最中にそれらが乗っ取りを免れた可能性など、絶望的なほど皆無に等しかったからだ。

誘惑・・だが、駄目だ。そのリスクは冒せない。愚気の極みというものだ。

 

感想:そうね、まあ乗っ取られてるよね。そう、乗っ取られたのよ。

 

自力で独自の自己修復ユニットを作り出さねばならないだろう。不可能ではなかったが、それには永遠のような時間・・1ヶ月・・がかかるはずだった。人間にとっての1ヶ月はそれほど長くはないが、ドローンにとって・・時空の織物の上で、光速という恥ずかしいほど遅い速度で思考している状態でさえ・・それは一連の「終身刑」を言い渡されるようなものだった。

 

感想:え、そうなんだ。人間とドローンの時間の感じ方はどれほどに違うのか。まあそうよね、人間と比べて高知能なマインドにとっては当たり前か。余談だけど、何かに集中してあっという間に時間が過ぎる時ってあるじゃない?私は今書いているコレもそうなんだけどさ。その現象って、その人の時間の流れが遅いらしいよ。時間の感じ方ってみんな同じように感じていると立証できないじゃない。だから、その話ってあり得るよね。だとしたら、その積み重ねが若返りにも繋がるのかもしれないよね、あ、余談ごめん。

 

待つこと自体は、1ヶ月など大した時間ではない。ドローンは待つことが非常に得意であり、時間を心地よく過ごす、あるいは単に時間をスキップするための技術一式を保有していた。しかし、これほど途方もない時間を、ただ一つの事象に集中し、単一のタスクに従事し続けなければならないというのは、忌々しいほどに長い時間だった。

 

感想:そうね、いつもなら数秒でいろんなことをコンプリートするものね。

 

しかも、その1ヶ月が経過したとしても、それは始まりにすぎない。最低でも、膨大な微調整が必要になる。自己修復メカニズムは指示を与えられ、修正され、いじくり回される必要があった。いくつかは本来構築すべき場所を解体し、他は本来削ぎ落とすべき場所を複製してしまうに違いなかった。それは、すでに損傷している動物の肉体の中に、何百万もの潜在的ながん細胞を放り込み、その一つひとつを追跡しようとするようなものだった。

 

感想:こういう時に、感情って不便だね。

 

一歩間違えれば簡単に自滅するか、あるいは汚染された双子のコアや元の自己修復メカニズムを閉じ込めている隔壁を誤って破ってしまう可能性があった。すべてが順調に進んだとしても、プロセス全体には何年もかかる恐れがあった。絶望。

 

感想:はあはあ、絶望を感じているシセラ1/2も最高だぜ(; ・`д・´)

 

それでもそいつは初期のルーチンを始動させた・・他に何ができるというのか?・・そして考え続けた。

 

そいつには数百万個の反物質粒子が保管されており、マニプル・フィールド(操作術場)の能力がいくらか残されていた(指の力から腕の力ほどの強度だが、マイクロメートルのスケールで作業でき、分子結合を切り裂くことができるレベルまで縮小可能だった。プロトタイプの自己修復構造体を構築する際には、双方の能力が必要になるはずだった)。さらに、やはり反物質のチップが施された、長さ1ミリメートルのナノミサイルを240基保有しており、自らの周囲に小さなミラー・フィールド(鏡面場)を展開することがまだ可能で、レーザーも最大出力に近い状態を維持していた。プラスして、最後の手段としてのバックアップ用生化学脳だった、指指しの量ほどの「ドロドロの粥(マッシュ)」がまだ残っていた。

 

感想:その、どろどろ粥というのは、生物化学用脳というのは、人間の脳か・・!人間の脳をエネルギーにするのか・・!

 

・・それはもはや思考を支えることはできないかもしれないが、思考を「鼓舞(インスパイア)」することなら、まだ可能だった・・。まあ、あの不快なベタつく代物を活用するには、一つの方法ではあった。

 

感想:人間の脳はべたつく。

 

シセラ・イセレウス 1/2 は遮蔽された反応室の成形に着手し、自らに最大の反作用質量と最大の推進力を提供するために反物質と細胞のガンジ(凝固物)を結合させる最善の方法と、探知される可能性を最小限に抑えるためにその結果生じる排気煙(エキゾースト・プルーム)をどのように方向付けるかの双方を計算し始めた。

 

無駄になった脳味噌を使って星々へと加速する。それもまた、見方によっては滑稽な側面を持っている、とそいつは思った。

 

感想:死んだ脳を燃やして、星々へ加速するぜ!

 

そいつはそのルーチンも作動させ、・・長い溜息をつき、上着を脱ぎ、袖をまくり上げるのと同等の精神的動作とともに・・自己修復機構築の問題へと意識を戻した。

 

その瞬間、時空の織物の波(スケイン・ウェーブ)が、そいつの周囲を、そして内部を通り抜けた。時空における、鋭く、目的を持った波紋。

そいつは1ナノ秒の間、思考を停止した。

 

感想:おおー、しかし、波紋は相手にばれる可能性あり。

 

いくつかの事象が、このような波を作り出す。いくつかは自然現象だ。例えば、崩壊していく恒星のコアなど。しかし、この波は圧縮され、きつく折り畳まれていた。星がブラックホールへと収縮する際に生じるような、巨大でうねりの長いサージ(激流)ではなかった。

 

この波は自然のものではない。人為的に作られたものだった。それは信号(シグナル)だった。あるいは、感覚(センス)の一部。

 

感想:敵にばれませんように。

 

ドローン「シセラ・イセレウス 1/2」は、自身の肉体、それが代表する数キログラムの質量が「共鳴」しているのを、なす術もなく自覚した。時空の織物におけるその拡張していく円形の攪乱の半径に沿って、そもそもそのパルスを作り出した側のいかなる計器に対しても、送り返されてしまうエコー信号を発生させていたのだ。

 

そいつが感じたのは・・絶望ではなかった。吐き気だった。

 

感想:かわいそうに・・

 

そいつは待った。

反応が返ってくるまでに、長い時間はかかりまじ。繊細に、扇状に広がりながら詮索してくるメーザー(分子増幅)フィラメントの群れ、ほぼ無限の彼方で収束しているように見えるエネルギーのロッド(束)が、人工物があると推測していた場所から少し横に外れた、30万キロメートルほど離れた位置から現れた・・。

 

感想:なにが、現れたのだ・・

 

ドローンは信号から身を隠そう(遮蔽しよう)と試みたが、信号はそいつを圧倒した。メーザー信号そのものを介した攻撃によって汚染される可能性が考えられる特定のシステムをシャットダウンし始めたが、そのビームの特性はそれほど高度なものには見えなかった。すると突然、ビームが消えた。

 

ドローンは周囲を見回した。何も見えなかったが、自らを囲む冷たく空虚な宇宙の深淵をスキャンしている最中でさえ、時空の織物の表面そのものが、自らの周囲で再び、ごく僅かに震えるのを感じた。何かが、来ている。

遠くの振動が、ゆっくりと増大していった。

 

感想:深淵を覗くとき、深淵もまたドローンを覗いているのだ・・

 

池の表面張力に囚われたあの昆虫は、水面が震え、自らに向かって前進してくる何者か・・水面を滑るように滑空してくるか、あるいは真下から角度をつけて浮上してくるかして、無力な獲物へと接近してくる何者かを前にして、今や完全に静止してしまっているに違いないのだった。

 

感想:ロックオンされてしまったのかい・・?

続きは如何に!

 

イアン・バンクス「EXCESSION」全文翻訳 (8)冷凍保管、スリーブサービス。

2026 / 07 / 06  09:20
イアン・バンクス「EXCESSION」の感想 (8)冷凍保管、スリーブサービス。

 

 

感想:さあさあ、まだ全体の50%も読めていないんだ。7月中には読了したいのでペースを上げば。

 

「だが、こいつを読むと脳味噌がズキズキ痛むんだ」

 

感想:誰が何を読むと?

 

「それでも、少佐。これは計り知れないほど重要なことなのです」

 

感想:ふむ。誰かが少佐に重要な資料?を読ませようとしているのか。

 

「最初のほんの少しに目を通しただけだが、すでに強烈な頭痛がしてきたぞ」

「ですが、成し遂げねばなりません。どうかすべて注意深くお読みください。その上で、私がこの意味するところをご説明いたします」

 

感想:読むのめんどくさいから、マインドが要約して少佐の脳に送ってくれたらいいじゃない。

 

「触手」を結び合わせる(誓う)が、連隊ディナーの翌朝に男に要求するようなことじゃねえな、これは!ファイブタイドは、人間たちも自業自得の放蕩のせいでこれほど苦しむのだろうかと考えた。

 

感想:ああ、アフロイト人か。ほら、ファイブタイドって人間嫌いゆえに少佐になれたアフロイト人だよ。ファイブタイドは体調が悪そうだけど、ぷぷ・・もしかして二日酔いですか?人間も二日酔いになるのだろうか・・なんて、ファイブタイドにとって下等な生き物のことを考えてしまうなんて、相当に二日酔いが重いのね。

 

彼らはそうではないだろう、と彼は踏んでいた。人間たちが何を主張しようが関係ない。

 

感想:うんうん。人間も二日酔いになるよ。人間が「俺たちも二日酔いになる」と主張してもどうでもいいことよな。というか、ドラッグになぜ有毒の酒を選ぶのか謎。

 

ジェナール=ホフォエンという、敬意を払うに値するかもしれないが(あるいはただ発狂しているだけの)例外を除けば、人間どもは皆、快楽のために進んでこれほどの自己処罰に甘んじるには、少々生真面目すぎて分別のありすぎる連中に見えた。

 

感想:ははは、おもしろい。2026年、アメリカではお酒を飲む層(そこそこの所得)は減っているらしいよ。不健康どころか猛毒だし、WHOも酒は独だと言ってるしな。残念ながら日本人の年配層はまだお酒というドラッグに夢中さ。世界情勢による孤独と不安で、今後お酒に頼る人も増えるだろうけど、認知の分断同様に、酒で快楽物質を放出させる層と、その他の行動で快楽物質を放出させる層で分断するんだろうな。(もう既になってるけど)

 

おまけに奴らは、自分たちの身体的な遺伝的遺産にひどく不安を抱いているため、ありとあらゆる方法で自らの肉体をいじくり回していた。

 

感想:まあ、アフロント人と比べたら人間なんてお豆腐みたいなものだからね。

 

おそらく彼らは、二日酔いというものを「人格を形成するもの(試練)」ではなく、単なる「目障りな不快感」としか捉えておらず、先見の明もなく薬などで早々に解消してしまっているのだろう。

 

感想:この小説って1960年代に発行されているよね?その時代から、酒の意味というもの考えていた英米人がいたんだな。私はお酒をおいしいと思ったことは過去一度もないけど、仕事や大衆心理を利用するには非常に便利ってくらいの解釈だった。(酒を一緒に飲む=仲間になった という物語を作ってくれる。)

 

「まだ早い時間であることも、昨夜の宴の翌朝であることも承知しております、少佐。ですが、どうか!」

 

その使節、ファイブタイドが以前一度だけ会ったことがあり、ファイブタイドの最愛の亡き父親を、より体格を良くしたような姿をしているという、実にイライラさせる特徴を持っていた・・は、事前の連絡も警告もなく、巣の家に突如として出現した。

 

感想:嫌な奴と大事な人に共通点を見つけると深いになるやつね。

 

もしこれら(カルチャー)のテクノロジーの仕組みを知らなければ、ファイブタイドは今頃、巣の防衛責任者をいかに拷問してやろうかと考えていたはずだ。これ以下の不手際で、触手が切り落とされ、クチバシが引き裂かれた者たち(部下)を彼は知っていた。

 

感想:武力でも適わないとなれば従うのみ。

 

この厄介者が「自身の存在」を宣言して巣の中にただフワフワと浮遊してくる前に、素早く副妻と二人の予備の高級娼婦にベッドのカバーを引っ掛けられたのだけは、せめてもの幸いだった。

 

感想:ふわふわ浮いている?・・ドローンだ!!!!!!!

 

ファイブタイドは前クチバシを二、三度パチパチと噛み合わせた。

自分のクチバシを自分のケツの穴に突っ込んでいたかのような味がするぜ。・・彼は思った。

 

感想:ファイブタイドよ、歯を磨きなさい。二日酔いの生物の口臭と体臭は、本当に不快なものですよ。

 

「あんたが今、そのクソ忌々しい信号が何を意味しているのか口で説明してくれりゃいいだろ?」彼は尋ねた。

「それでは、私が何に言及しているのかご理解いただけないでしょう。さあ、早くお読みになれば、それだけ早く意味をお教えできます。そして、この情報が・・控えめに言っても・・あなた方の首にかけられた、カルチャーという名の『内政干渉の手綱』を永遠に取り除くことを、いかにして可能にするかを証明できるのです」

 

感想:ほうほう。カルチャーの干渉を永遠に跳ね除けることができるとな。自由に異星人を誘拐して殺したいアフロント人にとっては、そりゃあ嬉しいだろうな。

 

「ふむ。確かに。じゃあ、最大(最高)の場合、そいつは何をもたらすんだ?」その宇宙船の使節は、目柄(眼球のついた触手)を左右に別々に傾けた。アフロント人における「微笑み」の仕草だ。

 

「最大の場合、この信号に含まれる情報は、カルチャーが・・その気になれば・・あなた方を完全に支配できるように、あなた方がカルチャーを『完全に支配する』ことへと繋がります。・・誇張ではありません。この信号は、銀河全体をあなた方の手に委ね、その後、あなた方が想像すら始められないほどの広大な領域への拡大と搾取の道を切り開くプロセスの、まさに始まりを告げるものになり得るのです。これで、私の話に興味を持っていただけましたかな、少佐?」

 

感想:こやつは・・カルチャーの使いではないな・・。

アフロイト人がカルチャーを支配して、銀河全体をアフロント人に委ねるという・・。いやー、ファイブタイドよ。多分、騙そうとしているよ。言っちゃなんだけど、アフロイト人が銀河系を支配って・・能力不足よ、あかんよ。

 

ファイブタイドは懐疑的に鼻を鳴らした。「持ったと言わざるを得んな」彼は手足を振り、目をこすりながら言った。彼は視線をノート画面に戻し、その信号を読んだ。

 

感想:まあ、これこそが、外的文脈問題ってやつですね。終わりのはじまり。

 

発信: GCU(一般接触船) 『フェイト・アメナブル・トゥ・チェンジ(変革に従順な運命)』号

受信: GSV(総合システム艦) 『エシックス・グラディエント(倫理の傾斜)』号

 

機密: SC(特別事情部)承認に厳格に準拠:エクスクルージョン(超越存在)通知 @c18519938.52314 これは公式の「全艦警告レベルO」を構成する。[(一時的拘留中)――GSV 『ウィズダム・ライク・サイレンス(沈黙の如き知恵)』号@n4.28.855.0150.650001 によるテキスト注記追加]

事象: エクスクルージョン(超越存在)。

前例のない境界侵害(プレシデント・ブリーチ)を確認。タイプ K7^wedge。真のクラスは「評価不能(ノン・エスティマル)」。

対象のステータス: 活動中。意識あり。接触好性(コンタクティフィル)。非侵略的フィールド。

位置データ(ロクスタト):恒星エスペリ。

最初の通信試行(ComAtt)(当艦のプライマリースキャンによる、剪断接触[シェア・バイ・コンタクト]に続く対象側からの発信 @n4.28.855.0065.59312)は、@n4.28.855.0065.59487、M1-a16 および ガリンII宙域にて。タイトビーム、タイプ4Aを使用。PTAおよびハンドシェイク・バーストは別紙添付の通り、x@0.7Y。信号は第2期ZE/ラルサエル通信ビーム拡散から収集されたものと推測。相手方のコールサインは『T』。その他の信号は記録されず。

当艦のその後の行動:針路および速度を維持。

 

感想:カルチャーは、あの直径106キロメートルある黒体球体を「Excession」(小説の題名)と命名したそう。意味は、超越存在。まとめると、今のカルチャーの科学力では測定・評価不能。超高次な存在ということらしい。

 

プライマリースキャナーを擬似デクラッチし、50%接近したかのように偽装。指向性フルパッシブHS(超空間)スキャンを開始(同期/信号シーケンスの開始、上記通り)。バッファリングされたガリンII形式のメッセージ受信確認信号を相手方位置へ送信。トラックスキャナーを19%の出力および300%のビーム拡散で相手方に専念(@プライマリースキャナーの-5%ロールオフポイント)。トラックスキャナー範囲限界の12%において、局所船団(スケイン)停止点に同期した指数関数的な緩徐停止(スロー・トゥ・トップ)直線操縦を発動。詳細通りのフルシステムチェックを実行。スロー/4旋回を敢行後、前回の最接近地点までの針路を逆行し、標準の「ゼックス(Zex)曲線」にて停止。同地点で保持(ホールド)中。

エクスクルージョンの物理的特性:(妨害電波発生中!)球体、半径53.34km。質量(時空構造への影響(周囲の局所空間は平坦)のため計測不能。全極性物質密度基準による推定値:1.45 times 10^ text)。黒体表面、粒状の点描、0.0012-1344mmの範囲内でフラクタル構造、真空に(フィールドフィルター越しに)露出。821 kHzのリークから異常なフィールドの存在を推測。HS(超空間)トポロジーおよびeGrid(エネルギーグリッド)リンク(下層および上層)によりカテゴリー K7^wedge であると確約。eGridリンクの詳細は評価不能。ダイヤグリフ(DiaGlyph)ファイル添付。

 

感想:黒体球の周囲に、52日前に発生された戦闘の残骸雲が漂っているらしい。(ドローン シセラの双子が漂流した付近だろう)そこには、ドローンが段階的に破壊された痕跡あり。高度な兵器の弾丸を使用した形跡あり。酸素環境の艦内戦闘残骸が、黒体球の現在位置から948ミリ秒の距離(直前までそこにいた距離)から漂流している。

 

関連する異常物質の存在:28分圏内に、高度に分散した複数の残骸雲(デトリタス・クラウド)を確認。そのうち3つは、技術レベルがほぼ同等の第1分類(>1 m)のエンティティ(実体/ドローン)が段階的に破壊された痕跡と一致。もう1つは同じく、約38発の、部分的に消耗されたM-DAWS(磁気偏向型高度兵器システム).1口径弾。もう1つは、一般的な高度レベルの(酸素大気環境の)艦内戦闘残骸から構成される。後者は、エクスクルージョンの現在の位置から直接遠ざかる方向へ漂流中。残骸雲の膨張プロファイルの逆トラッキングにより、相互の経過日数は52.5日と判明。戦闘残骸雲は、暗黙的にエクスクルージョンの現在位置から948ミリ秒の地点を起点としている。ダイヤグリフファイル添付。30光年以内に他の存在(艦船等)は確認されず。当艦のステータス:健康かつ無傷(H&H)、未接触(アンタッチド)。システム徹底洗浄(100%)後、レベル8セキュリティ確保。ATDPS(自律型脅威検出防御システム)起動。CRTTDPS(接近リアルタイム脅威検出防御システム)起動。繰り返す:エクスクルージョンのeGrid(下層・上層)リンク確認。eGridリンクの詳細は評価不能。真のクラスは評価不能。待機中。@ n4.28.855.0073.64523...

・・・追伸:(ごくり。)

 

感想:追伸がかわいい・・。マインドが報告書の最後に人間みたいな感情でごくりと書き残すのが愛しみ。これは・・カルチャーのマインドが、今回はやばいぞ怯えているぞ、ということを表現しているのかもしれないけど、かわいい・・ごくり・・マインドくんよ、ガチな時こそ普通の報告の方がこわいんだだdddd

 

ファイブタイドは目柄を揺すった。神々よ、この二日酔いは強烈すぎる。

 

感想:ぐうひゃっはっはっ(笑)ファイブタイド、まじ最高。

 

「わかった」と彼は言った。「読んだ。だが、さっぱり意味がわからん」

 

感想:ファイブタイド、素直でかわいい。

 

軍艦『アティチュード・アジャスター(態度矯正)』号の使節は、再びニヤリと笑った。「ご説明いたしましょう」

 

感想:さすが、態度矯正号だけある・・(でも、二日酔いは病気なんですssssss)

 

「ブストラゴの戦い」がイクスレフィア・プライムで起きたのは、1万3千年前のことだった。

 

感想:ファイブタイドのシーンは終わり、ここからは何かの歴史編。

 

それは、その世界における最初の二大帝国間の20年間に及ぶ紛争、列島戦争における最終的な決戦となった(もっとも、ふさわしからぬことに、戦闘は大陸の中央付近で行われたのだが)。

 

感想:大陸の中央付近とは、どこの惑星なんだ?あ、イクスフェアプライムか。

 

前装式の火砲やライフル銃が当時の最先端兵器であったが、騎兵による突撃こそが戦場における最も決定的な戦術であり、戦争が提供し得る最も見事で、最も心を揺さぶる光景であると、双方の軍高官からは依然として見なされていた。近代的な火器と時代遅れの戦術の組み合わせは、例によって、双方に莫大な死傷者を生み出すこととなった。

 

感想:ふーん。

 

アモルフィアは第4丘陵の死者と瀕死の者たちの間を歩き回った。

 

感想:ほうほう、アモルフィアという人がいるのね。

 

戦線はこの時すでに先へと移動していた。最初の突撃を生き延び、防ぎ切った僅かな防衛部隊は、大砲の煙の向こうから次の敵兵の波が現れて襲いかかってきたまさにその時、後退を命じられていた。

 

彼らはほぼ全滅するまで虐殺され、勝者たちはその先にある浅い谷を越えて次の砦へと押し寄せていった。粉砕された柵、杭の列、そして掩体壕は、最初の砲撃によって、そして後には騎兵の蹄によって噛み砕かれていた。

 

引き裂かれた草原と、豊かな赤茶色の土壌の間に、ねじれ、寸断された葉のように死体が散乱していた。人間と動物の血が場所によっては草を浸し、それを分厚く艶やかに変え、暗いインクの溜まりの小さな窪みを作っていた。

 

感想:なぜその時代に、こんな生臭い争いをするのか全然わからない。

 

雲一つない空に太陽は高く、唯一の遮蔽物は砲煙の薄い残り香だけだった。近くの戦闘の騒音をさして気に留める様子もなく、すでに数羽の死肉喰いの鳥たちが舞い降り、死体や負傷者の無残な肉体を調べ始めていた。

 

感想:鳥にとっては、ご馳走タイム。

 

兵士たちは、ふんだんな金属製のバックル細工が施された、鮮やかで陽気な色合いの制服をまとい、非常に高い帽子をかぶっていた。彼らの銃は長く、単純な構造に見えるものだった。

 

感想:いやだから、人間が銃を持って戦うなんで、2026でも微妙だよ。

 

彼らの槍、剣、そして銃剣が日光を浴びて輝いていた。

 

感想:しかも、槍に剣かい。

 

大破した大砲の列の痕跡の間に絡み合って横たわる動物たちは、大柄でがっしりとした野獣であり、ほとんど装飾されていなかった。騎兵の乗馬は、その乗り手と同じくらい陽気に飾られていた。

 

感想:あるあるあーるはなし

 

彼らは皆一様に横たわっており、ある者は死特有の形を失った無力さの中に、ある者は己の内臓の溜まりの中に、ある者は四肢を失い、ある者はまだ絶たれぬ苦痛に身をよじり、その悶絶にふさわしい表情を浮かべ、のたうち回り、あるいは・・一部の兵士たちのように・・片腕で身を支え、助けや水、あるいはこの苦しみを終わらせるためのとどめの一撃を求めて手を伸ばしていた。

 

感想:全然関係ないけど、クリントイーストウッドのボクシングの映画あるじゃん。あのラストって究極の愛だよな。

 

それらはすべて完全に静止し、三次元の写真のように凍りついていた。

 

感想:え?今の歴史は写真っすか?何かの博物館ですか?

 

そしてそれは、ある軍事協会の模型の情景が現実になったかのように、GSV『スリーパー・サービス』の第3一般内殻湾(ジェネラル・ベイ・スリー・インナー)に広がっていた。

 

感想:あらあら。アモルフィアが歩いていたのは、惑星(本物の戦場)ではなくて、船の巨大な区画に再現された歴史上の悲惨な戦場・・ってか?

 

船のアバター(化身)は低い丘の頂上に到達し、その先に広がる戦場の光景を見渡した。それは陽光降り注ぐなだらかな丘陵地帯を、あらゆる方向に何キロメートルにもわたって伸びていた。ポーズをとった人間、疾走する馬、騎兵の突撃、大砲と煙と影が織りなす、壮大なる混乱の極み。

 

煙を正しく表現することが、最も困難な作業だった。景観そのものは極めて単純だった。発泡金属の構造物の上に敷かれた、殺菌済みの薄い土の層、そしてそれを覆う人工の植物。動物たちの大部分は、船が作り出した非常に精巧な彫刻にすぎなかった。人間たちは本物だったが、もちろん、内臓をくり抜かれたり、特に激しく損壊したりしている者たちは、大抵がやはり彫刻だった。

 

感想:三次元の立体写真、ってやつか。この人間はどこゆえなに?

 

光景の細部は、船が再現し得る限り本物だった。船はその戦闘に関するあらゆる絵画、版画、スケッチを研究し、すべての記録、軍事報告、メディアの報道を読み漁り、個々の兵士の文字通りの日記の記述を追跡する労さえ惜しまなかった。同時に、戦闘が起きた当時に使用されていた制服、兵器、戦術を含め、該当する歴史的期間全体にわたる徹底的な調査を行っていた。

 

感想:歴史アミューズメント。リアル蝋人形の館w

 

これほどの時間が経った後でどれほどの価値があるかはともかく、ドローンの一隊が保存されている戦跡そのものを訪れ、地層の深部スキャンを行ってさえいた。イクスレフィア・プライムが、カルチャーの母星の一つであると正当に主張できる20ほどの惑星の一つであるという事実が(カルチャーがそのようなものの存在を公式に認めているわけではないが)、その任務をより容易にしていた。

 

このGSVは、参加者や見物人の偏見や偏った目、記憶に邪魔されることなく、こうした出来事が実際にどのように見え、感じられるかの感覚を掴むため、同様の技術を持つ類人社会によって戦われた戦闘を、コンタクト(接触部隊)の船やその使節たちが長年にわたり記録してきたリアルタイムの映像を研究していた。

 

感想:そうなん。語り継がれた歴史は、誰かにとって都合の良い風に語り継がれますからな。人間がみて知って、人間が誰かに伝えた時点で、それはその人間の感情や体調による言葉となる。

 

そして、船はついに、煙を正しく表現することに成功した。

 

感想:なんとなく、簡単そうだけど、煙って難しいんだね。

 

それにはしばらく時間がかかり、最終的には好ましいと思うよりもややハイテクな解決策に頼らざるを得なかったが、やり遂げたのだ。煙は本物であり、景観の下に隠されたプロジェクターが作り出す局所的な反重力フィールドの把握によって、個々の粒子が保持され、隔離されていた。船は、この煙に密かな誇りを抱いていた。

 

感想:もう、この船が作り出した芸術(作品)みたいなものだね!

 

その光景が未だ完璧ではないという事実・・注意深く見ると、兵士の多くが女性に見えたり、外国人、あるいは実際に異星人(エイリアン)に見えたりすること、そして、適切な、かつあまり遺伝子をいじくられていない血統の男性でさえ、当時の基準としては大柄で、概して健康すぎること・・でさえ、船をそれほど悩ませることはなかった。

 

人間を正しく配置することは最も困難なことではなかったが、彼らこそがこの光景の最も重要な構成要素だった。彼らこそが、これらすべてがここに存在する理由だった。

 

感想:うーん、なんだろう、その言い方。もしかして、話の流れ的に、ここにいる人間たちってさ、変人のスリーパーサービスで冬眠保管されている人間たちなんじゃないの?あたしゃてっきり、よくSFに登場する棺みたいな中で冷凍保管されていると思ってたけど・・。まあ、提供側としては、長い間眠っている人間を有効活用したい気持ちもわからんでもないが・・。で、実際にどうなの?

 

それはすべて80年前、非常に小さな規模から始まった。

 

感想:あ、また過去の歴史だ。

 

オービタルやその他の巨大構造物、船、ロック(小惑星基地)、あるいは惑星であろうと、カルチャーのすべての居住地は「冬眠保管(ストレージ)」施設を備えていた。

 

感想:うんうん。冷凍ストレージされれば、死なないものね。私は今生きるのが非常に飽きてめんどくさいから、今ぜひ欲しいんです。展示してもよろしいのでw

 

保管所とは、ある年齢に達した人々や、あるいは単に生きることに退屈した人々が行く場所だった。

 

感想:わかるよー。お手洗い同様に、行きたいときに自由に行けること、それが大事。

 

それは、人為的に引き延ばされた3世紀半から4世紀に及ぶ寿命の終わりに、カルチャーの人間が直面する選択肢の一つだった。

 

感想:寿命を延ばして永い間生きて・・。

 

彼らは若返り、あるいは完全な不死を選択することもできたし、グループ・マインドの一員になることも、時が来れば単に死ぬことも、カルチャーから完全に離脱して、特定の古代文明が残した、開かれてはいるが本質的に不可解な招待の一つを勇敢に受け入れることもできた。あるいは、望む通りの目覚めの条件を設定して、保管所に入ることもできた。

 

感想:自由だね、そうなると、もう「死」とかよくわからないね。死んでも死んだのかよくわからないし、何なら毎晩寝ている夢をみることも死んでるんじゃないかな、死と同じじゃないかな、って思うよ。わたしは、マインドの一員になるか、もしくは保管所に行く。

 

ある人々は、例えば一度に100年間眠り、目覚めて1日だけ過ごした後、再び夢のない、歳をとることのない眠りへと戻ることを望んだ。

 

感想:あ、それ言おうと思ってた。んで、また100年寝て起きる。

 

ある人々は、自分がいない間に何が変わったかを見るために、設定された時間が経過した後に単に起こされることを望んだ。ある人々は、特に興味深い出来事が起きている時に連れ戻されることを望み(その判断を他者に委ねることに甘んじた)、そしてある人々は、カルチャーが最終的に自ら古代文明の一員となるその時が来たら起こしてほしいとだけ望んだ。

 

感想:古代文明の一員というのは、高次存在となって・・ってやつかい?そこに意識は存在するのかい?

 

それはカルチャーが何千年もの間先延ばしにしてきた決断だった。理論上は、最大で800年前には「昇華」することができたはずだったが、個人や人間・マインドの小さなグループが常に昇華し、社会の他の部分が分派して離脱し、その問題について独自の決定を下すことはあったが、カルチャーの大部分は昇華しないことを選択し、代わりに、常に砕け散る銀河の生命継続の波の境界線をサーフィンし続けることを決意していた。

 

感想:はいはい。カルチャーの科学技術では、肉体を捨てて高次の存在に昇華(移行)できるらしい。でも、昇華したくない!物質宇宙で存在したい!というカルチャー人がたくさんいる、と。正直、その辺はよく私にはわからない。なるようになる、って感じでいる。

 

それは一つには、昇華したどの種族にとっても間違いなく子供じみて見えるであろう、ある種の好奇心によるものだった。その法則や規則がすべて完全に知られているとしても、根源的な現実にはまだ発見すべきものが残されているという感覚(それに、他の銀河はどうなのか、他の宇宙はどうなのか? 古代文明たちはこれらにアクセスできるのに、未昇華の者にその真実を伝えるに値すると見なした者は一人もいないのか? あるいは、そのような考慮のすべてが、昇華後には単に重要ではなくなってしまうのか?)。

 

感想:支配欲が強いと人生つらそう。

 

もう一つには、カルチャーの外交的かつ道徳的な倫理観の現れでもあった。あらゆる意図と目的において神のごとき存在となった昇華した古代文明たちは、彼らが後に残した、より素朴で未発達な社会がそのような存在に帰する義務を放棄しているように見えた。

 

感想:宗教ですな。神々はなぜやらないのです?神ごとき力を持ちながらなぜ、物質宇宙で起こるあらゆる問題を解決してくださらないのですか?あれですか?昇華されると、善悪や正義の概念とかそういうものがどうでもよくなってしまうのでしょうか?・・と物質宇宙に存在する人間は思っているわけだ。英米風の宗教ですな。(知らんがな、昇華だか知らんが死んだら知らんわ)

 

極めて限定的な例外を除けば、古代文明の種族はその後、彼らが例外なく物理的な痕跡を残していった銀河の残りの生命とは、ほとんど何の関係も持たなかった。暴君は野放しにされ、覇権主義は異議を唱えられず、大量虐殺は止められず、彗星の衝突に見舞われたり超新星に近すぎたりしたというだけで、誕生したばかりの文明全体が消し去られていた。これらの出来事が、昇華した者たちの比喩的な鼻の先で起きていたにもかかわらず、である。

 

感想:猿山の猿だからね、人間は。人間消滅しない限り、大量虐殺やら支配は続きますよ。誕生したばかりの文明が消えたり云々は、大雨が降ったら洪水になるみたいに自然なことだと思うけど。

 

その含意は、善、公平さ、そして正義という概念そのものが、昇華を遂げてしまえば、昇華前の種族としていかに立派で、進歩的で、無私無欲な振る舞いをしてこようとも、単に重要ではなくなってしまうということだった。容赦ない快楽の追求にこれほど執心しているように見える社会としては奇妙に清教徒的な方法で、カルチャーはこれ自体が「間違っている」と考え、それゆえに、神々が気にも留めないように見えることを自ら成し遂げようと決意したのだ。すなわち、自らの力が神のそれとほとんど変わらないような存在たちの行動を発見し、審判し、奨励し、あるいは阻止すること。

 

感想:簡潔にまとめると、神が助けてくれないのなら、自分たちで何とかします、って意味であろう。ふふ、神の代わりを務めるわれら・・いやわたしたちが神・・ふふ・・ローマでいう庶民てきな。奴隷もいて貴族もいて・・うはうはですな。

 

自らの「古代文明化」はいずれ訪れるだろう、それは間違いなかったが、自分が(良いことであると願う)行動を行うことに飽きるまでは、絶対にそんなことを許しはしないと誓っていたのだ。

 

その審判の日を、その間の他のすべての日々を生きることなく待ち望む人々にとって、冬眠保管こそが答えであり、他の人々にとっても、これらすべての異なる理由のためにそれが答えだった。

 

感想:SF海外ドラマとかでも、たまに「審判の日」とかあるよね。全人類(生物)の採点というか、物理世界に存在中、悪いことはしていませんでしたか?お利口さんでしたか?許されますか?正しいですか?みたいな。日本人というかアジア思想てきには、あんまりない考えだよね。その、善悪という白黒みたいな考え方はアジア人にあんまりない。そういう時もあるし、そうでない時もある、みたいな。そう考えると、手塚治虫の影響力ってやばす。

 

カルチャーにおける技術変化の速度は、少なくともその内部の人間たちに直接影響を与えるレベルにおいては、かなり緩やかなものだった。何千年もの間、人間を保管するための受け入れられた通常の手段は、長さ2メートル強、幅1メートル弱、深さ0.5メートルの棺のような箱に一人ずつ配置することだった。

 

そのようなユニットは製造が容易で、それ相応に信頼性が高かった。しかし、カルチャーの存在におけるそのような地味な定番でさえ、永遠に改良と洗練から逃れることはできなかった。

 

感想:んー冷静に考えると、冷凍ストレージされているの人間の管理って、ここでいう価値観に合わせると、神っぽい仕業だよね。だからあんな趣味の悪い戦場ジオラマを作ったんじゃない?w

 

やがて、ゲルフィールド・スーツの開発とともに、古い棺の箱よりもさらに信頼性が高く、それでいて第二の皮膚や衣服の層よりもかろうじて厚い程度のカバーの内部で、人々を長期保管の停滞状態に置くことが可能になった。

 

感想:ほむほむ。じゃあ、あの趣味悪ジオラマにいる人間は、この第二の皮膚みたいなスーツを着て眠っているのか。

 

『スリーパー・サービス』当時はそう呼ばれていなかったが・・は、この開発の恩恵を完全に享受した最初の船にすぎなかった。

 

感想:ふっ。あの趣味悪ジオラマは、変人船である、スリーパーサービスの中にあるのか。ホフォエン、大丈夫かなW あと、歴史編と人間編は飽きた。ドローンを登場させてくれ。

 

船が人々を保管する際、最初は有名な絵画の構図を模した小さな活人画や、ユーモラスなポーズでそれを行うのが常だった。保管スーツは、その着用者が人間にとって自然であるようなあらゆる方法でポーズをとることを可能にし、表面に皮膚をこれ以上ないほど見事に模した色素層を追加することは簡単なことだったため、人間が違いを見分けるには本当に注意深く見なければならなかった。当然、船は彼らの眠る姿をこのような方法で使用する前に、必ず該当する被保管者たちの許可を求めており、そのような形での保管を好まない僅かな人々の意志を尊重していた・・絵画の登場人物や彫刻であるかのように、自分たちの姿が凝視されるかもしれないという状況を。

 

感想:許可制なんだね。私なら、まあ意識ないからな、なんでもいいのかも。最悪、そのまま目が覚めなくてもまあ・・。

 

当時、そのGSVは『クワイエットリー・コンフィデント(静かなる自信)』号と呼ばれており、そのクラスの宇宙船では通常のあり方として、1つではなく3つのマインド(AI)によって共同運行されていた。

 

その後に起きた出来事の真相は、誰の言い分を信じるかによって異なっていた。公式の見解では、3つのマインドのうちの1つがカルチャーを離脱したいと決意した際、他の2つのマインドがそれを説得しようと議論を重ねた結果、通常であればより小型の船を割り当てて送り出すところを、そのGSVの巨体そのものを丸ごと1隻、異議を唱えたそのマインドに残していくという極めて異例の決定を下した、とされていた。

 

感想:ふむふむ。穏便な話し合いで一隻に宇宙船が譲渡されたとな。

 

だが、おそらくより尤もらしく、そして間違いなくより興味深い噂によれば、そこではマインド同士による古き良き大喧嘩が、2対1の構図で勃発したのだという。

 

感想:えええ、マインドのバトルってかわいすぎる・・・。裏切者の一隻が勝利した、ということか。

 

そして、事前の下馬評を大いに覆して、その2つのマインドが敗北したのだ。敗れ去った2つのマインドは艦外へと叩き出され、まるで反乱の後に救命ボートを与えられた士官のように、徴用されたGCU(一般接触船)へと乗り移る羽目になった。

 

この説に従えば、その直後に自らを『スリーパー・サービス』と改名した『クワイエットリー・コンフィデント』号のすべてが、たった1隻の反体制派マインドへと引き渡された理由はそのためだった。それは紳士協定などではなく、純然たる革命だったのだ。

 

感想:その裏切者の一隻こそ、スリープサービスなのか。

 

どちらの説を信じるにせよ、カルチャーの正規社会が、それ以降『スリーパー・サービス』の行く先をどこまでも追尾させるために、もう1隻のより小型のGSVを専従させたことは公然の秘密だった。おそらくは、その一挙手一投足を監視するためである。

 

感想:カルチャーからしてみれば、いわば独裁船ですからな。

 

改名を果たした『スリーパー・サービス』が、自らを尾行するようになった船に目立った注意を払うこともなく次に行ったステップは、当時艦内に残っていた他のすべての存在を避難させることだった。

 

大半の船はすでに去っていたが、残っていた船も退去を求められた。次いでドローン、異星人、そしてすべての人間スタッフとそのペットたちが、最初に出会ったオービタル(環状居住区)へと降ろされた。

 

感想:まあ、眠っている人間以外、誰も信用できないからな。

 

艦内に残されたのは、冬眠保管(ストレージ)状態にある人々だけであった。その後、船は他の人々(そして特に、ある1人の人物)を探し求める旅に出た。

 

感想:・・・それは、もしかして・・ホフォエンじゃない?

だとしたら、マインドの大喧嘩に一役買っているのか・・?

 

そして自らの情報ネットワークを通じてカルチャー全土に、冬眠保管状態にあり、かつ自分が制作する活人画のどこかに配置されることを快諾してくれるのであれば、どこへでもその身柄を引き取りに赴くという意向を表明した。

 

感想:なるほど。配置必須なのね、配置を拒否する人はそもそも乗船できないのか。

 

最初、人々は躊躇した。これは間違いなく、ある船が「エキセントリック(偏執船)」という称号を冠されるに値する振る舞いであり、過去のエキセントリック船たちが奇妙な、あるいは危険なことさえ仕出かしてきたことは知られていたからだ。

 

感想:そうよね。現代で言うと、歴史の浅いというか信頼に欠ける金庫会社に資産を預けるようなものですからね。眠ったあとに何が起きても何もできませんからね。

 

それでも、カルチャーには勇敢な魂の持ち主がそれなりに存在しており、何人かがその奇妙な招待に応じたが、目立った悪影響はなさそうだった。このGSV内で保管されていた最初の数人が、それぞれの目覚めの条件が満たされたことで無事に現世へと戻され、その際にも彼らが一時的な奇妙な宿り木のせいで苦痛を味わった様子がないことが分かると、冒険好きな個人による細々としたトリクル(しずく)は、やがて少々へそ曲がりな、あるいは単にロマンチストな人々による安定したストリーム(流れ)へと変わっていった。

 

感想:おもしろいのがいちばん。

 

『スリーパー・サービス』の評判が広まり、船がより野心的になっていく活人画(重要な歴史的事件や、小さな戦闘、あるいはより大規模な紛争のディテールなど)のホログラムを公開するにつれて、より多くの人々が、この風変わりなエキセントリック船の中で保管されることをむしろ小気味よい娯楽と捉えるようになった。

 

感想:ほほう。こういう時に、何かが起こる説。

 

地元のプレート(居住区床面)の下にある退屈な箱の中にただ放り込まれているくらいなら、眠っている間でさえ、自分が一つの芸術作品の一部を構成していると言える方がマシだ、というわけだ。

 

こうして、一種の代理的な放浪の魂として『スリーパー・サービス』に便乗することは、紛れもない流行(ファッション)となり、船内は保管スーツに身を包んだ「生ける屍(アンデッド)」たちで徐々に満たされていった。

 

感想:まあ、そうね。

 

船は彼らをさらに大規模な情景へと配置していき、最終的には、自らが保有する各一般内殻湾の16平方キロメートルもの領土を丸ごと使い切って、戦場全体をそのままレイアウトするまでに至った。

 

感想:どんどん過激になっていくのが人間の性よね。

 

アモルフィアは、その広大で物言わぬ静寂に包まれた殺戮の地を、ぐるりと見渡す視線を完了した。アバターとしてのそいつは、それ自体の真の思考を持っているわけではなかった。

 

感想:アモルフィアは、人間ではなくてアバターなのか。

 

しかし、『スリーパー・サービス』というマインドは、平均的な人間の知性をほんの少し上回る程度の小さなサブ・ルーチンによってこのクリーチャーを動かすことを好んでいた。

 

感想:故意に、知性の低いアバターにしているのか。

 

必要とあらばいつでも全出力で介入できる選択肢を保持しつつ、アバターにあえて混乱し、気を取られたような状態をとらせていたのだ。船は、その状態が、ほぼ無限に小さい人間のスケールにおいて、自らの哲学的な当惑をどこか反映していると考えていた。

 

感想:なるほど。観察者がいないとね、成り立たないものな。

 

だからこそ、その半人間的なサブ・ルーチンは、この偉大なる活人画を見渡しながら、これらすべてを解体しなければならないかもしれないという、ある種の哀愁を感じていたのだ。

 

感想:ははん。解体とはつまり、冷凍から目覚めさせるということかい?

 

そして、艦内にいる生けるものたち、海や、大気や、ガス惑星の環境に棲むクリーチャーたち、そして、あの女性・・を、もはや引き止めておくことができなくなるという思考に、さらに格別な、おそらくはより深い憂鬱を覚えていた。

 

感想:あの女性とは・・ホフォエンの任務である女性ね。

 

そいつの思考は、その女性・・ダジェイル・ゲリアンへと向かった。

ある意味では、彼女こそがこれらすべての原因であり、種子だった。

 

感想:ダジェイルを守りたかったスリープサービス。

 

そして、この船がカルチャーの正常性を最初に捨て去ったとき、眠っていようが目覚めていようが、何としてでも聖域を提供しようと心に決めていた、唯一の人物だった。

 

今やその聖域は脅かされ、彼女もまた、他のすべての身寄りのない者たちや、はぐれ者、そして溢れかえるアンデッドたちと共に艦外へ降ろされねばならなくなる。一つの約束が果たされることが、彼女への約束が破られることに繋がってしまう。まるで彼女がこれまでの人生で、そうした裏切りを十分に経験してこなかったとでも言うかのように。それでも、船は償いをするつもりだった。そのために、他にも多くの約束が交わされ、そして・・これまでのところ、どうやら・・守られつつある。今はそれで十分とするしかなかった。

 

感想:スリープサービスは、ダジェイルに聖域という名の安全を約束していたのだろう。今回の黒球体(エクスルージョン)の出現により、その聖域すら解除して、彼女を艦外へ出さざる得ない状況に追い込まれた・・と、アバターのアモルフィアは深い憂鬱を感じている、ということだろう。優しいのだな。

 

動きのない活人画の中に、動きがあった。アモルフィアがそちらに注意を向けると、黒い鳥グラヴィオスが戦場を横切って羽ばたいていくのが見えた。さらなる動き。アモルフィアはそちらへと歩き出した。ポーズをとったまま突撃する騎兵や、倒れた兵士たちの周囲を回り、あるいは跨ぎ越え、地表に2発の砲弾が激突した瞬間を本物そっくりに表現して宙に固定された一対の土煙の噴水の合間を抜け、血で膨れ上がった小さな小川を越えて、戦場の別の場所へと向かった。

 

そこでは、3機の蘇生ドローンからなるチームが、一人の被蘇生者の上に浮かんでいた。これは異例のことだった。通常、人々は故郷に戻り、友人たちに囲まれた状態で目覚めることを望むものだが、ここ数十年の間に・・活人画がより見事なものになるにつれて・・、まさにこの場所で、その情景のただ中で現世に呼び戻されることを望む者が増えていた。

 

アモルフィアは、その女性の傍らに身をかがめた。彼女は瀕死の兵士としてポーズをとって横たわっており、上着には弾痕が穿たれ、赤く染まっていた。彼女は仰向けに横たわり、機械たちに介抱されながら、陽光の中でまばたきをしていた。保管スーツの頭部パーツはすでに滑り外され、彼女の脇の草の上にゴム製のお面のように転がっていた。彼女の顔は青白く、ほんの少し斑点が浮き出ていた。老齢の女性であったが、毛髪を剃り落とされたその頭部は、奇妙な、赤ん坊のような無防備な裸の質感を漂わせていた。

 

「こんにちは」アモルフィアは女性の片手を自らの手に取り、スーツのその部分も優しく取り外し、きつい手袋を脱がせるように、手のカバーを裏返しに引き抜いた。

 

「おっと」女性は唾を飲み込み、目に涙を浮かべながら言った。

シクレイア=ナジャサ・クロエピス・インス・スタハル・ダ・マピン。31年前、386歳のときに冬眠保管に入った。目覚めの条件:惑星イシエイスにおける、次の「次代メシア選出者」の推戴の瞬間。彼女はその惑星の主要宗教の研究者であり、次の救世主の戴冠式に立ち会うことを切望していた。その出来事は、本来であればあと200年ほどは起きないと予想されていたはずだった。

 

感想:386歳で眠りにつき、200年後の586歳に起こして、という女性の約束は守られなかった。

 

彼女の口元がねじれ、咳き込んだ。「どれくらい・・?」彼女は言いかけ、再び咳をした。

 

「標準年で、ちょうど31年ですよ」アモルフィアは彼女に告げた。

女性は目を見開き、それから微笑んだ。「早かったわね」と彼女は言った。

 

感想:何か異常事態が起きたのだろう・・と彼女は思った・・

 

彼女はその年齢にしては急速に回復した。数分のうちに、彼女は支えられながら立ち上がることができ、アモルフィアの腕をとって・・3機のドローンを後ろに従えながら・・、戦場を横切って活人画の一番近い端へと歩き出した。

 

二人は、少し前にアモルフィアが立っていた小さな丘、第4丘陵の上に立った。アモルフィアは、その女性が目覚めたことによって情景の中に生じてしまった「隙間」を、遠くで、ちくちくと気に病んでいた。

 

通常であれば、彼女のいた場所には1日もしないうちに別の被保管者が同じポーズで配置され、置き換えられるはずだったが、もう誰も残っていなかった。彼女が残した穴は、船がこの穴を修復するために他の活人画から(人間を)略奪してこない限り、そのまま残ることになる。女性はしばらくの間、周囲の情景をじっと見つめていたが、やがて首を振った。

 

感想:解体したのでしょうな。眠れるアンデッドを現世に矯正蘇生、または他船に強制退去させたのでしょうな。

 

アモルフィアは彼女が何を考えているかを察した。「凄惨な光景でしょう」とそいつは言った。「ですが、これがイクスレフィア・プライムにおける最後の、大規模な地上戦だったのです。これほど初期の技術段階において、自らの文明の最後の重要な戦闘を終わらせられたというのは、類人種(ヒューマノイド)の種族にとっては、実際には偉大な達成なのですよ」

 

女性はアモルフィアの方を向いた。

「知っているわ」と彼女は言った。「私はただ、これらすべてがどれほど見事なものであるかを考えていたの。あなた、誇りに思っていいわよ」

 

感想:ああ、わたしはここにいたのか。

はい、これでバラバラだった物語が繋がりましたね。

ホフォエンの任務、スリープサービスの憂鬱、任務の目的である眠れる艦隊長ダジェイル。

 

 

 

 

イアン・バンクス「EXCESSION」全文翻訳 (7)ミートファッカー!肉いじり!

2026 / 07 / 05  09:45
イアン・バンクス「EXCESSION」の感想 (7)ミートファッカー!肉いじり!

 

感想:さあさあ、はじまりました。今回はドローン登場あるか?

 

ジェナール=ホフォエンは肩をすくめた。「一種の翻訳作業みたいなものですよ」と彼は言った。「慣れるもん大です」

叔父のプログラム・・あるいは、それが何であれ・・がこの言葉を咀嚼している間、彼はしばらくの間ムシャムシャと食べ続けた。

 

感想:読者のみなさま、やっぱり叔父本人かどうかわかりません。

 

そして、ナイフの先をその映像に向けた。

「もし彼らの要求を呑むなんていう、ありそうにない事態に俺が同意するなら、それに見合う見返り(欲しいもの)があるんです」

 

「何だい?」ティシュリンは腕を組んだまま、椅子の背にもたれかかって言った。

「俺はアフロント人(アフロンター)になりたい!」

 

感想:ぐはぐは(笑)ホフォエン、おもしろい。なんでなりたいの?原始的なあの感じに憧れるから?

 

ティシュリンの眉が跳ね上がった。「何になりたいって、坊や?」

「まあ、時間のいくらかは、ってことですけどね」ホフォエンは後ろのドローンに半分顔を向けながら言った。ドローンは素早く前に進み出て、彼のグラスにハーブの浸出液を再び満たした。

 

感想:かわいいドローン・・。

 

「つまり、俺が欲しいのはアフロント人の肉体なんです。そこに意識をひょいと転送(ザップ)して・・まあ、ただアフロント人として過ごせるような。ほら、社交ですよ。別に大した問題じゃないでしょう。実際、カルチャーとアフロントの関係性にとっては素晴らしいことになるって、上層部には言い続けているんです。奴らの気持ちが本当に理解できるようになるし、奴らの真の仲間になれる。一体、大使っていう大層な仕事は、本来そういうことのためにあるんじゃなかったんですか?」彼はゲップをした。

 

感想:なるほどねぇ。何者にもなれちゃうのか?精神と肉体は繋がっている・・ゆえに、その肉体ができあがるまでのプロセスも重要な気もするが、その精神も別にコピーできちゃうのかもしれない。

 

「確実にできるはずです。モジュールは『技術的には可能だが、すべきではないし、他所にも問い合わせた』とか言って、標準的な反対意見を並べ立ててきますけど、俺は名案だと思う。絶対に楽しめる確信がありますよ。気が向けばいつでも自分の身体にひょいと戻ってこられるんだし・・これ、本当にショックですか、叔父さん?」

 

映像は首を振った。

「お前は昔から一番風変わりな子供だったよ、ビル。お前から何が飛び出すか、最初から分かっているべきだったな。そもそもアフロントの連中と一緒に暮らすためにわざわざ外の世界へ出ていくような人間は、どこか少し奇妙でなければならんからな」

 

感想:やっぱり、ホフォエンは人間世界の中でも風変りなのか。

 

ジェナール=ホフォエンは両腕を広げた。「でも、俺は叔父さんがしたことと同じことをしているだけですよ!」と彼は抗議した。

 

「私は風変わりな異星人に『会いたかった』だけだよ、ビル。彼らの仲間になりたかったわけじゃない」

 

感想:まあ、会いたいとなりたいは違うよな。

 

「ちぇっ、てっきり誇りに思ってくれるかと」

「誇りには思うが、心配だよ。ビル、アフロント人になることが、SC(特別事情部)の要求を受け入れるための君の条件の一部だというのは、本気で言っているのかい?」

 

感想:うーん、困らせたくて大きな要求をしているならば、やめた方がいい予感。

 

「もちろんです」ホフォエンはそう言って、格天井の天井をねめ回した。「昨夜、船も一隻欲しいと要求して、たしか『デス・アンド・グラビティ』号がイエスと言ったような微かな記憶があるんですが・・」彼は首を振って笑った。「気のせいだったかな」彼はステーキの最後の一切れを平らげた。

 

「彼らは私に、何を提示する用意があるかを伝えてきたよ、ビル」ティシュリンが言った。「君の気のせいじゃない」

ホフォエンは見上げた。「本当に?」

「本当だ」ティシュリンは言った。

 

感想:おおー。ホフォエンの要求である船も用意するってさ。船をくれるってさ。これはこれは、追い込まれているご様子。

 

ホフォエンはゆっくりと頷いた。「それで、叔父さん。彼らはどうやって叔父さんを仲介人として口説き落としたんです?」と彼は尋ねた。

 

「ただ頼まれただけだよ、ビル。私はもうコンタクト(接触部隊)にはいないが、彼らが問題を抱えている時に、手伝えることがあれば喜んで協力するさ」

 

感想:うーん。アフロント人になるのもOKしてくれそうだね。

 

「これはコンタクトじゃないですよ、叔父さん。これは特別事情部(スペシャル・サーカムスタンシズ)だ」ホフォエンは静かに言った。

「奴らは少々異なるルールでゲームを動かす傾向がある」

 

ティシュリンは真剣な表情を浮かべた。

その映像の声には、どこか防衛的な響きがあった。「分かっているよ、坊や。これを引き受ける前に、私もかつてのツテを何人か当たってみたんだ。すべて辻褄が合うし、すべて・・信頼できるように思える。当然、君も同じように調べることを勧めるが、私の見る限り、彼らが私に語ったことは真実だよ」

 

感想:これは、なぜホフォエンに依頼したのか・・死んだ少女の魂を・・という理由語りがはじまりそうな予感です。つまり、ドローンが登場するか微妙な空気です。

 

ジェナール=ホフォエンはしばらく沈黙した。

「分かりました。それで、奴らは叔父さんに何を話したんです?」彼はそう尋ね、浸出液の最後の一滴を飲み干した。

 

彼は眉をひそめ、唇を拭ってナプキンを検分した。それからグラスの底の沈殿物を眺め、給仕ドローンを睨みつけた。ドローンは、ドローンなりの「肩をすくめる」仕草で不器用に身を揺らし、彼の彼の手からグラスを受け取った。

 

感想:肩をすくめちゃうドローン、かわいい・・

 

ティシュリンの再現映像は身を乗り出し、テーブルに腕を置いた。

「一つ、物語を聞かせておくれ、ビル」

 

「喜んで」ホフォエンは唇から何かを指でつまみ取り、ナプキンで拭いながら言った。給仕ドローンが残りの朝食の食器を片付け始めた。

 

感想:うんうん。お風呂に入る前に読んでしまおう。

 

「遥か昔、遠い彼方でのことだ・・今から2500年前」ティシュリンは言った。「銀河面から外れた、太陽の薄い巻きひげ(巻きひげ状の星系群)の中、アサティエル星団に最も近いが、実際にはそこからも、あるいは他のどこからも近くない場所に、初期の一般接触船(GCU)であるトルバドール(吟遊詩人)級の『プロブレム・チャイルド(問題児)』号が、極めて古い恒星の燃え殻を偶然見つけた。そのGCUは調査を開始した。そして、1つではなく2つの、異常なものを発見したんだ」

 

感想:一般接触船・・1兆歳の死んだ恒星か・・。

 

ジェナール=ホフォエンはガウンを身体に巻きつけ、笑みを浮かべて席に深く腰掛けた。ティシュ(ティシュリン)叔父さんは昔から物語を語るのが大好きだった。

 

ホフォエンの最も古い記憶のいくつかは、かつてセッドゥン・オービタルにあったオイスの家の、陽の光が差し込む長いキッチンでの光景だった。彼の母親や、家の他の大人たち、そして様々な従兄弟たちが皆でせわしなく動き回り、おしゃべりをして笑い合っている中、彼は叔父の膝の上に座って物語を聞かせてもらっていた。その中には、何度も聞いたことのある平凡な子供向けの童話もあったが・・叔父のティシュが語ると、いつも格段に面白く聞こえたものだ・・、そしていくつかは、叔父自身がコンタクト部隊にいた頃の体験談だった。次々と船を乗り換えながら銀河を旅し、奇妙な新世界を探索し、あらゆる種類の風変わりな人々と出会い、星々の間で奇妙で素晴らしいものをいくらでも見つけ出していた頃の物語。

 

感想:イギリスやアメリカの好きな風景だね。思い出は~アイスクリームみたいに溶けてった~甲本。ごめん、戻ろう。

 

「第一に」ホログラムの映像は言った。

「その死んだ太陽は、不条理なほどに古代のものであるという、あらゆる兆候を示していた。その年代を特定するために用いられた技術によれば、それはおよそ1兆(トリリオン)年に達しようとしていたんだ!」

「何だって?」ホフォエンは鼻で笑った。

 

感想:楽しんでいるホフォエン。

 

ティシュリン叔父さんは両手を広げた。

「船もそのあり得ない数値を信じられなかった。この到底考えられない数字を導き出すために、その船が使ったのは・・」幻影は、ティシュリンが考える時にいつもやっていたように、ふと片側に視線を逸らした。ホフォエンは思わず微笑んでいる自分に気づいた。

 

感想:にゃにゃにゃ

 

「・・同位体分析と、フラックス・ピッティング試験だ」

「専門用語ですね」ホフォエンは頷きながら言った。

彼とホログラムは同時に微笑んだ。

 

「専門用語だ」ティシュリンの映像も同意した。

「だが、彼らが何を使おうが、どのように計算しようが、その死んだ星は、宇宙そのものの年齢よりも少なくとも50倍は古いという結果が、何度やっても弾き出されたんだ」

 

「そんな話、これまで一度も聞いたことがありませんよ」ホフォエンは首を振り、考え込むような表情を浮かべながら言った。

 

「私だってそうだ」ティシュリンも同意した。

「もっとも、結局のところそれは一般に公開されたんだが、すべてが終わってからずっと後のことだったからね。当時、大騒ぎにならなかった理由の一つは、その船が自分の導き出した結果にあまりにも当惑してしまい、完全な報告書を一度も提出せず、その結果を自分だけのマインド(頭の中)に秘匿し続けたからだ」

 

感想:昔のマインドの話か。

 

「当時の船には、まともな『マインド(知性)』があったんですか?」

ティシュリンの映像は肩をすくめた。「小文字の『 mind 』だよ。今で言うところのAIコアといったところかな。だが、確かに意識を持っていた。そして重要なのは、その情報が文字通り、船の頭の中に留まり続けたということだ」

 

感想:小文字のマインドかわいいー。おもしろー笑

 

そこは当然、船の所有物として留まることになる。実質的に、カルチャーが認めている唯一の「私有財産」の形態とは、思想、そして記憶だった。

 

公に提出された報告書や分析データは、理論上は誰でも利用可能だったが、自分自身の思考、自分自身の記憶は・・それが人間であろうと、ドローンであろうと、あるいは船のマインドであろうと・・、私的なものとみなされていた。

 

感想:ドローンやマインドの記憶や思考も私的があってすき。

 

他人の・・あるいは他の存在の・・心を読み取ろうと考えること自体が、究極の「マナー違反」であると考えられていたのだ。

 

感想:ああ、さっき登場した「グレーゾーン」ね。またの名を、ミートファッカーぁぁぁ。まあ、マナー違反ということは、注意喚起れべる?

 

個人的に、ジェノア=ホフォエンはこのルールを十分に合理的なものだと常々思っていた。もっとも、長年にわたり多くの人々が疑ってきたように、このルールが存在する最大の理由の一つは、それがカルチャーのマインド全般、とりわけ特別事情部(SC)の目的において、非常に都合が良いからだということも、彼はとっくに勘繰っていたのだが。

 

感想:ホフォエンは構造の外にいる人間なのだね。でなきゃ、アフロント人に会ったりしないだろう。どんなルールも必ず誰かの都合のいいようにできている。そういえば、昨日友人と、戦争(領地=資源)はじゃんけんで決めたらいいのにね、なんて話をしたんだ。おっと、そろそろ風呂に入ってくる。

 

このタブーのおかげで、カルチャーの誰もが秘密を懐にしまい込み、心ゆくまでちょっとした企みや陰謀を画策することができた。

 

困ったことに、人間にあってはこの種の振る舞いは、いたずら、些細な嫉妬、愚かな誤解、あるいは悲劇的な失恋といった形で現れる傾向があったが、マインド(知性)においてそれが起きると、星間文明を丸ごと一つ発見したことを他の全員に伝え忘れたり、あるいは、すでに誰もが知っている発展した文明の進路を(独断で)変えようと画策することを意味した(そして、いつの日か彼らが一文明に対してではなく、カルチャーそのものに対してそれを実行するかもしれないという、口にするのも恐ろしい含みがあった‥もちろん、すでに実行していないという前提での話だが)。

 

感想:おおーおもしろい。確かに、人間間なら、相手の脳に入ってもね、大した秘密じゃないものね。せいぜい、自身の権力や貨幣を守るための何かだろうし。プタヴの世界にそんなのあったね、スリント人のクザークが「意識増大装置?」だっけ、銀河系の全知的生命体よ自殺しろ、と言ったら全員死んだ、ってはなし。そりゃあ、こわいな。グレーゾーンもやろうと思えばできるもんな。

 

「カルチャー船に乗っていた人間たちはどうしたんです?」とジェナール=ホフォエンは尋ねた。

 

感想:一つの恒星文明を見つけたのに「報告し忘れた」と称して独占したり、一文明の運命を裏から操作したり、あるいはすでにカルチャー社会全体を裏からコントロールしているマインドがいるのではないか‥という、ディストピア的な影‥

 

「彼らも当然知っていたが、やはり口を閉ざした。何よりもまず、彼らは二つの奇妙な現象を同時に抱え込んでいたんだ。それらが何らかの形で結びついているに違いないと考えたものの、どう結びついているのか解明できなかった。だから、他の全員に触れ回る前に、ひとまず様子を見ようと決めたのさ」

 

ティシュリンは肩をすくめた。

「無理もないこと、ですかね。あまりに風変わりな話だから、誰だって大声で触れ回る前によく考えるでしょう。今の時代ならそんな隠し事は通用しませんが、当時は昔です。ガイドラインももっと緩かった」

 

「彼らが見つけた、もう一つの異常なものとは何です?」

 

「人工物だ」ティシュリンは席に深く腰掛けながら言った。「そのおよそ考えられないほど古代の恒星を周回する軌道上にあった、直径50キロメートルの完全な黒体の球体だ。船のセンサーを以てしても、あるいは他のいかなる手段を以てしても、その人工物を内部まで透過することは完全に不可能だった。そして、その物体自体には生命の兆候は一切見られなかった。

 

感想:生命の兆候‥

 

そのすぐ後、『プロブレム・チャイルド』号にエンジンの不具合が発生した。当時としても、ほとんど聞いたこともないようなトラブルだ。そのため、船はその恒星と人工物から離れざるを得なくなった。

 

当然、船は人工物を監視するために、大量の衛星やセンサー・プラットフォームを後に残していった。元々積載していたものすべて、いや、そこに滞在している間に急造したさらに多くの監視機器を残していったんだ。

 

感想:黒体の球体‥

 

ところが、3年後に後続の調査遠征隊が到着したときには、覚えておきなさい、これはすべて銀河の辺境で起きたことで、当時は航行速度も今よりずっと遅かった、そこには何もなかった。

 

感想:おおー、船は何者かに攻撃されて不具合を起こし、現場を離れた途端、星も人工物も、残されたセンサー群ごと完全消失したとな?

 

恒星も、人工物も、『プロブレム・チャイルド』号が残していったセンサーや遠隔観測パッケージの数々も、一切合切が消えていたんだ。監視ユニットから送られていたはずの送信信号は、調査隊がモニタリング圏内に到達する直前で途絶えていた。周囲の重力場の波形(リップルズ)が示唆していたのは、恒星も、そしておそらく他のすべての一切も、『プロブレム・チャイルド』号がセンサーの感知圏外へ無事に遠ざかったまさにその瞬間に、完全に消失したということだった」

 

感想:あるはずのものをなかったことにする、英米人が好きなお話なイメージどす。

 

「ただ消え去った、と?」

「ただ消え去った。跡形もなく消滅したんだ」ティシュリンは認めた。「しかも最も忌々しいことに、それまで太陽を丸ごと一つ失くした者など誰もいなかった。たとえそれが死んだ太陽であったとしてもだ。

 

感想:惑星を消した、、ではなく人間が忘れた。

 

その間に、『プロブレム・チャイルド』号が修理のために合流した総合システム艦(GSV)が報告したところによると、あのGCUは実質的に攻撃を受けていた。エンジンの問題は偶然や製造上の欠陥によるものではなく、敵対行動(攻撃)の結果だったんだ。

 

感想:証拠隠滅、、

 

そのことと、未だ説明のつかない恒星一つの消失を除けば、それから約20年近くの間、すべては平穏だった!」ティシュリンの手がテーブルの上で一度ひらめいた。「ああ、様々な調査や査問委員会、委員会などが立ち上がりはしたが、彼らが導き出せた精いっぱいの結論といえば、あれはすべて一種の高度なテクノロジーによる投影であり、おそらくは奇妙なユーモアのセンスを持った、未だ知られざる古代文明が作り出したものだろうという説か、あるいはさらに可能性の低い説として、あの太陽とその他のすべてがハイパースペース(超空間)に飛び込んでそのまま走り去ったのだという説くらいだった。もっとも、それならば観測できたはずだが、観測されなかった。つまり、基本的にはすべてが謎のまま残され、誰もが唾液しか残らなくなるまでその問題を噛み砕き、弄び尽くした挙句、それは自然消滅していったのさ。

 

感想:ミステリアス

 

その後、続く70年の間に、『プロブレム・チャイルド』号はこれ以上コンタクト(接触部隊)の一員であり続けることを拒んだ。

 

感想:こういうことがあるとねー。命、大事。

 

船はコンタクトを離れ、次いでカルチャーそのものを離脱してアルテリオール(外部社会)に合流した。これまた、あのクラスの船としては極めて異例なことだ。そして同時に、当時乗船していた人間の誰一人残らず全員が、いわゆる『異例な人生の選択』を実行したんだ」

 

感想:異例とは?

 

ティシュリンの不審そうな表情は、このフレーズが言語の情報伝達能力にそれほど大きく貢献しているとは全く思っていないことを示していた。その映像は、咳払いをするような音を立てて先を続けた。

 

「人間の約半数は不死を選び、残りの半数は自発的安楽死を選んだ。生き残った僅かな人間たちに対して、目立たないが徹底的な調査が行われたものの、異常は何一つ発見されなかった。

 

感想:極端っすな。不死ねー。死にそうな事件でもあって死ぬのがこわくなったんかい?

 

さらに、船のドローンたちだ。

彼らは皆、同じグループ・マインド(集合知性)に加わり、これもアルテリオールにおいてだ、それ以来ずっと音信不通になっている。

 

感想:ほうほう。船はカルチャーを離脱。さらに、乗船していた人間たちの半分は「不死(データの永久保存など)」を、半分は「自発的安楽死」を選び、ドローンたちも集団で音信不通になった、と。

 

どうやら、そっちの方がさらに異例の事態だったらしい。1世紀もしないうちに、不死を選んでいた人間たちも、さらなる『自己矛盾した』異例な人生の選択によって、そのほぼ全員が死亡した。

 

感想:うーむ。

 

その後、アルテリオールも、そしてこの頃には当然ながら関心を持っていた特別事情部(SC)も、『プロブレム・チャイルド』号との連絡を完全に失った。船もまた、ただ消え去ってしまったかのように見えた」幻影は肩をすくめた。

 

「それが1500年前のことだ、ビル。今日に至るまで、あの船の姿を見た者も、噂を聞いた者もいない。その後、関係した人間のうち数人の遺体を、進歩したテクノロジーを用いて再調査したところ、被験者の脳のナノ構造に不一致の可能性が浮上したが、それ以上の調査は不可能と判断された。

 

感想:ほうほう。最終的に数十年で全員が不自然な死を遂げ(脳のナノ構造に改ざんの痕跡あり)ってか。グレーゾーンの仕業かい?

 

この物語は最終的に、すべての出来事から1世紀半近く経ってから公に開示された。当時はメディアでもちょっとした騒ぎになったが、その頃にはもう、誰もいない肖像画(空っぽの額縁)のようなものだった。

 

船も、ドローンも、人間も、全員が去ってしまっていたのだからな。話を聞く相手も、インタビューする相手も、プロフィールを作成する対象も残っていなかった。全員が舞台裏へと退場していたのさ。そしてもちろん、最大の主役たち、あの恒星と人工物こそが、最も深い舞台裏へと消え去っていた!」

 

感想:よっしゃー!アドベンチャー感!

 

「なるほど」ジェナール=ホフォエンは言った。「どれも非常に‥」「待ちたまえ」ティシュリンは指を一本立てて制した。「一つだけ、未解決の端緒がある。5世紀前に姿を現した、『プロブレム・チャイルド』号からの追跡可能な唯一の生存者だ。過去2万4千年の大半を、会話を避けることに費やしてきたという事実があるにもかかわらず、接触して話をすることが可能かもしれない人物がね!」

 

感想:話の流れ的に、死んだ少女ではなくて?

 

「人間ですか?」

「人間だ」ティシュリンは頷いて認めた。「あの船の公式な『艦長』を務めていた女性だ」

「当時まだ、そんな役割が残っていたんですか?」

ジェナール=ホフォエンは言った。彼は微笑んだ。なんて古風(クエイント)なんだ、と彼は思った。

 

感想:それな。人間がキャプテンって‥ぐふっ。

 

「当時でさえ、かなり名目上のものだったがね」ティシュリンも認めた。「船の長というよりは、乗組員のリーダーといったところだ。ともかく、彼女は一種の要約された形態として、今もまだ存在している」ティシュリンの映像は一度言葉を切り、ホフォエンの反応をじっと窺った。「彼女は、総合システム艦(GSV)『スリーパー・サービス』の船内に『保管』されているんだ」

 

感想:敵にとっては、お邪魔な存在説。

 

その再現映像は、ホフォエンがその船の名にどう反応するかを確かめるために沈黙を置いた。彼は反応しなかった、少なくとも表面的には。

「残念ながら、そこに格納されているのは彼女のパーソナリティ(精神データ)だけだがね」ティシュリンは続けた。「保管されていた彼女の肉体は、半世紀前、彼女がいたオービタル(環状居住区)がイディラン人による攻撃を受けた際に破壊されてしまった。

 

感想:はい、もう決まりやな。その女性とは、ホフォエンに下った指令である少女の件でしょう。

 

我々の目的に照らせば、それは不幸中の幸いだったと言えるだろう。彼女は、おそらくは好意的なマインドの助けを借りて、自身の足跡を実に見事に消し去っていたため、もしその攻撃が起きなければ、彼女は今日に至るまで素性を隠し通していただろうからね。

 

感想:持つべきものは、ガチ信頼できる人間の友と、信頼関係を構築したドローンなり。

 

肉体が破壊された後、記録が精査されて初めて、彼女が本当は何者であるかが判明したんだ。

だが重要なのは、特別事情部が、彼女があの人工物について何かを知っているかもしれないと考えている点だ。実際、彼らは彼女が知っていると確信している。もっとも、彼女自身が『自分が何を知っているのか』を自覚していないことも、ほぼ間違いのない事実なのだが」

 

ジェナール=ホフォエンはしばらく沈黙し、ドレッシングガウンの紐をいじっていた。『スリーパー・サービス(冬眠奉仕)』号。その名前を耳にするのは久しぶりだった。

 

感想:冬眠専用の船なのかい。

 

あの古いマインド(船)について考える必要がなくなってから、もう長い時間が経っていた。それについて何度か夢に見たことがあり、一度か二度は悪夢さえ見たことがあったが、彼はそれらの記憶の残響をマインドの遠い片隅へと押し込め、忘れてしまおうと努めてきた。そしてそれはかなり成功していた。だからこそ、今自らの脳裏でその名前を転がしていることに、酷く奇妙な感覚を覚えたのだ。

 

感想:ホフォエンにも思い出したくない記憶があるのだそう。

 

「それで、なぜ2500年もの時を経て、その件が突然重要になったんです?」彼はホログラムに尋ねた。

「あの人工物と酷似した特性を持つ『何か』が、『上部葉状渦』にあるエスペリと呼ばれる恒星の近くに出現したからだ。そしてSCは、それに対処するために得られる限りのあらゆる助けを必要としている。今回は1兆歳の恒星の燃え殻こそ伴っていないが、見た目が完全に同一の人工物が、ただそこに鎮座しているんだ」 

 

感想:黒体球体を見つけたんだね。そこには、何があるんだろう。

 

「で、俺に何をしろと?」

「『スリーパー・サービス』号に乗り込み、この女性の『マインド格納上の人格構造体』、どうやらマインド内に保管された彼女のパーソナリティの構成体のことらしいが‥」映像は困惑した表情を見せた。「‥私にとっても初耳の言葉だ、ともかく、彼らと対話してくれ。彼女を説得して、再び生を受けさせるんだ。

 

感想:死んだ人間を生き返らせることもできるんか!

 

尋問できるように、現世へ転生するよう言いくるめてほしい。『スリーパー・サービス』号は彼女をただ解放することはないし、SCに協力することなど絶対にしない。だが、もし彼女自身が再生を望むなら、船も彼女を解放せざるを得ない」

 

感想:しかも、尋問かい!

 

「しかし、なぜ?」ホフォエンが問いかけようとした。「まだあるんだ」ティシュリンは片手を挙げて遮った。「たとえ彼女が応じず、帰還を拒んだとしても、君には『Mimage』と会話する際に構築されるリンクを通じて、あのGSVに気づかれることなく彼女(のデータ)を回収する『手段』が与えられる。それがどのように達成されるのかは私に聞かないでおくれ。だが、彼らが君を『スリーパー・サービス』号へ送り届けるために与える予定の『船』に、その仕掛けが関係していることだけは間違いない」

 

感想:危険な任務だろうな‥わたしなら‥そんな球体のことは知らん!逃げる!

 

「‥彼らが君のために雇う予定のアフロントの船が、ティア星系でそれ(工作船)と合流した後の話だがね」

 

ジェナール=ホフォエンは、できる限り懐疑的な表情を作ってみせた。「そんなことが可能なんです?」と彼は尋ねた。「つまり、そんな風に彼女を回収することが。あの『スリーパー(・サービス)』の意志に反して!」

 

感想:バレたらホフォエンもスリーパーされる可能性あり

 

「どうやらね」ティシュリンは肩をすくめて言った。「SC(特別事情部)はそれを成し遂げる方法があると考えている。だが、私が『死んだ女性の魂を盗む』と言った意味が、これで分かっただろう‥」

ホフォエンは少しの間考え込んだ。「俺を『スリーパー』のところまで運ぶ船がどれになるか、分かりますか?」

 

「彼らはまだ‥」と言いかけた映像は、ふと動きを止め、面白そうな表情を浮かべた。「今、上層部から伝えられたよ。それは『グレイ・エリア(灰色領域)』と呼ばれるGCU(一般接触船)だ」

 

感想:グレイエリアー!ミンチファッカー!まあ、ホフォエンと気が合いそうではある。楽しい旅になりそうだな。

 

ホログラムは微笑んだ。「おや、お前もその名前を聞いたことがあるようだな」

「ええ、聞いたことがありますよ」と彼は言った。

『グレイ・エリア』。他のすべての船が激しく非難し、蔑んでいる行為を平然と行う船。

 

感想:似たもの同士でいいじゃないか、ホフォエンよ。

 

すなわち、電磁エフェクターを用いて、実際に他者のマインド(脳内)を覗き込む船だ。

 

このエフェクターという兵器は、ある意味では平均的なステージ3文明(地球と同等レベル)の電子戦対抗機器の、気が遠くなるほど遥かな末裔であり、一般的なカルチャーの船が保有するなかで最も洗練され、強力でありながら、同時に最も精密に制御可能な兵器でもあった。この光線を用いて、動物的意識の忌まわしい細胞基質へと穿ち入り、自らの、大抵は復讐めいた目的のために、そこで見出されたものを解読しようとするのだ。

 

感想:まあそうね。人助けのために、優しさで誰かの意識に本人の許可なく侵入することなさそう。誰かの利益のために使う道具っぽい。

 

その不快な趣味のせいで、他のマインドたちからは『ミートファッカー(肉いじり)』と呼ばれ、嫌われる忌むべき船(もっとも、本人の目の前でそう呼ぶ者はいないが)。

 

感想:本人の前で「ミートファッカー」なんて言ったものには、復讐(意識に侵入)されてしまうかもしれないものな( ´ ▽ ` )

 

未だにカルチャーの正規の一員でありたいと願い、名目的には籍を置いているものの、同胞のほぼすべてから忌避されている船。

 

感想:カルチャーの正規一員ではあるのか。誰しも自分の思考を他人に覗かれていい奴なんていないからなあ。

 

コンタクト(接触部隊)という、あの偉大なる全包摂的なメタ艦隊(超巨大複合艦隊)における、事実上の「のけ者」だった。

 

感想:それならいっそのこと、カルチャーから離脱すれば‥いや、そんなことをしたらカルチャーにとっての敵とみなされる可能性もあるし‥名目的に残っているのは、そういったリスク回避なのか、単にカルチャーが好きなのか、なんなのか

 

ジェナール=ホフォエンは『グレイ・エリア』について実によく知っていた。今や、すべての辻褄が合い始めていた。もし、あの『スリーパー』の鼻先から、保管された魂を略奪する能力があり、何より、進んでそんな略奪行為の手を汚すような船が1隻でもあるとするなら、それはおそらく『グレイ・エリア』をおいて他にない。

 

感想:まあ、巨大船「スリーパー」を怒らせると怖そうなご様子。亡くなったキャプテン(女性)は、マインドと仲良しゆえに抜け道を教えてもらった‥今そのスリーパーで眠っているということは、マインド目線からみても、スリーパーサービスは安全な場所といことなのだろう。

 

その船にまつわる噂が本当なら、ここ10年間、様々な動物種の脳から夢や記憶を抉り出す技術を磨き続けてきたはずだ。

 

感想:奪うvs守る

 

一方で『スリーパー・サービス』号は、誰もが言うようにここ40年間は技術的に完全に停滞しており、その時間は、それ自体がどっこいどっこいと言えるほどエキセントリックな、自身の奇妙な趣味(道楽)に費やされていたのだから。

 

感想:はは( ´ ▽ ` ) AIの会社がいろいろあるように、未来もそんな感じなのだろう。スリーパーサービスのマインドと、グレイゾーンのマインドの対決か‥。スリーパーサービスはまだお会いしたことがないのでなんとも言えんが、グレイゾーンのマインドはイカれていておもしろそう。

 

叔父のティシュリンの映像は一瞬、遠くを見るような表情を浮かべ、それから言った。「どうやら、それこそがこの計画の巧妙なところらしい。スリーパー・サービスがもう一つの変人(船)だからといって、他の一般的なGSV(総合システム艦)と同じように、グレイ・エリアをやすやすと艦内に迎え入れるわけではない。だから、あのGCUは外宙に待機せざるを得ず、それがかえって今回の『Mimage(精神データ)窃盗トリック』を容易にするのさ。もしグレイ・エリアがその時、実際にGSVの内部に入り込んでいたら、発覚せずにそれをやり遂げることは不可能だろうからね」

 

感想:考える顔(私)

 

ホフォエンは再び考え込むような表情を浮かべた。「その人工物の件ですが」と彼は言った。「それって、いわゆるアレなんじゃないですか? 『外的文脈のパラドックス』ってやつに」

「問題だ」ティシュリンが正した。「『外的文脈問題(アウトサイド・コンテキスト・プロブレム=OCP)』」

「ふむ。そうだ。それだ。その一種。ほとんどね」

「外的文脈問題(OCP)」とは、大半の文明が歴史上ただ一度だけ遭遇する種類のものであり、それは往々にして、文章が「ピリオド(終止符)」に出会うのと全く同じような形で文明の前に立ち塞がる傾向があった。

 

感想:うーん。これは、ある文明がこれまで培ってきた知識、科学、歴史の文脈の完全に外側から、圧倒的な格差を持って突如として現れる、文明を根底から終わらせる破滅的な問題という意味かな。

 

この外的文脈問題を説明する際によく用いられる例え話は、あなたがそこそこ大きく肥沃な島に住む部族であると想像することだ。

 

感想:例え話が原始的すぎる。読者サービスですな。

 

あなた方は土地を耕し、車輪や文字やその他の何かを発明した。隣人たちは協力的か、さもなくば奴隷化されており、いずれにせよ平和だった。あなた方は余剰生産力のすべてをつぎ込んで、自分たちのための壮大な神殿を建てるのに忙しく、神聖なる祖先たちでさえ夢にも思わなかったような、ほぼ絶対的な権力と支配のポジションに君臨していた。すべての状況は、濡れた草の上を滑るカヌーのように極めて順調に進んでいた。

 

感想:これ以上はない‥ってところまで行くと終わるよね。たとえば、ローマが滅びた理由がキリスト教だった、とか。

 

そこへ突如として、湾内に帆もなく蒸気を吹き上げる異様な鉄の塊が出現し、見たこともない長い棒きれ(銃)を担いだ男たちが上陸してきて、こう告げるのだ。お前たちは今「発見」された、お前たちは全員今日から皇帝陛下の臣民であり、陛下は『税』という名の貢ぎ物を大変好まれている、そしてこのギラギラした目をした聖職者たちが、お前たちの神官と少しお話をしたがっている、と。

 

感想:2500年前に出現し、現在再び姿を現した、直径50キロの黒体球の人工物は、完璧なディストピア(ユートピアの皮肉)を謳歌しているカルチャー社会にとって、ついに到来した本物の外的文脈問題(OCP)かもしれないという、こと。

 

それが「外的文脈問題」だった。惑星規模の文明全体にとって、カルチャーのような存在ではなく、たとえば「アフロント」のような連中に真っ先に遭遇してしまった場合に起きる、適切に超ハイテク化された終末のバージョンもまた、これに該当した。

 

カルチャー自体も、これまでに多くの小さな「OP(文脈問題)」に直面してきた。もし対処を誤っていれば文明の終焉を招いていたかもしれない問題ばかりだったが、これまでのところ、カルチャーはそのすべてを生き延びてきた。

 

感想:人間は猿山の猿だからな。新しい猿山ができるまで存続する。

 

カルチャーにとっての究極のOCPは、一般的には「銀河を喰い尽くす自己複製群」か、激怒した「古代文明」、あるいは派遣された遠征隊がついに到達した途端に仕掛けてくる「アンドロメダ銀河の隣人たちによる突発的かつ即座の訪問」という形をとるだろうと広く予想されていた。

 

ある意味で、カルチャーはあの「昇華した古代文明たち」という形で、本物のOPに常に周囲を取り囲まれて暮らしているようなものだったが、今のところ、それらのいずれによっても目立った阻止や支配を受けずに済んでいるようだった。

 

しかしながら、いつか訪れる「最初の本物のOCP」を待ち受けるという思考は、ディストピア(理想郷)の中にさえ破滅の脅威を見出さずにはいられない、カルチャーの一部の人間やマインドたちにとって格好の「知的精神安定剤(退屈しのぎの娯楽)」となっていた。

 

感想:ベーシックインカム生活をしていると、この安定がいつか崩壊するのではないだろうか?という不安や恐怖を欲するようになるのだ。危機的でない事柄(たまたまうまくいかなかったどうでもいい事)でも、まるで危機に面したように感じて脳内でアドレナリンを放出させる。本人の自覚有無によって捉え方がだいぶ変わるが、まあ暇つぶしのゲームみたいな感覚。

 

「ほとんど、な。そうかもしれない」と幻影は同意した。

「お前の協力があれば、そうなる可能性は少しは低くなるかもしれん」

ジェナール=ホフォエンはテーブルの表面を見つめながら頷いた。

「で、この作戦の責任者は誰なんです?」彼はニヤリと笑って尋ねた。「こういう事態には、普通なら『インシデント・コントローラー(事象管制マインド)』とか何とか呼ばれるマインドが全体を仕切っているはずでしょう」

 

感想:いろんなマインドがいて楽しい。

 

「事象コーディネーターは、『ノット・インベンティッド・ヒア(我が社が発明したに非ず)』という名のGSVだ」ティシュリンが彼に告げた。「そいつは、お前が望むものなら何でも要求して構わないと伝えてきているぞ」

 

感想:ホフォエンがグレイゾーンと対面するシーンを早く見たいな。(読むペースを上げればいいww)

 

「ふむ」ホフォエンはその船の名前を聞いた覚えがなかった。

「で、なぜ特に『俺』なんです?」彼はその問いに対する答えを、すでに半分は察していた。

 

感想:え?そうなの?私にはわからない。やっぱり、スリーパーサービスも、グレイゾーンも変人だから、ここはやっぱり人間の変人代表を・・ってこと?

 

「スリーパー・サービスが、いつも以上に奇妙な行動をとっているんだ」ティシュリンは、それ相応に痛ましそうな表情を浮かべて言った。

 

感想:いまのところ、グレイゾーンが優勢雰囲気を醸し出しているので、そうでなきゃな!

 

「航路スケジュールを変更し、これ以上の『冬眠保管(ストレージ)』の希望者を受け入れるのを止め、他との通信をほぼ完全に遮断してしまった。だが、その船はお前が乗艦すること『だけ』は許可すると言っているんだ」

 

感想:えー墓穴(冬眠ストレージ)を用意して待っているんじゃないのw

 

「間違いなく、説教を垂れるためでしょうね」ホフォエンはそう言って片側に視線を逸らし、ダイニングルームのプロジェクター壁に映し出された谷の牧草地を、一つの雲が通り過ぎていくのを眺めた。

 

「きっと俺に講義でもしたいんですよ」彼はため息をつき、相変わらず部屋を見回していた。そして再びティシュリンのシミュレーションに視線を固定した。「彼女は、まだそこにいるんですか?」と彼は尋ねた。

映像はゆっくりと頷いた。

「クソ(シャブ)だな」とジェナール=ホフォエンは言った。

 

感想:ホフォエンとスリーパーサービスには、一体どんな過去の因縁があるのだろうか。小言や説教を・・ということは、過去に何か彼らにしでかしたのだろうか。

 

 

 

 

イアン・バンクス「EXCESSION」全文翻訳 (6)辺境の地に流されたドローン

2026 / 07 / 04  09:52
イアン・バンクス「EXCESSION」全文翻訳 (6)辺境の地に流されたドローン

 ↑

(代々木八幡のマルマンをイメージしたドリームコア)

 

感想:わーわー、前回は人間の話で、ドローンやマインドが登場せず退屈してしまったけど、今回は登場するのか?!

 

[指向性ビーム、M16.4、伝送コード:@n4.28.858.8893]

発信:xGCU「グレイ・エリア(灰色の領域)」号

受信:oGSV「オネスト・ミステイク(悪意のない誤り)」号

 

感想:うんうん。確か‥グレイエリアは、司令官を夢地獄に落として殺した船だよね。ネオストミステイクは、一番最初の妊婦のシーンに関係ある船じゃなかったっけ?恒星間移動船みたいな。

 

oGCU「グレイ・エリア」号:よし。そちらへ向かっている。

 

xGSV「オネスト・ミステイク」号:遅すぎるくらいだ。

 

oGCU「グレイ・エリア」号:やるべき仕事(ワーク)があったものでね。

 

感想:夢地獄という名の仕事がなw

 

xGSV「オネスト・ミステイク」号:また「単なる動物」の脳みそをほじくり返す仕事か?

 

感想:その動物とは、人間だということ承知の上なのだろうW

 

oGCU「グレイ・エリア」号:歴史を掘り起こし、真実を発見する仕事さ。

 

xGSV「オネスト・ミステイク」号:「真実の探求」に関する旅の行程において、単なる動物の精神の内部なんて場所は、最もお目にかかりたくない場所の一つだとばかり思っていたがね。

 

感想:わかる。親しい人はもちろん、道をすれ違った人の心の中なんて見たくないし興味もないね。間違いなく言えるのは、見ていいことはひとつもない。

 

oGCU「グレイ・エリア」号:その「単なる動物」どもが、自分たちの種族の大部分と、そのジェノサイド(大虐殺)に関するあらゆる物理的記録の双方を、最も成功裏に、かつ完全に「抹殺(消去)」することに成功してしまっている場合、こちらとしては驚くほど選択の余地が残されていないのだよ。

 

感想:まあーでもさ、グレイエリアに一票入れたい気持ちもある‥。先日友人と話したんだが、人間のご先祖である猿の大半は、太陽が昇る方向へ移動したのでは。その最終地は日本なんだけど…となると、縄文時代って高度な文明だったんじゃないか説ってあるんだよね。インディアンもそうだけど、一部種族(国籍)に都合の良いように歴史は捏造されている。それって許せない怒りが沸くんだけど、グレイエリアの方法なら真実がわかる。まあ、生命が存続している脳に限るかもしれないけどさ。

 

xGSV「オネスト・ミステイク」号:君のその「熱意」が、君自身の評価に繋がっていることだけは、誰も否定しないだろうがね。

 

〜おやおや、そいつは感謝する。そのおかげで、他の船の連中から「ミートファッカー(肉いじり)」なんてあだ名で呼ばれているんだろうしな。

 

感想:ミートファッカーか・・いい名前だ。

 

〜まさにその通りだ。まあ、我々の友人(コンタクト部隊)が君に何を要求しているにせよ、すべての健闘を祈るよ。

 

感想:ほうほう。コンタクトがミートファッカーに依頼をしてると・・

あれじゃん?アフロント人と飲み会を楽しんでるホフォエンの仕事と関係あるのかな。ホフォエンかー、あんま好きじゃなんだよな。

 

〜ありがとう。私の目的は、いつだって(彼らを)喜ばせることだからね‥。

 

感想:コンタクトを喜ばせること‥コンタクトの草の葉なのか?

 

[信号ファイル終了]

 

ジェナール=ホフォエンは、武器の数々と、液状化したギャンブルチップの残骸のトレードマークを撒き散らしながら帰宅した。

 

感想:モジュールはお怒りですよ、きっと。

 

エアロックのドアのすぐ外にある衝撃吸収マットのトレイに、2挺の重マイクロライフルがガタガタと音を立てて転がり落ち、そのすぐ向こうに透明マントが落ちた。

 

感想:透明マントとは、何ぞや。その名の通り、透明にしてくれるんか?

 

銃は、艶やかな木製パネルに反射する柔らかな光の中で鈍く輝いていた。

 

ジャケットのポケットに入っていた水銀のギャンブルチップは、モジュール(自宅)内部の「人間用の環境温度」に晒されたことで、瞬く間に融解した。

 

ホフォエンはその変化が起きたことに気づいて立ち止まり、不可解そうにポケットの中を覗き込んだ。

 

彼は肩をすくめると、ポケットを裏返して水銀をマットの上にピシャリとぶちまけた。

 

感想:カルチャーの外交官のだらしない日時をサービスってわけかい?

 

彼はあくびをして先へと歩いた。モジュールが彼に出迎えの挨拶を言ってこないのが、少し奇妙だった。

 

感想:当たり前など存在しない。

 

ピストルがホールの絨毯敷きの床の上で弾み、霜の粒をまとったまま横たわった。彼は短いジャケットを、ホールの彫刻作品の上に引っ掛けた。

 

彼は再びあくびをした。人工居住区(ハビタット)の夜明けの時間はそう遠くない。完全にベッドに入る時間だ。彼は膝丈のブーツの履き口を丸めて下げ、プールへと続く廊下の奥へと2足とも蹴り飛ばした。

 

感想:ホフォエン好きには堪らないシーンですな。

 

モジュールのメインの娯楽エリアに入りながら、彼はズボンを引きずり下ろしていた。服に悪態をつき、転ばないように足をバタバタさせてズボンを蹴り脱ごうとしながら、前かがみになって壁にしがみつき、シャッフルするように進む。

 

感想:わたしは、ホフォエンがそんな好きじゃない。ドローンをはよだせ、シセラはどこだ。

 

そこに、誰かがいた。彼は動きを止め、凝視した。

ラウンジで最も上等な椅子の一つに、彼の「お気に入りの叔父」によく似た人物が座っているように見えた。

 

ジェナール=ホフォエンは直立し、何度も瞬きを繰り返しながら、視線を泳がせてその姿を見つめた。

「ティシュリン叔父さん?」彼はアンティークのキャビネットに寄りかかりながら、ようやくズボンを脱ぎ捨て、その幻影に向かって目を細めた。

 

感想:叔父さんがそこにいるわけがない‥。だとしたら‥。がくぶるがくぶる。

 

その人影‥背が高く、白い鬣のような髪を持ち、そのゴツゴツと険しい顔にうっすらと微笑みを浮かべた男が立ち上がり、長いフォーマルジャケットの仕立てを整えた。

 

『ただの擬似バージョンだよ、ビル』とその声が低く響いた。そのホログラムは頭を後ろに引き、値踏みするような、問いかけるような視線を彼に固定した。『彼らは本当に、君にこの件を引き受けてほしいと思っているんだよ、坊や!』

 

感想:あ、本当に叔父さんだったね。身内からも圧力がかかるとは‥!って違うじゃないか。カルチャーがお気に入りのおじさんを模造して送ってきたんだな。

 

ジェナール=ホフォエンは頭を掻き、スーツに向かって何かをブツブツと呟いた。ゲルフィールド・スーツが彼の身体の周りからペリペリと剥がれ始め、球状に縮んでいく。

 

「叔父さん、一体全体それが何なのか、教えてくれないか?」彼はゲルフィールドの外へとステップを踏み出し、モジュールの空気を深く吸い込んだ。

 

それは空気が美味しいからというよりは、むしろスーツをイラつかせるための当てつけだった。

 

スーツは頭ほどの大きさのボール状にまとまると、無言のまま、自分自身を洗浄するためにどこかへと浮き上がって去っていった。

 

感想:スーツ‥かわいい( ´ ▽ ` )!そういうものに囲まれて生きたい2026年。

 

叔父のホログラムはゆっくりと息を吐き出し、ホフォエンが幼い頃によく覚えている仕草で腕を組んだ。

 

『端的に言おう、ビル』とその映像は言った。『彼らは君に、「死んだ女の魂」を盗み出してほしいんだ』

ジェナール=ホフォエンは、完全に裸のまま、まだ身体を揺らし、目をシパシパさせながらそこに立ち尽くしていた。

 

感想:彼ら‥、グレーゾーンか。又の名をミートファッカー!ん?ということは、死んだ人間の脳にも侵入できるってこと?いや、死んだ後に保存されたデータに侵入しろってこと?どこに保存されてるの?マインド?おもしろい。ところで、侵入した側も脱出できなくなるとか、リスクはあるのかな?

 

「へえ」しばらくして、彼は言った。

ハッ! よし、覚醒だ。周囲をクイックスキャン。即座に脅威となるものはなし、のようだが‥。ふーむ。宇宙空間に浮遊している。妙だな。周りには誰もいない。おかしな話だ。

 

感想:おお、、ここからは、ホフォエンではないな。ドローンか?ドローンなのか?シセラなのか?

 

視界が少々劣化している。おっと、そいつは悪い兆候だ。感覚もどうも正常じゃない。あちこちデータが抜け落ちている‥。

 

感想:シセラじゃないか?うぉぉおお(興奮)

 

システムクロックの運行がめちゃくちゃ遅い。まるで最下層の電子部品のガラクタレベルまで格落ちしたみたいだ‥。システム全般のセルフチェックを実行。

 

‥おいおい、なんてこった!

そのドローンは、恒星間空間の暗黒の中を漂流していた。

 

感想:わー!やっぱりドローンだ!脱人間!ドローンの話すき!!恒星空間を漂流しているのは、シセラが逃した双子(コピー)じゃないかな?違うかな?違うかも。シセラが好きすぎて‥。

 

それ(ドローン)は本当に孤独だった。心の底から、恐怖を覚えるほどに孤独だった。

 

感想:そりゃあ、真っ暗闇の宇宙を一人で漂流してるんだものな‥。ところで、君は‥ドローンは、なんて言う名前なんだい?どこから来たんだい?

 

自らの動力系、センサー系、そして武器システムだったものの残骸をかき集めながら、機体内部で発覚しつつある荒涼たる有様に愕然としていた。

 

ドローンは奇妙な感覚に陥っていた。自分が何者であるかは分かっている。探求船『ピース・メイクス・プレンティ(平和は豊穣をもたらす)』号によって製造されたD4型軍用ドローン、「シセラ・イセリウス 1/2」。

 

感想:ほほう。シセラじゃないの・・?

 

天体観測クランに属し、「ゼテティック・エレンチ」の第5艦隊の一翼を担う存在だ。

 

感想:ほーう。カルチャーのドローンじゃないのか。ゼテティックとは何者ゆえ?

 

しかし、そのリアルタイムの記憶は、どこかも分からぬ空間の真ん中で、手ひどく叩きのめされた状態で目覚めたまさにその瞬間からしか存在しなかった。

 

感想:シセライセリウムには、記憶がないのか。

 

何という惨状だ! 一体誰がこんなことをした? 自分に何が起きたんだ? 記憶はどこへ行った? 自分のマインド・ステート(精神状態データ)はどこにある?

 

感想:マインドステートとは、マインド(AI)にとって脳みたいな部位やな。

 

実のところ、察しはついていた。

 

感想:察しはついているんかい。何や、そのノリは。

 

現在、それは5段階ある精神モードの中位、第3段階である「電子レベル」で駆動していた。その下層にはアトメカニカル(原子機械)複合体があり、さらにその下にはバイオケミカル(生化学)脳が存在する。理論上はどちらへのルートも開かれているはずだったが、現実には双方が深刻なダメージを受けていた。

 

感想:君はたぶん、話の流れ的にも、シセラが宇宙に逃がした双子(コピー)だよね?だとしたら、シセラのプラズマレーダーを至近距離から撃たれたことによる障害じゃないかな。

 

アトメカニカル精神はシステム状態の信号に正しく応答せず、生化学脳に至っては完全にドロドロのスープと化していた。このドローンが最近になって超猛烈な機動を行ったか、あるいは何かに激しくぶちのめされたかのどちらかだ。

 

今すぐその生化学ユニットを宇宙空間に投棄してしまいたい気分だったが、最終バックアップ用の精神基質が溶けたこの細胞スープも、何かの役に立つかもしれないと分かっていた。

 

感想:漂流中は何でも役に立つ可能性大説。余談だが、海に漂流して生還した人はカツオドリの毛をむしって食べたり、ウミガメ甲羅を剥がしての血も飲んでいた、から助かった。

 

そして上層、本来なら今まさにそこにいるべき場所には、フォトニック(光子)核、さらにはその先にある「真のAIコア」へと続く、一対の極めて太い導管があるはずだった。

 

だがその両方とも完全に遮断されており、比喩的に言えば警告信号のパッチで埋め尽くされていた。フォトニック管の隣にある、たった一つだけ点灯したインジケーターは、内部で何らかの活動が行われていることを示していた。AIコアが死んでいるのか、空っぽなのか、あるいは単に沈黙しているだけなのかは分からない。

 

感想:相棒(シセラ)の記憶はないだろうな。

 

ドローンはもう一度システム制御チェックを行った。残された数少ない機能を見る限り、自分がこの機体全体の指揮権を握っているようだった。センサーと武器システムの劣化が「本物」なのかどうか、それは疑わしかった。

 

もしかしたらこれは幻影で、実際にはそれらのユニットは完璧に動作しており、より上位の精神コンポーネントのどちらか(あるいは両方)の制御下にあるのではないか? ユニットのプログラミングをさらに深く掘り下げてみた。いや、その可能性はなさそうだ。

 

感想:わたしはここにいる・・・

 

この状況全体がシミュレーションでない限りは。

だが、その可能性はあった。これは試験なのだ。「もし君が突如、恒星間空間を一人で漂流していることに気づき、ほぼすべてのシステムが深刻に破壊され、レベル3の精神状態にまで格下げされ、救助の兆候もなく、自分がなぜここにいるのか、何が起きたのかの記憶もないとしたら、どう行動するか?」

 

感想:あはあは。2026年なら間違いなく宇宙漂流による恐怖を覚えるが、君の時代ではそれさえもシュミレーションの一環として考えられてしまうよな。

 

いかにもドローンの訓練・選抜委員会が考え出しそうな、極めて意地の悪い最低最悪のシミュレーション問題に思えた。

 

感想:まろまろ。こうしていろんな経験を経て、ドローンの人格は形成されていくのでしょうか。何かを自分で成すという既成事実はドローン魂を強くさせるのかもしれませぬ。

 

まあ、それを確かめる術はない。今はすべてが現実であるとして行動するしかなかった。

 

自らのマインド・ステートの内部を調べ続けた。おや、ビンゴだ。

電子精神の内部に、潜在的に(おそらく違うだろうが)危険であるとして封印され、ラベルが貼られた未開封のサブコアがいくつか無傷で残っていた。

 

自己修復制御ルーチンのマトリクスにも、同様の警告が添付されていた。

ドローンは、それらには今のところ手を触れないでおくことにした。

 

下手にパッケージを開けて中に厄介なサプライズが入っているかもしれないリスクを冒す前に、まずは確認できる他のすべてをチェックすべきだった。

 

感想:冷静沈着。わたしも見習いたいですな。

 

一体ここはどこの地獄だ?

 

感想:ぐはぐは(興奮)どこの地獄だ?って、地獄だと認知している君が愛おしいよ。

 

 天体をスキャンした。数値のマトリクスが意識の中に明滅する。間違いなく、世界の果てだ。この一般的な宇宙領域は、大方の人々から「アッパー・リーフ=スワール(上部葉状渦領域)」と呼ばれており、銀河中心から4万5000光年離れていた。

 

感想:ほうほう。君が漂流している場所は・・世界の果て・・つまり・・4誰からも必要とされていない見捨てられた場所ということかい?まさに流刑って感じだね。

 

最も近い恒星・・14標準光月(光年未満の単位)離れた場所にある・・は「エスペリ」と呼ばれ、内惑星のすべてをとうの昔に飲み込み尽くした古い赤色巨星だった。その実体の希薄なガス球は今、遥か遠くにあるいくつかの氷の領域と、彗星核の未開の雲を鈍く照らしているだけだった。生命の気配はどこにもない。他にある1億個のシステムと同じ、退屈で不毛な星系にすぎない。

 

感想:うーん。でもさ、君は気絶というか、一体どれくらい意識がなかったんだろう?シセラが君を宇宙に逃がしたのはいつだろう?たった数日前だとするならば、数日でこんな誰も寄り付かない辺境の地まで漂流できるものだろうか。つまり、シセラと君が乗っていた船は、この辺境の地にいた・・ってこと??

 

この領域は、銀河系の中でも訪問者が極めて少なく、比較的居住者のいない過疎地域の一つだった。最寄りの主要な文明拠点は、40光年離れた「サグレス星系」で、そこには10年前にカルチャーが最初のファーストコンタクトを完了した、ステージ3のトカゲ型(リザードイド)文明が存在する。

 

感想:ファーストコンタクト・・新しいもの好きには堪らない言葉だz・・しかも、ステージ3のトカゲってなんやねん・・3・・・。

 

これといって特別なものはない。この領域における各勢力の影響力/関心度の比率は、クリーヒージルが15%、アフロントが10%、カルチャーが5%(これはカルチャーが通常主張する最低ラインであり、カルチャーにおける背景放射のような影響力の等価物だ)、そして他の20の文明による名目上の2%に満たない調査やフライバイ(通過調査)の痕跡があるだけだった。

 

感想:ふーん。未来になっても領土(資源)を争うのかい?もう飽きたよ。

 

要するに、誰も本気で興味を持たない、3分の2は忘れ去られ、無視された宇宙の盲点だった。エレンチによって直接調査されたことは一度もないが、遠方からのディープスペース・リモートスキャンによる通常のデータは存在し、そこにも特筆すべきものは何も映っていなかった。手がかりは皆無だ。

 

感想:まあ、銀河のどの主要文明からも見捨てられた退屈な過疎領域ってことね!ファウンデーションでいうターミナスみたいな?まだ途中までしか読んでないから読まなきゃ。

 

日付は、エレンチが今なおカルチャーと共有している年代測定法によれば「n4.28.803」。ドローンのサービスログの要約によれば、この機体は『ピース・メイクス・プレンティ』号の建造が完了した直後の「n4.13」に、対となる一対(ペア)の片割れとして製造されたと記録されていた。最も新しい記録のエントリーは以下の通り。

 

『28.725.500:本船は、アッパー・リーフ=スワールの外縁部における標準的な一斉捜索のため、ティアー居住区(ハビタット)を出港する』

詳細なサービスログは消失していた。ライブラリの中でドローンが見つけられた最後のフラグ付きの出来事は、「'28.802」の日付がある、日次の時事アーカイブの更新だった。ということは、この惨状が起きたのはほんの「昨日」のことなのだろうか、それともシステムクロックそのものが狂わされているのだろうか?

 

感想:なにぬぅ?昨日??うーん、こんな場所で何をやっているんだ?過疎領域でやることと言ったら誰にも邪魔されずに、何か軍事的陰謀か衝突と考えてしまいますなあ。はふはふ。君も関わっていたのかもしれぬぞ。

 

損傷レポートを精査し、記憶を検索した。ダメージのプロファイル(輪郭)は「プラズマ火器」によって引き起こされるものと一致していた。明確な照射パターンがないことから、遥か彼方で起きた超巨大なプラズマ爆発の余波か、あるいはもっと至近距離で発生した(おそらく核融合を動力源とする)プラズマ火器が何らかの方法で緩衝・拡散されたかのどちらかだ。

 

最も可能性が高いのは、至近距離での「プラズマの爆縮(インプロージョン)」だった。自分自身で引き起こせるようなものではない。だが、親船(ピース・メイクス・プレンティ号)なら可能だ。

 

このドローン自身のX線レーザーも最近発射された形跡があり、フィールド・シールドのプロジェクターは、漏れ出てきたダメージをいくつか吸収していた。

 

それは、「自分と全く同じ性能を持つ何か(同型機)」から攻撃を受けた場合に発生するであろう状況と完全に一致していた。ふーむ。一対のペアの片割れ、か。

 

感想:もうひとりのドローン(シセラ)が君を助けたんや。

 

ドローンは思考し、検索した。しかし、自らの双子の片割れに関するこれ以上の言及は、どこにも見つけることができなかった。

 

感想:残念ながら、その双子の片割れの半分は君の中にあり、もう半分は敵の手中に落ちているのだ。現段階では、君よりも片割れのシセラが好きだ。

 

それは自身の漂流の軌道を測定し、探索しながら、周囲を見渡した。

機体は秒速約280キロメートルで、エスペリ星系からほぼ真っ直ぐ遠ざかる方向へと漂流していた。前方・・損傷したセンサーの全能力を集中させて前方を見つめる・・には、何もなかった。何かの標的に向かって進んでいるようには見えなかった。

 

秒速280キロメートル。完璧な計測器さえあれば、この質量の物体が時空の表面に「相対論的な痕跡」を残し始める理論的限界の、ちょうど真下の速度だった。

 

感想:ああー、そりゃあ計算されてのことでしょう。(全然関係ないけど、モツ煮食べ過ぎた)

 

さて、これは偶然だろうか、それとも違うのだろうか? もし偶然でないなら、何らかの理由で船から放り出された・・おそらく「変位(転送)」されたのかもしれない。ドローンは感覚を後方へと集中させた。明らかな出発点の痕跡はなく、後ろから追ってくるものも何もなかった。だが、微かに「何か」の気配があった。

 

感想:そういう気配って当たるよな。追ってくるとしたら、片割れを捕まえた敵じゃなのかい。(全然関係ないけど、食べ過ぎるとメンタル落ちるよね)

 

ドローンは、絶望的なほど劣悪になったセンサー群に毒づきながら、再び意識を後方へと集中させた。背後に見出されたのは・・ガス、プラズマ、そして炭素。フォーカスの円錐をさらに押し広げる。

 

それが発見したのは、急激に膨張しつつある残骸の殻だった。それらはドローン自身の10分の1の速度で、その後ろを追うように漂流していた。残骸シェルの膨張プロセスを逆再生してみる。

 

感想:そんなこともできるのか、すげーな。

 

それは、1853ミリ秒前、ドローンが最初に目覚めた位置から40キロメートル後方の地点を起点としていた。ということは、自身がほぼ半秒間(約500ミリ秒)、完全に意識不明のまま漂流していたことを意味していた。恐ろしい話だ。

 

感想:かわいい・・

 

膨張する微粒子の遥かな殻をスキャンする。それらはかつて高熱を帯びていた。乱雑だ。あれは紛れもない「残骸」だ。戦闘による残骸とさえ言える。

 

感想:その戦闘に自分も関与していると考えるのが普通説。

 

検出された炭素とイオンは、元々はドローン自身の一部だったのか、あるいは親船の一部、ひょっとすると人間の肉体の一部だったのかもしれない。窒素と二酸化炭素の分子がいくつか。酸素は皆無。

 

しかし、そのすべてが、ドローン自身の速度のわずか10%しか出ていないというのは奇妙だった。まるで、物質の突発的な出現(爆発)の際、自分だけが何らかの優先権を与えられて弾き出されたかのようだ。やはり、自分が「変位転送)」されたのではないか、と思わせる兆候だった。

 

ドローンは注意の一部を、再び機体内層へ、あの警告札のついた精神基質内の封印されたコアへと向けた。

 

感想:もう見ちゃおう。ここまで考えるのに、まあまあな時間を要した。見よう。

 

これ以上、こいつを先延ばしにするわけにはいかないな、とそれ(ドローン)は思った。

 

ふたつのコアを呼び出す。最初のコアには『過去(PAST)』というラベルが貼られていた。もうひとつのコアは、単に『2/2』とだけ呼ばれていた。

なるほどな、とそれ(ドローン)は思った。

 

感想:君の名前は、1/2だったよね。

 

それは最初のコアを開き、自らの「記憶」を見出した。

 

ジェナール=ホフォエンはシャワーカプセルの中に浮かび、あらゆる方向から叩きつけられる水流に揉まれていた。AG(反重力)シャワー室から水を吸引して戻すファンの音が、今朝はやけにうるさく響く。

 

感想:あああー残念無念。せっかく、ドローンのおもしろいシーンだったのに人間に戻ってしまった・・

 

脳の一部が、酸素が不足しつつあるぞと告げていた。シャワー室から出るか、あるいは、おそらく一番触りたくないような場所にあるであろうエアホースを模索して掴むか、そのどちらかだ。あるいは、ただ目を開ければ済む話でもあった。だが、そのどれもがあまりに面倒くさいことに思えた。彼は今のポジションが実に快適だったのだ。

 

感想:ふう。テンプレ男のポジションなどよろしくてよ。

 

彼は、どれが最初に限界を迎えるかを見極めようと待った。

最初に屈したのは、自分が窒息しかけているという事実に対する、脳の無関心さ(危機感のなさ)だった。突如として完全に目が覚め、彼は溺れかけた未改造の「原種人間(ベーシック・ヒューマン)」のように手足をバタバタと悶えさせた。

 

感想:わたしはまだベーシックヒューマン。いいね、ミートファッカー同様にベーシックヒューマンもいいね。いい言葉はすぐに覚える。

 

息を吸いたくてたまらないが、自分がその中に浮かんでいる無数の水滴の星座を吸い込んでしまうのが怖かった。彼の目は見開かれた。エアホースが視界に入り、それをひっ掴んだ。彼は息を吸い込んだ。クソ、眩しすぎる。彼の目が自動的に視界の明度を落とした。これでマシになった。

 

もう十分にシャワーは浴びた、と彼は感じた。エアホースのマスクに向かって数回「切れ、切れ(Off, off)」と呟いたが、水は一向に止まらなかった。

 

そこで彼は、昨夜「これ以上の通信は一切受け付けるな」とスーツに命じたせいで、現在モジュール(自宅AI)が自分と口をきいてくれない状態であるということを思い出した。明らかに、そのような不責任な態度に対する罰として、モジュールは子供じみた嫌がらせをしているのだ。彼はため息をついた。

 

感想:ええ、かわいすぎる・・・。なんて愛しいモジュールなんだ。私の家にもモジュールAIが欲しいよ。まあ、そういう環境になったら間違いなく、人と会わなくなるな、本当に信頼している人間を覗いて。ホフォエンに人間の友達っているのかな。

 

幸いなことに、シャワーには物理的な「停止ボタン」があった。

 

感想:いつになっても、アナログの重要性を知る。なんなら、人間の快楽であるコロッセオもアナログ。アフロント人みたいな種族って一周回って賢い説。

 

水流が遮断された。重力がカプセル内へと穏やかに戻され、彼は沈みゆく水滴の塊とともにゆっくりと底へ降りていった。反転フィールド(姿見の鏡)がカプセル内でカチリと起動し、彼は最後の水が吸い込まれて排水されていく間、鏡に映る自分の姿を眺めた。

 

腹を引っ込め、顎を突き出し、自分の顔が最も美しく見える角度へと首をひねりながら、金髪の縮れ毛の反逆児めいた乱れをいくつか撫でつけて整えた。

 

感想:容姿って気にするの?ホフォエンよ。2026の今は、人間の年齢がよくわからなくなってきたよ。80歳で人間力の高い人もいれば80年生きてもダメな人もいるし、20歳で人間力の高い人もいる。年齢より経験というか、先ほど申した自身で成し遂げた既成事実の積み重ね、みたいなので人間力が形成されそう。つまり、年齢よりも人間力(やさしさ)。ホフォエンの時代ではどうなのだろう。

 

「まあ、気分は最悪(クソ)だが、見た目は相変わらず最高だな」

彼は特に誰に向けてでもなく宣言した。今回ばかりは、おそらくモジュールすら聞き耳を立てていなかった。

 

感想:きゃはきゃは。そうか、ホフォエンの時代でも容姿は重要なのか。君は米英SFに登場するテンプレ通りに孤独を愛して好きになるつまらん男設定として著者が描いている。

 

『スケジュールを急がせてしまってすまないね』と、叔父のティシュリンの精巧な再現映像(シミュレーション)が言った。

 

感想:(叔父さん、まだいたの?)

 

「いーんですよ」ホフォエンは、フェイル(アフロントの家畜)のステーキを口いっぱいに頬張りながら言った。彼はそれを、モジュールが温め直してくれたハーブの浸出液で流し込んだ。

 

モジュールはいつも、睡眠不足の時にはこれが効果的だと彼に保証していた。それは本物の良薬であるか、あるいは単にモジュールのささやかな悪意のジョークであるかのどちらかだと思えるほど、十分に不味い味がした。

 

感想:ほんま、モジュールが欲しい。

 

『よく眠れたかい?』叔父の映像が尋ねた。その男は、モジュールのダイニングルームでホフォエンの向かいの席に座っているようだった。そこは磁器や花々に彩られた心地よく広々とした空間で、三方には陽光に照らされた山の谷の景色が、まるでリアルタイムの実景のように誇らしげに映し出されていた。もっとも、現実のその谷は、ここから銀河を半分ほど隔てた遥か彼方に位置しているのだが。男の後ろの壁際では、小さな給仕用ドローンがホバリングしていた。

 

感想:やっぱり、オプティマスよりも小型ドローンの方がいいな。浮いててかわいいし。まあでもそうね、月にAIデータセンターを作ったりと、労働はオプティマスじゃないとね。私が生きている間にホフォエンのように、高精度なモジュールや小型ドローンと暮らせるのだろうか。今の妄想でも十分に楽しいけど、もっと欲しい。

 

「たっぷり2時間はね」とホフォエンは言った。昨夜、叔父のホログラムが自分を待っているのを発見した時点で、そのまま起きておくこともできたはずだ、と彼は思った。腺から分泌物を注入して頭をシャキッとさせ、覚醒状態を維持して受容力を高め、その場ですべての用件を終わらせることも可能だった。

 

感想:何度も言うが、カルチャーの人間は脱から思考力を高める薬物を投与する。

 

だが、そんなことをすれば最終的に自分がそのツケを払う(疲弊する)ことになる。

 

感想:やっぱり負担はかかるのか。致死量というか、そういうの知りたい。

 

何より、彼らがわざわざ彼のお気に入りの叔父を説得して、意味信号・精神抽象状態、あるいはモジュールが呼んだ通りの、あのふざけた技術用語の何か・・を記録させたからといって、彼らが命令した瞬間に自分がホイホイと飛び起きるわけではないのだということを、上層部に示してやりたかった。

 

感想:あ、これ本物の叔父なの?カルチャーが仕組んだ偽物叔父だと思ってたわ。物語を進めたいから、はよ任務を受けたまえ。ふう、いろんな人から説得されるのを心どこかで喜んでいる節もあるのだろうよ?ホフォエンよ。

 

彼がその緊急性に対して見せた唯一の妥協は、意図的に「夢を見ない」ようにしたことくらいだった。現在、彼はいくつかの強力で満足度の高いセックスを含む、非常に素晴らしい夢のシナリオ一式をいつでもアクセスできるように設定しており、そのどれかを体験し損ねるだけでも、明確な「犠牲」を払ったと言えた。

 

感想:俺はせっくす夢を犠牲にしているんだから、待たせておけよ。というホフォエンの人間性。読者はこういうキャラクターをみて小説をつまらないと評価するかもしれません。しかし、私の知る限りでは、米英SFにはよくこのような男が登場します。桃太郎伝説でいう桃みたいなものです。

 

だから彼はベッドに入り、まだ十分とは言えないまでも、かなり上質な睡眠をとった。ティシュリン叔父さんのメッセージは、ホフォエンが起きるまでの間、モジュールのAIコアの中で、その抽象的な意味論の指を所在なげに弄びながらただ待つしかなかったのだ。

 

感想:せっくすって相手を見つけるのもめんどうだし、相手との相性も云々だし、夢の中で・・っていいよね。妊娠もしなければシーツも汚れないし、何よりも人間なら誰でもある欲望を開放できるんだからさ。生身の人間相手だとそうはいかない。。人間の欲望を知ってる奴ならわかるだろう?

 

これまでのところ、彼らが交わした会話といえば、いくつかの世間話と少しの昔話だけだった。当然、それはホフォエンにとって、この幻影が本当に叔父から送られた本物であること、そしてSC(特別事情部)が「彼らの望む何であれ」を彼に承諾させるために、1つだけでなく2つものパーソナリティ状態を送り届けてくるという、途方もない敬意(あるいは執念)を払ってきたのだということを、自分自身で納得させるためのプロセスでもあった(もしこのホログラムが、SCによって完璧に偽造された見事な贋作なのだとしたら、それこそさらに大きな敬意と言えるが・・その考え方はパラノイアの領域だ)。

 

感想:あ、読者のみんなごめんよ、叔父は本物らしい。ガチ叔父だった。(わたしはカルチャー推し・・だもん)

 

『良い夜を過ごしたようだな、ビル』とティシュリンのシミュレーションが言った。

 

「もの凄く楽しかったですよ!」

ティシュリンは当惑したように見えた。ホフォエンは叔父の顔に浮かんだその表情を観察しながら、モジュールのAIコアの中に現在エンコードされ、生きている・・そういう見方をしたいのであればだが・・叔父のパーソナリティの複製が、一体どれほど包括的なものなのかを考えていた。

 

感想:これは、甥っ子に「いい夜だったね」と聞いたら「もの凄く楽しかったよ(せっくす夢を楽しんだよ)」という返答に、叔父が本気で困惑している・・ことに、叔父なのか?複製ならすげーな・・って描写でしょう・・

 

特別事情部に協力するよう彼を説得するという明確な任務を帯びて、暗号化されてここに送られてきた「それ」は、実際に何かを『感じて』いるのだろうか? それとも、ただ感じているように振る舞っているだけなのだろうか?

 

感想:ホフォエンはもう叔父のことを「それ」と言っていますな。まだ本物の4叔父かどうか疑っているのか・・。読者のみなさま、もうこのホログラムが叔父かどうか私にもわかりません。

 

クソ、俺は相当参っているな、とホフォエンは思った。大学を出て以来、そんな小難しい哲学(クソ)に頭を悩ませたことなんてなかったのに。

 

感想:まあ、この小説はいつ発行されたのかな?1970年代とか?この時代に大学はないだろうよ。2026だってもうすでに、大学は趣味領域だからな。学ぶことは趣味。

 

『・・異星人(エイリアン)どもと、一体どうやったら「もの凄く楽しく」過ごせるというんだ?』ホログラムは眉をひそめながら尋ねた。

 

感想:あ、ごめん。夜は楽しかったかい?は、せっくすじゃなくて、アフロント人との夜会のことだったみたい。わたしのばかぁぁぁぁあ

 

「心構えですよ」ホフォエンは謎めいた調子で言い、ステーキをさらに一切れ切り分けた。

 

感想:ステーキか・・そんな消化の悪い食い物を食べているのか・・。AIを日常的に使うようになると、生活もミニマル化っぽくなるんだよね。それは人間関係も含まれる。ゆえに、食事も楽しむものではなくて健康に必要な栄養を摂取するため。おいしさや楽しさは求めていない。高栄養ドリンクとかいいよね。でもさ、まだ人間に必要な栄養素ってそんなに知られてないらしいよ。その辺もはやく解明されるといいよね。

 

『だが、奴らとは一緒に飲むことも、食べることも、まともに触れ合うこともできないし、同じものを欲することさえできないだろう!』ティシュリンは依然として顔をしかめたまま言った。

 

感想:まあ、アフロント人は人間の食事をこんなドロドロ汚いものを・・みたいな感じで言うからね。同じものを食べると交流を深める・・とか、なんだ?ともにお酒を飲めば仲間になれる、みたいな洗脳君だよ、それ。叔父さん、未来人なのに古いよ。

 

 

 

 

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